ボクの舟／指名制　　

　>>170 ⊿ 速水


　音ォ?‥ンだ、其れ。どういう意味で言ってンのォ?（未だに自分がどういった理由で相手に付き合わされているのか不明の儘ではあまりスッキリとはしないものの、自分の意図を汲み取り直ぐに購買方面へと向かい始める相手の姿に、グズグズされるよりかは幾分もマシだと相手の一歩前を歩き始め。殆ど関わりの無い人間とは無意味に話すような性格では無く、寧ろ素っ気ない質故に移動中の沈黙も特に気にする事は無かったものの、相手から提供された話題には興味惹かれたのかぴくりと眉動かし。自転車競技において大きな音とは力のロスに関係し、例えば同学年の眠れる森の云々を自称する東堂の静かな走りが其れに直結するのだが、自分の走りはその点については特に誰からも指摘を受ける事は無く、そもそも自転車に詳しそうには見えない此のクラスメイトがそんな専門的な事まで考えて話題を振って来たとはどうにも思えずに。そうとなれば、其の言葉の意味は別のところにあるのだろうと予想すれば、もっと詳細を知りたいとちらり横目で相手の表情確認し乍問い掛けて）