_『ナナシ…そうだ、君の名前は七つの詩(ウタ)と書いて七詩にしよう』
僕を名付けてくれた優しい貴方。
今はなき優しい貴方。
そんな貴方が好きで好きでたまらなくて、隣から消えた貴方を思うと…とてもとても苦しい。
その時、僕の心は彼と死んだ。だから…わからない。この胸の苦しいのは何なのか。
_「好き」なんて言葉ものべるのは簡単だけれど今はもうわからない。
もうどれだけ生きただろう。
どれだけたくさんの人と出会ったのだろう。
それすらもわからなくて…だんだんと自分が嫌いになって、怖くなって、苦しくなって逃げたくって
でもそれは運命が…神様が許してくれないのだ。
_そんなある日のこと。僕は山の頂上に登り身を投げようとした。すると、ある少年が此方に声を掛けた。
暖かく、優しい…聞き覚えのある声。
__ドクンッ…
胸が高鳴った。彼かもしれない。
期待を込めて振り返れば、そこにはまだまだ若い…そう、彼の姿があった。
_『ねぇ、君。此処は危ないよ?』
これを生まれ変わりと呼ぶのなら、僕はもう一度彼に呼ばれたい。
あの頃のように。
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