ボクの舟／指名制　　

>>168　紫原くん


Wow…great. ( 日常生活の中では中々見る事が出来ないコート上で目まぐるしく変わる風景を目で追っていると、気付けば寸前まで騒がしかった体育館が静まり返っておりあまりのカルチャーショックに思わずぽつりと呟き。暫く地面に転がるバスケットボールを眺めているとハッと我に返り、下校してしまう前に済ませようと、もうじき着替え終わるだろう相手を待ちながら室内へ足を踏み入れれば監督に事情を説明しつつベンチに座る様に促されては浅く腰を下ろし。特に言葉を交わすわけでもなく握り締めてしまったせいで所々皺の寄ってしまった評価様用紙を見つめれば、この評価が仮に低かったとして成績に関わる様なことはあるのかと今頃ながらもう少し真剣に取り組めばなんて後悔が頭に過ぎり。自分の完璧さを難く信じそれを掻き消すと制服姿の部員達に紛れたお待ちかねの相手がやって来、ゆっくりと其方へ歩み寄って行き )…紫原くんよね？悪いけれど頼みがあるの。