篠宮 千歳 2015-03-26 03:34:37 |
通報 |
いや、言わなくていいから。
(日頃から言っておけば言われ慣れるだろうなんて考えてる事くらいお見通しですかさず突っ込んでは、自分も頬を摘まれ何故か張り合う様に離そうとせず。満足そうな相手を照れくさそうにじとっと見てはふいに顔を相手の顔に近付けて瞳をじっと見詰めては「…僕は君の純黒の瞳の方が綺麗だと思うけど。」と呑み込まれてしまいそうな、それでいて静かに包み込まれるような温かみを感じる相手の瞳の方がよっぽど綺麗だと素直な感想述べ。)
そうか?それは残念だ。
(日頃言っておけば、という思案を思い浮かべている所でそれを見透かされるように的を射られてしまうと罰が悪そうに口許には乾いた笑いを乗せ、何処か忙しない動作に摘まんでいる指の先から再び温かみがさらに帯びたのを感じれば理解したかのように指から頬を手のひらで包むように変えて「照れ屋」とポツリ呟くようにし。不意に視線が絡み合った途端投げられた意外な言葉に1つ2つ瞬きをし、それから目尻垂れさせ「そんなこと言われたのは葵が初めてだ」と少しばかり声のトーンが上がって。)
…うるさい。
(乾いた笑顔を全く…と少々呆れた表情で見て、頬を摘んでいた手が添えられる様に変わればきょと、とするも聞こえた呟きに不貞腐れた様に唇を少し尖らせてのり出した身を元に戻せば視線は合わせたままこんなに綺麗なのに誰も気付かないのかなんて思ってしまっては「そうなの?みんな見る目ないねー」と冗談混じりにクスクスと笑って。)
悪い悪い。…俺の目って髪と一緒の色だからな。不気味がる人も少なからず居るんだよ。
(気持ち程度の謝罪を述べて迫っていた体で出来ていた影が遠ざかり視界が開け、再び拗ねているような彼の頭を手のひらではない自由な方の手でぽすぽすと機嫌を直せとばかりに優しく頭の上で手を弾ませ。合わさった視線から告げられる言葉に上記の言葉を述べた後に、弾ませていた手を耳へ持っていくと支えるように触れれば頬骨へ唇を寄せてチュ、と微かな音を立てて柔らかな口づけを落とし「冗談でもうれしいよ、ありがとう」と嬉し気に。)
不気味?こんなに艶があって見惚れちゃうくらいなのに。
(むすっとした表情のままぽんぽんと頭を撫でられていては聞いた言葉に不機嫌な顔から一転して少し驚いた様に瞬きしては、相手の髪にそっと触れ目を細めては穏やかに上記告げて。頬へ口付けられては治まりかけていた頬の熱が再びあらわれ「じ、冗談でそんな事言わないよ。」と言い方は冗談混じりであったが思った事をそのまま伝えたのだと少しあたふたとしながら言って。)
は、褒めすぎだ。そんなに褒めても何も出てこねえぞ。
(頬から唇を離れさせると聞こえる言葉に改めて見える顔立ちに安心感を覚えて気持ちを和らぐために小さな吐息をひとつ。それから言葉を発し、両頬に添えていた手を離し自由な状態にしてはふと髪に触れた手の平の温かみに心地が良さ気に暫しの間伏し目をしつつ瞳を包むように閉じて。再び開いた先に見える頬を赤みと慌ように「わかってるよ」と口許に丸めた手を添えると噴き出すように笑ってしまい。)
別に何も欲しくないよーだ。
(触り心地がいいとさわさわと髪を撫でては手を離し何も期待してないと上記の様に告げては生意気にべ、と舌先をちらりと見せて。笑われてしまえばまた恥ずかしめを受けたなんて思い何かを決心したように相手の腕を掴んでは相手の顔に己のを寄せてそっと頬に口付けては「…仕返し。」と自分からしておきながら少し恥ずかしそうに上目で告げて。)
そうかいそうかい。…-うお。
(口元に覗く舌先から本人の余裕さが垣間見えるのが伝わってきて、継続的に続けられる手の動作に心地がよくまるであやされているような気持に陥ると思ったが腕に手の力が入ったと同時に頬へ降る生温かさの感覚に驚いたように瞬きをせず一瞬だけ何が起こったかわからず固まり。ようやく理解すると肩の力がふと抜けていき、仕掛けてきた癖に恥ずかしがっている素振りを見て何か企むように口角を吊り上げ髪に添えられている手を掴み、そのまま自分の方へ倒れ込ませるように引っ張って。)
…。…わっ!
(手触り触り心地の良い物が好きな自分は相手の髪フェチかもしれないと思う程、相手の髪がさらさらで癒されるような感覚を抱いていて無言のままずっと触っていたいなんて考えていて。ちらりと見遣っていた相手の口角が上がるのを見たのと同時に腕を引かれては驚きの声を発し思わず捕まる様に相手の服をぎゅっと握って。)
つーかまえたー。
(引っ張って倒れ込ませたとはいえ自分の胸に飛び込んできたかのような体の重心に従った姿に満足感を覚えて倒れこんだ体に両腕を回して両手の指を組み逃がさないように。暗いくるみ色の髪質へと鼻先を触れさせて、今度は髪に唇を寄せ。)
ちょっと、千歳…何?
(背中に腕を回されてはもう距離を取ることは出来ずそのままの体勢でどうかしたのかと相手の様子を伺う良いに僅かに顔を上に向け。)
ただ俺がこうしたかっただけだ。 気にするな。
(のしかかる温かみにちょうどよさを感じるものの不思議そうに見上げる瞳にふと口許を緩めてしまい、そういえばと言わんばかりに何か思い出したように自分の服装を見て「俺まだ帰ってからスーツだったよ…」といままで忘れていたことに気づいて。名残惜しいが着替えようと思い体勢を戻そうと相手の肩をぽんぽんと手で2回優しく叩いて。)
ふーん。
(理由を聞けば素っ気ない返事をするも感じる相手の温もりに安心感に目を細め身を委ね。肩を叩き体を離すよう促されては何だか名残惜しく数秒だけぎゅっと抱き返し「早く着替えて戻って来て。」と耳元で告げてはそっと体を離し。)
すぐ戻ってくるよ。
(本の数秒だけ抱きしめてくれた緩い力に何処か嬉しそうに表情を崩し。寂しそうな声に自分も同じ気持ちだとばかりに眉尻を下げてソファから立ち上がると自室に繋がるドアの前へと向かいノブを下に重心をかけて開け。先ほどとは冷たい空気の部屋に少しばかり身震いをしつつもハンガーに一式を整え、V字に縫われた厚手のセーターに袖を通して下は動きやすい伸縮性のあるジーンズを。)
ん。
(短く返事しては自室へと向かう相手の背中を見送り。さて、相手が戻って来るまでどうしようかと辺りみ見渡してはすっかり冷めてしまっただろう急須と湯呑を持ってはキッチンへと向かい洗っておいて。)
…俺の部屋寒い。
(上も下も普段着ているものになるとホッと心から和らぐ何かの安心感が得られる物の束の間、暖房も何もついていない窓を通して冷たい空気が流れ込むと自分の体抱きしめるように腕を両手で摩って独り言のようにつぶやき。それからガチャリと部屋のドアをきちんと閉めればリビングに見慣れた姿が居ないと不思議そうに周りを見渡すもののキッチンから聞こえる水音で、足はキッチンへと向かって急須と湯呑を洗ってくれている姿を見つけて隣に立つと「ありがとう」とお礼を述べて、隣に立つ事で改めて身長差を感じ。)
あ、お帰り。
(洗い終わる頃相手が隣に来ると相手の方が早かったか、と思いながら濡れた手をタオルで拭き取り「どう致しまして。」と告げては隣の相手を見上げ「こんなに違う。」と自分の身長の高さまで手を上げ水平にしては相手の方へとそのまま並行近付けて。)
ただいま。
(身長差を改めて感じるべく平行に伸ばされた手が自分の胸元付近に当たり、しみじみと身長の違いを実感すると「もっと牛乳飲んだらどうだ」と身長を伸ばすには良い手段を頭の中に思い浮かべ、自分の右腕の手の甲を肘置き代わりに置いて左腕で顎に指を添えつつ首を横へ傾げて悪気はないようで。不意に冷蔵庫の上の部分を開けて牛乳は無いかとひんやりした冷蔵庫内でそれらしきものを探し。)
やだ、牛乳嫌いだし。そんなの飲んだってもう伸びないよ。
(見下ろされ身長が伸びると言われている定番の事を告げる相手に顔を顰めては拒否し、成長期もとっくに終わり今更やったって意味等ないと頑固に拒んで。牛乳を探す相手を止める様に相手の腕を掴んで。)
…牛乳嫌いなのか?もったいない、もっと伸びるかと思ったが…。
(ひんやりとした冷蔵庫内を軽く見回して中身は茶関連のものや麦茶などしか飲み物はなく、牛乳はひとまず無いと分かれば突然掴まれた腕をなんだなんだと思い冷蔵庫をパタンと閉めて後ろへ振り返ると露骨に嫌そうな顔を浮かべている表情に指先でぽりぽりと頬掻いて「わかったよ」と胸元辺りに居る頭に手を乗せてくしゃりと髪を乱すように撫で。)
千歳は僕にもっと大きくなって欲しいの?
(残念そうな相手見上げては不思議そうに問いかけ、今からだと数センチくらいは伸びるだろうが相手に追いつく程は不可能だろうとしみじみ相手の背の高さを感じて。髪を撫でられては、牛乳は無理だがヨーグルトか小魚辺りで密かに頑張ってみようかなんて考えていて。)
さらに大きくなったらどうなるか見てみたいというのもあるな。
(問い掛けに唸りつつ瞼を伏せて頭の中で彼の身長を操作した姿を思い浮かべるもののそれは理想にしかすぎず、やはり現実と理想は違うよなと無言の頷きを。伏せっていた瞼を開ければキッチンには用はないとばかりに広間のソファーへと向かって。)
ふーん。
(聞いておきながら素っ気ない返事をするも、ソファへと向かう相手の後ろをゆっくりと追いながら相手はもっと背の高いのが理想なのだと分かれば、理想に少しでも近付けたら…と牛乳以外の背の伸びる方法をまたパソコンででも検索して探して実践してみようと悶々と考えていて。)
…、何を考えているんだ?
(ソファへたどり着くなり柔らかな弾みに身を任せるように腰をかけてふとついてきているはずの彼の足が遅く歩んでいるのに気づき、何か考えているような思いつめた表情に頭の中ではてなを思い浮かべつつ問いをかければ隣に座るようにと空いている自分の横に手でポンポンと。)
んー?牛乳以外で背が伸びる方法。
(考え込んでいては無意識に俯き加減で歩くスピードが遅くなっていて問いかけられれば相手を探す様にきょろ、と辺りを見渡せば相手はもうソファに座っていて其方に近寄っては促されるまま相手の隣に座り先程の問いかけに答えて。)
そんなに考え込まなくてもいい。お前はお前だ。
(ぽすりと座っている位置がさらに深く沈むと同時に回答を耳にするとなんだそんなことかと頭の中でつぶやくようにしつつ肩の力を抜き、背もたれへ体重のままに背中を預けると自分の長い脚を組めば思案しているような顔へと視線でちらりと向いた後にそのまま顔も相手の方へ向けて、後ろ頭に手を近づけるなりぽんぽんと「気にすることは無い」と励ますような付け足しをし。)
だって、千歳は背が高い方が好みなんじゃないの?
(励まされながらもまだ少し納得していない顔をし先程の相手の発言からそのように受け取ったんだというように上記述べては膝を伸ばして座り足の指先を上下に動かしそれを眺めていて。)
高いほうが好み?更に大きくなったら見てみたいというのは云ったが、見てみたいだけで好みじゃねえ。
(ぶらぶらと揺れる足に合わせてソファも僅かながらにその振動に合わせて揺れているのを感じつつ、誤解を解こうと上記述べた後に撫でている手の動きをやめて自分の元の位置に戻し。それから思案するかのように顔を前を向いて唇を引き結んで頭を"うーん"とばかりに首を傾げ。)
へ?そうなの?なぁ〜んだ、よかったぁ。
(相手の言葉を聞いては自分が誤解していた事を知り動かしていた足を止め相手の方へときょとんてした視線向け、今から背を伸ばすなんてほぼ期待出来ないと思っていたので安心した様に息を吐きながら上記述べては何か思案している様子の相手を不思議そうに見詰めて首を傾げ。)
だから安心しとけ。
(傾げている首を元の位置へ戻し、組んでいる足を解きソファの上に足を乗せてあぐらをかくなり膝部分に肘を乗せて手のひらで顔を支えるように頬杖を。誤解が解けた事で此方の心持ちも安心感が得られ、無駄な思考を巡らせるのはやめにして自由なほうの片手で自分の長い襟足に触れて「そろそろ髪を切ろうかね」なんてことをつぶやき。)
ふふ、うん!
(安心したのと相手の言葉に穏やかに口角上げては上機嫌で頷き、胡座をかく相手に寄り添う様に少し凭れて。相手の呟きが聴こえれば「僕が切ってあげようか?」と断られるのを承知で冗談混じりにクスクス笑いながら相手を見て。)
ああ、是非切っていただきたいね。
(隣から心地の良い重みがかかるのを感じたら此方も重みのかかる方へ体重のままに預け、彼が切るという選択肢は思い浮かばなかったため暫し思考を張り巡らせるもののそれも悪くないと無言の頷きをした後、それを了承して「お前さん好みにしてくれ」と襟足を弄る指先の動きを止めて。)
へ?だ、駄目だよ!絶対変になる!
(きっと辞めろと言われると思っていたのに返されたのは許可の言葉で呆気にとられた顔をしては自分で言い出しておきながら、そもそもやった事もなく他人の髪を切るなんて責任感が半端ない事出来ないと両手を左右に振って。)
…そうか、残念だな。
(目の前で両手を動かし否定する姿に少しばかり気持ちを落としてしまいつつ、「でももしも髪を切ることになったらどんな髪型が理想だろうか」と長めに伸ばしていた襟足を手で掴んで後ろの方に持っていき、相手にとっては首元をスッキリさせた状態で見せて様子を伺い。)
だって、変になったら千歳、嫌でしょ?
(少し元気のなくなった様子に手を下ろし、眉を下げては自分が切っておかしな髪型になってしまっては外出したりしても笑われてしまうだろうと考え告げて。襟足のなくなったスッキリとした首元を見ては「理想って、僕の?」と尋ねて。)
変になっても、俺は気にならないがな。
(人差し指と中指で鋏のような形状にさせて襟足を挟んで切るような仕草も加えつつも彼が施したのならば変だという認識はあまりしないだろうと心の中で思うと其方の問いかけに肯定するかのように頭を縦に動かして頷き。)
…本当に?…なら、僕が特別に切ってあげる。
(相手の言葉に念を押す様に問うも相手がそう言ってくれるのならと嬉しく思えば、途端に得意気になって頑張って相手を喜ばせようと張り切って。頷く相手を見ながらうーんと視線を逸らして考える素振りをしては「特にないかな。…千歳に似合ってたら、それでいい。」と考えた末、思って事を素直に述べて笑顔を見せ。)
そうか、じゃあお願いしようかな。
(襟足を切るようなしぐさをやめにして期待に目を少しばかり明るく輝きを宿しつつ、張り切ってくれているような様子にそれこそ期待が膨らむがどんな髪型にされるのかわからないので期待もほどほどにしようと思い一度深呼吸を試み。考えた結果の回答と笑顔につられて口元に笑みを乗せれば「楽しみだ」と声音も弾み。)
任せて。…何処でやろう?お風呂場?
(お願いする言われては嬉しそうに頷き、早速と思うも此処では髪が散らばったりして掃除も大変だろうと考えては風呂場なら掃除もしやすいのではと思い付き相手に尋ねて。)
ああ、確かに掃除のしやすさは良いかもしれないな。決定。
(嬉しそうな表情をしている顔立ちに此方としても心が温まるような感覚になり、相手の頭に自分の手を乗せて数回だけポンポンと撫でた後の提案に名案だとばかりに頷く事を何回かしつつ、胡坐をかいていた足を解いてソファから立てばその足は再び鋏を取りにキッチンへ向かって。)
決定。…じゃあ僕、先行ってるよ?
(頭を撫でられ嬉しげに目を細めては頷き賛成してくれたのを確認して同じ言葉を繰り返し告げて、足を崩し立ち上がった相手に釣られる様に立ち上がってはキッチンへと向かう背中に声を掛けて自分は浴室へと足を進めて。)
確かここらへんに…っと、あったあった。
(ソファから立ち上がった後に背にかけられた言葉に対して手をひらりと上げて、その動作だけでの返答を表し。キッチンに辿りつくと長く鋏は使っていないために曖昧な記憶を手繰り寄せつつコンロの端に存在したそれに手を取るなり満足げに。早速持ち手に指を入れて鋏の歯の滑りを確認し、あまり使われていない為油で多少硬くなっているが大丈夫だろうと判断し、その鋏を持って浴室へ足を進め。)
暖房と、タオルと、…服、どうしよ…着たままでいいかな。
(洗面所に付けばまだ少し寒いだろうと暖房を付けようとをきょろ、とスイッチを探しそれらしき物を見付けては近寄り確認してからスイッチを入れ風が出始めるのを感じながら棚からタオルを取り出し浴室内のタオル掛けに掛けて準備万端と満足げな表情するも、ふと格好はどうすればと悩むも自分は切る方な為このままでも大丈夫かと。)
お、準備が出来てるな。
(鋏を手に浴室へと足を踏み入れると感じる温かみに暖房か、と思うと次第に温まっていく体と室内に馴染むように肌でその感覚を得ながらも、少し難しい顔をしている出で立ちに首を少しばかり傾げつつ相手の手に持っているタオルを手に取れば肩に羽織るようにしてそのまま浴場へと足を踏み入れ。服はそのままなのでシャワーが誤作動で出ないようにノズルをキュッと強く閉めたのを確認して外に居る人物を手でちょいちょいと招き。)
…はい、座って座って。
(タオルを羽織り浴室へと先に入って行く相手を見ていては手招きされ一応とズボンの裾を少し撒くっては自分も浴室へと足を踏み入れ。浴室にある椅子を鏡に写る位置に動かしては相手の両肩に手を掛け下へと引っ張りながら上記述べて。)
はいよ、っと…んじゃ、宜しくお願いしまーす。
(裾を引っ張られ仰せられるままに椅子へを腰かけて成人男性が二人入るには少々狭いバスルームに彼も入って来た事を確認すると一応、と浴室のドアをカチャリと閉めれば手に持っていた鋏を相手に託し、仕上げがどうなるかと少しばかり楽しみな気持ちが湧いて「お手柔らかに」と忠告にも似たものを冗談で。)
ちょっと短くするくらいでいいんだよね…?
(鋏を手渡されては丁寧に受け取り相手の言葉聞きながら背後で指を通して構えてみるも、いざとなるとやはり緊張するもので硬い表情で。カチャカチャと切る真似をしてみながら失敗したらという不安から確認する様に問いかけ。)
ああ、好きにしていいぜ。
(鏡越しに見える強張って中々切れずにいる姿に向かって少しでも緊張を和らげるように「ゆっくりでいい」と声をかけてやり、真後ろからシャキシャキと交差する鋏が空気を切る音につられて自分も少しばかり緊張した面持ちになって肩に力を入れてしまい。)
好きにって…じゃあ、切るよ。
(相手の気を遣ってくれた言葉を聞いては小さく深呼吸をしそっと相手の後ろ髪を掬い上げる様に触れては真剣な声色で切り始めると告げ。鋏を縦にしては控えめにシャキシャキと切り落ちていく綺麗な黒髪に少し勿体無く感じ。)
ん。お前に触られるのは悪くない
(襟元が無くなり首元の風通しがよくなったと察知すると少しばかりむず痒いのか、首を縮こませるようにして肩を竦め。そうして訪れた鋏の交差する音に合わせて己の黒い毛が背中、床へとぱさりと落ちていく束にふっと笑んで上記を。ふと目の前に映る自分の姿と彼の姿を瞳に納め)
ワリ、随分と遅れちまったな。
まだ、居るか?
…そう。
(慣れない手付きながらも切り進めていては告げられた言葉に照れくさそうに目尻をほんのり赤らめ一言返して。擽ったそうに肩を竦める様子に密かに笑って、自分がおかしくないと思える程度に切り揃えられれば鋏を一旦止め持って来ていた手鏡を相手に手渡しながら「千歳、どう?」と少し不安そうな面持ちで尋ねて。)
居るよ、お帰り。
トピック検索 |