木戸番 2015-04-06 13:25:07 |
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>相良
(湯呑に注がれる透明な酒を瞳に移すと普段は遠慮がちな瞳に光をふつりと浮かばせて。酒に反射し、滲み浮かぶ自分の姿と一拍見つめ合ってから瞳を細めて口元を綻ばせる髪の赤も加わってか暖かさの強いそんな笑みを表情に浮かばせつつ「いただきます」と湯呑を両手に持ちながらその一言を先に紡いで、湯呑に唇を宛がうと音だけは静かに”コクコクコク”と。しかし飲む酒はあっと言う間に消えて終い、湯呑に注がれたはずのそれはすっかり空となって久しぶりに血の熱くなる感覚を抱けば先程までの緊張が少し薄れた気になって、落ち着いた気持ちで相手を見て。目の前の相手が既に顔を赤くしているのが逸らされる顔の一部にて察する事が出来ると「貴方様、――貴方様は優しさが過ぎます」酒が強くないと言って居たにも拘らず自分に付き合う為に強くない酒を嗜んでくれたと言う事が嬉しくて、スルリと距離を詰めれば酒のせいだろうか、少し熱の高い掌で相手の頬をつうと撫でる様に触れて「俺は貴方様に選ばれて、とても幸せ者です」湯呑を置けばもう片方の手も相手の頬へと宛がって先程までは遠慮をして中々触れられなかった我慢を解くように相手に触れる事で自分が今相手の傍にいると言う事を実感している風でもあって)
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