アーテル 2015-03-14 01:28:24 |
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私はコーヒー派だが、神父は紅茶派だ。
度々くだらない事がきっかけで言い合いになるのだが、今日はそれで軽い討論になった。冗談の一貫な為本気ではない、オアソビだが。
今日はなんと、アルブスがジュース派として参入してきた。
今日の所はジュース派が勝ちで終わったが、オマケで神父のティーポットの中身をコーヒーに変えてきた。
アルブスの杖を折ってしまった。
いや、正確には私の昔の練習用のお下がりだったのだが、やはり古い為強度が足りないらしい。
手本として私が杖を振った途端に杖の欠片が飛んだ。
アルブスに怪我が無くてよかった。
それにしても、あの杖を振る感触が懐かしくてつい感傷に浸ってしまった。
もうどれくらい前かも覚えていないが、大変ながらも楽しかったな。
私は今のアルブスと同じように師となる方から学んだが、魔法界には学校なんて物もある。
アルブスに与えている初心者用の魔法書も、そこの所謂教科書だ。
そんな事よりも、早々に杖を買わなければ。
明日にでも買ってくるとしよう。
今日は神父が吸血鬼の任務について報告しにきたが、何故あんなにも邪見にするのだろうか。
吸血鬼は魔法使いの血を人間の血よりも好まない。だから安心していられるのだと神父に言われた。
だが、吸血鬼も悪ばかりではない。
人間や魔法使いが悪ばかりではないのと同じで、善良な吸血鬼も存在する。
攻撃魔法を乱射する魔法使いがいるように、科学の力を暴発させる人間がいるように、むやみやたらに吸血し人を殺める吸血鬼も存在するのは事実だ。
だが、全てでは無い。悪の芽があるというのは全ての生き物が共通だ。
そこに意識があるかどうか、故意かどうかは置いておくとしても。
だが、やはり恐怖を抱く者がいるのは確かだ。
人間の中にも我ら魔法使いを恐れる者もいた。姿を隠すようになってはもはや昔の事だが。
私の友人にも吸血鬼はいるが、もちろん善良だ。
神父が恐れる気持ちが全く分からないでもないが、どうか誤った選択だけはしないでほしいと切に願う。
そもそも、私は魔法使いというのは「周りよりも少しだけ奇跡を起こせる人間」だと、そう考えている。
まあ、逆に人間を魔法の使えない魔法使い、と思う輩もいるようだが。
だからこそ共存していくべきだとも考えるのだが、それが無理な事も仕方ないのだろう。残念な事だが。
私はこのような考えを持っている為に科学、機械に興味を持ち、ここに来ている。
もし私を奇特だと思い、その奇特な物に恐怖を持つ者がいるならば、いくら凶暴な者でも手を出せないこの空間だけは歩み寄ってきて欲しいと思う。
そして、私達の事を理解してほしい。
今日は任務時に溜まった仕事の処理に追われ、結局杖を買いに行く事はできなかった。
アルブスにはもう少し我慢してもらう事になる。
早く買ってやりたいが、まずはこの薬の依頼書を片付けるのが先だろう。
ちょっとした問題はあったが、無事にアルブスの杖を購入できた。
結局アルブスも連れて行ったのだが、喜んでくれたようで何よりだ。
ついでに服を何着かと小さなネックレスを買った。とても気に入ってくれたようだが、何度も礼を言われるのは少々気恥ずかしい。
そして街中で泣かれたときはどうしようかと思ったものだ。嬉し涙、という奴か。
このネックレスは近々魔力抑制の為の装置へと改良するつもりだ。
最近疲れが溜まるというか、疲れが取れないな。
最近一度に魔力を使いすぎたせいだろうか。
アルブスには無理をさせないように気を付けなくては。
アルブスが来てからというものの、明らかに家の中が賑やかになった。
小さき者達は隠れているつもりだろうが、私が分かっていないとでも思っているのだろうか。
アルブスはやはり周りの者を惹きつける魅力があるようだ。
それは誇らしい事でも微笑ましい事でもうれしい事でもあるが、不安でもある。
その特性を生かして早いうちに守護獣でもつけてやってもいいかもしれない。
アルブスの浮遊呪文はそれなりに使えるようになってきた。
まだ華麗にとは言わないが、杖を構えて意識を集中すれば数冊の本なら浮かせて移動できるようになってきた。
アルブスは本当に好奇心が強く頑張り屋だ。
一人で魔法訓練をしていたらしく、今日は椅子を浮かせてみせた。
あまりの上達の速さに感動する一方で不安もある。
急に魔力を使いすぎると、なんといえばいいか、魔力の器のようなものがまだ小さい未熟なアルブスは体に影響が出る恐れがある。
アルブスが一人でどれほど練習をしていたのかわからないためなんとも言えないが、アルブスはたまにやり過ぎる。
勉学の好奇心に規制はしたくないが、教える立場、、保護者の立場からしても安全は考えねばならないだろう。
落ち着いてきたな。今度は神父が忙しいようだが、こっちまで厄介事が来ない事を祈ろう。
今はアルブスの訓練に手一杯だとでも言わせてもらおうか。
今日の夕飯は何にしようか。
今回の仕事は長かった。長くなる事を予想してアルブスを連れて行ったのは正解だったな。
長らくこの機械にも触れていない為か、また文字を打ち込む速度が落ちた気がする。
また今夜仕事が入っているが、アルブスを連れていくべきだろうか。
今回の任務でアルブスも大分体力がついたようだ。
その変わりといってはなんだが、魔法の練習も振りだしに戻ってしまいそうでもあるが。
出発は明日にして、やはり今夜は久々にアルブスに魔法を教えるとしようか。
最悪だ。留守中に何者かに家が荒らされている。
犯人は残されたフクロウの羽で検討はついているが。あの神父、何のつもりだ。
薬瓶が主な被害にあっていたが、アルブスが怪我をする前に気付いてよかった。
薬瓶の補充、薬、材料の補充と、神父への折檻。
やる事が増えたな。
アルブスが掃除を手伝ってくれるらしい。
あの子は本当に出来た良い子だ。
さすがに私の部屋は危険な為、キッチン周りの埃取りを頼んだ。
意気揚々と掃除に向かう背中が頼もしい。
さて、私も始めるとしよう。
今回の依頼は見送らせてもらった。
さすがに連続で長期の仕事となると、生活に支障が出そうだ。
それに、アルブスの訓練もしなければならない。思っていた通り、今回の長期任務中訓練をしていなかったせいか以前よりもレベルが格段に落ちていた。
魔法の訓練を1からやり直す事よりも、アルブスの落ち込みようが心配だ。
今夜のうちに甘い物でも買ってこようかと思う。
少しは元気を出してくれるといいのだが。
今日久々に神父に会ったが「また過保護が進んでいる」と笑われた。
自分では自覚はないのだが、客観的にみたら過保護なのだろうか…。
それとも、神父にからかわれただけだろうか?
仕事が終わらない…。
調合の方が専門だと何度言ったら分かるんだあの神父は…。
休憩がてら夜の森へ散歩に行ってくるとしよう。
薬の材料集めも兼ねて気分転換といったところだ。
徐々に冷え込んできたな。
アルブスの防寒具を買わなければならない。
火の魔法は、まだ教えたくはないからな。
ここらでローブを買うのも手だろうか。
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