荒北靖友 2015-04-12 07:30:55 |
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し、し…しょうろんぽうっ!( 怪しげな視線ちらりと送るが見逃す事にすると続きを返し )
身近なヤツの真似してみっか?東堂の指差しポーズとかどうよ。( 簡単と言われて即座に思いついたのがチームメイトのもので我ながら名案だとばかりに鼻鳴らし )
俺…今スゲー顔してっからァ、( 言い訳述べながらも相手の芯のある口調から素直に言う事を聞き入れ、おずおずと顔を上げて )
う、宇宙…人!──む、宇宙…船…。( 自信有り気に答えるも言い切った後に気付き、違った言葉を呟くもどちらも負けを確定させる単語で )
東堂か、あれは一度したことがあるからな。…こうだろう。( こく、と小さく頷くと若干ぎこちなくなりながらも相手を指差し )
ふ、本当だな。─…俺は、この位には大切に思っている。( 視線合わせ微笑浮かべると、距離を詰め鼻梁に短く唇を落として )
福チャンの負けだネェ?残念でしたァ、これから何して貰おっかな。( 無事に雪辱を果たせた嬉しさから小さくガッツポーズし、あれこれ思案し始めて )
やだ、福チャンかっこいい。…へ?やったことあンの?( 心が射抜かれ照れたように口元緩ませつつ相手の放った言葉に反応し )
っ!ふ、福ちゃァ……俺と、付き合ってやってもいいって思うのかヨ。( 近距離に耐え切れず強く瞳瞑り受け入れると片目だけ開けて先刻濁してしまった言葉の続き述べて )
く、……仕方ない。約束は約束だからな。( 結果に納得の行かない様子だったが、やがて諦めたように溜息零して )
ああ、東堂のファンらしき人にな。─良い反応はされなかったが。( 当時の事を思い出しながら指した指を見詰め何とも複雑そうな表情を浮かべ )
─俺には寧ろ、何故お前がこんなにも無愛想な奴と付き合いたいと思ってるのか聞きたいくらいだ。( 詰めていた距離を離し今更気恥ずかしさが込み上げてきたのか、視線を横に逸らすと小さく声を零して呟き )
じゃあ約束通りィ、俺とポッキーゲームしよ?( 鞄からポッキーの箱を取り出し目の前で揺らつかせて )
こォんなにイイ男なのに東堂のファンは分かってねェな。ま、惚れられても困るケドォ。( 伸ばされた指を両手で包み込むように握り締め )
愛想だとかそんなんじゃねーよ。福チャンは、俺を救ってくれた唯一の存在だ。他の誰よりも特別だし、恋に落ちんなっていう方が無理な話じゃナァイ。( 離れる直前に手を背中に回して腕の中に相手を捕らえると素直に気持ちを告白し )
ポッキーゲームか…した事が無いな。…こうするのか?( 目前で揺れる菓子を摘むと片端を少しだけ口にくわえ )
良い男かどうかは分からんが、よくも東堂はあれ程の事を軽々しくやっているものだ。( 指解いて此方からも力を込めずにぎにぎ、と開いたり握ったりし返し )
…こういう時は何と返すべきなのか。それ程までに俺の存在が大きいとは思わなかった、お前は随分と面倒臭い奴を好きになったみたいだな。─本当に俺で良いのか。( 力なく相手の肩に凭れ掛かるように身を預け、再度しっかりと確認するように丁寧に言葉紡ぎ尋ね )
ンー、そのまま動かないでヨ。( 頷く代わりに短く返事して反対方向を咥え込むと少しずつ食べ進めていき )
ファンの子には分け隔てなく愛情を注ぎたいからなんだってェ。俺だったら疲れちゃいそう。( 話題に上る人物の顔を思い出し溜息一つ溢しては手の甲に頬すり寄せて )
だァから何回も言わせんなって、平常心保つのも結構キツイんだよ。…福富寿一じゃなけりゃ意味ねェの、お前がいい。( じんわり目元が紅色に染まるも幸いこの体勢からは顔が見られないのを良い事にはっきりとした口調で伝えて )
む、分かった。( 折ってしまわぬよう僅かに頷けば、食べ始める様子も無く黙りこんではただひたすら相手眺め )
やはり彼奴はサービス精神旺盛だな。…、俺も見習わねばいかないのだろうか。( 悩ましげな表情浮かべながら擦り寄ってきた相手の頬を擽るように撫で遣り )
──そうか、それなら良い。…後悔しても知らんからな。( ゆっくりと顔を上げて細めた瞳に相手を映し、強い声色で述べると微かに口角上げて )
…バァカ、( 言われるがまま少しも動く様子のない相手に内心笑いがこみ上げつつ目前まで到達すると躊躇無く唇奪い )
んーん、東堂を真似する必要なんてねェよ。オメーは気にせず自分を貫き通してりゃいンだよ。( 瞬時に悩みを吹き飛ばすような言葉を送り気持ち良さそうに瞳閉じて )
最初っから覚悟してたっつの。はァァ、つーかマジで嬉しい。これから福チャンと付き合えんのかヨ。( 挑戦的に口端つり上げては感嘆の息吐き出し軟く微笑んで )
!っ、荒…北、( 不意に奪われた唇に一瞬体がたじろぐも、相手の名前消え入るように零し両目を瞑って )
─そうだな。では俺も、何かポーズとやらを考えてみるか。( 自然と悩んでいた気持ちが緩み頬を撫でる手は止めないまま冗談交じりに呟いてみて )
精々逃げられないようにしておくことだな、…俺にも言える事だが。( 軽く瞳を揺らせて小首を傾げ敢えて自分に言い聞かせるように述べ )
ン…甘っめ、( 啄ばむように幾度か唇重ねて堪能した後ゆっくり退くと口周りについたチョコを舐め取って )
福チャンつったらりんごのイメージ強いからァ、りんごポーズなんていいんじゃなァイ?( 便乗して相手の冗談に乗っかると両手をハートマークにして少し歪なリンゴを手の形で作り )
逃げられねーように首輪しちゃおっかな。( 本気とも取れる曖昧な声色で呟けば指先を首筋に這わせ )
…ん、ポッキーゲームというのは中々刺激が強いものなんだな。( 初めて、という事も相まって羞恥を覚え頬に微かに熱を帯びるのを感じつつ仄かに口内に広がるチョコレートの味を楽しんでいる様子浮かべ )
荒北、─俺にそんなポーズが似合うと思っているのか?( 提案されたポーズに眉間に皺寄せる小首傾げてみせ )
!…いや、寧ろ首輪を繋がれるのはお前の方だろう。( くすぐったさから小さく身動ぎすると、首先に伸びる手掴んで相手の首筋に持って行って )
ホントは触れるか触れねーかの瀬戸際を楽しむモンなんだけどォ、思いっきりちゅーしちゃったねェ。( 更に羞恥を煽るように先程の行為を言葉として発すると相手の様子を眺めて )
違和感ありありだと思うヨ、( 例を示した当本人のくせして首を振って否定の意思を表示 )
ヤァダよ何で俺が繋がれなきゃなんねェの。( 片目を大きく見開き不貞腐れた態度取れば相手の手と自分の手を重ね合わせて )
…それは、…お前がしてきたんだろう。( 煽られるがまま先程の事が脳に浮かび上がり更に頬に熱が伝わってくると口元手で覆い視線ふいに逸らして )
それに手でリンゴの形を作る、というのも中々難易度が高い技だぞ。( 眉間に皺寄せたまま先程相手が作ったポーズよりも更に歪な形を手で表してみて )
俺の知らない間に他の奴に懐かれても困るからな。( 重ねられた手優しく握りしめ冗談めいた口調で口角微かに上げながら述べ )
照れちゃってカワイイ。俺とのキスが初めてだったァ?( 悪戯っぽく口元歪めて笑いながら反応を愉しむように首傾げてみせ )
つーか今更だケド。福チャンは腕組んでる姿が一番様になってっから、普通にしてりゃそれが福富ポーズなんじゃねーの。( 的を得ているようで何処かズレた結果論を半ば自棄に突きつけて )
へえー?福チャン、そんなに俺のコト大切だったんだ。( 冗談と分かっていながらも飛び出た思わぬ一言に心温まり幾分か表情崩して )
む。言われてみればそうだな、…多分。俺の記憶している内では、お前が初めてだ。( そういえば、と首傾げ残っている記憶を探ると曖昧に頷いてみせて )
! そうか。確かに、…あまり考えなくとも良かった事だったのか。( 相手の提案した結論に潔く納得したのか満足気に腕組み )
───さあな、…察しろ。( 何だか素直に肯定してしまうのもらしくない気がして答えを濁すと重ねている手に擦り寄りながら小さく呟いて )
初モノって特別感増す気ィしない?( 問いかけた質問を肯定されれば喜色強めた口調で語尾上げて )
答えはすぐ近くにあったなァ、( 前触れもなく近寄ると些か気分が傾いた為、ゆるり相手の腹部に手を巻きつけて引っ付き )
へいへい。わァってるよ。( 予想通りの反応を返されるも気にした様子なく指先を伸ばし頬に触れて )
…初めての事というのは記憶に色濃く残るものだから、当然だろうな。( 機嫌の良さそうな相手の様子を何となく察すると此方も自然と口元綻ばせ )
考え過ぎのようだったな、ん……どうした?( 眉微かに動かしながら気分を伺うように瞳覗き込んでは軽く頭撫でてやり )
へいは一回だ、と言った筈だ。( ぴく、と肩震わせて反応するも心地良いくすぐったさに瞳瞑って受け入れ )
成る程ネェ。そういや俺も福チャンが初めてだヨ、( こくこく頷き理解を示した後思い出したように告げ )
オメーの体温感じてェの。…福チャン、いい匂いする。( 照れ隠しに視線逸らして胸元に顔を埋めると小さく鼻鳴らして )
へーい。ここ撫でられンの好きなのォ?(間延びした声で返答しては優しい手つきで指を滑らせ撫で遣り )
そうなのか…、随分と手慣れていると思ったが。( 意外な事に驚きに僅か瞳丸くすれば、顎に手を添え緩く首を傾げ )
自分の匂いなどあまり意識しないな。─ふ、お前の体温が直に伝わって来る。( ぽつりと呟いて肩に手回すと引き寄せて更に密着させ、伝わる温もりに安心したように落ち着いた声色で述べ )
くすぐったいが、…嫌いではない。( 心地良い手つきに己なりに言葉を肯定すると、お返しと言わんばかりに相手の頬に手を伸ばすと擽るように撫で )
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