初恋組(非募集)

(相手側に寝返りをうち、向かい合うと、抱き寄せて腕の中に閉じ込め、相手の顔を見えないように自分の胸に押し当てるようにして)
でも、誰も傷つかない世界なんて、あり得ないのかなぁ…？
(涙を促すように、相手の背に回した手を動かして)

(また涙が出そうになったが泣き虫な所を見られたくなくて)
さ、さあな...
(何とか言葉を絞りだし)

僕は、ダニエルに、もう辛い思いや痛い思いをしてほしくないよ…
(すがるような声で言って)

じゃあまずその声やめろ
(あいてのほっぺをつねって)
それにオレはお前にもしもの事がない限り痛い思いもしないから安心しろ
(心配してくれているのは分かっているが何だか恥ずかしくなってそっぽを向き)

うぅ…
(つねられた頬に手を当てて唸り)
素直じゃないなぁ……
(誰かさんにそっくり、と苦笑しながら)
もっと自分のために生きたらいいのに……

自分のために...
(『オレと一緒になれーーー！』と言いながら追いかける自分と『やーーーー！』と言いながら逃げる相手、等々散々な過去の自分を思い出してしまい)
そ、そうだな
(微妙な表情で目をそらし)

俺に出来ることなら、なんだってするから…
(気まずそうに目をそらしてしまったその頬を、指の関節のところでいとおしげに撫でて)

そうだな...こうしてオレの相手をしてくれるだけで十分なんだけどな
(頬を撫でられくすぐったそうに)

(それは俺の願いでもあるんだけど…と苦笑して)
わかった、じゃあ、こうしてようか……
(緩やかに目を閉じて)

(しばらく一緒に目を閉じていたが)
あ、そういえば...
(突然パチリと目を開けて)
オレ、好きな食べ物が出来たんだ
(嬉しそうに)

えっ、たべもの？
なになに？？
(嬉しそうに報告する相手を笑顔で見守って)

ワッフルって言うんだ！お前知ってるか？お、お前と一緒に食べたらもっと美味いと思うんだ...だから、今度は二人で食べたいなって...それが...オレのワガママ
(恥ずかしそうに笑って)

ワッフルか…、美味しいよねぇ！
うんうん、絶対に、二人で食べよう！
約束、ね？
(相手が新しく見つけた“好きなもの”に、自分も嬉しくなって、指切りを求めるように小指を差し出して)

(こちらも小指を出して)
約束だ！
(ニッコリ笑って...そして恥ずかしくなって目をそらし)
形といい大きさといいちょうどいいんだ。オレの手小さいだろ？すごく持ちやすい。あ、勿論味も美味しくて...
(止まらなくなって)

(にっこりと笑って指を絡めて)
俺も大好きなお菓子だよ！
(うんうんと頷きながら)

げ、現代もなかなかいいところ...だよな
(恥ずかしくなり『ひ、久々にお前見たときはびっくりしたけどな』と付け足し)

そうだねぇ…、とりあえずは平和になったし
(「シエスタしほうだいなんだよ」と笑いながら)
俺も…、ダニエル最初に見たときは夢かと思ったよ

お前の頭の中はご飯とシエスタしかないのか...
(呆れたように)
...夢かもしれないな。夢だったら...どうする？
(少し意地悪をしてやろうと)

ご飯とシエスタは平和の象徴だと思うんだっ
(何故かどや顔しながら)
夢……？
(途端に笑顔を引っ込めて「夢だったら…」と口の中で呟き)
醒めなくて良いや、って思っちゃうかも
(気丈に笑いながら)

そして、起源はともかくこういう祭りもなっ！
(どこからともなく猫耳を取り出して無理矢理相手につけて)
バカだな...夢はいずれ醒めるんだよ
(言い出したのは自分なのに寂しくなって笑って言って)