主 2015-02-01 22:01:34 |
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!?……久城、くん…?
(落ち着いた様子の多かった相手を見ていたためか、相手から発せられた大声にびくっと肩を揺らし。しかしそれ以上に、一般論を超えたリアルさを持った相手の発言の一つ一つが心に引っ掛かり、それに対する違和感を持ち。自分の方向へと歩いてきた相手の言動によってか、自分に触れるか触れないかぎりぎりのところにあったハサミは遠ざけられ、一言二言の悪態をつかれてから突き飛ばされるようにして解放されて。相手の発言中にあった『大切な友達』という部分に思わず目に涙を浮かべるものの、長い前髪のおかげでそれは周囲に見えず)
俺の上履きなんてものはいくらでも換えることができる。だけどな、人の命は変えられないんだよ。こいつが受けて来た痛みは一生癒えないかもしれないのだ、人間であるならば人間の心を知れ
(後ろを向いてはいないためまさか相手が泣いているとは思わず、ただ前に立ったまま今度は冷たいような物言いではなく分かってもらうように一言一言をはっきりと述べ諭すように言い最後にようやく相手の方へと向き「怖い思いをかけてすまなかった、どうしても言いたかったのでな。それだけだ」ずっと張り詰めて冷めていた表情が少し緩み、相手の頭に手を乗せて言うと何事もなかったかのように自分の席へと戻って)
…ありがと、ございます。
(自分のために言ってくれたのだと思うと余計に嬉しさで涙が込み上げてきてしまい。相手の言葉に何度か小さく頷き、その衝撃で零れ落ちそうになる目尻に浮かんできた涙を制服の袖で慌てて拭って。相手の言動でどこか動きを失い、戸惑うような素振りを見せる教室の雰囲気の中にいることに耐え切れなくなってしまい、逃げるように教室を出て行き。学校が始まる時間帯だったこともあり、廊下を歩いて来ていた担任教師に体調が悪いと告げて)
・・・これだから人間は薄っぺらい
(最後にどうすればいいか分からないクラスの様子に小さく呟きそのままいつも通り机に突っ伏して、寝る寸前相手が教室を出て行ったのを視界に捉えたがあまり干渉しすぎてもしょうがなく、また自分も今は何もしたくない気分であるため大丈夫だろうと判断し担任教師が入ってきても何も無かったかのように無関心のまま睡眠に入って)
初めて授業…さぼっちゃったな…。
(本当に体調が悪いわけでもないのに保健室へと向かうわけにもいかず、行く場所もなくしばらく校内を歩いていて。どこへともなく歩いていると前日に相手が連れてきてくれた場所へと辿り着き。近くにあった木に寄りかかりながらその場に座り込み、先程の相手の言動を思い出していて)
・・・何をしているのだあいつは
(あのままぐっすりと寝てしまい起きるといつも通り昼休みで、ふと隣の席を見てみると誰も座っておらず朝の出来事を思い出し面倒くさそうにため息をついて。教室内はまだどこかおかしい雰囲気だがまったく興味がなく鞄から昼食を取り出しまさか相手がいるとは思いもしないいつもの場所へと向かって。)
……あ。久城、くん。
(昼休みを告げるチャイムの音が聞こえ、さぼりすぎてしまったと少し後悔しており。まさか鞄を持ってきているわけもなく、昼休みになったところで昼食もなく、そのままぼーっと座っていて。しかし相手がやってきたのが見えると、慌てて立ち上がり何を言ったらいいのかと迷うように視線を泳がせながら、「その、今日はありがとうございました…」と途切れ途切れに告げ。本当のところは今朝のリアルすぎる話で相手にも何かあったのだろうかと疑問になっていたものの、それをぶつけることもできずに相手を見ていて)
まさかここにいるとはな。別に気にするな、必要だと思ったからやっただけだ
(いつもの場所に着くと、そこにいたのは午前中いなかった相手の姿であり午前中ずっとここにいたと考えると何だかため息を出てしまい。相手のお礼に、何とも無いように短く返事を返しいつも座る場所へと腰を下ろし、ふと相手を見るとやはり昼食を持っておらず袋からパンを1つ取り出し「普通のパンだが、食べておけ。どうせ色々考えて腹も減っているだろう?」座っている相手の前に取り出したパンを置き、そしてもう一つパンを取り出すと自分はそれを食べ始めて)
え…。そ、そんな悪い…です。
(まさか相手から昼食を分けてもらえるだなんて予想だにしておらず、驚いたように目をパチパチと瞬かせ。すぐに状況が掴めると、自分が忘れてきてしまったのが悪いのだからと控えめに首を横に振って。聞いてはならないだろうと発言を控えていたものの、やはり気になってしまい、「……久城くんって…昔、何かあったんですか…?」と、この質問で相手を怒らせてしまわないかとびくびくしながらも小さな声で問いかけ)
俺が良いと言ったんだ。黙って貰っておけ
(相手の対応にこちらはいつもの偉そうに上から目線で相手の言葉を否定し。別段今日は話すこともなく黙ったまま黙々とパンと食べていると小さな声で問いかけてきた相手の言葉に一瞬動きを止め、口元まで持っていったパンを一度口から話視線を相手へと向けて。昔のことは今まで誰にも話したことのないことで、それこそ死ぬまで秘密にしていようと思っていたくらいなのだが何故か口が自然と動いてしまい「まぁ・・・な。昔の俺はお前みたいな境遇だった、とだけ言っておこう」まだ全てを話すことはできないが、何故か口が自然と言ってしまい、そのことに気が付くとハッとして視線を逸し)
……そ、うだったんですか。ごめんなさい。
(まさか相手が自分と同じような経験をしているなどと考えてはおらず、疑問に対する自分の浅はかな問いかけに後悔し。自分から視線を外す相手の姿を見ながら申し訳なさそうに下を向き。相手へとかける言葉も見当たらず、戸惑うようにしながらもらったパンを咀嚼し)
別に謝る必要などない、あくまでも昔の出来事だ。顔を上げろ
(聞いたことを後悔しているのか俯いてしまった相手にどこか優しさを感じ珍しく不敵ではない柔らかな笑みを小さく浮かべて首を左右に振り、まさか自分がこんなにも他人を気にかけることになるとは思っていなかったが、今はこうして唯一の友達に小さいものだが笑顔を向けられることに対してどこか成長を感じて。空気が重くなるのを感じ、このままでは色々と居心地が悪くなるため「明日は土曜日で・・・、明後日が日曜日だ。昨日言った約束は日曜日、学校の近くにある駅の前に集合だ。時間は10時くらいでいいか?あとこれは一番重要なのだが、格好は自分が思う一番オシャレな格好をしてこい。そのダサい眼鏡もなしだ、地味な格好に来た時にはどうなるか・・・覚悟しておくように」髪を切りに行く約束した日のことについて、特に服のことに関してはちゃんと分かってもらうように特に強く言い)
え…。で、でも…私そんなに良い服なんて…持ってない、です。
(相手の提案した集合時刻等には、とくに何も言うことはなかったためそれくらいでいいだろうと頷き。しかし、後半部分の言葉を聞くと、視線を彷徨わせながら言いにくそうに返事をし。実際、これまでに友人のできたことのない自分に外出用のおしゃれな服などあったところで着ていく場所もなくお蔵入りになるだけであり、おしゃれという概念すら忘れていて。どうしようかと思わずため息がこぼれ)
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