フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-05-21 18:19:00 |
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ねえ…、ダニエル、どこいっちゃったの……?
あのとき、僕が――
(“一緒にいくって言っていれば……” 声変わり前の自分の声の幻聴にめまいがして、近くにあった家具にすがるも崩れ落ちるように膝をつき、そのまま倒れ込んで気を失って)
フェリシアーノっ!フェリ....っ!お、おいっ!
(倒れているフェリシアーノを見つけ慌てて駆け寄って)
........よかった、生きてる
(でも自分の力では抱えてベッドに運ぶことも出来ず)
畜生!好きな人一人抱えることも出来ないのかよ...うぅ
(悔しさに涙が溢れてしまい)
おい、おいっ!起きてくれ!頼む起きてくれフェリシアーノ!
……ん
(強く揺さぶられて僅かに瞼が震えて、目が開かれ)
あれ、ダニエル……?
(虚ろに見上げた目に光が戻ると、驚きと喜びでいっぱいに開かれ)
ダニエル、お帰りなさい!!
僕、ずっと待ってたんだよっ!
(年齢にしては不釣り合いなほどあどけない様子で、起き上がって子供の姿の彼を力一杯抱き締めて)
お、おいっ!く、苦しい!...まあ元気そうでよかったよ。元気...なんだよな?
(以前とは何かが違うような、妙な違和感を覚え始めて)
あれ?
ダニエル…、何でそんなにちっちゃいの?
(いつもと違う目線の高さや、身体に入る力の入り方に違和感を覚えて)
え……?
(彼の手と自分の手を見比べてみたりして)
あれ、僕……なにこれ、僕、ぼく、どうして…ぁいたっ!!
(突然の側頭部の痛みに、屈みこんで手をやると、そこは腫れ上がっていて)
あ、ああ。頭を打ったんだな。とりあえず、立てるか?そこのソファに座ろう。冷やすものも必要だな
(頭を打った際の一時的なショックだと思い、相手をソファへ誘導しようとし)
……うん…
(近くの家具に掴まって、ふらふらと立ち上がるも、感覚が定まらないのかかなり覚束無い足取りでソファにたどり着いて倒れ込むように身を投げ出し)
まっ、てよ……、ダニエル…
(か細い呼び掛けは一筋の涙と共に誰にも届くことなくこぼれ落ち、そのまままた意識を手放して)
ここは何だ...うわっ!冷たっ!でも氷があった!えっと、後は...
(冷凍庫を探して氷を見つけたあと、がさがさ周囲を探して)
これ使えそうだな、よしっ!
(袋の中に氷を入れてまた慌てて戻ると)
フェリシアーノ?
(どうやらまた気を失ってしまったらしい相手の頭に氷入りの袋をあてて)
大丈夫...だよな?
ダニエル…、僕、おかしいの……
身体が、おっきくなっちゃったみたい……
(目にたくさんの涙をためて見上げて)
何言ってるんだよ。お前はもうずっとその体だろ?ていうか泣くな!
(小さな手で涙を拭いてやり)
........お前には確か親友がいたな?そいつの話をもっと詳しく聞かせてくれ
(もしやと思い従来の彼なら笑顔で話してくれそうな話題に敢えて触れて)
うぅ…、ごめんなしゃい……
(大きな声にびっくりしてぴくりと体を震わせて両手で必死に涙をぬぐい)
しん、ゆう……?
ダニエル、か…フランシス兄ちゃんのこと?
トーニョ兄ちゃん?
ローデリッヒさんやエリーザベタさんは違うよね…?
(親友と言われて思い当たりそうな名前を挙げてみるが、自分でも親友に当てはまるかと問われれば悩むところで)
よし、じゃあまずこの鏡を見ろ。今のお前には自分じゃないように見えているかもしれないが、間違いなく鏡に写るお前は成長したお前の姿だ
(相手の様子に細心の注意を払いながら)
成長したってことはオレやローデリッヒと暮らしていたあの頃からはもう何年も何百年も経っているんだ。で、そんなある日、成長したお前がどういう理由でかは分からないけど、頭を打って、その時のショックで子供の頃の記憶しか思い出せなくなっているって事だ
(もっと分かりやすく出来ないかなと自分で自分を責めていたが悟られないように冷静に振る舞って)
……これが、僕…?
(茫然とその鏡に釘付けになって)
僕、はね…、旅立ったダニエルを、待ってたの……
やっと、会えたと、思ったのに……
(何百年とか理解できない、と言うように苦しげに顔を歪めて)
あれ、でも、何百年もたって僕が成長したなら、どうしてダニエルはそのままなの?
(ふと疑問に思って聞いてみて)
オレが旅だった後の記憶がないのか...
(驚きを隠しきれず少しかれた声で)
受け入れられないだろうがこれが現実だ
(ただ何百年も経っているという事実を受け入れられない気持ちだけは分からなくもないので強くは言えず弱々しく)
あと、オレが成長してないのは...いろいろサボってたからだ。お前は違う。どんなことがあっても諦めず頑張ってきたから、こうやって成長できたんだと思う
(それってスゴいことなんだぞ!と泣きそうな顔で笑って言って)
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