僕 2015-05-14 13:16:14 |
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(本心であるが勢いで"彼の為なら何だってする"なんて言ってしまった。思いを伝えようと発した言葉だったが、冷静に考えてみれば何とも大袈裟過ぎて気恥ずかしい。しかし嘘偽りのないこの気持ちは彼に届いた筈、僅かに頬に熱を感じるも悟られまいと平静を装う。今はまだサプライズを考えている途中で、実行する日が来た時には彼に全てを話そう。怪しまれるかもしれないが、とりあえず今はまだ内緒にしておこうと胸の内に秘める。彼が目移りするかも…信用していない訳ではないが人の感情は変わりやすい、と本で読んだ事がある。研究している古い書物にもその様な言い回しの言葉が沢山出てきた。何度も目にしていると段々と本当にそうなのかも…なんていつの間にか思い始めていた。自分にも当てはまる事だが、そこはいつもの何処からともなく湧いてくる自信で自分は気移りなんてしないと強く思っている。嫉妬と不安の入り交じった複雑な感情を抱いていては、自分に向き合う様に体勢を変えた彼を見る。暖かい自分より大きめの手が優しく頬に触れた。覗き込む彼の瞳に視線を合わせると紡がれた言葉に僅かに目を見開き徐々に顔を紅く染める。"自分以外目に入らない"にやられた。胸の鼓動が息切れするんじゃないかという程速くなる。瞼、頬、鼻先、順に口付けられ最後は唇が重なる。こんなドキドキしてる時にキスなんてされたら死んじゃう…。とキツく目を閉じて彼の肩の服をぎゅと握る。唇が離れればまだ引かない色付いた顔で「…あ、当たり前でしょ。篤みたいなおじさん、相手に出来るのは僕だけなんだから。」と精一杯の照れ隠しを明らかに動揺した様子で告げる。)
(唇に触れた後、肩越しに服を握られたことに気付き、彼の表情に視線を移すと、薄らと頬が色づいているのが分かった。今まで数えきれないほど、何度も口づけを交わしているはずなのに、毎回こんな顔をされてはこちらの心臓がいくつあっても足りないってもんだ。こちらの余裕が無くなる前に、手のひらに繋ぎとめていた彼を解放することにした。自分には彼以外に必要な人間は居ないと伝えると、彼特有のシニカルな返事で答えてくれたことに嬉しく思い)だろ?だから…。これからも宜しくお願いしますよ。(わざとらしく彼の手を取り、恭しく手の甲に口づけた。不意にテーブルを眺めると、皿に盛りつけてあった料理はほとんど姿を消している)真尋くん。そろそろデザートの時間かと思いますがいかがでしょうか?それとも、もうお腹いっぱい?(手を取ったまま、忠臣になったかのように、彼からの返答を待つ。今日買った食器は洗って乾かしているので、すぐにでも使える状態だ)
(彼の柔らかい唇の感触、唇を意識すればする程思考が上手く回らなくなりそうだ。ここで照れることなくスマートにキスに応える事が出来たら、大人に、彼に近付けるのに。自分はまだまだ慣れなく僅かに取り乱してしまうのが情けない。唇が離れると少し名残惜しく思いつつも「此方こそ、これからもよろしくね。」と小さく微笑むと、不意に手を取られたと思えば手の甲に口付けられた。よくそんなキザな事出来るな、と照れと呆れの混じった様な表情で「王子様にでもなったつもり?…語呂は似てるけど篤は"おじ様"の方でしょ?」と口角を上げからかう。名前を呼ばれ何?といった風に彼を見詰めればデザートと言葉が出た。途端に嬉しそうなオーラを纏い「デザート食べる!篤も食べれる?」と自分一人食べるというのは寂しいので彼も一緒にと問い掛ける。)
おじ…さ…ま?(手を取ったまま彼の顔を見つめ、またもや吹き出してしまった。てっきり彼をエスコートするナイトのつもりだったのに、あっさりとオッサンと切り捨てられた。彼の前にあっては、どんなに気取ってみても形無しだ。そろそろと思いデザートの話を持ち出すと、途端に彼の表情が輝きだした)もちろん。真尋と一緒に買ったカップとシュークリーム。結構楽しみにしてたんだ。(彼の手を離し立ち上がると、ダイニングテーブルの上を片付けだした。と言っても食器の上はほとんど空になっていたので、重ねて流しに持って行くだけなのだが。今朝は自分に合わせてコーヒーにしたのだから、今度は彼の好みに合わせて紅茶にしようと最初から決めていた)ここは片しておくから。真尋には2人分の紅茶を淹れてもらっても良い?(初めてあのカップを使うのだから、2人で好き勝手に飲むよりも、一緒のものを飲みたかった。記念なんてちっとも興味が無かった癖に、段々そう言ったことを大事にしようと思うようになったのは彼のせいだと気づき、それも悪く無いと思いながらシンクに溜めた速記を鼻歌交じりに洗い出した)
この先、なれるとしたら七福神みないなのかサンタさんくらいじゃない?
(王子様といえば金髪で目鼻立ちのはっきりした整った顔立ちでタキシードなんか着て白馬に優雅に跨っているイメージだ。一回り上といってもまだまだ若く見え、顔も整っている彼が真似てみればきっとそれなりに王子様の様になると容易に想像出来る。が、自分としては何故かそれがあまり気に食わなく、敢えてぽっちゃりでかっこいいなんて思わない様なイメージの人物を例えて。勿論、と答えテーブルの上を片付けてくれる彼を嬉しそうに見れば指示を出された。彼が夕食後の食器を片付けてくれるらしい、自分はデザートの用意を頼まれた。「わかった。…けど、篤も紅茶でいいの?」了解と頷いたものの二人分の紅茶と聞いては驚いた様に尋ねる。自分に合わせてくれているのだろうか…?今朝の事なんてすっかり忘れていて彼の発言に見当がつかない。キッチンで準備に取り掛かっているとご機嫌な鼻歌が聞こえてきた。「何?そんなにデザート楽しみなの?」と手元でティーパックをカップに入れポットのお湯を注ぎながら可笑しそうに問い掛ける。)
サンタか…。それも悪く無いかも(本当は見目麗しい王子様を守る騎士になりたかったのだが、彼の発言を聞き、夜眠る彼のもとにプレゼントを送り届ける役にも、つい惹かれてしまった。しかし七福神とはいかに。弁天様は女の子だから違うだろうし…。まさか戎様か?!あわてて自分の腹部を摩り、それほどまでに腹が出ていないことを確かめる。確かに最近油断しているとはいえ、そこまで出ていないだろうと安堵したが、彼に危惧されているのなら気を付けようと心に固く誓った。紅茶の準備を頼むと、それで良いのかと尋ねられた。いつもはコーヒーがデフォルトだったため、その反応も分からなくも無いが今日は特別だ。ご機嫌で食器を洗いながら)あぁ。紅茶にして。最初にこのカップを使う日なんだから、一緒のもの飲みたいし。俺が淹れるより真尋が淹れたほうが絶対美味いでしょ。それと、デザートも楽しみだけど、真尋と選んだこのカップを一緒に使うのが楽しみなんだって。…つか、分かれよ。んなこと。(食器も洗い終わって、紅茶を点てる彼の背後にまわり、照れ隠しのために乱暴に首に腕を絡めた)
悪くないの!?…あ、なんか篤の考えてる事、想像付くかも。
(てっきりそんなのにはなりたくない!と返って来るものだと思っていたのに、そんなに嫌だと思ってなさそうな返事に少し驚いたがサンタと聞いて彼が考えている事が何となく想像が付く。自分の寝ている間に…って感じだろう。七福神と言ったのは単なる冗談で太ってきた、なんて思ってはいないが自分のお腹を触って確認する様子に思わず笑ってしまった。紅茶の気分なのかな…?なんて考えていたがその途中で実は気付いていた、彼が今言った事と同じ様な事を。二人分の紅茶も入れ終わり、シュークリームも二つトレイに乗せていると背後から首元に腕を回された。クスッと小さく笑っては振り返り「…実は、分かってたりして。」と悪戯な笑みを浮かべる。)
(首に腕を回し、肩越しに着々と準備が整っていく小さな2つのトレーを眺めていると、意地の悪い言葉が聞こえた。どうやら自分の計画は最初から見透かされていたらしい。小憎らしい態度に一糸報いようと、柔らかい後ろ髪から覗く白い項にカプりと軽く歯を立てた。勿論跡が残らないように軽くなのだが。首に回した腕はそのままに)ったく。いつからそんなに性格の悪い子になったの。真尋くんは。先にリビングで待ってるから、美味しい紅茶とそのトレーは真尋が持ってきて(拗ねたような口調でキッチンを後にして、自分は借りてきたDVDの準備を始める。それとまだ夜は肌寒いからと、寝室からタオルケットを持参していよいよ体勢が整い、ベランダに出てタバコに火をつけながら、彼がリビングにやってくるのを待っていた)
(顔を前に戻し視線を手元に落として自分のには角砂糖を一ついれる。よし、準備完了。後はテーブルに運ぶだけといった所で意識などしていなかった項に僅かな痛みが走った。「…んっ」小さく肩を揺らし思わず肩を竦める。驚いたものの彼の仕業だと分かれば「ちょっと、何するのさ。」と再び振り向けば拗ねた様な声色で先にリビングに行っていると言われた。首元から彼の腕が解かれ背中にあった温もりが消えた。キッチンに一人取り残されては彼の発言が頭を過る…"性格の悪い子"…。少しからかっただけのつもりだったが、彼にとっては嫌だったのだろうか…こんなにも一緒に居て彼の嫌がる事も知らないなんて、情けない…俯きぼんやりと二つ並んだカップを眺めて考える。折角入れた紅茶が冷めてしまってはいけないとカップを両手に持ちリビングへ運ぶ。もう一度キッチンへ戻りシュークリームもテーブルへと運んだ。彼の姿が見えないと部屋を見渡せばベランダにタバコを吹かす後ろ姿を見付けた。ゆっくりとベランダへと歩み寄る途中、ソファにタオルケットが掛けてあった。DVDの準備も。きっと彼が自分を待っている間に用意してくれていたのだろう。ベランダのドアを少し開け、覗く様にしては「…篤…用意、出来たよ…」と控えめに声を掛ける。)
(彼と一緒に居る時は、なるべく室内で煙草を吸わないようにしている。クロックスに履き替えベランダに出ると、なかなかに良い風が吹いている。酔い冷ましには丁度良い。ポケットに突っ込んでいたタバコを取り出し火をつけ、夜景を眺めながら煙を肺一杯に吸い込んだ。夜景と言っても住宅街の中にある8Fからの眺望なので都内なんかに比べると随分と寂しいが、これはこれで自分としては気に入っているのだ。ぼんやりと外を眺めていると、背後から随分と控えめな自分を呼ぶ声がした。振り返ると、さっきまでの快活な姿とは異なり、少々元気が無さそうな風に見える。もしかしてさっきの自分の態度に何か感じるものがあったのだろうか。うーん…。先程の行動には全く意味は無く、強いて挙げれば、目の前にあった白い項を見て咄嗟に食いつきたくなったからとしか言いようがない…。こんな馬鹿らしい理由を言うのも躊躇われる)おう、ありがと。そうだ、真尋もおいで。紅茶が冷める前にちゃんと部屋に入るから。今日は星が良く見えるぞ。
(恐る恐る彼に声を掛ければ怒っている風でもなく、なんだ…拗ねたフリしてただけか…と安堵してはおいでとベランダに出るよう誘われる。一度頷き顔を覗かせる分しか開けていなかったドアを人が通れる程まで開け、ベランダ用の靴を履いて出る。数歩歩いて彼の隣へ並べばフェンスに両手を乗せ雲のない夜空を見上げると彼の言った通り無数の星が輝いていた。「…ほんとだ…綺麗…。」ベランダに出るのは陽の当たる日中に洗濯物を干すくらいで、夜道を歩いていても星を眺める事はあまりしない為とても新鮮に感じる。涼しい夜風に当たりながら暫く星を眺めていては、いい事思い付いたと密かに口角上げて「あ、篤!流れ星!」と嬉しそうな声色で空に向けて指を差す。…が、本当は流れ星なんて見ておらず肩を揺らしてクスクス笑えば「…嘘でした。」とにやりとした意地悪い笑みを浮かべる。)
(手招きすると窓からひょこりと顔を出し、ベランダへと来た。煙草も吸い終わり、置いてある灰皿で煙草を消したところで、彼が隣にやってきて2人して空を眺める。昼間の晴天が夜まで持ち、満天とまでは行かないが星が幾つも輝いていた。自分の横に並ぶ彼の腰に腕を回し、自分の方へと抱き寄せる)たまには良いもんだろ。夜の景色も。(この喫煙コーナーは冬は寒さが堪えるが、今の季節はこの家の中でも最高の特等席と化す)あのさ。さっきの気にしてるんだったら…。あんなの気にしなくてもいいから。つか、んなのいつものことだろ。俺に対しては、真尋はもう少し図々しくても良いと思うよ(空を見上げながら呟いた。すると、咄嗟に隣にいる彼が「流れ星」だなんていうもんだから、つられてキョロキョロと四方を見渡す。が、そんなものはどこにも無い訳で、横に居る彼を見ると嘘だと言うではないか)さっきの…。撤回。やっぱお前性格悪ぃ(腹いせに、腰に回した手で脇腹を軽く抓ってやった。煙草も吸い終わり外の空気も満喫したところで、うんと大きな伸びをする)冷えて来たし、そろそろ中に入るか。あったかい紅茶でも飲もうよ
(夜空を眺める中不意に腰に腕を回され引き寄せられる。夜空を見ながら寄り添い合う…何か凄い恋人っぽい事してるかも…そんな風に思えば何だか嬉しい様な恥ずかしい様な気持ちになる。そんな事を思っていると彼が先程の事を弁解してくれる様な事を話す。…確かに、何時も何も考えず図々しく生意気な態度を取っているにも関わらず今回に関しては敏感に気にしすぎた。こんなに優しく何でも受け入れてくれる彼がそんな簡単に自分を嫌いだなんて言う訳ないか、と自惚れかもしれないがそう思う。「ありがと。」と小さく礼を告げれば自分の悪戯にまんまと引っかかる彼に思わず笑ってしまう。嘘だとバラせば脇腹を抓まれ「うひゃっ…!」と僅かに体を捩らせながら変な声が出た。恥ずかしい…。また性格悪いと言われると今度はと気にもしていない様子で「けど、そんな性格悪い僕を好きななったんでしょ、篤は。」と何故か得意気に返す。そろそろ中へ入ろうと告げられれば「僕が折角入れた美味しい紅茶が冷めちゃう!早く早く!」と彼の背中を両手で押し早く部屋へ入るよう急かす。)
(先程は自分が嵌められたが、今度は彼を驚かせることに成功してほくそ笑む。こんなことばかりしているから彼にも呆れられるのだろうとは思いつつ、ついついやってしまうのは自分の精神年齢が低いからだろうかとも思うが、いちいちリアクションがこちらの期待通りなので止められない。高校生かよ…俺は…。本気でキレられた時には、ちゃんと止めようと心に誓いながら、彼に背中を押されるままに、大人しく部屋に戻った。リビングには彼が準備していてくれた紅茶とシュークリームが、買ってきたばかりの皿に乗せられている。ソファに腰掛けると、それだけで紅茶の良い香りが鼻孔をくすぐる。彼が隣に座るのを確認し)それでは、いただきますか。(グリーンの縁取りがされたカップに口をつけると、冷えた身体に温かさが染みわたる。茶葉には全く疎いので、この紅茶がなんという銘柄なのかまでは分からないが、普段飲み慣れない自分にも十分美味しさが分かった)うん…。美味い…。たまには紅茶も良いかも。(そう言って、一旦カップを置き、リモコンのボタンを押すと、真っ暗な画面に映像が映し出された)
(彼の背中を押しながらさっきの脇腹の擽りは絶対仕返しだ、なんて考える。彼は此方が何かしら悪戯すれば割とやり返してくる。仕返し、なんだろうが自分にとってはそんな些細な戯れも楽しくって仕方が無い。自分より派広く逞しい背中を押しながらほくそ笑む。テーブルに並べられた色違いのカップとシュークリーム、なんか仲良しの女子同士がやってそうな事してるな。彼に続いてソファに腰を下ろすと自分が入れた紅茶の嗅ぎ慣れた香りに落ち着く。「篤の待ちに待ったデザートの時間だね、頂きます。」一言余計な言葉を添えて軽く手を合わせては自分は紅茶より先にシュークリームへと手を付ける。丁寧に袋を開け、ふわっと漂った甘い香りにデザートは別腹なんて言葉を実感する。一口齧ればカスタードの程よい甘さが口内に広がり「やっぱりシュークリームは美味しいね。食べるの難しいけど。」とクリームを落とさないよう考えながら食べ進める。隣で珍しく紅茶を飲む彼から美味しいと聞えれば「僕が入れたんだから美味しいに決まってるでしょ。」なんて嬉しそうに得意気に返す。)
(さも、こちらだけが楽しみにしていたような口ぶりで話しているが、彼も同じようにこの瞬間を待っていたことは容易に分かったし、自分と同じように楽しみにしていてくれたことが嬉しくて、敢えてそのことには触れずに席に着いた。自分はカップから先に手を付けたが、彼は真っ先にシュークリームに手を付けたようだ。彼の淹れてくれた紅茶に対して、一言「美味しい」と呟けば、薄い皮に包まれたカスタードクリームを零さないように頬張りながら「当然」と得意顔で答えられてしまった。だがよく見ると、口元には取りこぼしたクリームが口元についている。例えが悪いかもしれない。だが、大ぶりなシュークリームを頬張り、口元にカスタードクリームをつけながら、自分の功績を誇るこの可愛い生き物をどうしてくれようか。こんな無防備なことを学校でしてるかと思うと、気が気でならない。こんな姿を見て、彼の友人とやらが気の迷いを起こさなければ良いのだが)真尋…。こっち向いて。クリーム付いてる(堪らず、彼の口端に付いたクリームを舌先で舐めとった)ほら、映画始まるから。(彼が冷えないように、先程用意したタオルケットを彼の膝に掛ける)
(真尋くんと主様。お会いしてから丁度一か月、こんなに楽しい時間を過ごさせて頂けるなんて思ってもおりませんでした。こちらに不備・ご要望はございませんでしょうか?気になることがあれば、ご遠慮なく仰って下さい。これからもお付き合いいただければ幸いです。宜しくお願い致します)
(シュークリームは割と好きな方なのだがどうしても不器用で食べるのが苦手だ。しかし、齧る以外の食べ方なんて無いような形状をしているし他の食べ方なんて見た事もない。彼には生意気なに返しつつ上手く食べきれる様にシュークリームに集中していたが不意に名前を呼ばれ、もぐもぐと口を動かしながら「んー?」と彼の方を向けば口端を舐められた。一瞬硬直するも静かに目を見開きみるみると顔を真っ赤に染めていく。「…言ってくれれば自分で拭いたのに…!」舐められた箇所に片手を当て戸惑った様子で彼を見つめる。何も舐めなくたって…!彼は一体何を考えているんだ…折角落ち着いていたのに鼓動が忙しなくなる。何でもないようにタオルケットを掛けてくれ映画を見るよう促す彼に自分だけが辱めにあった様な気になり不服に思えばいい事を思い付いた。持っていたシュークリームのクリームを指先で少し掬い彼の口端にぴと、と付けてはそれを自らゆっくりと舐めとる。顔を離せば「篤も、クリーム付いてたよ。」なんて平然とした態度で見詰める。)
(/こんばんは、篤さんの本体様。わざわざこんな風に声を掛けて頂き、ありがとうございます。もう1ヶ月経ったんですね、此方も楽し過ぎてとても早く感じます。不備も何も全くございません。此方こそ、不備や要望はありませんか?何時も、長い駄文に付き合って頂き本当に感謝しております。何かあれば細かい事でも遠慮なく言って下さいね。それと、返事はリアル優先で構いませんので(^^)それでは、此方こそこれからも宜しくお願い致します。)
(隣に座っていると、少々大ぶりのシュークリームと格闘している姿がつい気になり、ついチラチラと横目で見ていたが、どうにも口元に付いたカスタードクリーム目についてしまった。「付いている」と指摘するのも面倒だったし、彼に触れられる口実の一つだと思い躊躇わず舌先で舐めとると、すぐさま反論の声が聞こえる。予想出来なかったことでは無いのだが…。非難の声を無視しながら、画面に映し出される映像を懐かしい思いで眺めていると、今度は自分の頬にぬるりとした感触が這ったのが分かった。何事かと思えば、どうやら彼が自分の頬に食べていたカスタードクリームを撫でつけたらしい。先の行動が全く読めなかったため静観していると、お返しとばかりに舐めとられてしまった。咄嗟に自分から離れようとする顎先を捉え)まだ食べても無いのに、付くわけ無いだろ。でも、真尋から味見したから、このシュークリームが美味しいことは十分分かったよ(自分へカスタードクリームを撫でつけた指を、彼に見せつけるように口に含み放した後)これ以上煽られたら、映画見れなくなるでしょ(触れたいという欲求を押し殺すように、ため息を噛み殺しながらソファに深く背凭れる。せめてもと思い、彼の肩に腕を回し自分の側へ抱き寄せた)
(真尋くんとその主様。温かいお言葉をいただきありがとうございます。主様こそ、お忙しい時はリアルを優先させて下さいませ。ヘタレ槇村は真尋くんのことを相当大切に想っているようなので、少々待たせても問題無さそうです← マイペースでゆっくりと真尋くんと時間を共有できればと思っております。改めて、今後とも宜しくお願い致します。)
(彼へ付けたクリームを舐め取り離れようとすれば顎を捉えられる少々驚いたもののじっと彼の瞳を見詰める。まだ食べてないのに付く訳がないと聞けばその通りなのだが、敢えてそうしたのだ。「そんなの分かっててやったに決まってるじゃん。」当然と答えると自分の指に付いたままのクリームを今度は彼が見せ付ける様に口に含み舐め取る。仕返ししたのに驚いたり戸惑ったりする様子が見られず、寧ろまた自分がやり返された気になるが"煽られた"と聞けば自分も彼に何かしら影響を与えたのだと分かり気分が良くなる。引き寄せられれば「…別に、我慢しなくていいのに…。」と彼の顎髭を人差し指で弄りながらぼやく。映画も勿論見たいが彼とこんな風に戯れていられる時間が嬉しく、もっと彼に触れたいし触れて欲しい…もっとイチャイチャしたい…なんて考えてしまう。自分からもっと構って欲しいなんて言うのは恥ずかしく、彼から触れてくれるよう仕向けようという魂胆だが上手くいくだろうか…じっと彼の様子を窺う様に見詰める。)
(/ありがとうございます。リアルの方もちゃんと大切にさせて頂いております。待たせるなんてとんでもないです!それに、真尋も負けず劣らず篤さんを凄く大切に想っておりますし、お返事を考えるのを楽しみにしていますのであまり待たせる事なくお返事返せたらなと思っています。此方も篤さんの為なら、いくらでも待ちますのでそこら辺の心配は必要ありません!ゆっくりと二人のペースで、色々な時間を共有していけたらなと思います。此方こそ、改めて宜しくお願い致します。)
(ソファに深く凭れこんだもののどうにも落ち着かない。その原因は、抱き寄せた彼が、まるで子猫のように自分の無精ヒゲにじゃれ付くからだ。くすぐったいやら気持ち良いやらで、なかなか目の前の画面に集中することが出来ないが、これは彼なりの構って欲しいというサインだということに気付き、こちらからも挑発に乗ることに決めた。それに、こんな目で見つめられれば猶更だ。普段なかなかすれ違うことの多い生活の中で、こうやって触れ合いたいと思っていたのは自分だって同じなのだから。「我慢しなくて良い」と言われ、自分のリミッターが外れるのが分かった。まだ食べていなかったシュークリームを一口齧る。手に残ったその断面からカスタードクリームを指で掬い、彼の口にそっと差し込んだ)うまいね、シュークリーム。俺のも一口お裾分け。口開けて…(形の良い唇にその指を含ませ、舌の上に優しく指を撫でつけた。指を引くと自分の口に咥え「甘い」と呟く。もう片方の手は、彼が逃げないようにしっかりと腰を捉えて離さなかった)
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