桃亜 2015-04-30 21:55:36 |
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>>172の続きです!
「やだ、と言われてもな」
これは君の弱点探しだからな…、と浅野はまだ耳元から離れない。
浅野が声を発する度に息が耳に掛かって、毎回反応してしまう。
『んぁあ……ッ』
かぷ、と耳を甘噛みされた。
またか。
さっきから耳ばっか。
抵抗したいけれど、腕を拘束されているため出来ない。
足だって動かしたいが、力が抜けていて出来ない。
ついでに頭もぼーっとしてきていた。
『………ん、ぅ……』
ならば声を抑えるしか方法はない。
こんな恥ずかしい声、何回も聴かれて堪るか。
すると、浅野が耳元から離れた。
今度はキスしようとしてるみたいだ。
『…ぁ、さの…くんって、こうい、う趣味……だったんだ、ね』
息こそ切れているが、力を取り戻す時間稼ぎのためだ。
相手の返事を待つ。
「…趣味ではないな。最近気付いたことだが、どうも僕は君が好きらしい。
好きな人を支配したいと思うのは当然のことだ」
『…は、?』
好き……?俺が?
俺を支配したいから俺の弱点を探してんの?
驚きが隠せない。
その間にも、浅野はまた耳元に戻っていて。
『ひぅんッ』
耳を舐められた。
しまった。声が抑えられなかった。
その時、階段を上ってくる音。
そうだ、忘れていたがここは二階。
親が上って来たのだろうか。
「…まずいな。このためにも勉強道具をテーブルに広げておいて良かった」
テーブルの前に座らされる。
浅野も隣に座って、階段を上る音を立てている人を待った。
カチャ、と部屋の扉が開く。
そこから入ってきたのは、浅野の父親である、理事長先生だった。
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