名無しさん 2015-03-21 00:23:40 |
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人?……ああ、堂々としていればきっと罰ゲームか何かだと思われるだろう?清光が気にするのならこれからはやめるけど。
(噛み付くように返された不平を聞き流しては、離されてしまった手を部屋着のパーカーのポケットへと突っ込んでつまらなさそうに答え。自分以上によく他人を見ている相手だからこそ気になるのだろうということも、そんな相手の言い分が正論であることもよく分かっているが、これではまるで自分ばかりが相手に触れていたいと思っているみたいで面白くなく。他人に何を言われようが自分は構わないが万が一自分のせいで相手が傷つくような目に遭ったとしたらそれはそれで勿論嫌なので、少し考え込んでからのんびりとした口調で一言付け足して。)
僕と付き合うことでお前が誰かに笑われたりからかわれたりしたら、そいつの首落とせばいいかなって。
ッば、物騒なこと言うなよ!?
(相手の性格は何となく把握していたつもりだがいきなり飛び出したあまりにも物騒な物言いに驚きを隠せないまま声を上げ。しかし発言した後から相手がそんなことを言うくらいには大切に思われているのだと考えが至れば段々と照れ臭くなっていってしまい、こんな誰に見られるとも分からないところで相手の言葉に顔を赤らめてしまえばわざわざ名残惜しさを圧して手を離した意味がないと頬に両手を当てて。早く頬の赤みが消えるようにと手のひらで冷やしながらちらりと相手の方に視線を向けると自分とは対照的に落ち着いた表情を浮かべていて、こちらばかりが翻弄されているようで何だか面白くなく。そっと辺りに目を配り、丁度ほとんどの者が食堂に入ってしまい周りが無人なのを確認してからポケットに手を突っ込んだ相手の腕を軽く引き、引き寄せるまま相手の丁度泣きほくろがある辺りに軽く口づけ。「…顔緩んじゃ、罰ゲームに見えないだろ。だから、二人きりのときじゃなきゃやだ。」そのまま囁くように相手に言葉を掛け、人前だろうがどこだろうが相手に愛でられて罰ゲームばりの表情など作れない自身のことを理解してくれるよう説明すればすぐに相手から離れ、後悔という名の羞恥心がやってくる前にとそそくさ先に食堂に駆け込んでいき。)
うん、冗談だよ。
(面白いくらいに慌てふためく相手を見ればけろりとした顔で短く返して。一人で慌ててみたり頬を赤らめてみたり忙しいやつだと内心面白がっていると不意に腕を掴まれ、目元に口付けられればまさか相手から仕掛けてくるとは思わず固まってしまい。途端にじわじわと熱を帯び始めた頬に手の甲を押し当て冷やしては、「…わかった。」とおとなしく頷き了承して。逃げるように食堂へと駆け込んでいく相手を見送れば、先ほどの動揺が消え去るまでのわずかな間廊下で気持ちを落ち着かせてから後を追って食堂に入り。気持ちの面で優位に立っていたはずの相手にしてやられたことが悔しく、相手の後ろに並んでトレーを取れば周りに聞こえないようこっそりと耳打ちして。)
今度はちゃんと、口にしてね。
ッ…気が、向いたら…。
(人前に出てきたからか、随分と変化を遂げてしまった自分達の間柄になど関係なくいつも通りの雰囲気を保つ日常に気持ちも次第に落ち着いていき。人前でも相手と結ばれたことにより自分の変化を露出させてしまわないか、少しだけ不安だったらしく案外人前との切り替えが滞りなく出来ていることに安堵し。しかしそれもつかの間に、背後からの相手の言葉にびくりと背筋を伸ばすとうっかり自分から口づける情景を想像してしまったのかじわじわと顔に羞恥の色を滲ませて。それが悟られてしまわないように素っ気ない言葉で返すと食事の乗ったトレーを手に空いた席を探し始め。「…あ、せんぱーい!隣いいです、か…。」空いた席を探すうち隣を空けた先輩を見つけ、ぱっと表情を明るくしながらそちらに駆け寄っていき。思わず何時もの癖でと言うべきか、相手にしては面白くないんじゃないかと予想できる行動を取ってしまったことに言った後から気がつくものの、声をかけた以上座らないという選択しもなく、相手のほうを見れないまま先輩の隣に腰を下ろすと気まずさからか何時もより少しだけぎこちない笑みを浮かべていて。)
……ありえない。
(初心な反応を微笑ましく見つめていたのも束の間、付き合いたてほやほやであるというのに逃げるように先輩の元へと駆け寄る相手に怒りを通り越して呆れてしまい。自分もご飯やら御菜やらを受け取った後、どうしてやろうかと立ち往生して考えていると居合わせた和泉守らに声を掛けられて。普段ならば断ってでも相手と食事をとりたいと思うところだが、嫉妬させられっぱなしは面白くないため誘いに応じて和泉守と堀川のいるテーブルに着き。古くからの友人であるため和泉守とは顔を合わせれば遠慮なく口喧嘩をしてしまう節もあるものの、楽しそうに振る舞わなければ相手に焼き餅を焼かせることなどできないだろうと思い立ち、珍しく上機嫌で彼らとの会話に興じながら夕食をとり。途中心配そうな様子の堀川に喧嘩かと問われれば、どう答えて良いものか分からず小声で適当に茶を濁して。)
目には目を…みたいな感じだよ。
…別に、何でもない…よ…。
(いつもの癖で先輩の元へと動いてしまった自分が悪いのは分かっているものの、昔馴染みとはいえ普段喧嘩ばかりの和泉守と仲良さそうに語り合う相手を見ると何となく複雑で、自分の行動の甘さを痛感し。箸も何だか進まなくて、中々減らない自分の食事を見て心配したのかぽんと頭を撫でながら話し掛けてくれる先輩の優しさも相手と想いが通じあった今はもう嬉しいとは感じられず、何とか作ったようなぎこちない笑みで先輩に言葉を返してから食事を急いで済ませると挨拶もそこそこにすぐその場から立って。トレーを返してからそっと相手の傍まで歩み寄っていき、いち早く此方に気づいた堀川に軽く笑みで答えてから既に誰かが立って空いていた相手の隣の席に腰を下ろして。明るく取り繕おうともどうにも沈み気味の表情が窺えてしまうような、寂しさを滲ませた様子で相手を見るとそっと口を開いて。)
ーー楽しそうじゃん、何話してんの。
作戦成功かなぁ。
(どれほどの効果が出ているかは知らないまま食事を進めていると、意気消沈した相手が隣の席に座り寂しげに声をかけてきて。相手の様子からしてさすがに懲りただろうと小さく溜息を吐けば、嫉妬が原因とはいえ意地悪してしまったことを詫びるように困ったような笑みを浮かべて悪戯っぽく呟き。和泉守らの手前存分に甘やかすこともできないが、怒っているわけではないのだと伝えるためにデザートのプリンを相手の方へと押しやれば「食べていいよ」と囁いて。嫌味や憎まれ口なしに相手に優しく接する自分を見て珍しいと声をあげた和泉守を睨み付ければ、露骨に不貞腐れた表情を浮かべて。)
…堀川ー、ちゃんと手綱握っといてよ。なんか和泉守が噛みついてくるんだけどー。
(相手の一言で今の状況を何となく察したのかはっと気づいたような表情をした後拗ねたように唇を尖らせ。しかしながらそれだけ先輩に嫉妬してくれたということ、つまるところ私的表現するならば"愛してもらっている"という感覚がありプリンを貰ったことよりその満ち満ちた気持ちに思わず口元を緩めて。しかしながらだからといって相手と和泉守の親しげだった先程の様子を良しとするつもりはないのか、水を差してくる和泉守を密かに睨むとプリンにスプーンを突き立てながら彼の助手を自称する昔馴染みの一人、堀川の方に彼の行為を訴えて。それからプリンを口に含むと何だか先程相手に気まずい思いをしながら食したものよりずっと美味しいような気がして、緩く口元に笑みを浮かべるとぺろりと唇を舐めて。)
…おいし。俺、結構甘いもの好きなんだよねー。
知ってる。食べ過ぎて太らないようにね。
(めまぐるしく変わる相手の表情を見れば思わず笑ってしまい、自分なりの小さな報復が成功したことも相まって不貞腐れていた表情を一変させ機嫌良さげに言葉を返し。相手の気持ちを疑っていたわけではないものの、こうして相手が妬いてくれたのだと分かれば安堵に加えて素直に嬉しさを感じ、美味しそうにプリンを食す相手を頬杖をついて眺めながら穏やかな笑みを浮かべて。しかし相手の訴えに対し反論する和泉守とそんな彼を宥める堀川のやり取りに小さな溜息を零せば、少しだけ眉をつりあげて開き直ったかのような口ぶりで言い放って。)
僕が加州に優しくすることで、和泉守に迷惑がかかるわけでもないんだから…放っておいてよ。
――ん、美味しかった。ごちそうさまーっと。
(見た目を気にする自分に対して言うには聊か無遠慮過ぎる言葉だが、それでもそれを零すのが相手だと少し違うのかふん、と鼻を鳴らしながら"太るわけがない"とばかりに自信の満ちた笑みを浮かべて。自分たちにないがしろにされた和泉守がああだこうだ言っている声をBGMか何かのように聞き流しながらプリンを完食するとそのままプリンのカップとスプーンを和泉守のトレーに乗っけて。「じゃあ和泉守、安定の分の片付けもよろしくー。堀川、また明日ね。」そのままがたりと椅子を鳴らしながら立ち上がるとその動作と一緒に相手の腕を引き半ば無理矢理に立ち上がらせて。嫉妬の仕返しのつもりか、理不尽な八つ当たりを和泉守に押し付けながら何か反論される前にと相手の腕を掴んだまま急いでその場を駆け出し。)
ちょっと、どうしたの急に……ごめん片付けよろしく。堀川、また明日。
(いきなり腕を引かれ立たされれば怪訝そうに眉を寄せて相手を一瞥するも、特に抵抗はせずされるがままに立ち去る間際言い逃げのような形で二人に声をかけて。相手の突飛な行動の意図が本当に理解できていないのか、食堂から出た辺りで初めて抵抗するように立ち止まり相手を引き止め。先ほどまでいろいろあったにしろそれなりに機嫌の良かったはずの相手が何をきっかけにこのような行動に出たのかが分からず、怒らせでもしただろうかと自分の行動を振り返ってみたところで嫉妬させてみたこと以外心当たりはなく。焼き餅を焼かせたのは相手が先であり文句を言われる筋合いはないはずだと自分の行いを正当化しては、先手を打とうと口を開いて。)
──痛い、引っ張るなよ。何か怒ってるの?
…別に怒ってないけど。
(半ば衝動的ともいえる感情の高ぶりに任せて相手を攫ってきてしまったが、そんな彼の制止に立ち止まると少しだけ戸惑ったように視線を揺らしてから足元を見て。怒っている訳ではないけれど、自分でもよく分からないうちに相手を連れ出してしまったようなところがあり、一先ず相手の誤解を解くため言葉を返しながら掴んでいた腕を離し。怒りというには静かだけれど、苛立ちというほど気が高まっている訳ではない、何とも形容しがたい気持ちに自分自身戸惑いながら自分の片手を胸の辺りに宛がうと自らの心音を感じながら僅かに唇を噛み締めて。何だか無性に相手と二人きりになりたくて、誰かに相手との仲に割り込まれるのが嫌で、そんな我儘な願望ばかりが巡りそんな自分自身に戸惑いながら相手に視線を向けるとそんな自分の想いが相手にどう受け取られるか、少しだけ不安げに瞳を揺らしながら口を開き。)
…なんか、二人きりになりたくなった。なんでかとか、わかんないけど…甘えたい、のかな?なんだろ…ごめん、俺もよく分かんない。
へ?
(怒っているのではないのならば何なのか、ますます疑問が深まりながらも相手の言葉の続きを待っていると、何やら心もとなげな表情で随分と可愛らしい我儘を口にする相手に思わず間抜けな声が出て。と同時に相手が要らぬ心配をしているからこそ不安げなのだと気がつき深い溜息をつきながら脱力し。照れ隠しのつもりか視線を窓の外へと遣りながら「怒ってないのならいいよ。二人きりになりたいのは僕も一緒だから。」と呟けば、言ったそばから次第に居た堪れなくなってきたため寮への道を先に歩き始めて。周囲に関係がばれてしまわぬようどれだけ自分が我慢しようとしても無自覚な相手にこうも煽られてはたまったもんじゃない、と内心やり場のない気持ちを抑えながら寮を目指し。)
――なあ、さっき和泉守となに話してたの。
(相手の深いため息にもしかして我儘が過ぎて呆れられたのかと思いびくりと肩を揺らすものの、そうではないことを続く言葉から読み取ると一先ず安心したように小さく息を漏らし。それから寮へと向かう相手の背中を追いながら何故だか先程より一層濃くなった胸の中の靄に自分の胸を軽く擦りながら緩く首を傾げ。そうこうしているうちに寮の部屋の前までたどり着くと、途端に抑えきれなくなった欲望に半ば発作的に背後から抱き付くとそのまま器用に片手で扉を開け、そのまま相手ごと部屋に押し込むようにして部屋へと足を踏み入れ。勢い任せに開けられた扉がその勢いで自然と閉まる音を聞きながら相手の肩にぐり、と額を押し付けると自分でも驚く位情けない、半ば泣きそうな声で呟きを漏らして。)
…先輩のとこ行っちゃったのは、癖になってたっていうか…ごめん。お前に嫌な思いさせたなら、仕返しされても仕方ないって思う、けど…やっぱ、なんかやだ…。
うわ、どうしたの。…和泉守?授業の話と、今度の手合わせを頼んだくらいだよ。
(急に抱き着かれ驚いている間に部屋の中へと押し込まれて、混乱しつつも肩越しに後ろを振り返り。肩に額を押し付けられる感触とその泣きそうな声色に咄嗟に一度相手の腕を緩めては、しっかりと向き直って抱き締めて。少し懲らしめようと思っただけでありこんな風に悲しませるつもりなど毛頭なかったため、「ごめん」と呟き相手の背を摩って。自分が相手を想っているくらい相手も自分を想ってくれているのだと分かり言いようのない満足感を得たものの、今にも泣きそうな相手を早く笑わせてやりたいという一心から少し体を離して相手の額にひとつ口付けを送った後雑な手つきで頭を撫で。ふんわりとしつつも少し困ったような笑みを浮かべながら小さな声で答えて。)
先輩と話すなってわけじゃないんだ。ただその、僕たちの関係が変わったばかりだったから、ふたりで食事するのが楽しみだった分……寂しかった。ごめん、もうしない。
…和泉守とは、いつもあんま感じよくないじゃん。なのに、さ。楽しそうに話そうと思ったら出来るんじゃん。普通に、楽しそうに話してたじゃん。
(今までは相手に嫌われていると思っていた分相手が誰と仲良くしようと自分の中できちんと割り切れていたのに、想いが通じ合ったからこそそれがもう割り切っては考えられなくなっていて。部屋に戻るまではきちんと我慢していたのに、相手に謝られたことで自分の中の甘えるスイッチが入ってしまったのか、元はといえば自分が原因でこうなったことも棚に上げて子供のように相手にねちねちと恨み言を零すととうとう瞳にじわじわと涙を溜め始めて。こんなことくらいで泣くなんてと自分でも情けないことを自覚しているからか涙が零れ落ちてしまう前に時折目元をスウェットの裾で拭いながらちらりと相手を見て。それから少し赤い瞳で相手を見つめた後不意に相手の服の胸元を掴み自分の方に引き寄せるとそのまま相手の唇に自分の唇を押し当てるだけの稚拙な口づけを贈り。ちゅ、と小さなリップ音を立てながら唇を離すと口元を覆うようにしてスウェットの袖を翳し、自分の寂しさを埋めるためかはたまた相手への償いのつもりか、どちらとも取れるその行為に流石に少々恥じらっているように視線を逸らして。)
…デコじゃやだ。…寂しいの、お前はデコチューくらいで収まんの?
そりゃ、ムカつくけど悪い奴じゃないし……それに、普段通り喋ったら仕返しにならないじゃないか。
(つらつらと恨み言を並べ立てる相手に思わず拗ねたような口調で零しては、仕返しのためにいつもより仲良さげに振る舞っていたことを明かすのが恥ずかしかったのか、涙で潤んだ相手の瞳に見つめられれば逸らすように目を伏せて。しかし不意打ちで口付けられ驚きに目を丸くすれば、その後の相手の振る舞いの愛らしさも相まってじわじわと頬を染め上げていき。誘うようなその言動に思わず目眩を覚え自らの額に手を押し当てて小さくため息を零してから、そのままその手を相手の目元に押し付け視界を塞いだまま静かに唇を重ねて。すぐに離れれば相手の視界を塞いでいた手をそっと下ろして、もう一度距離を詰め相手の体をしっかりと抱き締めて。口が裂けても言えないが、相手の温もりが伝わり安心するためこうして身を寄せ合うのが大好きで、相手のように上手に甘えるような言葉は出てこないものの食堂で蔑ろにされた分を補給するかの如く黙って抱き締め続け。)
…これからは、先輩のこととか…気をつけるから、さ。こういうの…お互い寂しくなるだけだし、やめよ?
(いきなり口づけたりしてもしかして軽い奴だと思われたんじゃ、なんて今更過ぎる後悔をしている最中に聞こえた小さなため息に少々びくついた様子で相手の方を見ようとするものの、視界に相手を捉えるより早く目元を覆った相手の手により叶わずに終わり。閉ざされた視界の中相手が何をするのかと構えていた自分を他所に、先程の仕返しか何かのつもりか今一度触れ合った柔らかな感触に顔を紅潮させずにはいられず、視界が戻りそのまま自然な流れで相手に抱きしめられるその最中でもぼうっと呆けたまま立ち尽くしてしまい。まだ数える程度しか交わしていなくとも自分が相手との口づけを好んでいることは自覚でき、抱きしめてくれる相手の頬辺りにすり、と軽く擦り寄りながら言葉を掛けて。報復ばかり繰り返していても、例え今回と立場が逆の場合があったとしたってどちらも寂しい思いをするだけ、無意味な感傷を避けたいのか相手の身体を少しだけ離し額と額をくっつけてからじっとそちらを見つめるとにい、と口角を上げ悪戯っぽい表情を浮かべながら相手の唇に人差し指を置いて。)
…次どっちかが相手に嫉妬させたら、させた方からちゅー一回。どうよ、平和的解決でしょ?
うん、やめる。
(いくら嫉妬が原因とはいえ軽率な自分の行いで相手に酷く寂しい思いをさせてしまっていたのだと分かり、提案された内容に素直に頷けば擦り寄ってくる相手の髪をそっと撫でて。焼き餅を焼いた時、自分は相手のように素直にそれを口にできず仕返しという発想にしか至らない気がするものの、これから徐々に伝えるべきことを伝えられるようになろうと小さく決意して。額を合わせてきた相手を不思議そうに見つめると僅かにつり上がった口角に嫌な予感を覚えて、案の定良くも悪くも相手らしい解決方法を提案されれば、いつもとは違う距離感であえて普段のような呆れた表情を浮かべながらぽつりと呟き。)
…僕はいいけどさ、それお前からばかりになると思うよ。
はぁ、お前何言ってんの?むしろ逆でしょ。
(我ながらいい案を思いついたと得意げになっていた最中相手からの一言に何を言っているとばかりに不可解そうに表情を歪めると相手から額を離してから緩く首を傾げて。可愛がられたがりでちょっぴりぶりっ子気味という人によっては好みが分かれる自分に対し相手は黙っていれば顔も整っているうえ剣道も強く、上辺だけにしろ女子には優しい物腰の柔らかな優等生に見える風貌、だからこそこれまでも何度も相手に近寄る女子生徒やら不埒な考えを持つ男子生徒やらを適度に牽制しながら嫉妬心を抱いてきていて。そんな此方の苦労を知らないからか呆れたような表情で言葉を漏らした相手の言葉に反論を返すと、八つ当たりのつもりか相手の頬を両手で包み、そのままむにむにと回すように捏ねながら唇を尖らせて。)
先輩への媚び売り止めればいいだけの俺と違って、顔だけは無駄に良い誰かさんはすぐ変な虫くっつけてきそうだしー?
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