狐死神 2015-04-25 21:39:34 ID:afe26c679 |
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-家出-
暗くなってきた夜道を歩く。人通りは少なく光も少ない。
ヒナ「暗いなぁ……。」
そう呟きながら裏道へ入る。裏道は暗くどんよりとした世界だった。
ヒナ「僕のせいで……皆を……ママを不幸にしたんだ。」
汚れたシャッターにもたれぶつぶつと呟く。ここは高い建物が少ない、高くて3階建て。だから……ヒナはカッターナイフを持っていた。
ヒナ「ふふ……また綺麗なのがでるっ。」
ヒナの腕は1ヶ月間カッターナイフで切った生々しい傷が沢山あった。
――カタカタ
カッターナイフの刃を出す。そして……
――ブスッ
ヒナの腕にまた傷が一つ増えた。
赤い赤い血がツゥーと溢れ出す。痛みと赤い血と傷は、ヒナにとって一瞬の安らぎであった。
ヒナ「……はぁ、これからどうしようかぁ。お金無いし……うーん。」
?「……君……。」
ヒナ「うん?」
どこかで呼ばれた気がする。警察かと思い逃げ出そうとしたが、それは無理だった。
?「ヒナァ!」
ヒナ「うわぁ!」
ギュッと腕を捕まえ笑顔で笑いかけた。
ヒナ「誰ですか!?」
?「ヒナ……大きくなったんだね。」
話が噛み合わない。しかし僕のことを知っているらしい。
ヒナ「……。」
?「ごめんなさい、私ったら。私は……雪。雪っていうのよ。」
ヒナ「雪さん……ですか。」
雪「そうよっ雪! あっ夜ご飯食べて行ってよ! ていうか家来て! よしっ行こう!」
ヒナ「わっちょっ……待ってぇぇぇぇ!」
ズルズルと引きずられてボロボロのマンションについた。
しかし僕はそんなことより雪さんのことが少し気になっていた。
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