多分君に宛てた最後の手紙

何が好きかと聞かれたら。

ぶっきらぼうなのに優しいところ。
適当に見えて真面目でシビアなところ。
何事にも平等なところ。
やんちゃ臭くて少年ぽいところ。
大人より大人なところ。
子供より子供なところ。
好き嫌いがはっきりしてるところ。
サバサバで面倒臭がりなところ。

上げだしたらきりがない。
だけど、そんなの全部。

君の前ではこじつけた、言葉の一つに過ぎない気がして。


何が嫌いかと聞かれたら。

興味の無いものに対して冷たいところ。
愛想はいい癖に愛嬌はないところ。
一途で仲間想いで、真っ直ぐなところ。
優しい嘘を平気でつくところ。
諦めたり割り切るのが早いところ。
肝心なところでひいちゃうところ。

お前に愛されればきっと
そいつは世界一の幸せ者に。

お前を愛せばきっと
そいつは世界一の不幸者に。

なあ、会いたいよ。

初めて話した時、あれはもう二年前になるかな。

今でも覚えてるよ、すっごい嫌われてたの。

ねえ、あの頃、俺の中に誰を見てた？なんて。
怖くて聞けなかったのは、お前が好きだったからかなあ。

だから俺を見ないお前が嫌いだった。
他の誰かと重ねて見られるなんてまっぴらだったしね。

今思えば、あの時ムカついて意地張ったのが始まりかな。
好きでもないのに好きだなんて。
俺のせいで、なんて口が裂けても言えなかった。

ちくってんじゃねーよ。
今更何言われようが気にしない。

お前はずっとそこで隠れて生きれば？

ほんと嫌いだわ、昔も今も。

蜜亜くん｡
ずっと嫌われてたのは知ってたよ｡

けど､俺は好きだったから｡
色々ごめんね｡