とくめいさん 2015-04-11 00:19:44 |
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適当だな。…けど、そう言われるのは嬉しい、ありがとな。
(殆ど初対面に近い相手の感覚的な言葉に不思議そうに首を傾げると傲慢な口調を気に留めることなく、似合うと言われることが少ないためか御礼を述べて。隣で無邪気に笑む相手に目線を下げると荷物で自身の両手が塞がっているのを確認しては「抱っこして欲しいのか。…残念だが手は二つしかない。」からかうような発言を真に受けたのか相手を甘えん坊か何かかと認識したようで、可笑しそうに小さく笑って。部屋に付くと端のほうに荷物を置き。)
別に。本当の事言っただけ。
(礼を言われては少し照れくさそうに視線逸らし、相手の事を褒めようと言った訳ではなく思った事を口にしただけだと。自分のからかいの言葉を間に受けたような返信に目を見開き頬を染めては「違うよ、馬鹿!冗談に決まってるでしょ!」と、こうと勢い良く上記述べながら荷物を運ぶ相手の後ろへ回っては照れ隠しに背中をボコボコと何度も叩いて、部屋へ着いてもまだ恥ずかしいのかツンとそっぽを向いていて。)
ああ。それが分かるからこそ、だろ。
(知り合って小一時間程度だがやりとりや相手の言動から少しずつ性格を掴めてきたようで、どこか満足げに目を細めると小さく頷き。赤みを帯びる相手の白い頬を見ては想定外の反応だったようで数度瞬きをして。背後からの痛みは加減されているのか然程痛くはないものの「いたた…。わかってる、さすがに抱っこはないな。」部屋に着くとこちらを見ようとしない相手に、少しばかり痛みの残る背中を手でさすりながら顔を覗きこんで)
あっそ。ね、僕、眞人のケーキ食べてみたい。ダメ?
(見抜かれていたと知れば何処か気恥しく素っ気なく返すも、ケーキ屋を手伝える程の腕前と知ればどんな物が作れるのだろうと興味が湧き、話を変える様に唐突に相手に尋ねて。分かっていると聞けば態とだったのかと更に不満そうに「当たり前でしょう!」と。顔を背けていた視界の中に相手が入って来れば背中を摩っているのが分かり其方に顔を向けては「…痛かった?」と少し申し訳なさそうに尋ねて。)
あー…そうだな。家にあるもんで作るなら、簡単なのになるけど。
(ゆったりと腕を組み冷蔵庫の中身を思い出すように首を傾げながら目線を宙に向けて。条件付きで返答しては反応見るべく相手のほうに視線移し。先程の生意気な発言とかけ離れたしおらしい様子に小さく笑って「大丈夫、心配するならやるなよ。」ころころと変わる表情は自分にはない部分で、弟が居たらこういう感じなのだろうかと考えながら相手の頭に手をのせぽんぽんと軽く撫で。)
何でもいいよ。じゃあ僕はスケッチしてるから。
(凝った物を作って欲しいとかではない為どんな物でも構わないと視線合わせては口角緩く上げ頷き、先程自分の部屋と案内された部屋の方へ体を向けてゆっくり進んで行きながらひらひらと片手を振って。大丈夫だと聞けばほっと胸を撫で下ろすもやらなければいいのにと言われては「だって、眞人が変な風に勘違いするからでしょ。」と頭を撫でられながらも拗ねた様な表情浮かべては相手の所為だと言いたげに。)
紛らわしかったから。…けど、次からは気を付ける。
(不服そうな相手の物言いに首を傾げ納得できないようではあるも、小さく頷き相手の頭からそっと手を退けて。部屋へと入っていく相手を見送ってはスケッチの邪魔になってはいけないと感じ、退室してそのままキッチンへと向かって。何でもいい、との言葉に何を作ろうかと頭を悩ませながら冷蔵庫の前で佇み。)
まぁ、ないと思うけどして欲しい時はそう言うから。
(そう言い残して角を曲がれば勘違いをするなと言いたかったのだが少し言い方を間違えたかと今更気付いては頬を淡く染め「眞人があんなだから…。」と一人呟けば、何でも受け止めてくれるような兄のような存在感に思わずそう言ってしまったのだと相手の所為にして。自室へと着けばキャリーバッグからスケッチに必要な物を取り出しては再び縁側から外へ出て先程教えて貰った花へ近寄り、近くにあったバケツを椅子代わりにして座りスケッチを初めて。)
…
(広い自宅に増えた同居人は彼の父親から多少の話は聞いていたもののどうやら自分とは大きく違ったタイプの人間のようで、これからの生活を楽しみに思いキッチンでふっと表情を緩めて。小さめの鍋に砂糖と水を入れて火にかけ、焦げないように注意し混ぜながら合間に棚からマグカップを4つほど取り出してこげ茶色になったカラメルを少量ずつカップに注ぎ。電子レンジで温めた牛乳に砂糖を溶かすと溶き卵を入れてまぜ裏ごしをしバニラエッセンスをほんの少し入れ、マグカップに注いでは蒸し器に入れて。)
(手を動かしながらも自然の中で健やかに育って感じや力強さ、そして少しの儚さと花弁の繊細な感じをどのように表現しようかと思案しながら慣れた手付きでスケッチブックに線を描き足していくも、納得がいくように描けず消しては描いてと繰り返し自分もまだまだだと実感してはこれからの大学生活でもっと向上したいという意欲も湧いてきて。気が付けば夢中で手を動かしていて。)
…
(出来上がったプリンを冷蔵庫に入れて冷やしている間、手持無沙汰になったため静かな相手の様子を見に部屋へと向かってみて。ノックをしようかと迷うものの邪魔してはならないと思い開けたままの襖から部屋の中に入り、縁側に続く窓のほうに歩んで行き。一心にスケッチに集中している相手の後姿を見ては声を掛けるのが躊躇われ、たっぷり迷った後にその場に胡坐をかくような体勢で座り柱に凭れかかって。)
(鉛筆でのデッサンが終われば次は水彩絵具を用意し色を塗り始め、色を重ねる事によって自分が求めていたものが表現出来れば満足気で完成しては一息ついて。何時の間にか作業に没頭しておりどれくらい時間が経ったか分からず、まだあれから姿を見せない相手は今頃何をしているのだろうかとキッチンの方へ様子を見に行こうと道具を全て片付け立ち上がり振り返れば相手の姿があり驚いた様に目を見開いては「眞人、居たの?」と何時から居たんだという風に問い掛けて。)
(元々気配の濃い部類ではないが全く気付かないのは相手が相当集中して模写しているからだろう。自分よりも幾分か小柄なその後ろ姿をぼんやりと眺めながら、うっかり眠ってしまいそうになる春の暖かな陽気に目を細めて。どれくらい時間が経ったのかがたがたと道具を片付ける音に我に返り何度目かの欠伸をしては浮かぶ涙を拭っていると漸く自分の存在に気付く相手を見遣り「ちょっと前からな。…終わったのか?」と相手のスケッチブックのほうに目線を向けて。)
…え、全然気付かなかった。
(少し前から居たと聞けば全く来た気配すら感じなかったと呟き、縁側へ道具を持って近寄れば道具は床に起きスケッチブックを手に「終わったよ、ほら。」と描いた絵のページを開いて満足気に相手へと見せて。ふと相手から甘い匂いがすれば「あ、眞人!デザートは?出来た?」と思い出した様に楽しみにしていたんだとばかりに問い掛けて。)
邪魔しちゃ悪いし黙ってた。
(相手の集中力に助けられたのかスケッチを妨害せずに済み安堵していると近寄ってくる相手が差し出した水彩絵の具で描かれた花の絵を見て「おー…、すげえ。綺麗だ。」しみじみと眺めながら感心したように呟き。相手の言葉に思い出したようで「ああ。多分もうだいぶ冷えてる。…持ってくるから、それ片付けてろよ。」重い腰を上げて立ち上がっては伸びを一つして、そのまま部屋から出て行き。)
そんなに気を遣わなくて良かったのに。
(相手の発言聞くなりただ単に絵を描いていただけなのに気を遣ってくれたのかと相手の気配りにクスッと笑い。綺麗だと言われれば「当たり前でしょ、綺麗な花は綺麗に描かなきゃ。」と得意気に告げるも嬉しかった様で口元は緩く上がっていて。もう出来ていたのかと瞳の奥を輝かせては「分かった!」と聞き分け良く片付け始め、スケッチブックを手に取れば急に何か思い付いた様に先程のアセビの絵を丁寧に契りスケッチブックから一枚に外してそれを手に持って縁側に足を伸ばして座り相手を待って。)
そういうわけじゃない。ペンの音とか、絵具の音とか、聞いてたら何か…落ち着いたから。
(どこか大人びた笑い方をする相手から目線を逸らすと言葉を選ぶように首を捻り後頭部を掻いては考えるように。己の言葉足らずな感想にも満足そうな相手に安心したようで、嬉しげな相手の頭をぽんぽんと軽く撫でては背後で片づけを始める音を聞きながらキッチンに向かい。冷蔵庫を開けるとプリンは丁度良く冷えて固まっており、マグカップを2つと銀製のスプーンを2つそれぞれの手に持っては相手の部屋へと戻り。縁側に座っている相手に近付くと「これ。…ケーキはまた今度な。」と傍らにマグカップを2つ置いた後にそれを挟む位置に腰を下ろし、スプーンのうちの1つを差し出して)
…そう。
(視線を逸らされては不思議そうに伺う様にじっと見るも、自分も誰かが静かに絵を描いている時の物音は心を落ち着ける様な感じがすると思っており同じ様に相手が感じていた事に何処か嬉しく表情緩め一言だけ返して。頭に乗せられた自分よりも大きいであろう相手の手の手付きの優しさに目を細めて。此方に向かってくる足音が聞えれば其方に顔を向けて隣に置かれた物を見て表情明るくしては「わ、プリンだ!」と嬉しそうにし差し出されるスプーンを受け取れば早速食べようとするも持っていた先程の絵に気付けば、相手に向けてそっと差し出し「…これ、あげる。…プリンのお礼。」と照れ臭そうに目尻を赤らめて。)
これ…さっき描いたやつだろ。いいのか?
(嬉しそうな反応を見せる相手の無邪気な様子に微笑ましげに目を細め、表情には出にくいものの作った甲斐があったと心の内では嬉しく思っており。ふと差し出される先程の水彩絵具で描かれた花の絵に驚いたように少し目を見開き、手に持っていた自分のプリンを床に置くと手を伸ばし確認するように目元をほんのりと赤らめる相手に視線を向け問い。)
いいよ、落書きみたいなもんだし。
(相手が受け取れば手を離し問い掛けに絵くらいこれからいくらでも描けるし大した物でもないと言うようにまだ照れ臭そうに視線逸らし素っ気なく上記述べるも、こんな物を貰っても喜んで貰うどころか困らせるだけだろうかと今更不安になり様子を伺う様にちら、と相手見遣って。この状況が段々と気恥ずかしくなってきては話題を変えるように「ほら、プリン食べよ?」とプリンを手に取っては見上げて。)
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