土佐人 2015-05-26 05:15:51 |
通報 |
「お帰りなさいませ」
服部がお茶を出してくれた。黛はそのお茶を飲み干すと、
「服部さん。すいませんが、窓を全部閉めてくださいますか?」とお願いした。
「御意」服部はすべての窓を閉め切った。
「ありがとうございます。今から少し大きな声を出します」
「どうぞ」
服部は耳をふさいだ。黛は大きく息を吸い込むと……。
「なんじゃそりゃあああああああーーーーーーー!」
と、街中に響き渡るほど声で絶叫した。
「お済みになられましたか?」
「はい、お騒がせしました」
黛は清々しい思いで、笑顔を見せた。
ノベライズ『リーガル・ハイ!』 chapter11 正義を勝ち取れ!「北風vs太陽」不当解雇裁判 本文黛真知子 服部さん より
幼なじみの瞳
小学校中学校と
ずっと同じクラスで 親友だった
なになに 今月のふたご座のラブ運は-----?
んん!?
「クラスの男子のあなたを見る目がかわって知らないうちにモテモテ」!?
「進路の話題がきっかけで親密になる男子が現れそう」……
ほっほう…… このクラスにそんな骨のある男子がいるかしら…?
いねェっす……
瞳…あんたなんで自分のではなく奈々の星座からチェックするかね…
奈々〜男はみなオオカミなのよ〜!?奈々を一番愛してるのは私なんだから〜
はいはい
な…なあ…
お前らってさあ…
やっぱ…
そうなわけ?
…… うふふ
下衆な男どもにはわからないでしょうけど…
奈々は私が大切に育てているバラのつぼみなのよ…
愛情という名の肥料で…
いつか奈々が花ひらくその日まで…
奈々につく虫は すべて私が焼き払う!
それが私の使命!!
このぐれんの炎で!!
藤森って美人なのに なんでああなのかな……
奈々…あんた
一生 彼氏できないわよ…このままじゃ
いいの… あきらめてるから
なんて言ってはいたけど
本当は誇らしかった
だって瞳は
かわいくて 背も高くて 頭もよくて
きっと男子にだってもてるはずなのに…
いくつになっても 子供の時と同じ
私にべったりで…
だから… あたり前みたいに そう思ってた
高校もきっと 瞳は私と同じところに行くんだろうって
…思ってたのに…
森永みるく『くちびる ためいき さくらいろ』ともだちじゃなくても 小林奈々 藤森瞳 中学時代のクラスメートたち より
どうする
どうするったって全治6ヶ月じゃなあ・・・
ここは潔く全く別の仮面ライダーシリーズにして別の役者に変更するしかないだろう
ああ・・・だったら
主役の本郷 猛が
ショッカーに捕まって
再手術で整形されてしまうってのは?
駄目だ 駄目だ!!
藤岡君を 切っちゃいけない!
英雄(ヒーロー)は絶対に 死にはしないんだ!
英雄(ヒーロー)は・・・・
死なない・・・・
・・・・・・・・言うじゃねえか 泣き虫プロデューサー
英雄(ヒーロー)はね・・・
風のように現れて・・・・ 嵐のように戦って・・・・朝日と共に帰ってくるんだ
この時の平山のこだわりが 1号ライダー本郷猛の命を繋ぎ 2号ライダー一文字隼人を 誕生させることになる
そして 第40話 1号ライダーの復活と共に
ダブルライダー共演と奇跡を生み 視聴率30%を突破する大人気となる
漫画『仮面ライダーをつくった男たち』平山亨 内田有作 廣瀬隆一 他 より
バカヤロウ
今の立ち回り合ってねえだろ!
ヘタクソと絡むと 剣友会(ウチ)の者まで ケガしちまうんだよ
テメェ それでもアクションスターか!!
クソ・・・・ なんスか あの殺陣師
まったく・・・・ あの貫禄で24だもんな
にじゅうよん〜〜!?
俺といくつも 変わんねえじゅねぇか つうか下!
フフフ
なんでも彼は
弱冠21で殺陣師になったらしい
いくら若くても
殺陣師になるという事は
剣友会の看板を背負って 歩くという事だ
あのくらいの迫力がないと務まらないよ
ちっ・・・・
シ・・・
もういっちょう!
シッ・・
もういっちょお!
へェ・・・ 稽古来てんだ 荒木
櫻木以来じゃないスかね
今に見てろよ
あっ・・・ 見てねえ!
岡田のヤロぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
仮面ライダーストロンガー
第14話 伊香保ロケ
ゲ 高え〜〜〜〜
ロープウエー上で 城茂と怪人が戦うという 危険なシーンの撮影が行われた
オラ 荒木
俺が手握っといてやるから
いいのかよ 信じて
スタート!!
ぐ ううぅ
!! い・・・て
はい OK!!
後に荒木茂は語る・・・
剣友会は撮影に 命をかけている
・・・ゆえに強面なのだ
あの掌の痛みがあれば・・・・
命綱などいらなかった・・・と
このストロンガーを最後に
仮面ライダー第一期は
幕を閉じる
漫画『仮面ライダーをつくった男たち』第四話 受け継がれる魂 岡田勝 大野幸太郎 山田稔監督 荒木茂 より
グ・・・・ グウウウ
もう・・・・ 一歩も・・・・
立てい 一也!!
弁慶 玄海老師
弁慶!!!!!!
老師――――・・・・!!!!!!
見つけたぞ 沖一也!!
こっちだ!! なにをしている一也ああ!!
チィ 追え!!
させるか 一也には指一本 触れはさせんぞ!!
またまた〜〜
ナリを潜めるために ワザワザ山伏みたいな 格好までしたのに
ウルサイ!! これが黙っていられるか!!
うひ・・・・
エネルギー装置 異常ナシ
変身装置異常ナシ
殺せえええ!!
ギギ・・・
な・・・ なにっ・・・
浄化完了
メンテナンス 50パーセント
サイボーグS-1(スーパー1)
強制起動!!
やったぜ兄貴!!
苦労してチェックマシンを運び込んだ甲斐があったもんだ
おのれ・・・・
死に損ないめ!!
赤心小林拳!!
諸手打ち
兄貴!!
一也あ!!
おやっさん・・・・
チョロ・・・・
・・・・だったのか
ああ・・・・
この格好・・・・
・・・・
まさかお前
俺達をあの二人と
勘違いして・・・・
一也・・・
しっかりしろ
わかってますよ おやっさん
今 俺の師は あなたであり 友は チョロ お前なのだから
兄貴
漫画『新仮面ライダーSPIRITS』第14話 いづる獣 沖一也 谷源次郎 チョロ チェックマシン 他 より
新幹線の車窓の景色は流れるようだ。前夜の不行状が祟り、うとうととしてしまった。僕は、気がつくと隣の冷泉に寄りかかっていた。そのことに気がついたのは、耳元でぽつんとささやかれた言葉が聞こえたからだ。
「天馬先輩、ゆうべは本当に、私に何もしなかったですか」
僕は思わず身体を起こして冷泉を見る。
ツイン・シニョンの冷泉深雪は、生真面目な目で凝視していた。
何と答えればいいのだろう。ちょっと迷ったけれど、思い切って顔を上げた。
「正直に言う。実はちょっとだけ、した」
え?と目を丸くする冷泉深雪に、僕は一気に言う。
「酔い潰れたお前をベッドに運んだとき、はずみでキスした。でもそれだけだ」
冷泉深雪は目を見開いたまま、僕を見つめた。固まった空気が重く、息苦しい。
やがて冷泉深雪は、ぽつんと言った。
「はずみで、なんてひどいです」
それきり黙ってしまった冷泉の整った横顔を横目で見ながら、これなら悪し様に罵られた方がはるかにマシに思えた。しかも最悪なことに、その時僕は、心の中で冷泉に対し更なる裏切り、大いなる不実な行動を考えていた。
要するにその時の僕は最低のヤツだったわけだ。
それは今も、変わっていないんだけど。
海堂尊『輝天炎上』10章 浪速市監察医務院・鳥羽欽一院長 本文 天馬大吉 冷泉深雪 より
じゃあさ、作っちゃおうか 10号ライダー
ええっ!?
たとえテレビにならなくたっていいじゃない
ライダーは君たちの中にあるんだから
こうして漫画家の石ノ森章太郎によって
10号ライダーのデザイン画が作られた
この流れはその後も留まることもなく
講談社・徳間書店・秋田書店などによる特写(スチール)連載が決まり
着ぐるみが製作される
ネーミングも一般募集により「仮面ライダーZX」と命名
ライダーファンの根強い想いから誕生した
10号ライダーである
取れたよお!!
スペシャル一本だけど ついに取れたよ 菅田クン!
平山さん 泣き虫ッスね
俺まで 泣いちゃいますよ
そして・・・・
ついに3年後
1984年
「10号誕生!仮面ライダー全員集合!!」
毎日放送による正月特番が実現する
どした 城谷 元気ないな
中屋敷さん!!
だって・・・・
岡田さんが・・・・
俺に今日シン(主役)やれって・・・・
岡田め・・・・
ムリッスよ俺・・・・
だいたいミスター・仮面ライダーの中屋敷さんを差しおいて・・・・
ミスター・・・・って お前・・・・
あのなあ 城谷
仮面ライダーは俺だけの勲章じゃないよ
・・・・え?
いたんだぜ 今まで
スゲエ ヤツらが・・・さ
まずはライダー1号 2号なんて俺がやったわけじゃない 演ったのはちょこちょこさ
見得切り 色気 美学を追求した 文弥さんのライダー
剛に一番雰囲気近かったのは飯塚さん 水場の立ち回りは瀬島
強気で剣殺陣好きの岡田ライダー
新1なんて 色んなやつが演ったけど 極めたのは大杉だよな
あと南紀ロケの新2は千代田と佐藤巧
V3・ストロンガーは
俺が一番演ったけど
でもありゃあ頭の手柄だな 俺は言いなりだったし
ライダーマン・Xなんて入れ替わり立ち替わりだから 色んな個性があった
アマゾンは ダントツ新堀だな
トランポリンは 最初 J・A・C(ジャック)がやってたけど すぐにウチの甘利が跳んで佐藤・湯川・上田が受け継いだ
あとライダーといえばバイクスタント
初めのオープニングは室町 1号2号は大橋 あと熊沢・荻前・矢沢
あいつらははずせない
俺が胸はって言えんのは
スカイとスーパー1さ
ありゃあ 岡田とツーカーでバリバリだった
そうそう俺が怪我した時は橋本が代役やってくれた
ライダーだけじゃない
怪人といえば 滑川・河原崎・上田
それに
シンを生かしてくれるのは 戦闘員の連中
まあ 要するにだ
仮面ライダーは
みんなで創った
勲章は誰にでもあって
誰のもんでもない
あとな 上田の話 知ってるか?
え・・・・ いえ
あいつアマゾンの頃 後楽園やっててさ 戦闘員ばっかやってたわけ
したらさ
おい上田 お前 今日シンやってみろ
あん時まだ 親父さんは知らなかったんだけどさ
あいつ近いうち田舎帰って体育の教師やる予定だったんだよ
!!・・・・
・・・・で
演っちまったわけ
ワアアア アア
ゴメン・・・
ほんま ほんまにゴメン!!
このまま体育教師になっても生徒に教えるもも悪(わる)ないよ
悪うないけど
この仕事やったら
全国の・・・・ 日本中の子供たちに 何かを教えてやれる気がするんや!!
バカだろ あいつ
だからよ・・・・
お前もバカになっちまいな
知ってるぜ
悪かったな じいさんの葬式のゴタゴタの中
休まないで来てくれたんだろ
ホントあいつ不器用だから
城谷ーーーーっ!!おせーぞ バカヤローー!!
はい!! スンマセン!!
漫画『仮面ライダーをつくった男たち』第四話 受け継がれる魂 城谷光俊 中屋敷鉄也 大野幸太郎 上田弘司 菅田俊 平山亨 石ノ森章太郎 より
「もちろんその通りだし、世界は概ねそんな風になってるらしい。僕にとってサイアクの事態が今の、真実がふたつあるという状況だ。まあサイアクといってもその程度なんだけど」
こともなげに言う彦根先生の顔を、僕たちは黙って見つめるしかなかった。
やがて冷泉は、思い切った口調で尋ねる。
「どうして彦根先生は、そんな風に達観していられるんですか?」
すると彦根先生は、眼を細めて笑う。
「それが現実だからさ。現実に向かって物事を変えようとするよりも、現実に即して動いた方が効率がいい。これは学生時代に会得した、合気道の極意なんだけどね
すると冷泉は眼を見開いて尋ね返す。
「え?彦根先生も合気道部だったんですか?」
次の瞬間、怒濤のような冷泉深雪の言葉が飛び出してくるぞ、と僕は身構えた。ところが意外にも、冷泉は無言だった。ただ、彦根先生を凝視し続けていた。その時、僕は初めて、無言というのは最高の賛辞なのだということを思い知らされたのだった。
海堂尊『輝天炎上』11章 房総救命救急センター・彦根新吾医長 本文 天馬大吉 冷泉深雪 彦根新吾 より
帰りの電車の車中で、冷泉が言った。
「私、思い違いをしてました。麻雀みたいなギャンブルに嵌(はま)る人って、意思薄弱のロクデナシだと思っていたんですけど、そうじゃない人もいるんですね」
あ、いや、お前の最初の印象は結構正しいと思うんだけど……。
「何で急に心変わりしたんだ?」
僕が尋ね返すと冷泉はうつむいてもじもじしながら答える。
「だって、天馬先輩と清川教授がこの間言っていた『すずめ四天王』って、すごい先生たちばかりなんですもの」
正確に言えば、直接お目に掛かったのは、島津先生と彦根先生という、すずめ四天王の半分なんだけど、何だか自分が褒められたみたいな気がして、誇らしくなる。
海堂尊『輝天炎上』11章 房総救命救急センター・彦根新吾医長 本文 天馬大吉 冷泉深雪 より
「ねぇ、真魚ちゃん、もし過去を思い出して、おれが凶悪な犯罪者だったりしたらどうする?」
翔一は菜園で作業を続けながら真魚に尋ねた。もちろん本気ではない。なんとなくの冗談に近い質問だった。
ホウレンソウを眺めていた真魚は翔一を見上げた。
「意外と大金持ちのおぼっちゃまかもしれないよ。そしたら結婚してあげる」
「う〜〜ん、結婚はけっこんです」
『結構』とかけたダジャレだった。
ムッとして真魚は立ち上がった。
「つまらない……って、いつもつまらないけど、いちばんつまらない」
そう言い残して家の中に姿を消した。
けっこんいいダジャレだと思ったんだけどなぁ……。
翔一は懲りずに『結構』とかけて一人笑った。
岡村直宏『仮面ライダーアギト』第一章 本文 津上翔一 風谷真魚 より
悪かったな デッドライオン 無様だが まだ生きてるぜ
つうかよ まだまだ死ぬわけに いかねえだろ
ブラックサタンの害虫駆除は 俺専門の仕事なんだからよう
ぬかせえぇ
!!
あれは・・・・
電撃の中に・・・・
タックルが・・・・
変身
!! ・・・・スパーク・・・・・
STRONGERRR
・・・・残像・・・・か・・・・?
!! しまった 来るぞ!!
天が呼ぶ 地が呼ぶ・・・・ 人が呼ぶ
悪を倒せと 俺を呼ぶ
俺は正義の戦士
仮面ライダーストロンガー
チ・・・・チィ
調子に乗りやがって
オヤッさん ピラミッドへ回り込んでください
何をする気だ
そいつは茂に聞いてください
!! タイタンこっちだ!!
ヌウ・・・・まだまだ
なんだ・・・・ 真っすぐだと つまらん小細工を・・・・
タイタン ストロンガーを先にやれ
グ・・ ウウ・・
今だ
・・・・・・タイ・・・・タン
この力・・・ カブトローがいただくぜ
・・・・へっ
周りが止まって見えやがる
チ・・・チィ
う・・・・おおおお
いけえ 茂!!
おお 五郎!!
!!
STRONGERRRRR
う・・・・わあ
茂ー!!
あいつは病み上がりなんだぞ タイタンの火力に巻き込まれたら・・・・
!!!
無事か・・・・
? なんだ? まだ戦っとるのか?
大人しく 姿くらましてりゃいいものをよ・・・・
キサマ・・・・
ヒ・・・ヒイィ
まてコラぁ
バダン デルザー ブラックサタン なんでもこいや 一匹残らずぶっ潰してやる
回復しすぎだ まったく
いつまで続ける気だ
・・・さあ・・・
そけは茂(あいつ)のこだわりでしょう
こだわり?
ええ
天に召された女と・・・・ 大地に眠った男の分まで 悪を倒せと・・・・
漫画『仮面ライダーSPIRITS』16巻 第43話 正義の戦士 城茂 風見志郎 立花藤兵衛 岬ユリ子 沼田五郎 デッドライオン より
世界中に宣戦をつけ アメリカの主だった 空軍基地を襲撃した 未確認破壊組織 「BADAN(バダン)」
ノーラッド襲撃より 20時間経った今も ロシア 中国 NATO諸国 中東 中央アジア 各国の軍事拠点に猛威をふるい続けています
もはや被害の確認はおろか 救援すらできない状況です!!
おそらく世界中で 数千人におよぶ 死傷者が予想され・・・・
クゥ・・・・ クソォォ どうすりゃいいんだよ!!
バダン・・・・ なにもんだよ 奴らの目的は いったい・・・・
世界・・・・征服
滝和也・・・・
君が幾度も戦ってきた言葉だ
人ならば 決して屈してはならない言葉だ
だがな 結城さんよお!! けたがちがうぜ!!
奴らはたった20時間で世界中の軍隊をぶっつぶしちまったんだぞ!!
確かに人間には爪も牙もない 武器を奪われた今 弱者になるしかないのかもしれない
だが中には・・・・
その体に 爪を 牙を 与えられた者もいる
私たちのように
漫画『仮面ライダーSPIRITS』4巻 第三話 暗闇 滝和也 結城丈二 アナウンサー より
田口先生は僕を見つめいたが、静かに僕の肩に手を置いた。
「天馬君、君は正しい。私は医者としては失格かもしれない」
そう言い残し、田口先生は静かに部屋を出て行った。僕は机に突っ伏した。
(略)
看護師が近寄ってきた。美智の担当でベッドサイド・ラーニングの時にたいそう世話になった人、さっきも美智の傍らで、的確な指示を出し続けてくれた女性だ。僕と年齢はそんなに変わらないのに、病棟では中堅どころを狙っている。
「このカルテを読んでみてください。田口先生の、不定愁訴外来専用のカルテです」
彼女が手にしていたのは、さっきまで田口先生が書き綴っていたものだった。
カルテを開いた途端、紙面から文字があふれ出し、膨大な記述の中から美智が浮かび上がる。悪態が正確に書き留められている。僕のベッドサイド・ラーニングの様子も描写されていたが、思わず赤面したくなるくらいの忠実さと正確さだった。
そこに田口先生の姿はない。ただひたすら、美智の言葉が書き留められていた。
そこに美智がいた。
美智は僕の手の中で命を失った。だけどそのぬくもりは今も手の中に残ってる。同じように、美智はここにいて、今でもこのカルテの中で息づいていた。
罵倒の言葉が羅列されている中に、一粒の真珠が交じっていた。
-----天馬は必ず、立派な医者になろうもん。
医療はここまでできるものか。
海堂尊『輝天炎上』17章 医学のチカラ 本文 天馬大吉 田口公平 高原美智 看護師 より
「余計なお世話かもしれませんが、もし心配事や悩み事ができたらいつでも相談してください。力になります」
社交辞令ではなく本心からそう言っているように感じられて真魚はうれしかった。
事件当時はわからなかったが、こうして話してみて初めて氷川の真面目で誠実な人柄が窺えた。
翔一にはない頼り甲斐がある。
互いの飲み物がなくなったころ二人は喫茶店を出た。
店頭で別れようとすると、ちょうどそこに魚屋のビニール袋を提げた翔一が通りかかった。
「あれ?なんで真魚ちゃんが刑事さんと……?」
不思議そうな顔をして翔一が尋ねた。
「えっと、それは……」
真魚は言い淀んでしまう。
あかつき村事件のことも自分がその唯一の生き残りであることも知られたくなかった。
「なんでもいいでしょ。翔一君には関係ないの」
「まさか、補導ってやつ?そうだよなぁ、ヒコウしつるもんなぁ〜」
「非行っ!?」
氷川は思わず真魚に驚きの目を向ける。
真魚はあきれ顔で訂正する。
「気にしないでください……わかりづらいですけど、『下校』をかけたダジャレですから……」
ダジャレにしてもひどすぎると思い、氷川は頭を掻きながら笑う翔一をじっと見つめた。
岡村直宏『仮面ライダーアギト』第二章 本文 津上翔一 氷川誠 風谷真魚 より
おい 本当に
大丈夫なのか
いくらなんでも
今回のボアアップは完全に スペックオーバーだぜ
ライダーマンマシンの最高時速は 250キロ
しかし四国突入には
600オーバーは必要だって・・・・
だけど・・・・
エンジンもフレームも それに耐えられるかどうか
それに・・・・
結城さんの肉体も・・
そういう人だよ
一見 冷静そうに見えるけど
いつでも 命を投げ出す覚悟があるような・・・・
漫画『仮面ライダーSPIRITS』10巻 第10話 4号 技術者たち より
あ〜あ 本当に燃やしちゃうんですか もったいなぁ・・・・
こいつらは図体がデカいからアトラクにすら使ってもらえない
だからって あのまま
倉庫の中で腐って形が崩れてゆく姿なんぞ見たかねえだろ
なあ・・ポチ
こないだ文ちゃん 個人に仕事の依頼があってな
なんでも日本テレビでもヒーローものやるってんでな
しかも主役 変身前
変身前!!じゃあ顔出しじゃないですか
スゴイ!!
でも断った
え? なんで もったいない
まったくだ
いい男すぎるぜ
あいつは
?
今 剣友会(ウチ)は
バロム・1や変身忍者 嵐 などで忙しくなってるし それに新番組の時間枠 土曜の7時30分
それって ライダーの裏番でしょ
剣友会(なかま)は裏切れませんよ
なあ ポチよ
この番組の大ヒットは剣友会(あいつら)から 顔を奪っちまった
それが結果的に良かったのか 悪かったのか わからん
だがな
これだけは
言えるぜ
「仮面ライダー」の大ヒットは・・・・
大野剣友会(あいつら)がいなければ ありえなかった・・・・てな
漫画『仮面ライダーをつくった男たち』第三話 仮面の侍(サムライ)軍団 内田有作 ポチ 中村文弥 より
あなたの思いをリターンエース!高坂穂乃果です!!
誘惑リボンで狂わせるわ!西木野真姫!!
剥かないで!まだ青いあたしは小泉花陽です!!
スピリチュアル東洋の魔女!東條希!!
恋愛には化学式、園田海未です!!
あたしのシュートでハートマークをつけちゃうぞ♪南ことり!
シュートスプラッシュ!星空凛!!
必殺のピンクポンポン!絢瀬絵里よ!!
そしてあたし!不動のセンター矢澤にこにこ!!
私たち部活系アイドル u’s です!!!!!!!!!
ってあたし!顔みえない!!
いつもとちがって新鮮やね
うんうん♪
スクールアイドルていうことを考えたらいろいろな部活の服を着るというコンセプトは悪くないわね
だよねだよね♪
でもこれだとなんか……
ふざけてるみたいでしゃない!
そんなことないよ!
す〜い〜♪
ほら、もう一度!
す〜い〜♪
ひとついいですか
ふんふ〜ん♪
あたしのこの格好はいったいなんの部活なのでしょう?
科学部だよ!
では花陽のこれは?
たぶん絵日記部
ていうかそもそもこれでステージ上がるなんてありえないでしょ!
たしかに
アニメ『ラブライブ!(二期)』第6話 ハッピーハロウィーン 高坂穂乃果 園田海未 南ことり 小泉花陽 星空凛 西木野真姫 矢澤にこ 東條希 絢瀬絵里 より
グウ・・・・
おい!見ろよ!ヘビー級のゴードンが手玉だぜ
・・お前ら・・
改造手術を望んで受けようってのか
やめとけ やめとけ
仮面ライダーなんざ ロクな事ねえぞ
全身機械になんて なっちまった日にゃあ
ホレた女も愛せねえし
うかうかしてりゃ
やわや子どもの手なんか“グシャッ”・・・・だぜ
それによ あんな体じゃ
まともな老いもこねぇだろ?
どんな死に様を晒すんだか・・
それによ 争いのない平和ってやつが来ちまった日にゃあ
もう お払い箱だ
誰も必要としてくれなくなる
まったくワリに合わねぇったら やめときなって・・・・
あんな生き様 お前らみたいなふぬけに務まるかよ
ま・・・・
かくいう俺も お前らと同じふぬけなんだがな
・・・・・
そうよ・・・・
この体じゃあ ライダーの能力(ちから)には
遠く及ばねえ
だがな・・・・
魂くらい・・・・
魂くらいは・・・・
それでも・・
まだまだつりあわねえんだがよ
なあにを ウダウダぁ
「言言肺腑を衝く」
熱い想いの籠った言葉が 聞く人の心の底に 染み渡るという意味ですよ
ボクはあなたの魂に・・・・・ 参加します
魂・・・・ フム
魂が 群像となりましたか
漫画『仮面ライダーSPIRITS』10巻 第九話 魂の結成 滝和也 佐久間ケン ゴードン コンラッド ウェイ・ペイ より
麺太郎・・・・
ユーの気持ちワカります
ワリィ アレン 一人にしてくれ
麺太郎ーー!!
この・・・・クソ足
肝心な時にすくみやがってよ
いって・・・・
?
あいつ・・・・
ザ スケスケZカップ
やだもーー 麺太郎ーー
浸っているところ ソーリーね
ユー すっかり掛ノ助のこと忘れてないか
はっっっ
漫画『仮面ライダーSPIRITS』第十四話 光牙 麺太郎 小麦 アレン より
みんなが呆れ顔で凝視しているのに気がついて、姫宮はぺこりとお辞儀をする。
「私も自己紹介をさせていただきます。私の所属は……」
そう言うと、すうっと息を呑み込み、一気に放つ。
「厚生労働省大臣官房秘書課付医療技官兼政務局付医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室長ホサの姫宮香織、と申します」
無表情で言い終えた姫宮の顔を見ながら、僕はぽつんと考える。
なぜに、“ホサ”のところだけカタカナ口調なんだ?
その時、ぱたんと扉が開き、続いて入ってきた顔にはやはり見覚えがあった。冬休みに受けた特別講義が鮮やかに目に浮かぶ。銀縁眼鏡の彦根先生は、僕と冷泉深雪の顔を見つけると、片手をあげて、やあ、と声を掛ける。その声に白鳥が振り返る。
ふたりの視線がぶつかり合った瞬間、彦根先生が素っ頓狂な声を上げる。
「どうしたんですか白鳥さん、まだ会議開始のニ十五分も前なのに」
これでは彦根先生のクールなたたずまいが台無しだ。白鳥は顔をしかめて言い返す。
「相変わらず、いつでもどこでも誰にでも遠慮会釈のないヤツめ。遅くとも会議開始の十分前に会議場にいるのは、霞が関官僚の常識なんだよ」
「それは存じていますけど、白鳥さんは十分遅れが基本スタイルだという、霞が関では歩く非常識として有名な方ですから、つい質問してしまったんです」
すると姫宮が小声で訂正する。
「彦根先生、今の表現は、根本的な部分で大きく間違っていらっしゃいます。白鳥室長は歩く非常識、ではありません。動く非常識、です」
「それってどこが違うんですか」
「室長は歩いてる時だけでなく、椅子に座っている時でも非常識なんです」
白鳥と彦根先生が姫宮の指摘を聞いて、同時に同じように顔をしかめる。
海堂尊『輝天炎上』23章 落第王子の当惑 本文 天馬大吉 白鳥圭輔 姫宮香織 彦根新吾 より
トピック検索 |