若者達が集う繁華街の中に聳える高級マンションの五階に存在する168号室――…目立つ看板などは一切なく、何も知らぬ人々が見れば単なる誰かの部屋としか思うことが出来ないだろう。しかしその部屋は持ち主の『十六夜咲夜』たる人物が個人経営を行っている隠れ家的軽飲食店なのである。朝六時に十六夜咲夜は目を覚まし仕込みをする。昼間は清潔感漂う木製のテーブルとチェアに純白のクロスが引かれ、蛍光灯の光がよく映える染み一つない白い壁。あちらこちらには観葉植物やオーナーが気分で買った花々が飾られている。そして日が沈みかけてきた頃、メイドカフェ『redmagic』はもう一つの表情を見せる。壁全体に落ち着いた紺色の布と真っ白の上質な絨毯が引かれ、テーブルとチェアは撤去して代わりに板を引きステージにする。接客はキッチンに付いていたカウンターに切り替わる……昼はメイドカフェ、夜はメイドバーといった経営をしている。
この軽飲食店はまだ開店直後らしく客足も少なく働きでもオーナーのみである。そこで客足、もとい従業員を増やし事業拡大を設計しているという。
「…いらっしゃいませ、お嬢様方。どうぞお寛ぎ下さいませ。」
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【お店のルール】
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【履歴書とメンバーカード】
暫くお待ちくださいませ。