フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-05-21 18:19:00 |
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わぁ、ごめんなさい…
(大人しく従って)
そんなこと言わないよぉ!
言わないけど……
(なにか思い出したように言葉を切って語気を押さえ目で)
一緒になって、じ、じいちゃんみたいになるのは、ダメだからね…?
(怯えたような顔で言って)
よしよし、とりあえず落ち着け
(相手をまたソファに寝かせて)
じいちゃん...あ、ああうん。もう無茶はしない。お前とこれから穏やかに過ごしたい...と思う。だからそんな顔するな
(過去の自分の言動がここまで相手を追い詰めていたのかと思うと胸が苦しくなって悲しい表情を浮かべ)
うん……、ダニエルが、そういうなら…
(相手が妙に思い詰めたような顔をしているのに気づき、その頬に心配そうに手を伸ばし)
ねえ、ダニエル…、大丈夫……?
あ、えっと...大丈夫だ
(相手の手の温もりを感じながら『あったかい』と呟き)
ところで、オレはお前の意見を聞いてなかったんだが、お前自身は忘れていること、思い出したいと思うか?
(ここで自分が少々焦っていたことに気付いて)
ど、どんなお前でもお前はお前だから、またここから新しく過ごしたいっていうなら反対はしないが...
(別に誰も困らないよなと思い直し)
忘れていること……?
うーん…
(ソファのうえで横になりながら、相手から視線をそらして少し考え込み)
僕は、戻りたい、かなぁ?
身体、まだ変な感じ、だし…、何か大事なこと、忘れてる気がするの……
(僅かに頬を染めて、唇に違和感を感じるかのようにそこに手をやって)
よし、お前自身の事だからな。お前がそう望むのなら協力する
(こちらも覚悟を決めて)
さっきから顔が赤いんだがどうしたんだ?やっぱりどこか具合でも悪いんじゃないのか?
(心配しながらも相手の忘れている『大事なこと』が気にかかって、何とか思い出させる方法を考え始めて)
それとね…、ダニエル、ずっと辛そうなの……
僕の記憶の、せいだよね…
ねぇ、ダニエルは、僕の記憶、もどってほしい?
(純粋に気遣うように、まっすぐに見上げて)
ううん、大丈夫…、たぶん
あー...正直に言うと戻ってほしい。記憶を失う前にお前は確かに言ったんだ『辛かったこともたくさんあったけど、今は親友もいて幸せ』だって。だから...だからオレは...
(泣きそうになって何も言えなくなり)
……、っ、ダニエル……!
(真剣な様子で相手の話を聞いていたが、相手が何かをこらえるような表情になり、慌てて身体を起こして)
いっ、たぁ……
(側頭部の今も腫れ上がっている場所に激痛を感じて崩れ落ち)
……、っ
(そのままソファから転がり落ちて)
…う、っ……!
(背中から落ちて頭は打たなかったはずだが、呻くような吐息を漏らしつつ、両手で耳を覆って頭を抱え込んで、身体をくの字に折って嗚咽を響かせ)
お、おい!どうしたんだ?!しっかりしろ!おい、フェリシアーノ!
(背中をさすったが自分の小さな手で効果があるとも思えず)
頼む...頼むよフェリシアーノ...起きてくれよぉ
(それでもひたすらさすり続けて泣きながら消えそうな声で名前を呼び続けて)
……っ、ダニエル、ダニエル…っ!
(震える声で名を呼ぶが、それはここにいる者に呼び掛けるためのものではなく)
ど、して…っ、どうして……、きえちゃったの…っ?
(この場に必死に自分に呼び掛けてくれる存在があることにも気づかず、悲痛と形容される声で呟かれ)
...........!消えた?
(相手が何を言っているのか理解できずにしばらく呆けてしまい)
お前...今一体どこにいるんだよ...
(相手の心はここにはいないと悟って)
.............戻ってこい
(意を決したように自分の唇を相手の唇に押し付けて、戻ってこいと何度も何度も祈るように)
ぼくが、僕があのとき、ついていくって言っていれば……――
(絶望に満ちたすすり泣きは、相手の唇に塞がれて、半開きの唇と涙をこぼし続ける虚ろな瞳をそのままに)
ん...?何か言ったか?もう一回言ってみろ!
(相手の目に自分を写して)
もう一回、言ってくれないか?
(届いているかどうか分からなかったがゆっくりと大きめな声で噛み砕くように)
……
(ゆっくりと、しかしきつく目を閉じて)
何年も、なんねんも待ってたのに…っ、会えなかった……、ぼくが、…俺が、あのとき、ついていくって、言ってればっ、消えないで済んだかもしれないのに……、一緒、戦っていれば…
(自分の祖父との約束まで曲げていればと、出てくるのは後悔と自責の言葉で)
.............パァァァアン
(相手の頬を張り飛ばし)
....お前が行ってどうなってた?お前はそんなに強かったのか?小さなお前が?ローデリッヒに怒られてばっかりだったお前が戦場に行って何とか出来るって、本当にそう思ったのか?それとも一緒に消えたかったのか?
(大きく息を吸って決意して)
お前が行っても役に立たなかったよ...
でもお前がそれで悩んでたってことは分かった。気が付けなくてごめんな...
(殴った方の頬に優しく触れて)
それから...何年も待たせてごめんな
(脱力している相手の耳元で小さくも優しくささやいて)
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