主 2015-03-08 22:55:49 |
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は?いや、待て。手当てくらい自分でもできるから大丈夫なんだが……仕方がない、逃げるか
(後ろから聞こえてきたアレ呼ばわりに思わずまたツッコミそうになったが、しかしその瞬間黒服の次は白衣姿の連中に囲まれて急展開についていけなかったが、さすがに傷の手当までしてもらうわけにはいかないため小さく呟くと満身創痍のはずなのに担架に乗せようとする手を振りきって家に向かって走りだして。傷が出来たのは自分のせい、小さい傷程度自分で治さなければ生きていくことは出来ず昔からずっと1人でやって来たため今回も同じことで「これ、傷口開いたな」走りながらそんなことを言えば追ってくる集団から逃げ切って)
(おお、同志や!同志がおる……!)
怪我人のくせに逃げ足の速い……自宅の住所を送らせるわ、何としてでも捕まえて治療して寝かしつけなさい!
(医者や看護師の集団では護衛職の相手を捉えられるはずもなく、あっという間に撒かれてしまえば再び携帯で指示を飛ばして。おおよそ怪我の治療を命じる態度と口調ではないが命令に忠実な北御門付きの医師は指示に従い、おまけに「仕事を終えるまでは帰って来なくていいわ」と言い放った事から完全に相手を捕える気になっており。やがて白衣の集団が見えなくなれば驚きの声を上げる使用人たちを宥めて母親へ状況の説明をし、諸々済ませてから周囲の反対を押し切って時間は押したがその日に予定の有った稽古を全て済ませ)
(/そしてメーター振り切って開き直ったお嬢様による唐突のギャグ展開w)
おい、何でお前らいるんだよ。その前に何で俺の住所知ってるんだ?もしかしてアイツか……?止めろ、勝手に触るな!
(やっと自分のアパートに戻ってきて、一息ついてから怪我の応急処置を始めようと思ったところ急に部屋のドアが勢い良く開いたと思ったら次々に逃げ切ったはずの白衣の集団が部屋に入ってきて。こんな事を指示する人間など1人しか思い浮かばず身体を押さえつけられたと思ったら怪我の手当てをされ始め変に抵抗もできないまま時間は過ぎていき、気付いた時にはもう治療は終わっており白衣の集団は部屋から出て行って。自分も簡単な手当なら結構素早く済ませられるのだが、それよりも速く、そして完璧に治療された自分の身体を見て「さすが大企業……」と思わず呟いてしまい。)
(/さすが開き直ったお嬢様wなにをしでかすかわかったものじゃないですねw)
そう、ありがとう。……お疲れ様、と伝えて頂戴。
(メイドから治療完了の知らせを受け取っては医師たちに労いの言葉を伝えるように指示し、時間が押した関係でいつもよりも随分と遅い時間に寝室に入ればばふりと音を立ててベッドに倒れ込み。思い出すのは今日起きた様々な出来事で、氷の塊を飲み込んだような体の内側から冷えて行くような感覚から逃れるようにふかふかの羽毛布団に潜り込んで。しかしそれでもなかなか寝付けないのか、数分おきに寝返りを打っては明け方になりようやく寝息をたてはじめ)
(/多分本人も後から思い出して凹んでると思いますw)
……氷村悠、要件は昨日と同じだ
(そして次の日の朝、まだ傷による痛みはあるが昨日よりは遥かにマシになっており十分動けるようにまるまで回復しているため何だかんだで昨日の医者の件は感謝していて。そして昨日と同じ時間帯に北御門家へと足を運びインターホンの押すと短く要件を伝えて。あの彼女の事だから昨日のことなど恐らく全く気にしていないと予想しており、2メートルを超えてきたのは偶然だと自分の中で勝手に決めて)
(まぁそういうところが可愛いところですよねww)
おはよう……昨日は、助かったわ。ありがとう。
(疲労と寝不足による顔色の悪さと目の下のクマを何とかメイクで誤魔化せば鞄を片手に外へと出てきて、背後で門が閉まる音を聞きつつ落ち着かない様子で暫く視線を彷徨わせてからちらりと相手を見遣って先日の礼を述べて。しかし言い終わってもその場から動こうとせず、再び目を伏せては口を開こうとしてまた閉じると言うのを数回繰り返し)
(/いやー、もうそう言うところしか可愛げがないのでw)
……まさかお前がお礼を言うとはな。昨日も言っただろ?あれが俺の仕事なんだ、お礼を言われることじゃない
(昨日のように門から出てきたらすぐに停留所へと向かうものだと思っていたため相手から出た感謝の言葉は正直予想外のものであったが、しかし自分の職業上あれが当然のことである以上お礼を言われるようなことではなく逆に相手を守るのが当たり前なことで。しっかり2メートルの距離をとって停留所に向かって歩きだすのを待っているのだが、何かを言いたそうに口を開けたり閉じたりし続ける相手の様子に「……何か言いたいことでもあるのか?」これ以上待っていてもらちが明かないために仕方なく話の続きを促して)
……ええ、そうよ。心の準備をしているから少し待って頂戴。
(相手の言った言葉は自分が考えていた事そのもので、まさか男に礼を言う日が来るなんて思っても居なかった。昨日から抜けない疲労感も相まって失礼ねと怒る気力も無く、とある言葉を言い淀んでいると痺れを切らしたように先を促す声。短く息を吐けば少し待つように言い置いて、深呼吸をひとつしてから意を決したように2メートルを超えて相手の目の前に立って見上げ「あ、あなたを護衛として認めるわ。……っ、だから、私に近づく事を許します!」と逸らしたくなる気持ちを必死に抑えて真っ直ぐ相手を見つめたまま一息に言い切り、やや赤くなった頬を隠すようにすぐ踵を返せば停留所に向かって歩きはじめ)
いや、全然意味が分からないんだが……。まぁ一歩前進ってところか
(一体何を言うのかと待っていたところ、相手の口から出てきたのはまたもや予想外の言葉で昨日あんなに近づくなと言ってきておいて今日は近づくことの許可と、相手の考えていることがよく分からなかったがとりあえず昨日よりは信頼してもらえたということだけは理解できて赤くなっている頬がチラッと見えたのだが理由など分かるはずもなく、特に何も聞こうとせずに後ろから付いていきて。隣を歩くより後ろを歩いていたほうが周りを見やすく警戒しやすいために距離は昨日と変わらず2メートルくらいで)
……私だって分からないわよ。
(相手の呟きを拾えば小さな声で不貞腐れたようにひとりごちて唇を尖らせる。ただ単に今まで自分の元から去って行った護衛達と違い、きちんと守ってくれた少しだけ信頼してもいいかもしれないと思えた相手への誠意の見せ方がもうこれぐらいしか思いつかなかったのだ。因みに最初に考えた札束を積む案は、それをするのは雇い主である母親だと比較的仲の良いメイドにやんわりと却下された。とは言え停留所での男子生徒スルーは相変わらずで、バスに乗り込めば友人たちとの会話もそこそこに寝不足がたたっているのかうとうととし始め)
……っ、まだ腕の痛みが酷いな
(バスに乗り込むと昨日と同じくドア付近の椅子へと座り。足の傷の痛みはまだ軽い方なのだが一番ダメージを受けてしまったのは腕の方で、小さく動かす分には問題ないのだが大きく動かすとやはり激しい痛みに襲われて思わず顔をしかめて。服を着ているからこそ見えないが身体には結構な量の包帯を巻いており、当然腕全体にも巻いてあるためなるべく見えないように袖をまくらないようにして。生徒の集団の中で『昨日、路地裏で血まみれの男たちが倒れていたらしいよ』という言葉が耳に入り、それは間違いなく自分がやったもので「バレなければ問題ないな」とその現場自体は自分の護衛対象である彼女にも見せておらず、というより見せたくないものであるためバレないように祈りながら小さく呟いて)
……血まみれ…?それは、物騒ね。事件でもあったのかしら?
(がくんとバスが揺れたことで目を覚まし、グループの女子の言葉に穏やかではない単語が含まれている事に首を傾げる。昨日。血まみれ。男たち。その話題には覚えがあり過ぎるものの、一切表情には出さずに普通に事件を怖がる女生徒のように眉を顰めれば自然に話題を逸らしていって。昨日の相手の姿からただ事ではないと思って騒ぎにならないようにと指示を出したのは自分だが、どうやら見逃してしまった目撃者が居たらしい。幸い自分や相手の姿は見られていないようなので、そのうち風化するだろうと考えていればバスが学校に到着し)
昨日も言ったが、何かあったらいつでも呼べ。昨日の今日だから何があるか分からないからな
(ようやく学校に着き、昇降口で上履きへと履き替えると昨日言ったことをもう一度だけ短く伝えると朝のHRだけ出席するためだけに教室へと向かって。教室に入っても当然自分に話しかけてくる生徒などおらず、転校生ということで余っていた席である窓際の一番端の席に座ると周りがガヤガヤと楽しげに話すなか自分はただボーっと窓から外を眺めて)
ええ、分かったわ。
(相手の言葉通り先日の事もあり、素直に了承すれば自分の教室へと向かう。襲いくる眠気をなんとかやり過ごしつつ三限までの授業を終えれば、四限の体育が長距離走だと聞いてやや辟易したような表情を浮かべ。指定のジャージに着替えて髪を一つに纏め、トラックのある競技場と向かうが春先とはいえ日差しが強く、一瞬不安が頭を掠めるも成績を落とす訳にはいかないのでそのまま授業に参加して。しかし案の定走っている最中に貧血で視界が霞み、倒れると思った瞬間には視界がホワイトアウトしていて)
ん……そういえば、あれはアイツのクラスか。
(今日は昨日のように中庭ではなく競技場近くの樹の下でただボーっと座っていると体育の授業なのか競技場から聞こえてくるのは女性生徒たちの声で、つい授業の様子をチラッと見てみると目に入ったのは相手の姿で、ようやくどこのクラスの授業なのかが分かって。しかしそれほど興味はなく視線を元に戻し目を閉じると何やら悲鳴に近いような声が聞こえてその煩さにため息をついてもう一度視線を競技場へと移してみると目に入ったのは倒れている相手の姿で。倒れているため本人なのかは定かではないが、考える前に既に身体は動いており相手を囲むように立っている女子生徒の集団の中に強引に入り込んでいくと倒れる相手をお姫様抱っこのように持ち上げ「保健室に連れて行く、場所を教えてくれ」先生らしき人物に声をかけるとあまりに急展開についていけてないのか素直に保健室の場所を教えてもらうことが出来、腕に走る激痛を無視して保健室に急いで向かい。後ろから聞こえてくる女子生徒達の声も一切無視して。)
……っ…?
(目を開ければぼんやりとした視界に映るのは白い天井で、いまいち記憶がはっきりせず身体を起こそうとすれば左肩に鈍い痛みが走って。思わず顔を歪めるも痛みのおかげで意識がはっきりしたのか、倒れた際に地面に打ち付けたのだと思い出せばここが保健室なのだろう事も分かる。違和感のある左頬に触れればガーゼが貼られていて、こちらも倒れた際に擦りむいたのかと想像すれば「情けないわね……」と若干かすれた声で呟いて。それから「先生……?」と呼びかけるも返事がなく、誰も居ないのだろうかと思えばベッドの下にあったスリッパを拝借して立ち上がろうとし)
症状を見る限り貧血か何かだろう。俺は戻るから後は任せた
(あの後、彼女を保健室に運んだのは良いが先生が誰もおらず仕方がなく自分が簡単に処置をして。最初の方はベッドの横に座っていたのだがもし彼女が起きた時何を言われるか分かったものではないため職員室まで先生を呼びに行くと見た感じに思った症状と運んでくるまでの詳細、そして念の為に保健室に行って彼女を診て欲しいと伝えると自分は保健室に戻らずに元々いた競技場近くの場所へと戻って。)
あ、先生……。
(若干ふらつきながらも仕切りのカーテンの外に出ればやはり誰も居ないようで、どうしようかと考えていると丁度ドアを開けて保険医が入ってきて。簡単に診察をされてやはり貧血だと言われれば、何か思い当る事は?と言う問いに黙って頷くだけで原因は話さず。察してくれたのかそれ以上追及がない事に安堵し、ふと気になって「あの、私を運んでくださったのは……」と聞けばとある男子生徒だと教えられ。一瞬びっくりして固まるも特徴を聞いて護衛である相手だと分かれば安堵したように息を吐き、職員室に戻る先生を見送れば相手を呼び出そうとして携帯を持っていない事に気付き教室に向かい)
長距離······か。昔親父によく走らされたものだな
(あれからもう1度場所を移動して、今度は昨日と同じ中庭の樹の下に座り込んで、先程彼女のクラスの生徒達が走っている姿を思い出すと同時に昔の事も思い出して。昔から長距離だけは嫌いで、今でも得意というわけではなくむしろ苦手な部類に入るほどで。四時限目終了のチャイムが鳴り、昼休みになったのだが自分は朝の時間の都合上昼食など持って来ておらず、購買や食堂を使ってもいいのだが人混みが嫌いという理由だけで利用せず懐から武器ではなく小説を取り出すとそれを読み始めて)
静か……。
(授業中の為しんと静まり返った廊下を歩き、四時限目が終わる前に制服への着替えを済ませる。友人には悪いが昨日の事もあり色々と聞かれると面倒なので、クラスメイトが戻る前に鞄を回収すれば職員室で早退する旨を担任に告げて校舎を後にして。授業中教室に居ないことなど今まで無かったので少し新鮮で、いつもの学校じゃないような空気を少しだけ楽しめば桜並木の下を歩きつつ携帯を取り出し相手に『早退するわ、校門に居る。』とメールを送信。少し悩んだ後にアドレス帳に名前を登録すれば、壁に背中を預けて空を見上げ)
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