大倶利伽羅 2015-04-14 21:18:45 |
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嵐か。蒸し暑いよりはいいかもしれんなあ。
(この硝子窓に遮られた中庭では威力の和らいだ雨に因って出来た水溜りに、未練を残しているかのように降り止む事の無い細やかな雨粒が落ち、小さな水面に幾つもの揺らぎを作っている事だろう。燈籠の灯りも先程の朧げな明滅は止み、靄が掛かったような仄暗い闇をぼんやりと照らしている。鍛刀された時代には名も無かった事柄に名称が付き外来語が増えた現代、審神者の口から出る聞き慣れぬ言葉は、長い月日を生き永らえてきた身にでさえ酷く新鮮で知的好奇心が擽られる。何気無く紡がれる言葉や此方に触れる優しすぎる手付き、それに容易く掻き混ぜられる此方の心中を彼は知らないのだろう。相手の人柄からそれらが偽りの無いものだと理解出来るからこそ、猶更たちが悪い。徐に回される細くも逞しい腕に刹那は息が詰まるような心地を抱き、身体の奥から湧き上がる愛おしさと一線を越えてはならないという無意識の自制は葛藤し、すっかり乾いた腕は真っ直ぐに垂れ下がった侭で抱擁を返す事が出来ず。「そんな口説き文句、何処で覚えたんだ?…全く、年寄りをからかうのは止めてくれ。」乾いた笑みを吐き出し、平然を繕った軽やかな声色は語尾に微かな震えを残す。己に対し相手が執着以上の感情を向けている事は重々理解しているにも関わらず、それを受け入れられないのは人の好意に翻弄され所有者を転々とし続け、黄泉へ片脚を突っ込んだ過去に因るものだろう。目の前の彼とも一度は引き裂かれた間柄、その時の痛みが蘇り見て見ぬふりが出来ない程に燃え滾る恋慕に無理矢理蓋をして。後片付けの時間を含めると少々長居をしてしまった炊事場、今日一日の殆どの時間を彼と共有する事が出来たもののそれでも飽き足らぬと思う程に彼に対す情は刻一刻と濃くなるばかり。湯呑の表面には急速に冷やされた事に因り微細な水滴が纏わり付き、湯呑に水滴の跡を残している。此方の手の上が不安定な事を悟ってか、さも当たり前であるかの如く羽織や手袋を持つ気遣いに表情を緩め「ありがとう。…そうだな、なら今日は君の部屋に邪魔するとするか。」明朝の出陣の事を考えると彼の部屋が最適だろう、盆を持ち直し戸口で待つ彼の方へ歩を進めようとした矢先、急かすように呼ぶ己の名に一度足が止まりかける。今日は銘で呼ばれる事が多かった為に違和感と形容し難いな落胆を抱いてしまう、然しそれを態々指摘するような女々しい真似も出来ず、彼と共に薄ら明るい廊下を歩み部屋へと向かい。)
…光忠や堀川が煩くなるんじゃないか。
(燈籠の灯りだけがともる窓の外の景色は普段通りの静寂を纏う深い夜になりつつあるだろう、何処からか水溜りへ緩く雫を落とす微かで物寂しげな音が聞こえ、一定の速度で滴り落ちる。若しも乏しい知識が正しければ、嵐の一環である其れが本丸に遣って来るとなると部屋干しと嘆く刀剣達を瞼裏に思い浮かべ、溜息に似た息を少々溢した後に憂鬱しげな声量にて。思えば卯月の桜見える素晴らしい大木が桃色の花々を其々風に攫われるように儚く散り行き、今の季節よりも随分と肌寒く思える綺麗な季節から知らず知らずのうちに彼に想いを、気付けば抱いていた謎の気持ちに名称が宛がわれ、其れは思慕や尊敬で無く、恋情や恋慕と言った名が心に落ち着いた結果、胸中の一番奥に仕舞い込んでいた想いの扉が開かれてしまい、それは唇を通して彼に告げてしまう独占欲として現れ。純真で初心な恋心と、醜い感情が纏わりついて離れない暗雲とした靄の争いは滞る事を知らずに、随分とご無沙汰であった彼の身体をやっとの思いでこの腕に抱くと相も変わらずな華奢で細身、其れに安心しつつも然し返らない抱擁の腕は落胆と不安の意思が胸中から現れ、燻った胸の灯の勢いが一気に冷えて小さくなり行き、更に極めつけは彼の本気としていない言葉は一抹の炎へ、ひどくつめたい水の滴を一滴垂らされ気を抜けば消滅してしまう危うさを感じ。一度は運命の悪戯によって縁が絶ち切れた、としても募るこの感情が押し付けがましいものだとすれば、其れは此方からその彼に伸びた赤い糸をも裁ち切ってしまおう、と、思い至ってしまう。「やめだ。…お前に期待するのは、止めだ。―もういい。俺は、もう行く。」有無を言わさないと言った言い回しを彼に聞かせ、ゆっくりと身体を纏っていた腕を名残惜しげに解放。次第に互いの身体の間に距離が出来つつ、其の侭絡んでいた小指同士は最後に一層強く握って絡め合わすと静かに緩く指先から手が離れて行き、俯かせた頭を上げて漸く彼の姿を目に収めると双眸は愛おしげに儚い相手を金色の眸に映して。広間と炊事場とで長時間利用してしまった時間と場所にも終わりを告げ、炊事場の出入り口で待機していると此方の提案を受け入れる彼に対する返答は言葉も無く微かな肯定を示すよう頭を僅かに縦へ揺らし。彼の名前を口にしてみると脳裏に鮮明に蘇るは今日一日の出来事、食事室の秘め事も含めた濃い時間に胸中に燻る想いは静かに火を成長させていき、此方へ向かう足取りが一瞬だけ緩んだのを怪訝そうにしつつ炊事場の消灯をしてその場を離れる。薄ら明るいだけの廊下の電気は聊か不安、足元に気を付ける言葉を「気を付けろ。」と掛けつつ程無くして流石に近いのもあってか自室の前にいつの間にか辿り着き、障子の引き戸の片側を横に開くと両手が塞がっていて不自由な彼から先に入室をするように手元は障子の梁に添えたまま、身体を傍らに移動させ。)
ああ、…そんな時に出陣でもあったら、もれなく泥まみれだろうしな。
(静かな雨は大地を潤し、外に見える燈籠の周囲だけでなく辺り一面を仄白く煙らせる。締め切った窓からは雨が降っているのか否か判断し難い程に弱まり、恐らくは此の侭止むだろう。相手が口にした刀の銘、家事の殆どを流暢に行う事の出来る彼らと雨とを連想をさせ浮かぶ光景は一つ。然し少々解釈に齟齬が生じており、余裕を持たせ緩く腕を組むと自らが纏う汚れの目立つ純白の和装を思うと、声色も彼と同様に憂鬱なものと為り眉間に微かな皺を寄せた複雑な面持ちにて。彼に対し恩愛以上の特別な感情を抱き始めたのは何時頃だろうか。数百年間共に在った頃には無かったであろう愛染は、人間の身体を得て言葉を交わし始めた頃から時を重ねる毎に増し、何時しか見て見ぬふり等出来ぬ程に育ってしまった。然し人間の身勝手な欲望に弄ばれ、今生の別れを繰り返す度に薄らいでいった物事への執着と、心に根を張る訣別への恐怖に因り決定打を打てず仕舞いで。彼を想うだけで胸に満ちる温かな感情が慕情で、彼が名を紡ぐだけで胸中を燻る靄が嫉妬である事は薄々ながら自覚しているにも関わらず、此方に伸ばされる彼の手を掴む事が酷く難しい。此方が言葉を挟む暇を与えぬように紡がれる言葉と呆気無く離れてゆく身体に、心臓に氷の礫が突き刺さったような冷たく鋭い痛みが襲う。紛う事無く自分の発言が原因、恐らく此れ以上の痛みを彼に与えてしまっただろう事実に表情は歪み、悔やむように下唇を噛んで。此方から手を取る事など許される筈も無く、一度は相手の方へ伸ばした隻手で虚を掴み其の侭下ろし。「…っ、違う。そうじゃ、ない。…行かないでくれないか。」満月の色を溶かした優しげな眼差しと視線を合わせる事が出来ず顔を伏せると、己から発せられる想像以上にか細く頼り無い声に情けなさを感じながら待ち受ける返答に恐怖を抱き双眸を固く瞑り。炊事場を出るとすっかり更け込んだ宵闇が廊下の窓から窺える。本日は夜中に酒宴等も無いようで、辺りは程良い静寂が漂っており其処を二振りの刀が歩調を合わせ歩む。此方を気遣う言葉に思わず口許が緩むのを感じながら、一つ浅い首肯をし応じ。程無くして辿り着いた相手の部屋に歩みを止めると、開かれる扉と此方を促すような所作。其れを自然に為す様は板に付いており、「…君は、良い男になったなあ。」褒め言葉の心算か、感心の混じる声色にて上機嫌に紡ぐと軽く頭を下げた後に敷居を跨ぎ。手近な位置にある座卓に湯呑と団子の皿を置くと照明の紐を探るように手を宙で彷徨わせ、其れを軽く引っ張ると天井に着いている明かりは室内を照らし始める。台の下に盆を滑り込ませると、畳の上に胡坐をかくような体勢で座す。相変わらず整理整頓は行き届いており、比較的配置物の少ない室内を何の気無しに眺め。)
特にお前が泥まみれで帰って来たら光忠が凄い顔をする。
(先刻豪雨を齎していた雨脚は既に時間が経つにつれ霧雨や小雨、みぞれ交じりの天候に。目を凝らさなければ視野から雨を確認できない程までに落ち着いた雫は今や静々と降り、後は止むのを今か今かと待ち望むばかり。泥、と言った単語を耳にすると彼の方へ何とは無しに視線を向け、其の純白な装いが自然の手によって汚されてしまうのを推測し、其の装いのまま屋敷に帰還したとなれば同じ経緯で過ごしてきた刀剣の愕然とした表情と姿を思い浮かべ。最初こそ実践刀で使われた彼、然し時代が後世になるにつれて戦に出るよりも箱入り娘のように大事にされてきた、そんな彼の胸中に存在する慕情の気持ちは露知らず、彼に触れた指先や腕は未だに温もりを伴わせて薄らと己の肌に馴染んでいく。もう一度叶うならばその身へ手を伸ばして優しく抱き寄せて、唇を奪ってしまいたい衝動は喉奥で閊え、其処から胸中へ焦れる恋心が火傷をしてしまったかのように熱く感じ、彼からは身を引かなければならない、と思った矢先に此方に伸ばされる細身の腕。僅かに瞠目した瞳で手の行き先を見守るも己の一歩前で届かずに空を掴んでは苦悶に悶える表情、唇は薄ら赤い血色を濃いものにしている。然し此方を引き止める語調、彼がまるで闇から恐れおののいているような仕草にも見える表情は普段の陽気な笑顔を想うと切なく心に圧し掛かり。何時にも増してか細く弱々しい彼の言葉は胸が痛み、「…、国永。」彼の刀の銘である其れを安心させるため、囁くように、大切そうに甘く唇に乗せて再び彼の方へ手を伸ばし、指先を頭の側面に触れさせたかと思うと一房、髪を掬い上げては其れを耳裏へ掛けるようにして撫ぜ、相変わらず瞳を彼に向けたまま手の行き先を後れ毛へと自然と髪の流れに沿って行き、親指の腹で其の侭柔らかい頬を擦って。自分の部屋の前、障子の傍らに立ち促すような位置に居ると感慨深そうな言葉。どうでも良いと言いたげな表情を向け、「そう言うあんたは美人になった。」幼い記憶を手繰り寄せても彼の姿は見目麗しい事は変わりが無いものの、確実に人目を引く身なりに顕現された姿はその一言に尽き。彼が室内に入室した背中を追って敷居を跨ぎ、後ろ手で障子を静かに閉めると部屋の角、障子の傍に彼の羽織り衣装の上に手袋を乗せるよう置き、自室と言うのもあってか己の身を纏う学ランな見目の上着も袖から腕を滑らせるように脱いでいる所で彼の視線の彷徨いに気づき、「じろじろ見るな。面白いものは何もない。」そう言いながら向かい合う様に畳の上に胡坐の姿勢を取って座し、上着は傍らに寝かせるように置くと座卓に設置された煎茶を冷やした硝子の湯呑へ手を伸ばし。)
そうだろうな。…試しに真っ黒になって帰ってみるか。
(短時間の内に様々に移り変わる雨粒の形状は瓦屋根に落ちる音に因って容易く想像出来るもの。地面の泥濘が少々鬱積として残っているものの、この様子だと明朝までには完全に雨脚は遠退くだろう。己が纏うはまるで白装束の如く色合いで日常の汚れですら落ちにくい特殊な布地、洗濯を始めとする家事の殆どを取り仕切っている彼の言動は容易く脳裡に浮かび上がり、普段の粋な立ち居振る舞いからは想像し難い様子が何処か滑稽に思え、込み上げてくる笑みを喉許で押し殺すように笑み。続く言葉は純白である事に誇りを持つが故に冗句一色の軽口で。己と彼が互いに向けて抱く感情は似通っているものの恐らく別物、嘘偽りの無い科白や時に硝子細工を扱うように優しく、時に獣のような強引さを持って接す彼に、慕情は押し殺す事など到底不可能な程に熟してしまった。自意識過剰と理解していても猶淡い期待を抱いてしまう哀れな自身が在り。胸中に秘めた感情の名を彼から直接聞く迄は今の残酷な程に甘い微温湯に浸かったような関係で居られただろう、然し彼から差し伸べられた手を一度は拒み傷付けてしまった今、その関係に綻びが生じでいる事は妥当であり。吐息を含んだ優しすぎる低音にて紡がれる己の銘に胸の内が灼けるように焦がれ呼吸を忘れる程、側頭部に触れたかと思うと横顔を遮る髪は後ろへと流され緩慢な所作にて頬を撫ぜる指に従い顔を上げ。彼に愛想を尽かされる不安と相俟って痛い程に高鳴る心拍、そうして詰めた息を短く解放為すと「…すまなかった。だが君は、少し優しすぎるんじゃないか?」恐る恐る頬にある彼の手の甲に色見の異なる指を沿わせるように掌を重ねながら、参ったとばかりに淡く微笑み。漸く辿り着いた彼の自室。障子の手前にて淡泊な面持ちと同様な声色、然し其れを彩るは口説き文句のような甘い科白で思わず唇に緩い弧を描き「そういう言葉は女に言うもんだぜ。」刀生の頃から容姿を褒め称える科白は幾度と無く経験があるものの、彼が告げる其れに勝るものは無く。内装の造りは殆ど差異は無いが、一つ決定的に異なるとすると畳の藺草に因る澄んだ空気に混じる仄かな彼の香り。それを密やかに堪能していたところ、障子の際に置かれる己の羽織や手袋を一瞥した後、自然と視線が向かうは学生服のような黒い上着を取る彼の軽装な姿と引き締まった隻腕に刻み込まれた繊細且つ荘厳な昇り竜の刺青。見惚れてしまう程に美麗な其れに双眸を細めると「そうだな。君の竜のほうがよっぽど興味深い。」彼に倣うが如く水滴を纏った湯呑を手に取ると、一口呷り。気付かぬ内に渇いた喉を渋みのある冷茶が涼やかに潤し、満足げに呼気を発すと垂れ落ちる雫を無造作に指の腹で拭い取り。)
俺は弁護しないからな。
(小雨の雨粒は眠る草木の葉を癒し、畑には恵みの雨でもある天候は未だに不安定を彷徨っている。恐らく明日の天候は乾いた大地を潤した雨粒から蒸発する茹だる暑さだろうと想定し、雨脚が遠退いて行く事で普段と変わりのない庭先を眺め見るのは止めにし。日々戦場を颯爽と駆け抜ける彼の白装束の姿は勇ましいそのものだが、先陣を切って瞬く間に羽織の彼方此方、今回こそ汚れ一つも無いものの戦装束に目立つ埃を連れて帰還する場合も所々にあり、其れは未だ汚れを落とすには時間を要せば容易い方らしい。ただでさえ落ちにくい材質をしていると言うのに泥と来たら言いようが無く、巻き込まれぬよう笑声を余所に釘を刺しておく。手袋越しで彼の横長な癖毛をも直すよう毛の流れに沿い、指の腹で頬を撫で擦った先からでも分かるほどに柔らかい肌と光の加減によって銀糸の透明な煌びやかに見える美麗な髪質は変わらず、だが彼に対する醜く黒い独占欲にて気持ちの答えを自覚してしまったために徐々に小さく秘めていた想いの丈は期待を募らせていて酷く忙しない。一度躱された言葉によって彼と己が抱いている感情の名称が違うものだと判断はするも、時折物寂しげな表情をふとした時に浮かべる彼の表情は胸に閊えるものがありながらぎこちない関係性は徐々に以前のような雰囲気を纏っているように思えて。其れでも恋慕の情熱は消える事はせずも、不意に応えるような甲への温もりに胸の奥が再び焦がれ、滲みながら淡く儚い微笑にまた一つ期待が重ねられていく。「…お前こそ、俺に甘いだろう。」あまり変わらない視線の先、俯いた顔が再び綻ぶように向けられてしまうと素っ気なく返す事しか出来ずに頬に添えた手元、親指の腹で瞼から目尻に掛けて一撫ですると心配はもう必要ないようだ、と息を短く吐き出し。部屋の中に敷居を跨ぎ、ふと小振りな物置型の時計の時刻を見ると夜は一層と更けている様子。寝静まって静寂が訪れた本丸は消灯時間を過ぎたからだろうか、不気味な程に聞こえるのは障子の外からは草木が揺れる音だけ。「…あんたくらい美人だったら、性別は関係ない。」当たり前のような結論で言い退け、手を伸ばした先が掴むのは気持ちが良いくらいに冷えた硝子の湯呑。一口呷った後、彼の告げられる単語によって自分の腕を纏う刺青に一瞥を向けるも「勝手にしろ。」恋い焦がれている彼と二人だけの空間は聊か落ち着かずに視線は彼に投げる事は極力避け、淡泊な返答でしか口に出来ずにいながら硝子の湯呑を座卓に再び戻すと次に手に摘まむは枝豆をすり潰した、ずんだ団子の串。其れを口に運ぶと忽ち広がる甘味と枝豆の名残りに顔には表さずとも味わうように、美味しげに食べ進めて。)
それは困った。…あいつの説教は長いんだよなあ。
(窓の外の雨雲に覆われた宵闇を長時間眺めていた事に因り、暗順応が働いた為か朧な灯に因って照らされた廊下の明るさは丁度良く。夜戦向きである短刀や脇差程では無いが、傍らに立つ相手の表情を見る事は造作も無い。彼の尤もらしい言い分に何処か他人事紛いな語調にて浅く肩を竦めてみせると、記憶を辿るように目線を明後日の方角へと向け。右眸に黒の眼帯を為した刀剣は目の前の彼に対し温情を注いでいるが故に、何らかの言葉添えがあれば酌量の余地もあるだろう。それが期待できぬ当然の事実に、悪戯をした際の長い叱責と正座に因る脚の痛みが蘇り、拳の拳眼を口許に添え思案顔にて苦く呟き。髪や肌を撫ぜる滑らかな手袋の布触りが酷くもどかしく、無意識の内に一枚布を挟んだ先にある褐色の肌の感触を求めてしまう。慈しむよう優しく触れる手付きに、自らの胸の内に留まらず積もってゆく想いに溺れてしまうような感覚さえ抱くばかり。相思ならば、一層のこと無碍に扱われるならば甘く胸を抉る痛みなど無かっただろう。後者のような言動が無いのは心根の優しい相手だからこそ、退屈を忌むとは言えど心臓を握られているように息苦しい現状は打破しておきたいもので。淡々とした声色にて返される言葉は正鵠を射ており一度は口を噤むも、「そりゃあな。…何というか、君を大切にしたいんだ。」此方の思考を穏やかに妨害する指にはさせるが侭に、瞼を伏せると胸に秘めたる恋慕を伝える言葉を知らない為、当惑に眉を寄せ近くとも最適とは言えぬものを選び抜く。翌日に備えて寝静まった本丸内の一室、質の異なる声が心地良い間をもって交わされており。羞恥を面に出す事を皆無に紡がれる科白は此方側が恥じらいを覚える程、「よせ、照れるだろう。…君という奴は、言うようになったな。」目尻の下付近に熱が集まるのを感じながら、夏の夜の暑さを言い訳に氷に冷やされた湯呑を其処に押し当て。水滴が頬を伝うも其の侭に、暫し視線は竜の辺りを彷徨うも相手に倣うよう小皿に乗った団子の串を指先で摘み上げ眼前に擡げると、「ほう、これはまた懐かしいな。この辺りにも売っているのか。」若苗色の餡を上に添えた団子、互いの所有者が好んだ独特な色合いの甘味は見覚えがあり、唇端を上げ追想に耽りながら玉の一つに齧り付き。舌触り良く仄かな甘みを持った餡と弾力のある団子の相性は抜群であり、心なしか上機嫌に映る彼の様子に思わず眦が下がる。一口、二口と食べ進め湯呑の中の煎茶を嚥下すると置時計を一瞥、「―…さて、と。そろそろ帰るとするかな。」名残は惜しいが明日の出陣に響いてしまっては元も子も無い、隻側の膝を立て両手で畳を押すようにして腰を上げ。)
…殆ど自業自得だろう。
(長い時間帯で雨模様を観察していたものから室内に視線を戻すと遠くに見える刀剣達。恐らく明日の出陣の作戦会議と言った所だろう、その出陣の隊長を任されている者と副隊長を任命されている者が隅に見え、真剣に話し合っているその直ぐ傍で脇差や太刀が短刀達の遊び相手をしているようだった。そんな喧騒を後目に今まで幾度も叱責を受けていたのにもかかわらず、未だ彼方此方に悪戯を仕掛ける彼の懲りない性分に半ば呆れも含んだ何処か思案顔の彼の横で溜息を一息。目を離した隙に何処かへ消えてしまいそうな儚さを持つ彼を確りと此処に留めるように掌で柔らかな肌を包みながら目元を数回か慰めるのと同じ指つきで目尻と瞼を行き来させた動きを止め、改めて彼自身の髪や服装、長い睫毛等とこの目に焼き付けていく。恋情の蝋燭に灯った恋心は消えることを知らずに、彼の一つ一つの言動や仕草によって胸中を切なく締めつける答えの名称は見いだせないものの心地の良い感覚の其れは自然と身体の中に溶け込んでいく。彼から発する言葉に一度息を詰まらせるも、胸に閊えてしまった呼気を吐き出すと身を潔く引くと言った選択肢は徐々に自分の中から暈され、表情は自分の気持ちが相手の一言だけで左右される事に自嘲気味な声色を振り絞って。「だからお前は、本当に甘い。」複雑そうに、気を抜けば伝えてしまう恋慕の言葉を何とか飲み込みながら、漸く彼の頬に添えていた手元は元の位置に戻そうと離れて行き。明朝、若しくは朝早くには既に出陣の命が審神者から下されるだろう、本丸内は静寂包まれ、物音一つすら障子の外側からはかすりもしない。静かな逢瀬にも感じる空間は不思議と居心地は悪くなく、何処か羞恥をもってして生まれた発言は言葉を返さない代わりに視線を一瞥寄越してさも当然だと言いたげな意図を送り込み。彼の頬に伝う水滴はこの目には艶のある動作に見え、一瞥向けた視線は手元の団子へと移り変わり、枝豆独特の甘みが咥内に柔らかく広がっていく弾む感触の懐かしみを感じる味を十分に味わって咀嚼することで食べ終えた串を皿に戻し、同時に置時計に視線を配らせ。随分と夜も更けた時刻、此のまま長引けば寝起きに響くと言った時間帯まで来ているそれに倣って腰を上げて行く彼の姿を見遣り、「…ああ、羽織りはそこだ。」数秒の間に考えることなど一つに限られるものの閊え気味に短い返事だけを寄越し、障子の近くに置いた白い彼の羽織りを視線で示すと長い夜が刻一刻と終って行く時間帯を身に感じ、皿の上に串だけと成り果てた物を一つに纏めて重ね。)
俺は驚きを齎しているだけさ。
(離れた場所から聞こえる潮騒のような談笑の声に目線を移すと、其処には幾つかの刀種が混在し厳粛とした面持ちを浮かべる者、無邪気に笑みを咲かせる者など様々で、明日出陣予定の部隊の一つである事を杳として察知し。相反し明日の予定は専ら畑当番という己は何とも気楽なもので。呆れを含み落とされる溜息と的確な意見に反省の色を見せる事は皆無、唇に不敵な笑みを乗せると飄々とした態度にて。皮膚の薄い部分を柔らかく這う手や、瞼を伏せていても感ず縫い付けるかの如く注がれる視線に気も漫ろで。駆け足となる心拍はまさに情愛の表れで、心の奥底で今以上の行為を所願してしまう。溢れんばかりの恋慕を言葉で伝える事は酷く難しく、上手く表現出来ぬ事はもどかしく歯痒いもので。然し想像と異なり感情を抑え込むような何処か捨て鉢な物言いに脳内に疑念が湧き上がり、「今度は君の番だぜ。…俺に優しい理由を教えてくれ。」漸く双眸を開くと逃さぬように離れ行く手の首を掴み取り、顎を引き精悍な顔立ちを覗い見ながら問うて。一時の荒れた天候が嘘のように穏やかな暮夜、偲び逢いというには和やかで緊張感の無い会話だが、数回程度しか訪れた事が無いにも関わらず彼の部屋は心地良く。軽薄口の有得ない間柄と彼の人柄は余計に質が悪い、硝子の湯呑の上側に映って見える彼の慥かだと言わんばかりの眼差しに気恥ずかしさと嬉しさの織り交ざった心中を抱えながら閉口し。団子の串を陶器の小皿に戻しては湯呑に残った溶けて小さくなった氷を口内に流し込み噛み砕きながら、自室に戻る道すがらにある炊事場に立ち寄る心算らしく、盆を取り出し空になった其れらをのせ隻手にて持ち上げて。「おっと、忘れるところだった。」彼の視線を手繰った先にある自らの衣装に剽軽な語調にて紡ぐと障子の方へと歩を進め。通り過ぎる際に空いた手にて栗色の柔らかな髪を掠め取るかのように指で梳いて撫ぜ「御休み、大倶利伽羅。また明日な。」羽織を拾い上げ部屋を後にして。仄暗い廊下の途中にて羽織の上にあった手袋の片方を落とした事にも気付かず、先程までの夢のような時間の余韻に浸るかの如く一人表情を緩めながら自室へと戻ってゆく。)
御早うございます。いつも御世話になっております!
暑い日が続きますが、体調など崩されておりませんか?
やりとりが楽しくて展開が亀のように遅いのが申し訳無いばかりです。(…)
一日も終わり、翌日に進めたいと思うのですが、
他に二つある場面の違う会話は如何致しましょうか。
蹴ってしまうのも勿体無いのですが、このまま進めていくと
時系列にずれが生じてしまうような気がしてしまいます。
それが悩みどころでして、参上した次第です。
こんにちは。此方こそいつも御世話になっております!
(お気遣い有難う御座います、今の所熱中症などには気を配っているためか
未だにそう言った症状に見舞われておりません。
貴女様も猛暑日が続く中、お身体のほうは如何ですか?
やりとり、いつも楽しませて頂いています!
あれやそれや思い浮かべるのが楽しくて仕方が無いくらいです。(…)
此方も楽しい余りレスが盛大に遅れてしまう事がありますので、
どうかお気になさらず、慌てず自分の書ける範囲でレスをなさってください…!
無理は禁物、ですな。
時系列のずれは私も気になりどころでして、
でも蹴るのも勿体無いので…、と悩んでしまいました。
なので一旦レスを返す前に如何するかを決める為馳せ参じました。
そうですね、一旦上半分の不器用な言い合いは終了(保留)させる事にしまして、
またそう言った場面になった時、改めて言い合うのは如何でしょう?
うーん、説明が難しくて拙いのは承知の上なのですが…。
全部なかったことにするのも気が引けるので、
昨日の夜の縁側では~って描写も取り入れながら、というのもありかなあ、と。)
(それは良かったです。熱中症、怖いですからね。
暑さに弱い故、氷ばかり食べておりますが元気です。()
楽しいと、そう仰っていただけると凄く嬉しいです!
私も今後の展開を考えていると、
時間があっという間に過ぎてしまう始末です。(…)
最後の一言が一期で再生されました。(ふふ)
お言葉に甘えさせていただきますね。
どうか貴女様も、無理をなさらぬよう。
なんと、名案だと思います!
今後同じような展開になった際に、縁側の出来事を
引っ張ってくるというのは良いですね。
とても分かりやすいですよ、有難うございます。
それではまた、翌日から始めていきましょうか。
今後も日付が変わった際は全て保留にして新たな文を出し、
判断に悩むときは相談という事で宜しいでしょうか?)
(そうですね、最悪の場合死に至る場合もあるのだとか。
氷ですか、かき氷は至福の食べ物だと思っております。(…)
氷単体も勿論美味しいので、私も良く食べちゃったりします…!
今後の展開を考えている時が、私は結構好きだったりします。
本当に時間が経つのが早くて、あっという間だと感じるほどに楽しくて、本当にいつも楽しませて頂いております、改めまして深く御礼を申し上げます。
それもう、一期を意識してみましたので。()
此方もお言葉に甘えさせていただきます。
いえいえ、お互い様ですのでどうかお気になさらず!
いえいえ、寧ろあのような説明で伝わったのが凄いと言いますか…。
拙くも感じ取ってくださり有難う御座います。
はい、その解釈で大丈夫です。
判断については応相談にしておいて、
一旦本当に上半分のものは取り敢えず保留にし、またそう言った場面に遭遇したときに回想として引っ張り出すといった形です。
大倶利伽羅が就寝した前提で新しく翌日からの情景を回していきますので、
それで宜しければレスを再開させて頂きます!)
(毎年そういった類の報道がされておりますからね、要注意です。
かき氷、今年はまだ食べてないなあ。夏の風物詩ですよね。
私の場合は氷をそのままがりがりと食べております。(…)
わあ、同じ事をしていたのですね。
前に大倶利伽羅と鶴丸が話していたように
私たちには似通った部分があるように思えてなりません。
此方こそ、いつも素敵な言葉をかけて下さって有難うございます。
とてもロイヤルでした、一期も恰好良いですよね!
そう謙遜なさらないでください。
承知致しました。今後もまた、日付が変わる時に相談しましょう。
異論はありませんので、都合の良い時にレスを下さると嬉しいです。)
(朝特有の障子越しに射す光の加減で瞼が自然とゆっくり持ち上がり、直に明るい部屋とその光をこの目に見ると眩しげに眉根を寄せてしまう。朝かと思うには時間など要さなく、数回瞬きをして明るい光景に瞳を慣れさせ、気怠そうに上半身を起き上がらせて改めて座卓の上に存在する置時計を目に、時間を確認するとまだ早い時間だと言われるくらいには早朝であり、これが出陣の際に起きる時間帯だという事は普通の事である。欠伸を何度か、かみ殺していると自然に浮かぶ目元の膜を拭うと徐に立ち上がり、寝間着から戦装束に着替え始めながら静かな一室にて外に耳を澄まし、僅かな小鳥の囀りと本日戦を共にするだろう刀剣の声が食事室から既に聞こえ、最後に上着の袖に腕を通すと布団を畳んで端に寄せ、片付けていざ障子を開けて部屋から出ようとした矢先に視界の端へ何か見覚えのあるものが映り込む。其方に視線を向け、歩み寄って拾ってみると其れは真白い彼の手袋。思い出すは昨晩の事や縁側の事。縁側の出来事に関してはあのあと出陣第一部隊の作戦会議に呼ばれてしまい、返事は出来ず仕舞いで終わったのだった。彼の手袋を拾い上げ、溜息を一つ吐いて手元に納まった其れを暫し思い詰めるように見つめた後、誤魔化せる程に器用ではない気持ちを無理矢理胸中に押し込みながらそっと静かに唇を寄せ、その布の掌部分へ控えめに口づけを落とすと障子の隙間から柔らかすぎる風が舞い込み、髪が束を作って一つ一つ毛先が浮いて行く。届けようにもこれから食事を摂って出陣に行かなければならない時間が迫り、本日彼と同じくして内番を担当する刀剣に預けておこうと思い至ると手袋を掴みながら部屋の障子を換気をする為に開け放っておいて、朝日の眩しい日差しを避けながら向かうは朝餉を食す食事室へと足は進んでいき。)
(要注意ですね、本当に。
怖いですから、予防はちゃんとしないと。
私もまだかき氷食べてないんです、夏になったら絶対食べておきたいものなのですが…。
氷の歯ごたえが癖になりますよね。お気持ち、凄く分かります。(ふふ)
似通った部分があると言うのは、とても喜ばしいことです。
実際に嬉しいですし、同時にむず痒いような、気恥ずかしいような…。
なんと言葉にしたら良いかが分からないくらいです。(…)
一期も勿論格好いいので、本当に好きです…!
お待たせいたしました。
あれやこれや欲張っていると時間が経つのが本当に早くて、文章が長くなって、参ります。
欲張ったせいか長くなりましたが都合のいい時にレスを下さると嬉しい所存です。)
(曙の頃、群青色の空は徐々に乳白色へと塗り替えられ障子紙を透いて通る穏やかな朝日に因って緩やかに意識は浮上する。緩慢と瞼を起こすと霞んだ視界に映る傾いた自室、未だ微睡の中にあり脳内は電源が入っていないようで綿布団に身体を横たえたまま何を為すでも無く徒然なるままに時間を持て余し。暫し刻が廻った頃だろうか、部屋の前の廊下が微かに軋む音に意識を其方へ向けると、秘め事を語るかの如く声を潜め言葉を交わす二つの人影が障子に映り。声質から判断すると審神者とその近侍であろう、過行く間際に慥かに聞こえた幾振りかの刀の銘の中に"大倶利伽羅"の音を耳にすると半ば反射的に上半身を跳ね起こし。今直ぐ後を追い言及したい衝動を堪え、寝起きに急に動いた為か平衡感覚を失ったように揺蕩う頭を支えるよう隻手で額を押さえながら、従容さを取り戻すべく深く息を吐き出し。何時の間にか夏の日差しが照り始め、雀の囀りと蝉の鳴声が重なり起床を促している。懸想の相手は明朝から出陣する部隊に組み込まれていた筈、見送り序でに驚きを齎しに向かうべく薄い掛布団から出て三つ折りに畳んで。内番着を身に纏い長い袖をたくし上げ、留紺色の襷を背中に十字を描くよう両肩から両脇へ斜めに掛けて結び。昨夜持ち帰った羽織の胸元ある淡紅梅の花飾りを取り外すと、畑仕事で泥が付く事を懸念し大切そうに小振りの竹籠の中に入れて。羽織を片腕に抱き洗濯場に向かい手袋が欠けている事にも気付かず其れを籠に放り込んで、冷えた井戸水にて顔を洗い清めると手拭で水滴を拭い、出陣する部隊の姿を探るべく一度食事室に顔を出し。既に食事を取っている面々は出陣する者達だろう、幾つかある集団の内の一つに歩み寄り「お早う。なあ、大倶利伽羅は未だ来ていないか?」偶然にも彼が到着する前、首を横に振る彼らを見て企み顔にて唇端を上げると狭い座卓の下に潜り込み、「あいつが来たらこっちに呼んでくれ。」無表情の面に困惑の色を滲ませる粟田口の脇差の控え目な了承を確認すると、向かい合って食事を取る四つの刀の陰に身を隠し俯せの体勢にて障子の方を見ながら待機。)
(御互い水分補給を忘れないようにしなければなりませんな。
最近は洒落たかき氷のお店も沢山ありますが、夏祭りの夜店にあるような
プラスチックの容器に入った素朴なかき氷も雰囲気があっていいですよね。
まさか同意してくださるなんて、嬉しいです。
愛いですね、大倶利伽羅の背後様は。(ふふ)
一期は王子様のようで…。私も彼の事は凄く好きです。
気付けば私も長々と書いておりました…。(…)
御相子、ですね?のんびりやりましょう。
此方の文は蹴って下さっても構いません。
ゲームの方ではイベントも始まりましたし、頑張りましょうね。)
(食事室に向かう途中、此処の屋敷を受け持つ審神者とその近侍にすれ違いざまに呼び止められ、本日の作戦の確認と自分の立場における刀種変更と役割について簡単に頭に入れておいて短く返事を。木漏れ日が照らす縁側は昨晩の雨模様など思わせぬほど晴れやかな、むしろ暑いくらいの晴天であり、草木からは名残りなのか僅かな水滴が太陽に反射して聊か眩しい。綺麗に磨かれた廊下を歩くこと数分もしない内に食事室に辿り着き、開け放たれた障子から顔を出してみると既に食べ終えた者と、未だに会話を続けながら呑気に食事を進めている刀剣も見え、座卓の上には既に取り取りの小鉢が並べられているのが目に見える。そんな中その下に悪戯なものが隠されているとは露知らず、其の場所にいた刀剣らが一斉に此方を見る視線に一瞬だけ怪訝そうな心持ちになったものの他人と深く馴れ合う心算は無く、何やら笑む脇差をよそに沈黙を守りながら一歩足をその場に踏み出すと、いつもではないが無表情に浮かべた粟田口の刀剣と視線が合う。静かに促された先は一つだけ席が空いている、恐らく此処に座れといった身振り手振りに拒否する理由も無く、空いた席へ足を進めて腰を胡坐の形にして下ろしていると本日の炊事場担当の刀剣が盆の上に見目華やかな献立を乗せて運ばれて来、いざ腹の中におさめようと随分慣れた箸を手に持ち、本日彼と共にする内番の刀剣は見当たらずに隻手は手袋を握り締めたまま其の腕を膝元に置いて。)
(いえいえ、蹴るなんてとんでもない。
その台詞、一期の声で再生されました。(ふふ)
プラスチックの容器に入ったかき氷は、量が多くて
とてもではないですが、食べきれる気がしません…。
でも、雰囲気と可愛らしい色は好きです。あれこそ屋台でしか食べられない貴重な体験ですよね。
愛いなんて、よしてください。本当に、照れてしまいます。
鶴丸の背後様は、鶴丸と似たように悪戯好きと見なしました。(?)
一期は最早王子そのものでしょう、目を彼に奪われてしまうくらいです。
そして描写を端折って途端に短くなりましたが、
読みづらければ精進致しますので是非ご指摘を!
のんびり、が一番の目的ですね。のほほん。
あの槍、見つかりません。(…)
是非頑張りましょうね…!
ではそろそろ背後はお暇をさせて頂きましょう!どろろん。)
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