とくめー。 2015-05-02 18:48:51 |
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(笑顔を此方に向ける相手に何がなんだか分からぬままとりあえず此方も困惑した表情のまま苦笑にも見える笑みを浮かべて。しかし相手がいきなり大きな声を出せばびくり、と肩を揺らしつつ携帯を確認する相手をじっと見つめて次の瞬間にぐらぐらと視界が揺れれば「ちょ、落ち着いて下さい…っ」と相手の両腕を掴んで止めようとすれば近くのお店の時計に視線を向けて。すると時刻は出勤の15分前でこれは不味いといった表情を浮かべたあと足首をくるくると軽く回した後で真剣な眼差しを相手に向けこくり、と深く頷けば、)
…走りますよ
( 能天気に次の約束をしている暇ではなかったと自身の軽率な行いを悔やんでは腕を掴まれたことでぴたりと相手の肩を揺らすの辞めて。相手が足首くるくると回したあとに述べた走ろうという言葉にこくんと深々と頷いてみせると此方も ぐぐ、と軽く怪我しないようにと運動してから鞄邪魔にならないようにと抱え直してから、相手の返答を待つわけでもなく相手の手掴むと下記を述べてから人の波をぬうように勢いよく駆け出して。 )
よーし、転ばないようにな!
え、ちょ…!
(走ると言い出したのは己であるが手を掴まれたかと思えばそのまま勢い良く駆け出す相手に慌てながら引っ張られるように走り出し。高校時代、柔な練習はしていなかったため体力にはそこそこな自信はあったものの相手のタフさには到底適わず相変わらずだな、なんて暢気なことを考えつつ相手の足を引っ張らぬように必死に足を動かしだんだんと息が切れてきて額にはじんわりと汗を掻いてきた頃会社のすぐ近くまで辿り着き徐々に足を動かす早さを遅くしては、)
…っは、…じゃあ、俺ここなんで、
あっ、うん、解った!
( なにも考えずにとった行動ではあったのだが無意識とはいえなにも言わずに手を掴み、走り出すなんて行動相手はどう思ったろうかと内心では気にしていたが掌に感じる相手のぬくもりを今更離すことなんて出来なくて。相手がここだ、という言葉吐いたの聞くと此方もスピードを緩め。乱れた呼吸を整えながら にっ、と相手に笑顔を向けると何処か穏やかなトーンではあるがそれなりに元気の良さそうな様子で上記。それからまだもう少し先の場所を曲がる予定である己は相手に手をひらりと振ると、 )
じゃ、また!
(走っているときは必死で気付かなかったものの立ち止まってから相手と手を繋ぐ形になっていることに気が付けばさりげなく手に視線を落としながらもすぐに相手の肩へと視線を戻し。其処には爽やかな笑顔を浮かべる相手がいてそんな笑顔にも目を奪われそうになりぶんぶん、と首を振って己に渇を入れて。また、というその言葉がとても嬉しく感じられれば次があるという思いから別れも辛くなく此方もひらひら、と手を振って。相手の姿が見えなくなった後で相手の温もりを確かめるように手を開閉させ頬を緩めたあとでハッとしては急ぎ足で会社へと入っていき。)
( 相手と別れたわけではあるが掌にわずかに残った相手の体温逃さぬようにと力強くその手握りしめ。暫し歩いてから相手の方を振り返ると握りしめた手とは逆の手で相手にぶんぶんっと手を振り。それから再度相手に背を向けるとにやけそうになる顔俯き気味に隠しながら自身の職場へと急いで足を運び。また会えるという自分が勝手に取り付けた約束を思うと少し、だが未来のことを思ってそわそわする心押さえ付けて。 )
(オフィスへと辿り着けば時刻は朝礼の始まる3分前であり間に合ったという安心から額に薄らと滲んだ汗を拭って小さく息を吐き。珍しいな、なんて上司に言われては苦笑を浮かべながら頭を掻く他なく無事朝礼を終えれば仕事に取り掛かり。相手に再会出来たことで頭の中は相手に支配されており、相手は今どうしてるかな、なんてことを考えながらパソコンの画面と向き合って。)
( 此方もしばらくの後一応職場へとつけば相手に合わせて家を出たがために普段よりもいくぶんも早い時刻に辿り着いて。そういえば相手に連絡先もなにも教えてないことに気がつくと鞄に入れてきた相手に借りた洋服の存在を思いながら、また次会える頃にはちゃんと教えようと静かに胸に秘めて。周りの人間に普段よりも早めの登場を揶揄されつつ自身の席につくと小さくため息を溢しつつ、その場に突っ伏して。 )
(いつも通り会社にはキーボードを叩く音が響き渡っており、相手に会えた幸福感からかいつも以上に仕事は捗り。お昼時間には同期と食堂でご飯を食べつつ、機嫌が良い、なんて言われてしまえば浮かれてしまっていることに気付いてしまい理由こそ言えないものの恥ずかしそうに頬をぽりぽりと掻いて。それからは午後の仕事も順調に進み残業もなく定時に帰宅が出来ることになればふと窓の外を眺めつつもしかしたら今日も会えるかも、なんて淡い期待を抱きながら帰り支度を始めて。)
( 昔に比べればしょぼくれることも、些細なミスをすることも減りそれなりに自分でもなにかをするような努力をするようにはなっていて。相手に会えたこともあるのかいつも以上に好調な様子でいれば相手の服もあるし、ということで仕事早めに切り上げ、支度を終えるなりタイムカードをきると、少々足早に自宅へと帰る道ほんの少しだけいつもよりもゆっくりとした足取りで進み。会えるかなんて分からないものの居ないものかとほぼ無意識に視線は相手を探して。 )
(帰り支度を終えるなり鞄を抱え社員に挨拶をしてから会社を出て。会社の玄関の前の大通りは既に人でいっぱいで思わず一度立ち止まり。人が多いときは裏道を通って帰ったりもするのだがそれをしないのは会えるかもしれないという可能性が少しでもあるからで。しかもその可能性があるからか帰宅ラッシュもそれほど嫌ではなくゆったりとその波に飲まれては相手の姿を意図的に探しながら歩くもその姿はなかなか確認出来ず。)
…うーん、早すぎたかなあ、
( 流石に朝のように立ち止まるようなことはしないものの普段よりも格段に歩みを遅くしつつ自身の周りを通りすぎていく人たちの中に少しでも見慣れた人物を見付けようと必死にキョロキョロ。上記をぽつりと溢すと うーん、と少しだけ唸るような仕草を見せ。くるりと振り向けばぱちりと視線の先に相手に似た人物を見付け、タタッと駆け寄って。 )
(視線だけを忙しなく動かしながら相手の姿を探すもそんなに都合良く会えるわけがないか、と深い溜息を零して。それに無理に探さなくても約束があるため明後日には会えるという安心感からか相手探すことを止めてしまえば人の波の中で後ろを振り向き此方へと駆け寄ってくる人物に気が付かぬままふらり、と人混みを抜けては人通りの少ない裏の細い道へと進路を変更して。)
あっ、ちょっ、
( 確かに相手を見つけたはずなのだが不意に相手が踵を返し、人混みの中に埋もれていくの駆け寄りながら見ておれば必死に人混みを掻き分けて進むが誰かに不意にぶつかって、謝罪の言葉述べたのち相手が確かに消えた方向見るが、もうそこには相手の姿はなく。あーあ、と小さく声を漏らすとうぅん、と悩ましげな顔を見せ、がしがしと頭を掻き。また明日と自身に言い聞かせると今日はすぐに帰って相手に借りた服洗って、乾かさなければと思いいたり、名残惜しそうに相手の進んでいった方向見てから此方も自宅へと足を運び。 )
…ただいま、
(相手の存在に気付くことなく裏の細道へと進路を変更してはそこからはただぼんやりと景色を眺めながら歩いて気付けば家へと辿り着いており。誰も居ない家に挨拶をして入ると少し虚しいような気もするがそれはいつものことでありネクタイを緩めながらリビングに入ればふと視線を移した先には昨日相手と一緒にお酒を飲んでいたソファがあって。ゆっくりとその場所へと歩いていけば腰を下ろして小さく息を吐きつつ頭に浮かぶのは相手のことばかりで。)
( 家にたどり着くまでの間やることの手順簡単に考えて歩いて居れば自然に家へと辿り着き、ただいまあ、なんて誰もいないのは承知で妙に間延びした声を上げつつ靴を脱ぎながら家へと上がると手を洗い簡単に着替えを済ませてからほぼ頭の片隅に追いやりかけていた相手の服の洗濯を思い返すなり やべーやべーなんて独りでに喋りつつ洗濯機回し。きちんと第一の目標を達成したの見届けるとリビングに歩み進めて。 )
(暫くの間ソファでぼんやりとしていたもののふと我に返ればスーツのままであることを思い出し皺が付いては困るためよいしょ、なんて年寄り臭い掛け声とともに重い腰を上げて。朝とは違い急ぐ必要もないためのそのそとゆっくりと部屋着に着替えてはスーツをハンガーに掛けてよし、と言わんばかりに小さく頷いて。それから冷蔵庫へと向かい扉を開けてみると何とも殺風景な光景が広がっており少しの間見つめてみるもものが増えるはずもなくぐう、と鳴るお腹を抑えて。)
コンビニ行くか…、
あー…、電話の番号とか聞けばよかった、
( 聞かなかったのは己が悪いが、高校の頃と電話番号のみならず、連絡の手段である機能のアドレスの殆どが変わっているのは当たり前であり、どうして会ったときに直ぐに聞かなかったのだと少々自分のとった行動に少なからず後悔を覚えて。洗濯機も回せたことだし、はてさて今晩はどうしようかなんて独りで生活するようになってからなんとか身につけた自炊の能力と相談し。とはいったものの疲れているのも本音で、うーんうーん、と悩むそぶりを見せては壁に掛けられた時計を見て時間を確認し。この時間なら何処かで外食するのも可能だろうか、なんて。 )
(暫くの間冷蔵庫とにらめっこをしていたがやはり何も変わらないためゆっくりと扉を閉めれば小さく息を吐いてコンビニへ行くことを決意して。テーブルから携帯と財布だけを持って、スウェットといういかにも部屋着といった服装のまま玄関を出て。戸締まりをしっかりしてはゆったりとした足取りでコンビニを目指すも外へ出るとどうしても相手に会えないかと期待してしまい。携帯で連絡を取るなどといった現代的な思考には至らず偶然会えることばかりを願っていては、)
( くぁあ、と自然とこぼれた欠伸を噛み殺しつつ、時間帯もあるのかそれなりに人通りの多そうな通りを目指して玄関からでるなりノロノロといつも以上にのんびりとした歩みで道を歩き。さっきは相手に会えたのだが、もうそこで運を使い果たしたであろうことを考えると小さく溜め息が漏れ。それでも可能性は諦めたくないのか不審者だと騒がれない程度には辺りを注意深く見渡して。)
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