◇ 2015-04-07 15:10:11 |
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―…もういい、下がれ。
(怒りの感情を露呈する事は無いものの暴行の手を止めぬ己の部下の肩にそっと手を置き制止して。己の左腕に傷を付けた男は腹部を庇うように微かに震える身体を縮めて蹲っており、口内が切れたか吐血の跡か、アスファルトには赤黒い染みが点々と付着している。顔に至っては原型を留めぬ程に膨れ上がり目も当てられぬ程無残な姿で、"ゆるしてください"と譫言のように幾度も紡がれる謝罪と懇願の言葉に同情の念すら抱く程である。腹部を蹴り付ける脚を止め己を一瞥した後に大人しく後退する部下に安堵しつつも、男を見据える氷のような蒼い双眸に思わず苦い笑みを漏らす。哀れな男に歩み寄り傍らで膝を折ると「安心しろ、命まで取る気はねえよ。だが、…次はないと思え。」低く呟くと喉の奥を引き攣らせるようなか細い声と共に小さく頷くような仕草を確認した後、立ち上がり周囲に立つ他の部下たちへと後処理の指示を飛ばして。斜め後ろで棒立ちの侭の彼に近寄り) 一人で突っ走るな、って前にも言っただろうが。 (忠実で仕事に対する姿勢も真面目な彼には絶大な信頼をおいており片腕と言っても過言ではない。然し己の事となると普段の穏和さは陰を潜め加減無く、暴虐の限りを尽くす常軌を逸した変貌ぶりには少々手を焼いており。反省の意を見せ申し訳なさそうに頭を垂れる姿は飼い主に叱られた大型犬のようで、「まあいい。…怪我してねえだろうな?」何て簡単に許してしまうあたり彼に甘いのだろう、迷子の幼子のような不安げな表情を浮かべた彼の頭を撫ぜ柔い笑みを浮かべて。)
( マフィアのボスと片腕という名のペット(猛獣)。部下はボスに御熱です、色んな意味で。
ボスもそんな部下が可愛くて仕方がない。けど、最終的には部下が裏切ります。
「ボスをころしていいのは俺だけ。」みたいな。そういう歪んだ展開が好きです。 )
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