ある山に一匹の狼...[NL]

お、起きた...?
(相手の毛並みの感触に病みつきになっていればいつの間にか目を覚ましていたようで、狼なので襲われでもしないだろうかと疑いながら少し距離をとって

(わかりましたおやすみなさいませ〜

ガウッ、……
（初めて間近で見る人間に瞳を輝かせ、先程まで気を失っていたとは思えないスムーズさで立ち上がると相手が離れた距離を一気に詰め、自身の鼻先が相手の鼻先に当たるのではないかというほど顔を近付けまじまじと観察し）


（/また明日からよろしくです！

うわ！？
(少し距離をとったというのに一瞬でその距離を詰められればそのスピードに驚かされて、こちらと相手の鼻先がくっつくんじゃないかという程近づけば「こ、こら近い」と相手の頭を撫でながら離そうとして

(おやすみなさいませー！

クゥン……
（目の前にいる生物は一体なんなのだろうと興味津々に眺めていれば頭を撫でられ初めての感覚に心地良さそうに喉をならし離そうとする相手の振舞いなど気にせずに顔を相手の肩に凭れかけ）


（/ただいま帰りました！

...
(相手の頭を一度撫でればその様子はまるで犬のような様子で、こちらの肩に顔を持たれさせる相手にどうやら襲うつもりはなさそうだなと判断すれば雨に打たれて体温も下がっているだろう。上着を脱げば相手と自分に被せて

(おかえりなさいですー

クゥ………
（上着の暖かみと相手の体温感じながら心地良さそうに息をしているといつの間にかウトウトし始めそのまま眠りについてしまい）


（/ご飯食べてました！朝になったら擬人化ということでどうですか？

可愛いやつ...
(どうやらこちらに身を預けたまま寝てしまった様子の相手を見れば苦笑しながら上記を述べて。相手を軽く抱擁すればこちらも寝ようかと壁に腰掛けながら目を閉じて

(はい、そんな感じでいいです！

……ん、………
（野生の本能そのままに明け方頃目を覚ませばまだ眠たそうに目をうっすらと開け相手の顔を見上げるも相手がまだ寝ていると分かると相手の上着にそのままくるまり再び眠りにつくがその姿は既に人間に尻尾と耳がついており上着だけを羽織っている状態で）


（/了解ですー。

...?
(安眠している途中、何やら自分の腕の中でもそもそと何かが動く感触がハッキリと伝わって来て。まだ完全に目は覚めてないもののうっすらと目を開ければそこには狼ではなくひとりの女の子がおり、「!!??」と声にならない声を出して

………ん？
（相手の動き感じれば眠りが浅かったこともあり目を擦りながら上半身を起こすと相手の上着辛うじて掛かっている状態で相手に話しかけ）
あ、おはよー……

おはよー...じゃなくて!
(こちらを見上げながらまだ眠そうにしてこちらに挨拶して来るとこちらも挨拶をというわけにはいかなくて。相手の体をよくよく見て見れば上着が方にかかっているくらいだ。急いで上着のジッパーを閉めて見えないようにして。

……あれ？会話できてる…？
すっごーい！！
（上着のジッパーを閉められれば野生の時は裸が当たり前だったため不思議そうに首を傾げるもそれよりも何よりも会話ができていることに目をぱちくりさせ驚き感動が込み上げてブカブカな上着をワンピースのように着ながら立ち上がり喜んで）

昨日の狼なんだよな...?
(相手が嬉しそうに上着を着ていると、相手の容姿を眺めれば昨日の狼と同じ金色の毛の尻尾と耳が見受けられ、上記のように問いかけて。

ん？
そうだよ？当たり前じゃん！
なんで……？
（会話をしている喜びから自身の姿が変わりしかも2本足で立っているなどということ全く気づかず、そう言われれば視点がいつもより高いと下を見下ろすと、自身の変わり果てた足で立っていると気付き目を見開き自身の足や手などをせわしなく確認し）
ええ！？
うっそ、え？なんで？
私どうなってるの！？

自分でもわかってないのか...
(どうやら相手の様子を見る限り、故意で人間になったわけではないらしく、上記を呟いて。「えーっと狼さん？昨日はなんであんなところに倒れてたの？」と群れで生活するはずの狼がなぜ一匹で倒れていたのか疑問に思って

えーっと確か、みんなで水飲み場に行く途中にスッゴク綺麗な青い蝶々見つけて追いかけてるうちに崖から転がり落ちて、気が付いたら……って感じかな？
（相手の疑問に思い出しながら答えれば再び自身の状態手で触って確かめ、耳や尻尾があることに気づくと）
そう言えば、君は尻尾とか耳とかないね。消せるの？

...
(なんとも阿呆らしい理由で行き倒れていた理由を話す相手に本当に呆れたようにしていて。耳と尻尾を触ってこちらに問いかけて来ると。「俺は人間、お前らみたいに耳や尻尾はないの」と言って

人間っていう生物なんだ！
じゃあ、折角だし私も人間になるっ
（相手の姿を見ると自分の姿がとても酷似していると簡単に察しがつき、他の生物になれるなんてと好奇心が勝り両手を握り締めて力を込めると耳と尻尾が消え）
よしっ！これで私も「人間」だね！

折角でなれるもんなのか！？
(相手が折角という言葉を口にしてなにやら体に力を込めれば今まで見受けられていた耳と尻尾が消えて、その様子に呆れて。これで自分も人間だと言い張る相手に「えーっと、狼さん？名前はあるのか？」と首を傾げて問いかけて

名前？
あ、そういえばないかも。
（相手の問いかけに一瞬考えを巡らせるも自身を呼ぶ呼称など今まで認識したことがないと思い至っては首を傾げ答え）
もしよければ、つけてくれない？