フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-05-21 18:19:00 |
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(蛇口を捻ってコップに水を入れながら)
こうやって水が出てくるのって考えてみたら本当に不思議だな…
(冷たい水が熱くなった体を冷やすのを感じながら)
戻るか
(キッチンを後にしようとして)
嫌われちゃったかなぁ…――っわぁ!!!
(キッチンの扉に寄りかかって、相手がなぜあんな風に怒ったのかわからないまま物思いに耽っていると、急に扉が開かれてキッチン側に倒れ込んで)
お、おい!..大丈夫か?
(ドアを開けると突然相手が倒れかかってきたので慌てて受け止めて)
ぼおっとしてたのか?
(困ったように笑って相手を起こそうとし)
……っ、ダニエル、ありがと…!
(相手が受け止めてくれたお陰で、床に投げ出されるのは回避して、少しよろつきながら相手の胸に顔を埋めて)
あのねダニエル、俺のこと、嫌いになった?
ん、嫌いにはなってないが?どうしてそう思う?
(相手の頭を撫でながら相手が話しやすいように優しく語りかけるよう心がけて)
俺が、……変なことばっか、言うから…?
(頭を撫でられながら、相手の様子をうかがうように言うものの、まだ肩に力が入っていて
ひょっとして、オレがさっき怒ったからか?それはお前が質問にちゃんと答えなかったからだよ
(頭を撫で続けて)
つい、かっとなって悪かったな
(申し訳なさそうに笑いながら相手を離そうとし)
ん、ごめんね…
(ぴくりと肩を揺らして、離れそうになる相手にさらに身を固くしながらその服を掴んで、依然として表情は見せないまま)
言いたくなかったり、言えないんだったらそう言ってほしかったんだ。ごめんな
(相手の様子がおかしいことに気付いてダメ元で)
何か...あったのか?
俺たち個人的な戦いじゃなくて、たくさんの人たちを巻き込んだ戦いで…!
俺も戦った、俺の国民と、友達を守るために……
(唇を震わせながら、堰を切ったように言葉と涙が溢れだし)
そうか、戦ったんだな
(自分の中で相手は小さな女の子のまま止まっていたので、戦っていたという事実に少し驚いたが、その感情は敢えて出さずに背中を軽く叩きながら話の続きを待って)
ダニエル、いまの生活便利だと思う? 思うよね
科学技術とか新しい発明とかって、戦争があるから進むんだって
今の戦いは、ほんとに、ひどいんだよ……
(当時を思い出してなのか、身体中に震えが走り、膝が崩れて相手を伝いながら地面に膝をつき)
(崩れ落ちた相手をの肩に手をやって、お互いの額が引っ付きそうになるぐらい顔を近づけ)
うん、うん...
(相手の話に耳を傾けながら)
俺たちはね、“悪者”だったんだって…、世界から、“悪”だなんて言われてね
わかってたよ、他の人を傷付けてたのは
でも、生きるために、仕方なかったのに
(うつむいたままぽろぽろと涙をこぼして)
俺は、囲まれて、引き離されて、追い詰められて…
そうか、お前『敗者』になったんだな...
(相手の話に心が折れそうになりながらも相手が話してくれているので必死に自分を保ちながら更に続きを待って)
(相手の口から出た『敗者』という言葉に、息を飲んで大きく反応し、震えながらゆっくりと頷いて)
ダニエルなら知ってるでしょ…、『敗者』が、どうなるか……
その時、いろいろ、ね…
(最後はか細い声で嗚咽に飲み込まれ)
.........話してくれてありがとう
(幾つか言葉は浮かんだが、どれも場違いな気がして何も言えずに口をつぐみ、変わりに相手を抱き締めて)
ごめんな、何て言ったらいいのか...
(言っているうちに自分も泣きそうになりながら)
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