とくめいさん 2015-04-11 00:19:44 |
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…嗚呼、そうだな。
(相手にとっては取るに足らない物だろうが、絵の贈り物を貰う事は初めてで、反応を窺うような視線にも気付かず両手で持ったスケッチブックの紙に描かれた庭の花を見入っては何処か嬉しそうに目元を緩め。強引に話題を変える相手に少しの間をおいて返事をすると隣に絵を置き風で飛ばないように自分用のプリンのマグカップを重石にして。「ありがとな。それ、食ってみ。」と食べるように促して。)
うん、頂きます。
(相手の嬉しそうな様子に気付けば喜んでくれていると分かり安堵しては表には出さないが此方も嬉しく思い静かに微笑んで。食べる様促されれば手に持ったプリンに視線落としスプーンをちゃんと持ち直して頷き、上記告げては一口分掬い口の中に入れると口内に広がる優しい甘味と柔らかな舌触りに思わず表情も緩み飲み込んでは相手に顔向け「…美味しい。初めて食べたよ、こんな美味しいの。」と瞳の奥を輝かせて。)
そうか。
(表情を綻ばせて嬉しそうな反応を見せる相手につられるように口許を緩めては微笑ましげにその様子を見守り。絵の重石にしているため手持無沙汰な手を相手のほうに伸ばしては頬を撫でるように触れて小さく笑い。「…そんな顔されたらまた作りたくなる。」とまんざらでもないように。)
…また作ってよ、眞人のプリン僕の大好物になっちゃった。
(ふい伸ばされた手を不思議そうに見詰めては頬に触れられ少し気恥しく思うも、優しく温かい掌が心地良く相手に気を許しつつあるのもあって擦り寄る様にして上記を。プリンがこんなに美味しいなら他の物も凄く美味しいのだろうと想像を膨らまして。)
…簡単だから誰でも作れるぞ。
(客から褒められる事はあれどあまり友人にお菓子を振る舞うことがないため気恥ずかしさに落ち着かず目線を逸らして。絵と引き換えにするには凝っていないお菓子だからこそまた明日以降にでも何か作ろうと心に決めて。手触りのよい頬から手を離すといつの間にか薄暗くなっていく夕暮れの空を見上げて「そろそろ日が暮れるな。」と独り言のようにつぶやいて。)
やだよ、僕は眞人が作ったのがいい。
(視線を逸らしてしまった相手を不思議に思うも気に止めず、誰でも作れるとの発言に自分で作りたいのではなく相手が作ってくれた物がいいんだと大分気を許して来たようで小さな我儘の様に告げて。手が離され相手の言葉に空を見上げては都会の電車や車の音など全くなく静かに日が暮れる景色に思わず見惚れてしまい暫く空を見上げたままでいて。)
…子どもみたいな事を言うんだな。
(小さな子供の我儘のような発言に意外そうに僅かに目を瞠るもすぐに普段通りの表情に戻り、弟のようだと先程も少し考えていた事を再び思い返しながら息を吐くように笑んで。春先とはいえど日が落ちると肌寒くなる為、「そろそろ中に戻るか。」と結局手を付けなかった自分のプリンと相手から貰った絵を持ち立ち上がって)
何さ、別にいいでしょ。そう思ったんだから。
(小さな子供の様だと言われるとそこまで幼くないと不満気な表情をして、ふと誰かにこんな風に我儘を言ったのは何時ぶりだろうかと記憶を辿るも物心ついた頃にはもう我儘は言わない様にしていて、日頃猫かぶりな自分は所謂"いい子"を演じていた為あまり覚えていなくどうして赤の他人の相手にこんな事を言ったのだろうと自分でも不思議でいて。立ち上がった相手を見上げ「うん、ご馳走様。」と告げては何時の間にか食べ終えていたプリンの入っていたカップを持ち自分も立ち上がり。)
悪いとは言ってない。…作る側からしたら、褒め言葉だな。
(不貞腐れたような表情の相手に小さく笑むと以前に仕事をしていた頃の事を思い出すように目を細めながら少しの間をおいてはあまり表にはでないものの相手の小さな我儘は嬉しいもので。またその我儘は初対面のときと比べると随分と心を許してくれている事の表れであるようにも思えて。相手の言葉に頷くことで反応を示すと部屋の中に入り「そういや、晩飯はどうする?」と思い出したように問い。)
なら、また作ってよね。眞人のプリン、気に入ったんだから。
(笑みを浮かべた相手を見ては機嫌を直し口角上げては上からな物言いで。これから此処にいる間は何時でも食べられると内心上機嫌で。相手に続いて部屋の中に入れば「え?眞人が作ってくれるんじゃないの?」と当然の様に聞き返して。)
はいはい、…承知致しました。
(相手らしい強引な口振りに口元をふっと緩めると冗談交じりにまるで執事か何かのように片手を自身の胸元に添え恭しく一礼してみせ。意外な問い掛けに一度少しだけ目を丸くするも「約束とかがないんなら作る。…食い物の好き嫌いは?」襖のほうに向かって歩いてゆき振り向いては問い、頭の中では買い物に行く必要があることを考えながら。)
よし!…何か、眞人みたいな執事居てもいいなぁ。
(相手の行動に何故か気を良くし偉そうに頷いては此方も冗談混じりに笑って。「約束なんてないよ。好き嫌いもない!」此処に着た初日でありまだ学校も始まっていなく遊びに行く様な友人は居らず首を左右に振って、好き嫌いについては偉いだろうと少し威張る様に告げて。)
俺が執事なあ、…こんなやる気なくていいのか。
(冗談で告げられるありもしない想像にのっかり、その様子を思い浮かべるように目線を少し上げると頭の中の自身は全く似合っておらず小さく笑って。予定がないとの発言には学校が始まっていない事を思い出したのか納得したようで、得意気な様子に「そうか、偉いな。」好き嫌いの多い自分とは真逆らしいことに素直に感心したようで。頭の中で夕飯のことを考えながら「ちょっと買い物行ってくる。」と部屋から出て行こうと歩んでいき。)
…まぁ、似合わないけどね。
(相手と同じ様に相手の執事姿を想像してはしっくりこなくカチッとしたのは相手らしくないと思えばきっぱりと告げて。感心しているようだが何だか子供扱いの様に聞こえては僅かに頬を膨らますも「好き嫌いあるの?」と尋ね、買い物に出掛けると言うのを聞き田舎の店に興味があり小走りで後を追い「待って、僕も行く!」と。)
だろ。
(変に気遣うことなく正直に告げられる意見に尤もだと言わんばかりに頷き。拗ねているような仕草を不思議そうに眺めるも思わず頭を撫でてしまいそうになる手を引っ込めておき「そうだな、…魚とかあんまり好きじゃない。」独特の生臭さを思い出し少し顔を顰めて。背後から近付いてくる小さな足音に振りかえっては「ん、じゃあ荷物持ちな。…用意出来たら玄関のとこに居て。」なんて冗談交じりに告げ、部屋の襖を開けたまま準備のために自室へ向かい。)
…魚かぁ、僕も生はあんまり好きじゃないなぁ。じゃあ、好きな食べ物は何なの?
(相手も似合わないと思っていたのかと思えば何故か面白く小さく笑って。嫌いな食べ物を告げるなり眉を寄せる相手にそんなに嫌いなのかと僅かに驚き自分も生魚は好まないと相手が言う事も分かると頷けば、反対に好物が気になり尋ねて。「仕方無いなぁ、少しくらいなら持ってあげる。」冗談混じりの言葉に同じ様に冗談っぽく返しては、用意しろと言われその場に立ち止まり自分の姿を見るも特に着替える必要もないし持って行く物もないと思いそのまま玄関に直行して。)
生臭いやつは結構きついよな。…好きなのはー…、甘いもの。
(共感するような言葉に神妙な顔つきで一度小さく頷くと続いた問い掛けには数ある食べ物を思い浮かべ考えた後に抽象的な言葉で。「お前は?」夕食や今後作る物の参考にと尋ね返し。返ってきた軽口に楽しげに少し目を細めると自室で財布の入ったボディバッグと携帯を取りズボンのポケットに押し込みながら玄関へ。「お待たせ。じゃあ、行くか。」と靴を履き引き戸を開いて一足先に外へ出て。)
だろうと思った。糖尿にならないようにしなよね。
(魚が嫌いなら相手の作る料理には魚はあまり出てこないだろうななんて憶測し、好きな物を聞くなり思った通りと今の相手の職からしても納得がいくと口角を上げ頷けば、またも偉そうにからかいと注意を交えた様に告げ。逆に尋ね返されると「眞人のプリン、…と果物のゼリー。後は、目玉焼きの乗ったハンバーグ。」と一番始めに先程好物に追加した相手お手製のプリンを即答しその後小さい頃から好きだった物を答え。玄関で少し待てば相手がやって来て靴を履いては後に続いて外へ出ては「やっぱり田舎のお店って"八百屋さん"とか"魚屋さん"って別れてる感じなの?」とワクワクといった様子で田舎の店といえば思い浮かぶ風景をそのまま尋ねてみて)
あー、それなあ。…そろそろ気付けるか。
(予想通りだと言わんばかりの表情と冗談混じりとはいえど生活習慣病を懸念する発言には量は食べないものの試作品の味見なども含めると頻繁に糖分を摂取していることを思い返し複雑な表情で。好物の中に自分のスイーツが入っていることに驚きながらも嬉しそうに目を細めながら「へえ。なんつうか、お子様ランチに全部入ってそうだな。」なんてからかうわけでもなく思ったままを口にして。よく利用する近所のスーパーマーケットへの道を歩いていると何か期待しているような問いに「商店街はそんな感じ。けど普通にスーパーとかはある。…どっちがいい?」と。)
君が倒れでもしたら僕が困るんだから、色々。…心配も…するし…。
(チラリと相手を見遣れば何とも言えぬ複雑な表情を浮かべており、自分でも少し気に掛けていたのだろうかと思いながら都会に居る時に聞いた事のある"若くてもなる"や"合併症もある"との言葉を思い出しては、田舎の事はまだ全然分からなく馴染んできたとしても相手が居なくては困るし寂しいと相手が倒れてしまったらなんて大袈裟に想像しては偉そうに言った後照れ臭げに視線逸らして小声で告げて。多分そう言われるだろうと分かっていたが予想していたのと同じ台詞を言われては不満の表情で「煩い!」と相手の背中を叩いて。商店街と聞いて行ってみたいと思うもスーパーの方が品揃えが良くあちこち行かなくても済むのではと考えればまた今度ゆっくりと案内して貰う事にし「今日はスーパーでいいや。商店街はまた今度連れてって。」と。)
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