巫女 2015-04-22 00:39:15 |
通報 |
(相手のことが心配で余り暖まらずに、髪の毛を乾かすこともしないでバスタオルを肩に掛けたまま急いで出てくれば、相手の寝ている横に座り顔を覗き込んで様子をうかがい)
ん…
(なにやら夢を見ているのか珍しく幸せそうな顔で微笑み、時折寒いのかぷるっと震え、コホコホと小さく咳を繰り返せば相手の膝元に手を伸ばして)
まだ寒そうね…
(相手が寒そうにしていることに気付くと辺りをキョロキョロ見回し、そのせいで膝元に伸びてきた相手の手に気付かないまま立ち上がると、ストーブに火をつけた後、自分の部屋からも掛け布団を持って来ようと部屋を出ていき)
(手を伸ばした先に掴めるものはなく空をかくと違和感から目を覚ませばむくりと起き上がり、体の調子はおかしいままで、「確かに彼方を感じたんだが…」と独り言を言えばふらふらと足元おぼつかない状態で屋敷の中を探しに行き)
あれ……?
(掛け布団を持ってくればそこに相手の姿はなく、あんな体調で一体どこに行ったのだと室内を見渡すもどこにもいないため、急いで部屋の外へ出て廊下で相手の名前を呼び)
紫雨ー?
彼方…
(屋敷の中をふらふらと歩きながら相手の名前を呼ぶが返答はなくふらふらと屋敷を一周しようとすれば名前を呼ぶ相手の声が聞こえ足元おぼつかず走っていけば抱きつくように相手に縋りに行き)
わっ!?ちょ、なにやってるのよ貴方!!
(フラフラとやってくる不規則な足音に気がつけば後ろを振り返り、相手が倒れ込むように飛び込んでくればしっかりと両手で懸命に支えながらも、こんな身体なのに何をしていたんだと声を荒げ)
彼方がどっか行っちゃったと思うと寂しくて
(相手の顔を見上げるように見つめれば僅かに潤んだ瞳を向けていて。「お腹空いたし…ご飯食べよ?」と相手の手を引っ張り部屋の中へ入っていき)
………もう。
(母親からの愛情に飢えているためか、母親との決別がハッキリしたためか、最近の相手はまるで母親にすがる小さな子供だと苦笑すれば、台所へ向かいご飯を鍋にいれてお粥にすれば相手に出して)
さ、食べましょうか。
病人だからね。
しっかり食べなさい!
(病には栄養だと座卓の上のおかずを相手の方に押しやっては、残すことは許さないといった様子で食べている相手をしっかりと見つめれば、自分も食べはじめて)
ん、はい、あーん
(相手の言葉に頷くと食べ始めたことに気づいてかおかずを箸の先に掴めば相手に向けて上記の言葉を口に出しながら目の前に差し出して)
は!?
なんで「あーん」?
(目の前に箸で摘まんだおかずが差し出されれば一気に顔を真っ赤にし視線を泳がせながらもおかずを食べることをためらい)
前してくれたからお返し…やだ?
(している方も恥ずかしいのか顔を赤くすれば理由を述べれば相手の顔をじっと見つめれば首を傾げ、ゆっくりと箸を戻して)
やだ、というか、恥ずかしい。
(キッパリとそう言えば自分は何食わぬ顔で再び食べ進めるも内心ドキドキしており、相手と目線を合わせることなく黙々と食べており)
恥ずかしがり屋なんだから
(小さく残念そうに呟けばそのままおかずを口の中へと運び食べて。先程からこちらも見ないし話さないしあーんなんてさせようとしたから怒ったと思ったのか「怒ってる?」なんて聞いてみて)
……別に?
(返答に困り暫し考えたあとに曖昧に返事をすれば、再び黙々と食べ終わり、手を合わせて「ごちそうさまでした」と言えば自身の食器を片付け始め)
そっか
(怒ってないことに安心したのか笑顔を見せれば食べ終わり、相手の後ろを追いかけるようについていけば相手の分の食器を洗い始めて)
ちょ、いいからアンタは大人しく寝てなさいって!
(熱があるにも関わらず、隣で片付けを手伝おうとする相手にそう言うと、どうせ素直に言うことは聞かないだろうと、半ば強引に相手の背中を押す形で先ほど敷いた布団へ移動させれば)
家の事は全部私がやっておくから、あなたは病気を治すことだけを考えなさい。
トピック検索 |