ボクの舟／指名制　　

>>52 総悟

うるさいっ…(自身でも自覚していた通りやはり頬は赤に染まっているらしく、それを相手の言葉で改めて実感すればその照れ臭さからむす、として。顔の前に持ってきていた鞄を肩に掛け直せば相手の一歩後ろを追うようにして歩みを進め、その斜め後ろからの相手の顔をちらりと盗み見。何となく、本当に何となく、相手が自分の彼氏なのだと実感が湧き、心の隅が擽ったいような感覚に陥れば、先程から感じている自分なりの恥を思い、どうせなら、とどこから湧いたのか分からないような勢いに任せて相手の袖口きゅ、と握り、「今日、総悟の家行っちゃだめ…？」なんて、気恥ずかしさと戦っている故だろう何ともいえない表情で問い掛け。何となく離れたくなく、もう少し一緒にいたい、そんな想いからきた勇気を振り絞った問い掛けで)