フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-05-21 18:19:00 |
通報 |
うん…、大丈夫なら良いけど……
(顔を背けてしまった相手に複雑な視線を投げ掛けながら、やはり大人になりすぎた自分では純粋な彼には釣り合わないのだと密かに自己嫌悪に陥り)
(ちらりと横目で相手を見て)
そ、そんな顔するな。悲しくなる
(言ったあとに自分がさせているのだと気付いてどうしたらいいのかと目をつむって考え込んで)
ヴェっ、だ、ダニエルが悲しいのは嫌だよぉ……
(ぶんぶんと首を横に振って)
あっ、ねぇ…、お腹すかない?
俺お腹すいちゃったぁ……、だから元気でないのかなぁ、俺、なにか作ってくるよ……!
(早口で捲し立てて、不自然なほど自然な笑みを浮かべながら早足でキッチンへ向かい)
ふふっ、よかった。オレが食べさせた料理アイツ一回『マズイ』なんて言ったものだから、こっちから料理の話題はしにくかったんだよな
(そう言ったあと読みかけだった本を手にとってページをめくり始め)
ヴェー…、難しいよぉ……、いろんな意味で…
(キッチンの隅で頭を抱えながらしゃがみこみ、泣いてはいないものの困り果てたような顔で情けない声をだし)
俺どうしたらいいのじいちゃん…
(深いため息をつきながらゆっくり立ち上がり、知っている限り一番簡単な焼き菓子を作り始め)
(本を読みながら、相手の望みは何だろう?何が幸せなのだろう?いつも笑ってくれるにはどうしたら、自分にもっと出来ることがあるのでは?などを考えるも答えなど出るわけもなく、ページを進めることもできないまま一人天井を見上げて)
(なんとなく彼のところに戻りにくくて、鉄板に広げたタネをオーブンに放り込んで焼き上がっていく様を渋い顔で見つめながら動けずにいて)
……いっぱいお菓子作って待ってるね
(何となく呟いた言葉は驚くほど懐かしくて苦笑し)
(天井を見上げながら何となく自分が、自分の思考が沼に沈み混んでいくような感覚を覚え慌てて視線を本に戻し)
.......救いがないな
(何とか読み進めるも憂鬱なお話だったので一旦本を置いて部屋をうろうろし様子を見ながら相手を待つことにし)
(出来上がった焼き菓子を更に形よく並べて嬉しそうに「できた」と呟き、小さく深呼吸して意を決して部屋に踏み込み)
できたよ、ダニエル~!
俺特製、ハーブクッキーだよ!!
(明るくなるよう努めて)
(部屋の様子を見ていると相手の元気な声が聞こえてきて嬉しくなって声のする方を振り向き)
ああ、早く食べよう
(相手を迎え入れてソファへと戻っていき)
い、いただきます...
(少しだけ緊張してクッキーを口にし)
お、美味しい...思った以上に料理が上手いんだな
(相手の特技を目と味覚で実感して素直に感動し)
お前が女だったら...いい妻になるだろうな
(ぽそりと呟いて)
ほんと!?
よかったぁ、俺も嬉しくなっちゃうよ~!!
(相手の誉め言葉と表情に、心から喜んで)
ヴェ?
おんな……?
(少しぽかんとしてから、「昔も女の子の格好させられてたしね」と深く考えずに笑いながら言って)
俺が女の子だったら、ダニエルお嫁にもらってくれる?
オレ?さあ、それはどうだろうな...
(褒められて喜ぶ相手を最初は嬉しそうに目を細めて見ていたがお嫁に...のくだりで安易に決断を出すのもいかがなものかと思いどう答えようか悩んで)
むーっ、じゃあ、もっと料理とか家事とか、修行するもん!
(強かに決意表明してから、顔を真っ赤にしながら「ダニエルに選んでもらえるように…」と呟いて)
あーじゃあ精々頑張るんだな!
(本当は叶うならすぐにでもとも思ったが自分の発言がきっかけだったので引くに引けずに)
い、今何か言ったか?
(何かぽそりと呟いた気がするが動転して聞こえずに)
見ててよね!
ご飯の美味しさなら負けないもん!
(趣旨がずれてきていることにも気付かず、ふふん、と戦意を露にして)
っ、だから……
(一度言葉を切って真っ赤なまま)
ほんとは俺、ダニエルのお嫁さん、なりたいなぁって…
そうだな、お前は昔から食いしん坊だったな
(あの時を思い出してクスクスと笑いながら)
え...
(突然の告白に頭がまっしろになって)
ば、バカッ!そういうこはもと...考えて言え!
トピック検索 |