ボクの舟／指名制　　

　>>154 ⊿ 速水


　ーーあ゛?いや、よくねェヨ。（漸く長い長い夏が終わり、毎日の練習時間が形式上無くなってしまった季節。若干出遅れ乍もインターハイが終わると同時に高校三年生ならば大半が意識する〝受験〟をクラスメートと同じように頭の中占めている、‥とは言え毎日の代わり映えのない授業や教師の小言は退屈を極めて。本当はくだらなくなど無い授業を、其れでも詰まらないと感じつつ午前中の授業を一先ず終えれば食堂に向かおうと席を立ち。この学年が始まってから仲良く、とは言わないものの仲間とは認識するようになった同じ学年のインターハイメンバー、此れと言って待ち合わせはせずとも昼休み迎える度に揃って教室の扉の前に立っている彼らと一緒に移動を始め。今日も昨日と変わらずに、此の儘食事をとるのだろうと決め込んでいた為に突然相手から話し掛けられれば顔をしかめ。仮にも高校生男子、昼過ぎとなればかなりの空腹感抱えた状態では殆ど会話の無い目の前のクラスメートに付き合うのは大分億劫で。間髪入れずに断りの文句口にするも周りの仲間から折角だから付き合ってあげるように促されてしまえば、バシバシと半ば乱暴に肩叩かれた後、何も解らぬまま相手と二人その場に取り残されてしまい）