初恋組(非募集)

んー、ルートはねぇ、隊長なの！
俺、ルートから敬礼のしかたとか、教わったんだぁ
(“こうだよ”ともう一度やって見せ)
うん！
でもねぇ、今思ったんだけど、ダニエルがおっきくなっちゃったら、俺が膝の上に乗せることも、もうできなくなっちゃうよね～
(「ほら、こんな風に」と、膝の上にのせた彼をきゅっと抱き締めて)

そ、そうか！ルートは隊長なのか！
(そういう遊びをしているのだろうか、相手がやっていると何故かますますその思いが強くなってきて)
こ、こうか？
(恥ずかしそうに真似をしてみて)
オレを膝の上に乗せるのす、好きか？
(相手がそう望むのなら小さなままでも構わないと思い)

そうそう！
(健気にも真似をしてくれる相手に、その容姿も相まって“かわいい”等と思い)
ルートはとーっても強いんだよ！
背も高くて、ムキムキだし！
(膝にのせるのが好きかと問われて、少し驚いたように見返してから、くすくすと笑い)
こうやってね、いつも俺に抱かれててくれたら、見下ろすこともないしね
(少し意地悪するように笑って)

そっか、そいつはムキムキで強いんだな
(そんな英雄みたいなヤツがすでにいるならもうオレがわざわざ大きくなる必要もないかと本気で考え始め)
...........ふん！生意気なことを！
(そう言って相手の髪を引っ張りながら)

んっ……、ほ、ほんとのことだもんっ
(髪に触れられてぴくりと肩を揺らすも、事実であると主張して)

ご、ごめん...
(軽く引っ張ったつもりだったのだが予想以上に相手がびっくりしたので慌てて手を引っ込めて)

う…ん 、だいじょうぶ……
(ほんのり色づいた頬を悟られないように目をそらして)

な、ならいいっ！
（気まずくなって目をそらして再び相手の胸にもたれながら目をつぶって、内心胸がドキドキしていて）

……っ
(身を寄せてきた相手に、早くなった鼓動が聞こえてしまうのではないかと反射的に仰け反ってしまい、しかし繊細な彼に今の反応はまた気を遣わせてしまう材料になると思って)
ダニエル……っ
(むしろ聞こえてしまえと、更に押し付けるように薄い胸板に彼を抱きしめ)

んぐっ！
（急に強く抱き締められた事に驚いたがそれ以上に小さかったあの子がここまでの力を出して自分を押さえつけていることに驚いて呆けてしまい）

ダニエル……、聞こえる…？
俺の…、ドキドキいってるの……
(穏やかな声で天使に向けた聖歌を歌っているような気持ちで語りかけながら、相手の背中を撫でて)

え、あ、ああ…聞こえる...聞こえるよ
（しばらく呆けていたが優しい声が聞こえてハッとして、相手の胸から聞こえる音色に耳を傾けてながら自らの体を預けて）

ダニエルだから、だよ…？
(声をひそめて囁いて、「ちょっと恥ずかしいなぁ」とくすくす笑いながら)

は、恥ずかしいからやめろ
（小さな手で相手の服をつかみながら耳まで真っ赤になって少し体を震わせて）

ふふっ、おんなじだねぇ…
(嬉しそうに相手の頭を撫でながら)
ここも、おんなじだといいんだけど……
(背中を撫でる手を彼の心臓の位置で留めて)

同じじゃない！絶対違う！お、オレはそんなにドキドキしてない！
（心臓の位置に手が来たのでびっくりしてしまいがとっさに相手から逃れるためにソファから逃げようとして）

こぉらっ、つーかまーえた！
(少し重心を崩すも、暴れる子供を押さえつけるようなしぐさで、軽々と相手を抱き直して)

お前...お前もまた小さくなれー！
（両手を使ってポコポコ相手の胸を叩いて）

わわっ、…ダニエル、いたいって……
(抗議の声をあげるも、まだまだ楽しそうで)

はあはあ...ｺﾞﾎｺﾞﾎｯ！
（久しぶりに激しく動いたからか、すぐに息が切れて更に咳き込んでしまい）