（ 弱ペダ／bl ）→方通行な恋

ま、信じるかどうかはお前に任せるゼ。（ 肩口をとす、と指で突っつき相変わらず委ねるような口調崩さずに述べ ）
好きなヤツの匂いっつーのは無条件に良く感じるもんなんだヨ。（ 珍しくも相手から手を伸ばされれば更に縮まる距離に鼓動が早くなり回す腕に力込めて ）

アキチャンみてぇ。…確かにくすぐってェな。（ 飼っているペットを彷彿とさせる雰囲気に穏やかな気持ち生まれると頬肉を少し摘まんでみて ）

…出来ればそうであると信じたいが。（ もし自分以外にもしていたら、と考えると複雑な心境で瞳伏せながら小さく言葉零し ）
ああ、本当だな。─お前の匂い、（ 回していた手を離し、腹部にある相手の手に添えるように重ねれば首元に顔を埋めて何度か鼻鳴らし ）

む、…そのあきちゃんとやらにもこうしているのか？（ 頬摘まれるや否や即座に反応を示し動きを止めると、目細め小首傾げながら問い投げ ）

なんつー顔してんだ。もう、ホントに福チャンだけだっての！手慣れてなんかねーからァ。（ 相手の反応からつい口にする予定ではなかった言葉をかけてしまうと今更ながら顔に熱を感じ顔を背けて ）
ンやっ、くすぐってェよ…。（ 込み上げる擽ったさに我慢出来ず小さく身を捩っては訴えかけるように見つめ ）

摘まんだりもするケドォ、よしよしする方が多いかもネェ。（ 興味を持ってくれた事が嬉しくて自然と微笑みかければ両手で相手の頭を雑に撫で回し ）

！…そうか。それなら良かった。（ 聞くや直ぐ様瞳を上げると安堵の表情浮かべ声色は嬉しそうなもので ）
ああ、すまなかったな。──、荒北。（ 聞こえてきた言葉に礼を述べながら頭を上げるとふと視線がぶつかり、微かに瞳揺らし囁くように名前を呼んで顔に詰め寄って行き ）

っ、動物はこんなに乱雑に撫でてはいけないぞ。正しくはこうだ、（ 片目瞑り撫で受けると相手の頭に手乗せリズム良く丁寧に撫でてやり ）

ったく、いちいち細けぇコト気にしてんなよ。ハゲんぞ鉄仮面。（ 横目で様子を窺い見て調子が元に戻った事を悟ればはふり、と息吐き出し ）
…ね、俺の匂いどうだったァ？（ 相手の首に腕を回し何方ともなく息遣いの触れ合う手前まで距離近づけると目は逸らさないまま問いかけて ）

福チャン、それ優しすぎじゃねーのォ。少し強いくれぇがちょうどイイんだよ。（ 撫でる手の心地良さに酔いしれて薄らと瞳を閉じ全くもって根拠のない自論を展開して ）

うむ、確かにそうだな。─今俺だけを見てくれているのなら、何も気にする事は無かった。（ 相手の言葉に納得したように頷いて漸く落ち着いたのか小さく息吐いて ）
甘い匂い、…俺を誘っているかのような匂いだ。（ 視線逸らさぬまま冗談かさえも定かではない口調で述べると触れ合う寸前まで距離を詰めて微かに笑みを浮かべ ）

動物もあまり乱暴にされたくない筈だ。丁寧にしてやる方が気持ち良いものだろう、…荒北？（ 心地良さそうな様子眺めては、先程の相手の言葉通り少々力込め雑に撫でてみたりして ）

さらっとそういう発言すンのやめてくれナァイ？心臓持たねえっつの、（ 言葉にされる気恥ずかしさを誤魔化そうと頭をがしがし掻き乱して ）
ような、じゃなくて誘ってんだケドォ。（ 敢えて口づけには至らず焦れったく感じるように緩慢な動作で下唇を舐め上げて ）

福チャンのバーカ。俺ァ動物じゃねーんだから、さっきみてぇに優しく触れヨ！（ 手荒くなる動きに反応して僅かに目を見開くとむくれた顔で自分勝手な文句つけ ）

いや、お前の調子が崩れる所を眺めるのは中々面白い。（ 一連の動作眺め腕を組むとゆるり首傾げ小さく口角上げてみせ ）
……随分と扇情的だな、（ 相手の顎に手添え持ち上げると微かに余裕を感じられない表情を浮かべ熱を帯びた声で囁くと間入れず唇軽く押し付け ）

差し詰め獣だろう？ 懐きにくい、それでいて勝利に貪欲な。（ 言われるがままほんのりと力弱め撫でる手丁寧に動かし、どこか不満気な表情な相手を更に茶化すようにつらつらと言葉並べ ）

面白いだァ？おめェ、相当性格捻じ曲がってんぞ。あの純粋な福チャンはどこへ行ったんだヨ。（ 腑に落ちない面持ちで怪訝そうに目を細めて ）
……ッ、（ 油断したら声が漏れ出てしまいそうで微量に堪えながら首に回した腕の力強めて唇の交わりを深くしていき ）

ッセ！レース上での話を持ち込んでくんな。（ これ以上勝手なことは言わせまいと遮断するように撫でる手を掴み上げればじろ、と視線向け ）

─お前の中での俺はそれ程まで純粋なイメージなのか。（ 垣間見えた己への意外な印象に眉を寄せて呟くように問い掛け ）
は、…っ、（ 力が抜けていく感覚を察すると腰に縋るように手を回し薄く開いた瞳は目前の相手を見据え、時折瞑ってはその度に角度を変えて唇を深く重ね ）

いや、お前はレースの時だけに限らず時々動物らしい所はあるだろう。（ 手掴み上げられても特に動ずる事なく軽く首を捻りながら至って真面目な口調で返せば視線返して ）

そーいうコト普段からあんまり言わねェから、勝手にイメージついちまったんだっつの（ 相手の眉間に人差し指押しつけると皺を伸ばすべく撫でやり ）
ふくちゃ…っン、ねえ口開けてヨ。（ 互いに貪るように求め合うこの行為に高揚感を覚え顔に熱が集中していくのを感じれば口内にある舌を覗かせて ）

ねーヨ！おめェの気のせいなんじゃねーのォ。（ 飽くまでも認めたくない意思を前面に口汚く反抗しては掴んだ手に噛みつき痕残して ）

…その普段から余裕ある態度をたまには崩してやろうと思ってな。（ 徐々に表情戻していき瞳伏せがちに珍しく述べた先ほどの言葉の意図を呆気無く吐いて ）
ん…─こうか？（ 鼓動が早くなってくると同時に荒くなる呼吸を整えながら相手の言われるまま微かに口を開いて舌先見せ ）

ッ！気のせいではないな、飼い慣らされた狼といったところか。（ 唐突に走った痛みに手引っ込め、ため息混じりに相手の言葉柔めに否定すると残された痕を見詰めながら脳裏に浮かんだ動物ぽつりと零し ）

福チャンと一緒にいるだけで胸が苦しくなんのに。余裕なんか元からねェだろ。（ 面食らったように瞬き数回繰り返すとふは、と息を噴き出し喉奥鳴らして笑い ）
よォく出来ました…ッふ、（ 後頭部をくしゃりと撫で遣り下から上へ緩く舌同士重ねて絡め取ると再び唇付け合わせて ）

福チャンのペットになら喜んでなってヤンヨ。（ 瞬発的な好反応に満足そうに口角上げ自分の噛み痕に手を這わせればゆるり首傾げて ）

！そ、そうなのか。それはすまなかった、…今は苦しくないのか？（ 可笑しそうな様子を見せる相手に胸を撫で下ろすも次は不要な心配を始めるとそっと胸板に触れてやり ）
む……ッ、ン…は、（ 相手の服の裾握り最早痺れてきた思考で只管追うように舌絡め重なる唇の隙間から熱い吐息零し ）

ふ、また躾けるのが大変そうな狼だな。食われないのか心配だ。（ 見詰めていた手に相手の手の感触が走ると顔を上げ、僅か口元緩ませながら冗談混じりに首を傾げて見せ ）

んーん、ちょっと苦しいかもォ。この辺り触ってみて分かんナァイ？（ 苦しさ訴えようと芝居がかった演技で相手の手を取り自身の左胸に持っていけば妖しく笑み浮かべ ）
…ンァ、っ……はァ、（ 蕩けてしまいそうな感覚に陥り強く瞳閉じては態と音を立てながら順に歯列をなぞっていき ）

浮ついたことしてたら本当に食っちまうけどネェ。（ 相手の顔に手を伸ばしコメカミ部分から首筋を指先で一撫でして ）

微かに鼓動しているな。俺と、…同じだ。（ 手に伝わる心拍の音真面目に実況すると今度は相手の手を取って同じく左胸に当てて遣り微笑浮かべ ）
──ッん、─荒……き…、（ 舌彷徨わせながら朦朧と視界に映る相手の姿捉えるも呼吸が続かず息苦しさを覚え途切れ途切れ名前呼びながら胸板を小さく叩いて ）

む、それは気を付けなくてはいけないな。最も、そこまで軽薄な行動を取ったりはしないが。（ 背筋に擽ったさが走ると小さく身を捩らせ眉をぴくりと動かせ ）

福チャンも俺と同じ病にかかっちまったなァ。（ 静かに脈打つ音が直接手に伝わってくると満更でもなさそうに頷き ）
…はっ、…ごっそーさァん。（ 淀みなく相手の口内を堪能していたが限界の合図が視界に映り込んでくれば悩む間もなく離し口周りに付着した唾液を腕で拭き取って ）

俺のコトも繋いで置いてくれなきゃ家出すっかも。（ 間髪入れず耳元に唇寄せては甘く囁いて ）

病、か。それはあながち間違いでもない例えだな。…どうしたら治る？（ 数回肯定の意を示すように頷き態とらしく問い掛けては見詰めながらゆるり首傾げ ）
…っは、─ん。（ 未だ恍惚とした状態で短く返事をすると己の口周りに付いたものをぺろりと舐め取り気恥ずかしさから何となく視線逸らしてみたりして ）

！、自ら家出発言とはな。俺の名前が入った首輪でも付けておくか。（ ふ、と息零しながら薄く笑って見せ軽い口調で相手の首筋に手を伸ばせばゆっくりと首筋なぞり ）

一生かかっても治んない気すっケド。唯一つ確実なのは俺と離れるコトだなァ。（ 心にも思っていないことをつらつら述べながら密かに口端吊り上げて ）
福チャンとのキス気持ち良かったゼ。（ 舐め取る動作から目を逸らすまで一瞬たりとも見逃さず目を細めて観察していれば唐突に聞かれてもいない感想を口にして ）

放し飼いなんて到底無理な話だろ。ねェ、ちゃんと寿一のモンって分かるようにしてヨ？（ 緩い手つきに敏感に反応して肩跳ね上げると誤魔化すようにくたり凭れかかって ）

─そうか。それなら俺もずっと治りそうにはないみたいだ。…お前が望むまでは。（ 心が微かに苦しくなるのを感じふ、と自嘲気味な笑みを溜息と共に吐き出して瞳を伏せ ）
む、…ああ。そうだな、不思議な感覚だ。（ 同意するように頷くも高揚する気持ちを例え難く指先で己の唇触りながら軽く首捻り ）

お前は何処にでも行きそうだからな。体中に痕でも残しておけば大丈夫だろうか、（ 優しく抱き止め頭を撫で遣りつつ真剣な声色で答えると視界に相手の表情捉えて見詰め ）