篠宮 千歳 2015-03-26 03:34:37 |
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ああ、確かに掃除のしやすさは良いかもしれないな。決定。
(嬉しそうな表情をしている顔立ちに此方としても心が温まるような感覚になり、相手の頭に自分の手を乗せて数回だけポンポンと撫でた後の提案に名案だとばかりに頷く事を何回かしつつ、胡坐をかいていた足を解いてソファから立てばその足は再び鋏を取りにキッチンへ向かって。)
決定。…じゃあ僕、先行ってるよ?
(頭を撫でられ嬉しげに目を細めては頷き賛成してくれたのを確認して同じ言葉を繰り返し告げて、足を崩し立ち上がった相手に釣られる様に立ち上がってはキッチンへと向かう背中に声を掛けて自分は浴室へと足を進めて。)
確かここらへんに…っと、あったあった。
(ソファから立ち上がった後に背にかけられた言葉に対して手をひらりと上げて、その動作だけでの返答を表し。キッチンに辿りつくと長く鋏は使っていないために曖昧な記憶を手繰り寄せつつコンロの端に存在したそれに手を取るなり満足げに。早速持ち手に指を入れて鋏の歯の滑りを確認し、あまり使われていない為油で多少硬くなっているが大丈夫だろうと判断し、その鋏を持って浴室へ足を進め。)
暖房と、タオルと、…服、どうしよ…着たままでいいかな。
(洗面所に付けばまだ少し寒いだろうと暖房を付けようとをきょろ、とスイッチを探しそれらしき物を見付けては近寄り確認してからスイッチを入れ風が出始めるのを感じながら棚からタオルを取り出し浴室内のタオル掛けに掛けて準備万端と満足げな表情するも、ふと格好はどうすればと悩むも自分は切る方な為このままでも大丈夫かと。)
お、準備が出来てるな。
(鋏を手に浴室へと足を踏み入れると感じる温かみに暖房か、と思うと次第に温まっていく体と室内に馴染むように肌でその感覚を得ながらも、少し難しい顔をしている出で立ちに首を少しばかり傾げつつ相手の手に持っているタオルを手に取れば肩に羽織るようにしてそのまま浴場へと足を踏み入れ。服はそのままなのでシャワーが誤作動で出ないようにノズルをキュッと強く閉めたのを確認して外に居る人物を手でちょいちょいと招き。)
…はい、座って座って。
(タオルを羽織り浴室へと先に入って行く相手を見ていては手招きされ一応とズボンの裾を少し撒くっては自分も浴室へと足を踏み入れ。浴室にある椅子を鏡に写る位置に動かしては相手の両肩に手を掛け下へと引っ張りながら上記述べて。)
はいよ、っと…んじゃ、宜しくお願いしまーす。
(裾を引っ張られ仰せられるままに椅子へを腰かけて成人男性が二人入るには少々狭いバスルームに彼も入って来た事を確認すると一応、と浴室のドアをカチャリと閉めれば手に持っていた鋏を相手に託し、仕上げがどうなるかと少しばかり楽しみな気持ちが湧いて「お手柔らかに」と忠告にも似たものを冗談で。)
ちょっと短くするくらいでいいんだよね…?
(鋏を手渡されては丁寧に受け取り相手の言葉聞きながら背後で指を通して構えてみるも、いざとなるとやはり緊張するもので硬い表情で。カチャカチャと切る真似をしてみながら失敗したらという不安から確認する様に問いかけ。)
ああ、好きにしていいぜ。
(鏡越しに見える強張って中々切れずにいる姿に向かって少しでも緊張を和らげるように「ゆっくりでいい」と声をかけてやり、真後ろからシャキシャキと交差する鋏が空気を切る音につられて自分も少しばかり緊張した面持ちになって肩に力を入れてしまい。)
好きにって…じゃあ、切るよ。
(相手の気を遣ってくれた言葉を聞いては小さく深呼吸をしそっと相手の後ろ髪を掬い上げる様に触れては真剣な声色で切り始めると告げ。鋏を縦にしては控えめにシャキシャキと切り落ちていく綺麗な黒髪に少し勿体無く感じ。)
ん。お前に触られるのは悪くない
(襟元が無くなり首元の風通しがよくなったと察知すると少しばかりむず痒いのか、首を縮こませるようにして肩を竦め。そうして訪れた鋏の交差する音に合わせて己の黒い毛が背中、床へとぱさりと落ちていく束にふっと笑んで上記を。ふと目の前に映る自分の姿と彼の姿を瞳に納め)
ワリ、随分と遅れちまったな。
まだ、居るか?
…そう。
(慣れない手付きながらも切り進めていては告げられた言葉に照れくさそうに目尻をほんのり赤らめ一言返して。擽ったそうに肩を竦める様子に密かに笑って、自分がおかしくないと思える程度に切り揃えられれば鋏を一旦止め持って来ていた手鏡を相手に手渡しながら「千歳、どう?」と少し不安そうな面持ちで尋ねて。)
居るよ、お帰り。
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