名無しさん 2015-03-21 00:23:40 |
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いいよ、僕もナポリタン食べてみたいし。
(後に続いて店の中へと入ると奥の席に案内され、相手の向かい側に腰を下ろせば隣の椅子に手荷物を置き。外観同様古めかしくはありながらも小洒落た店内を物珍しげに見回してから再び相手に視線を戻し、どちらも食べてみることのできるたいそう魅力的な一石二鳥の提案にこれといった異議もないためおしぼりで手を拭きながら快諾すれば片手を挙げて店員を呼び注文を済ませて。)
ナポリタンとオムライス一つずつお願いします。
ふふ、やった!お前連れてきてよかったー。
(相手からの快諾に嬉しそうに笑みを浮かべながら言葉を返すとテーブルに頬杖をつきながら何気なくバーカウンターの向こう側で料理を作る恐らくオーナーだろう老主人の様子を見つめて。しかしそうしている時間は長くは続かず、少ししてふと何か思い出したように顔をあげると先程相手から貰ったマニキュアを改めて袋から取り出してみて。自分好みのものを買ってきてくれたということはそれだけぞ分のことを見ていてくれたということ、一昨日まで自分に無関心だとばかり思っていた相手がこうしてちゃんと自分の努力を見ていてくれたことが感じられて思わずマニキュアの瓶を見つめながら頬を緩めるとちらりと相手の方に視線を向けて。)
…なあ、これ買うときどうだった?店員さんとか、絶対彼女用だと思ってただろ。まさかこんな可愛いもの贈る相手が男子高校生だとは思わないよなー。
絶対彼女用だと思っただろうね。「ラッピングしますか?」って聞かれたし。
(友達という間柄であった期間が長すぎたせいかあらたまって恋人として贈り物をするなど気恥ずかしくて仕方がないのだが、嬉しそうにマニキュアを見つめる相手を実際目の前にすると羞恥よりも幸福感が勝ってきて。それでも買った時のことを尋ねられれば女性好みの可愛らしい店内ややたらと気を利かせてくる店員を思い出し、どうにもむず痒いような居心地の悪さが蘇ってきて思わずお冷に口を付け。少々げんなりとした様子で買った時の状況をつらつらと述べれば、グラスを片手に持ったまま「僕だけ場違いすぎて、単騎で敵陣に放り込まれた気分だった」となんとも珍妙な喩えを持ち出して。)
ッあはは!なにそれ、すっごい見たかったー!
(普段から躊躇することもなく化粧品コーナーを物色する自分とは違い自らを着飾る事すら欠いていた相手が店内でどんな様子になっていたかなど容易に想像できて、相手の言葉によりさらに鮮明に浮かばせることの出来た中々滑稽な情景に思わず声を上げて笑うと口元に手を当てながら湧き上がってくる笑いをこらえて。そうして談笑しているうちに料理が出来たのか店員が皿を運んでくるのが見えるとテーブルに出していたマニキュアを袋に戻し、至極大事そうに自分の鞄へと入れて。)
…あ、すいません。取り皿も二枚もらえます?
笑うなよ。
(相手のために恥を忍んで購入したというのに遠慮なく笑い飛ばされてしまい、じとりとした視線を向けながらほんの少し拗ねたような口調で咎めて。しかし注文した料理が運ばれてくるとすぐにそちらへと関心が移り待ちきれないといった様子でふわふわの卵を眺めて。取り皿を持ってきてくれた店員に笑顔で礼を告げて早速スプーンで豪快にオムライスを割ると、大雑把な手つきながらも器用に取り皿に半分をのせ終えれば少々興奮気味に相手の方に押しやって。)
はい、これ清光の分。すごくふわふわしてる…食堂の薄焼きのやつしか食べたことなかったから嬉しいや。
ん、じゃあ俺のも半分なー。興奮すんのはいいけど、がっついて喉に詰まらせたりすんなよ。
(この店に連れてきた身としてはここまで喜ばれると嬉しいのは勿論だが少しだけ心配になってしまい、困ったように笑みながら自分の分のナポリタンを半分移した取り皿を相手に差しだしながら落ち着くように促して。それから早速此方も食事を始めるべくフォークを手に取ると丁寧にくるくるとパスタを巻き取ってからぱくりと口に頬張って。香ばしいケチャップとソーセージ、それらとよく合ったアルデンテのパスタの味わいに思わず頬を緩めれば唇を染めたソースをぺろりと下で嘗めて。時折そうして見た目を気にしたように口元を綺麗にしながら食事を進めると、ナポリタンもオムライスも平等に食べ進め丁度半分くらい食べた頃一度相手の方を見て。)
…うん、今日もおいし。実はさ、此処ずっと前からお前に紹介したかったんだよね。…まあ、誘ったら変に意識しちゃいそうで今まで連れて来られなかったけど。今日一緒に来れて良かった。
わかってるよ…いただきます。
(差し出されたナポリタンを受け取りながら待ちきれないといった様子で食前の挨拶を済ませると、どちらから食べ始めるか少し迷った後に伸びてしまう事を避けるため先にフォークを手にとって。フォークに巻きつけているうちに一口分にしては些か多すぎる量になってしまったものの巻き直すのも面倒で、大口を開けそのまま一口で食せばその美味しさに益々目を輝かせ。相手のお勧めの店というだけあって茹で加減も味付けも何から何まで絶妙で、唇の端が汚れるのも気にせず口いっぱいに頬張ったまま「んんひぃ」とその感動を言葉にしようとし。ナポリタンをある程度食べ進めたところでようやくオムライスを食べ始めれば卵のとろけ方がかなり気に入ったらしく、相手の話に耳を傾けながらも視線だけそちらに向けたまま黙々と食して。妙にあらたまったような言葉に少し照れくさくなり皿にスプーンを置けば、ごくりと飲み込んでから小さな声で返して。)
ナポリタンもオムライスもすごく美味しいし……清光のお気に入りの店とか、知れて良かった。
そりゃ良かった。…あ、でも一個だけいい?
(普段の態度から食べている時の見た目まで気にするような相手ではないとは思っていたが口の端にソースをつけたまま食べ進める様は何とも幼く、それでいて汚いとは感じず不思議と愛らしく見えてしまい。弟がいたらこんな感じかな、なんて想像を広げながら相手の様子を見ていれば先の自分の言葉への返答があり、にっと笑みを浮かべながらテーブルにあった紙ナプキンを手に取りそっと相手の口の端を拭ってやり。ソースを拭きとった紙ナプキンを折りたたんでテーブルの端に寄せながらふと思い出したように口を開くと言いにくさを緩和させようとしているかのように手持ち無沙汰な手でくるくるとナポリタンをフォークに巻き付け、抜き取り、また巻き付けと同じ動作を繰り返しながらちらりと相手を見て。自分でも重たいことを言っていると自覚は出来ても、言わずに相手が誰かを連れてきてしまったり、そんなことを想像するだけでも胸の辺りが重たくなってしまい、明るさをどうにか取り繕いながら忠告を口にして。)
…その、なんか束縛してるみたいで嫌なんだけど…此処さ、他の奴とは来ないでほしいんだよね。沖田先輩とか、男友達とか…それこそ、女の子なんかとは絶対。…うん、なんか重たいよな。重たいって自分でも分かってるんだけど…やっぱだめ、俺としか来ないでほしい。
え、そんなの当たり前だろ?
(紙ナプキンで口の端を拭かれれば流石に羞恥心が沸き起こり、居た堪れなさに目を逸らしてはフォークを弄ぶ相手の指先を見つめ。しかしわざわざ断りを入れてから話し始めるあたりに違和感を感じて再び相手の瞳を覗けば、何を今更と言わんばかりに問い返しながら怪訝そうに緩く首を傾げ。相手という特別な存在に教えてもらった特別な店をなぜ他人に教えてやらなければならないのか、とかえって疑問に思うくらいで“絶対にそんなことはしない”と伝えるべく口を開いたところで胸に巣食った蟠りに気がつき言おうとしていた言葉を飲み込んで。“最初に相手にこの店の存在を教えた人物がいるとしたら”“既に自分以外の誰かをこの店に連れて来たことがあるとしたら”という、存在するのかすら確かでない第三者への嫉妬心が膨らみ。オムライスの塊をまだ見ぬ第三者の首に見立ててスプーンを軽く突き立てながら、相手のように態度を取り繕うことすらせずに不満を前面に押し出して遠慮なく束縛じみた言葉を連ねた後、最後に一瞬口を噤んでから心許なさそうに目を伏せて遠慮がちに付け足して。)
お前も重たいこと言ってるし僕もいいよね。他のやつにこの店教えないで。連れて来るのも、こうやって半分こするのも僕だけにして。……欲を言えばこの店のこと以外でも、清光の好きなものは全部僕だけが知っていたいかな。
…ん、安定がそうして欲しいならそうする。好きなもの全部安定だけに…っていうのはちょっとだけ難しいけど、安定が言うなら頑張る。…ふふ、こういうこと言われるの、やっぱ好き。想ってもらえてるって実感できるの、すごく嬉しい。
(我ながら少し我儘が過ぎたかと先程の発言を撤回すべきか考えていた最中、自分の後悔とは裏腹に非常にすんなりと先程の要求を呑んでくれた相手に思わず少し呆けてしまって。そうして意識がきちんと整理出来るより前に続けざまに口にされた相手からの台詞の端々に窺える独占欲のような束縛じみた言葉にぎゅうっと胸の辺りが痛むのを感じると徐々に頬に赤みを点し。正直未だに相手と数年越しの想いが報われ恋人同士になれたという実感があまりなくて、ただ友人と買い物に来て食事をする、長年連れ添ったせいかそんな空気と大差ないと感じてしまうやり取りの中不意に発せられた明らかな相手の想いの熱に当てられどんどん赤くなっていってしまう顔を隠すように首元に巻いていたストールを引き上げ。もごもごとはっきりしない口調ながら相手に了承を示した後、胸に広がる歓喜ともときめきとも言いきれない複雑ながら酷く幸福な痛みに胸元を握りしめながら口元を緩めると気持ちにつられて吐息まで桃色になっていそうなほど幸せそうな声を漏らして。)
うん、ありがとう。 清光って友達多いし人気者だから難しいかもしれないけど、できる範囲内でいいから。
(自分の頼みならば善処するとの言葉で、やはり自分は相手にとって特別な存在で間違いないのだとようやく自信を持つことが出来先程試着室で胸を占めた疑念が晴れたため、屈託のない笑みを浮かべながら嬉しさゆえか普段より饒舌に返して。頬を赤らめる様が愛らしく思われる反面こちらまでつられて火照ってしまいそうで、相手から視線を外せば自分で自分を誤魔化そうとわずかに残っていた料理をせっせと食し。紙ナプキンで口元を拭うとお冷を飲みつつ壁に掛けられた時計にちらりと目を遣り、クレープ屋に行くまでの時間をどこで過ごすか思案して。友人として買い物に付き合っていただけの今までならば行き当たりばったりで次の行き先を決めていたものの、いわゆる初デートでこの計画性の無さでは格好がつかないことくらいは疎い自分でもさすがに分かり。相手に行き先を委ね受動的になり過ぎるのも情けないとは思いつつ、かといって剣道一筋だった自分には相手のように趣味も無く行きたい場所など思いつかず。眉を寄せ小さく唸りながら熱心に考え込んでいたものの結局良い案は出ず、困り果てた様子でぽつりと零して。)
──…3時のおやつがクレープだから、それまでどうしよう。清光、見たい店ない?
じ、じゃあじゃあ…プリクラとか一緒に撮りたい!記念っていうか…デートしたんだぞ、って証明が欲しいっていうか…。
(お互い頬を染めたまま少しだけ気まずさの漂う無言の時間が続いた後、ぽつりと漏らされた相手の言葉にばっと勢いよく顔を上げるとじわじわ堪え切れなくなってきたとばかりに表情に笑みを浮かべて。服を買いに行って一緒にランチを食べて、サプライズなプレゼントを貰いはしたもののデートと称するには少し物足りなさを感じていた最中投げかけられた問題に少し迷ったように唇に指を当てながら視線を揺らし。しかし今まで散々夢見ていたデート、すぐに案が浮かんだのかぱっと表情を輝かせながら案を口にするとテーブルに肘をつき、顔のすぐ下あたりで指を絡め言いづらさを紛らわすようにもじもじと小さく動かし。まるで強請るような視線を相手に向けながら言葉を続けるとまるで夢でも見ているようなこの幸せな時間の証明、言葉にはしなかったが後々眺めて今日の楽しさを思い返すためにプリクラを所望し。相手にイメージがない、というか恐らく取ったことなどないだろうものへの誘いであるため断られることを危惧しているのか、僅かに眉を下げながら顔の前でぱちんと両手を合わせ。)
お願い!自分で持ってたいだけ、ぜったい友達に見せたりとかしないから!ポーズとか俺が教えるし、ね?おねがーい!
……財布とかポーチに入れて持ち歩いたりしないって約束できるのならいいけど。
(撮ったことこそ無いが他人のものを見る機会があったためプリクラがどういったものかは理解しており、こればかりは即答できず言葉を慎重に選んで。自分たちの関係が他者に知られかねないことはするべきでないと分かってはいながらも強請るような相手の仕草にはめっぽう弱く、また今日のデートが写真として形に残るということ自体は自分にとってもひどく魅力的に思われて。部屋着にしろプリクラにしろどうやら相手は自分に拒否されることを恐れているような節があるものの、自分に言わせてみればそういった小さな我儘ともとれる一つ一つが愛おしく、また自分以外の誰かには言わないあたりついつい優越感を感じてしまい。両手を合わせて必死に頼み込む姿を見れば、‘仕方ないな’といった風を装いながらも笑みを浮かべて「はいはい、お気に召すまま」と柔らかく返し。)
(/お返事遅くなってしまい申し訳ありません!!
中間試験と課題を済ませるのに手間取ってしまいました……まだいらっしゃるでしょうか??)
ふふ、やった!じゃあ行こ、男同士でも入れるとこ知ってるんだー。
(やはり少し考える素振りを見せた相手に弱気になりかけるものの、続いた妥協の言葉にばっと顔を上げると嬉しそうに笑みを浮かべながら思わず小さくガッツポーズをして。やや女々しい考えだとは思うが女友達たちが彼氏とのプリクラなどを見せてくるのを何度か体験したことから仄かな憧れを感じており、少し勇気のいる提案だったが受け入れてもらえたことに内心心底安堵すると早速とばかりに鞄を手に取って。伝票を取り席から先に立つと「俺払ってくるから、準備したら先に店の前で待ってて。」などと言い残し店の会計まで一足先に行ってしまって。)
(/いますよー!リアルでお忙しかったのですね、お疲れ様です。お返事が遅くなることくらいお互い様ですから、気にしなくていいですよ^^)
うん。…え、ちょっと清光、
(相手の喜ぶ姿を見ていると此方まで嬉しくなってくるもので、小さなガッツポーズまで作ってみせた相手につられて笑みを零すも、あっという間に会計を済ませに行ってしまった相手の手際の良さに内心舌を巻いて。引きとめようとした手を下ろせば荷物をまとめて席を立ち、カウンター奥の老主人に「ご馳走様でした」と告げてから外に出て。せめてこれがお互い様ならば良かったものの気が利く相手ばかりが何でもそつなく熟すのは嬉しくもあり情けなくもあり、エスコートするつもりがされてしまってばかりいるこの状況が自分としては少々複雑で店の壁に背を預けつつどうしたものかと頭を悩ませて。)
(/良かったです…!!お気遣いありがとうございます!(;_;))
――おっまたせー、っと…何、安定どうしたの?なんか変な顔してる。
(先程の寝間着代を持ってもらったことからどこかで相手に同じことをしてやろうという対抗心にも似た思いを抱いていたために目的を達成できたことに内心少々浮いた気持ちになっており。そんな中会計を済ませ軽い足取りで自分を待つ相手の元に駆け寄っていったのだが当の相手は何やら考え込んだ表情をしており、会計については完全に自分の自己満足としてしか考えていなかったこちらにしてみれば相手がこんな表情をしている理由が分からず思わず首を傾げてしまい。相手の顔を覗き込むようにして見つめながら少しだけ困ったような表情で声を掛けると人差し指で相手の眉間をぐっと押し上げて。)
仮にも恋人待ってるんだからさー、もうちょっと可愛い顔で迎えてくれてもいいんじゃないの?そんなにプリクラ撮るの嫌な訳?
嫌いになったなら、素直に嫌いって言えばいいじゃん。
期待ばっかさせて、何にも考えず待ってた俺が馬鹿みたいだろ。
いいよ、俺ももうお前のことなんて嫌いになるから。
結局、きったない川の下の子じゃ愛されないってことだよね。
安定、もういないよね。
きっと俺じゃ安定のこと楽しませてあげられなかったってことだよね。
俺ばっか楽しくて、舞い上がってたってことかな。
そう考えると少しだけ空しいけど、やっぱり安定のと時間は楽しかったから、それだけで満足ってことにしといてあげる。
きっと今はもう他に良い人見つけたんでしょ?
俺も早く良い人見つけて、お前のことなんて忘れてやるから。
それじゃ、お互いの今後を祈って。
大好きだったよ、馬鹿。
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