荒北靖友 2015-04-12 07:30:55 |
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…む、上げて返しても良かったのだろうか。もし下げた方が良かったならすまない。
俺はどちらでも構わないが、確かに纏めた方が楽かもしれないな。( ふむ )─だが、先程言った通りどちらでも良いからお前に合わせよう。やり易い方を選べ。( 首こくり )
アー、特に深い意味ねェってか…下げて見たかっただけだから気にすンな。( へっ )
俺の意思を尊重してくれてあんがとネ。んじゃ仕切り直しっつーコトで新しく絡み文投下しとくぜ、( /蹴推 )
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福チャン、いンだろ?( 部屋の前で立ち止まり軽くノック音をさせて扉を叩くと緩く声を掛けて )
ああ、居る。…、…入れ。( 扉を叩く音と共にゆっくり扉を開き声の主を確認すると部屋の中に一度視線を向けた後手ひらりと振って室内へと招き )
たまには息抜きにどうかなって、コレ持って来たゼ。( 当たり前のように部屋の中に入り小脇に抱えた週刊少年漫画の雑誌を手に持ち替えてゆるり、首傾げ )
む、漫画か。あまり分からないが、後で読ませて貰う。…適当に座れ、何か飲むか?( じ、と雑誌見詰めながら遠慮無く頷いてはベッドに腰を降ろして問い掛け投げ返し )
お前ならそう言うと思っていた。─ほら、ベプシだろう。( ふ、と小さく笑い零し一旦立ち上がって何処からかペットボトル取り出すと再び元の場所へ座り相手の胸元に軽く押し付け )
さっすが福ちゃん。わかってンねェ、あんがと。( 寸分違わず欲しかった物を貰い受ければ頬の緩みを隠せず気の赴くままに太腿に頭を乗せて )
好きで飲んでる分には良いが、炭酸の飲み過ぎは体に良くないぞ。( 太腿に重み掛かると視線落とし優しめに述べながら心配に目を細め、相手の髪に指通して弄び )
固ってぇコト言うなよ。ンなのいちいち気にしてたらキリねーからァ。( 聞き入れるつもりは毛頭ないのか反抗力低めに不平を漏らし仄かに伝わる手の感覚に両目閉じて )
…お前が良いなら別に良い。注意しておきながら買っている俺も俺だ、( 予想通りの反応が返って来ると控えめに溜息吐き、手を相手の髪から片頬に移動させ柔く摘んだり開いたり繰り返し遊び始めて )
そゆ甘ェとこ大好き。ベプシは俺の原動力みてぇな物だヨ。( 組んでいた足を崩して本格的に寄り掛かれば頬に感じる適度な刺激を気に入りもっと、と強いるように頭を押し付けて )
!、それなら俺の原動力は林檎…と、お前だな。( 動作眺めそれとなく意図を察すれば両手で頬を挟み、摘んで軽く伸ばしながら微かに口元綻ばせ )
俺も入ってんだァ。…うるぁ、ひっそり笑ってんじゃねぇぞ鉄仮面。( 喜びを隠せず晴れやかに語尾を弾ませつつ黒目を動かし僅かに緩む相手の表情が映ると軽く膝に爪を立てて )
当然だ、居なくなられては困る。…いやすまない、意外にも触り心地が良かったからな。( 摘んでいた所癒やすように撫でた後、膝に残る柔らかな痛覚を制止しようと爪を立てる相手の手に己の手重ねては謝罪の意を述べるも口元は変わらず緩ませ )
ハン、理由になってねーヨ。でれでれすんなバァカチャンが。( 粗悪な言葉を添えて重なった手をするりと離し我が物顔で相手の膝上に腰掛けると両腕を手に取り自身の下腹部に巻き付けて )
む、お前がこんな事ばかりするからだろう。粗略に扱って欲しいのか?( 納得行かない表情で眉顰めながら回された腕に微かに力を込めて抱き締め、目前にある背中に己の頭押し付けると冗談混じった口調で問い掛け )
…ッ!んでそうなんの。知らねェ、おめーの好きにすればいいじゃナァイ。( 感情が揺れ動きひゅっ、と息を飲み込むも一度取ってしまった態度を覆せる程素直ではなく無意識の内に後ろへと体重を掛けながら投げやりに返答し )
…、…冗談だ荒北、素直になれ。そうは言っているが、されたらされたで怒るだろう。( 先より重く掛かってくる体に顔上げて抱き止めながらやや自棄的な言動をする相手を和めるように下腹部を数回優しく叩いてやり )
…福ちゃんになら何されたって構わねぇつうのが本音、( 心模様の捉え難い表情を浮かべるとほんの少し身体を横にずらし素振り一つも見せず頬へと口付けて )
─…さあな、そうも煽られるとお前に何をするか分からないぞ。( 唐突な感触に一瞬言葉詰まらせるも直ぐに口端を結ぶと片手で両頬挟むように抑えて目を細め )
そんでも乱暴にすんのは許さねーからァ、意味は履き違えないでヨ。( 頬を掴まれ喋りにくそうにもごもごと口を動かしては手から逃れるように首を振り )
ああ、分かっている。…乱暴に扱う気はない、お前に逃げられそうだからな。( 瞳伏せながら短く息を吐いて述べ、掴んでいた手を離すともう一度緩い力で抱き締め )
バァカ。いつも言ってんだろ…俺が福ちゃんから離れることはないって。( 器用に膝上で相手と向き直る形に体勢を変えて言うが早いか背中に腕を回して強く抱きつき )
ふ、俺も元より荒北という男を離すつもりはない。─全て俺のものだ、( 込み上げてくる嬉しさに微か口元綻ばせながらさも当然の様に頷くと相手の肩口に額を預け抱き締める力を強めながら小さい声で囁き )
その時がクるまでは夢見させてヨ。( 金色に染まる髪の毛を優しく梳かし撫でつけると頭頂部に鼻を埋めてふわり、と広がる相手の香りを愉しんで )
!、…勿論だ、幸せにする。( 相手の鼻先の感触に肩を微動させ強い意志を帯びた口調で言い切ると首元へと擦り寄って行き首筋へと短く唇を押し付けて )
もう、そゆ台詞はフツー最後まで取って置くモンだろォ。( 幸福感で胸が一杯になり面映ゆい気持ちを抱えながら莞爾として笑みを携えれば乱すように両手で頭を撫で回し )
む、それでは遅い。─俺は最初に宣言しておかなければ気が済まないようだからな。( 目細め緩く首を振り難色を示すと、ゆっくりと視線を合わせ笑みを湛えるその表情に釣られるように口元綻ばせ )
…おめーが側にいてくれるだけで十分幸せ感じてンよ、( 額同士を引っ付け合わせ息が当たる程の近距離で相手の瞳を覗き込むと控え目に音を立てて上唇へと柔く口付け )
──それは俺も同じだ。荒北、お前と今こうして幸せな時を過ごせるだけ感謝しなくてはいけないな。…、( 両手を頬に添えて真っ直ぐに相手の瞳見詰めながら誠心から述べ、お返しにと下唇撫でるように優しく食み )
そんなら俺ァ福ちゃんに感謝しっ放しだな。ロードに出会わせてくれた事も、あんな俺を救ってくれたくれた事も、全部…とにかく伝え切れねェ。( 嘗ての記憶を思い起こし苦々しく表情筋をくしゃりと歪ませ両目を閉じると撓垂れ掛かるように身を預け )
俺も伝え切れない事ばかりだ。だが、時間をかけて少しずつでも伝えたいと思っている。…その為にはこれからも側に居て貰わないと困る。( 長く伸びる下睫毛をそっとなぞるように触れ穏やかな声色で紡ぐと自身も合わせて両目瞑り優しく唇触れ合わせて )
ウチの主将チャンは近くで支えになるヤツがいねーとダメになんだろ。その役割は俺にしか出来ねェし、おめェを理解してやれんのも俺だけだ。…ン、( きっぱりと明言して肯定の意を示すと矢庭に触れる唇の感触に反応して片目を大きく見開き )
…全くだ、それ程までにお前に心を掴まれてしまうとはな。──どうやら自分で思っている以上に俺は独占欲が強いらしい。( 否定する理由など一切無くその言葉に素直に頷いては、僅かに唇離し大きく開かれた瞳に何か言いたげな視線を向け )
身も心も福ちゃん専用っつーのも悪くはねェな。…なァに福ちゃん、( 蟀谷部分から下に向かって手の平を滑らせていき頬の触り心地を確かめるように撫でながら自然と視線を交わらせて )
何を言っている、既にお前は俺のものだろう。…、やはり言わないことにした。( 至って真剣な表情で言い切り数秒思案した様子を浮かべた後横目に視線を外して思い直したように口を噤みながら頬に触れられた手に擦り寄り )
ッ、そうだケドォ。自己完結されてもコッチは気になンだろ。いいから教えろヨ。( 中途半端に止められてしまった言葉の先が一欠片も想像出来ず両手で頬を挟み込んでは語調強めて続きを促し )
今更他の奴のものだと言われても困る。──む。いや…、急いで言うことではないから良い。また今度、だ。( 一瞬瞳ぱち、と丸くさせ悩むように視線泳がせるも結局言わず仕舞いにすると己からも相手の両頬に添えていた手で輪郭に沿って撫で遣り )
ねェ、また今度っていつゥ?俺が大人しくマテ出来る程お利口チャンじゃねェの知ってんだろ。( 頑なに口を閉ざすどころか先延ばしにされてしまえば不貞腐れたように眉顰めて腹癒せに加減なく頬を抓り )
ッ、別にそれほど大それた話ではない。…ただ、ほんの気紛れで俺の気持ちを伝えたくなっただけだが、気が変わった。( 走る痛みに眉間に皺を寄せると言い辛そうにもごもごと言葉を重ね、手を引き剥がすべく緩く首を左右に振り )
尚更聞きたかったかもネ。ま、そゆ事なら仕方ねェか。強制するモンでもねーし気が向いたら言ってヨ。( 見定めるようにじ、と見つめた後大した時間を要さない内に手を離して遣ると、先刻と打って変わって諦めついた様子で呟き )
─そうだな。しかし、改めて言われると面と向かって言うには気恥ずかしい。 …! 言葉ではなく、態度で伝えるのも良いかもしれん。( 先程伝えようとした言葉を思い返すに些か照れ臭さを感じ瞳伏せるも、ふと良い案でも思い起こしたように呟くと控えめに首に腕回して抱き寄せ )
ったく、思い悩むくらい変なコト言うつもりだったのォ?( 滑らかな動作で腰に足を巻き付け同じように両手を背に回して抱きつくと肩口に頬を擦り当てて )
む、そうではない。…この気持ちを俺なりの言葉にするのには少し考えが足りなかっただけだ。( 伝わる体温の心地良さを噛み締めるように双眸を閉じると抱き寄せるまま相手の髪に優しく口付け落とし )
んなの分かってらァ、ちょっとした冗談だヨ。…今の俺達に必要な事って何だろうな。( 真面目に言葉を返され小さく笑い声を漏らしつつ幾許もなく動きが止まれば唐突に疑問を抱いた事を口にして )
…?突然何を言い出す荒北、どうしたんだ。( 止んだ動作に瞳開いてゆっくり体を離すと、突然の物言いに不思議そうな面持ちを浮かべ目細めては少しだけ首を傾げ )
足りてねェ所があるような気ィしてさァ。少し不安になっちまった。( 胸倉を掴み自身に引き寄せ強引に唇を奪うと僅かに顔を離し思い詰めたような表情で本音を漏らして )
足りない所があるなら補っていけば良いだけだ、その何かが不明瞭でもな。…ともあれ、俺はお前を不安にはしたくない。( 真摯な態度と口調で述べながらもその言葉には何処か心配が入り混じりつつ、真っ直ぐ瞳見据えたまま相手の手を取ると優しく握り )
ここで俺たちの関係はお終い。ホントに大事な人を幸せにしてやってよ、福ちゃん。少しも心当たりがないなんて言わせねェかんな。別に恨みァしてねーからさ、後腐れなくいこうぜ。出会いに別れは付きモンだろ?
ほんの一ヶ月半くれぇだったけど、お前の側にいれて良かった。くれる言葉の全てがあったかくて居心地良かったヨ。見てっか分かんねーけど。じゃァな鉄仮面、元気でな!
──某所で、言いたいことは言わせて貰った。
ほんの少しの間だけでも、俺もお前の側に居られて良かった。お前の心に寄り添う事が出来たなら、悔いはない。
…ありがとう。
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