鬼教官 2015-02-01 15:01:37 |
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ひ、ひどいや…!リネルは俺が死んでも良いって言うんだな…!?
…わ、分かったよ…。自分で…やるから…。
(まさかの返答に唖然、何故相手はここまで自分に戦わせようとするのか、レベル的に考えても自分より倍以上上の相手が倒した方が体力的にも時間的にも効率が良いのは明らかであるが。薄れゆく意識の中でそんなことを長々と考えている余裕も無く、死への恐怖から覚悟を決めて自分でやることを決意して)
よろしい。
(こくりと一度頷いて上記。ローブから杖を取り出せば回復魔法を使って全快にしてやり。「死んでもいいわけないじゃない…」と一人ゴチるも距離的にも相手に届く訳はなくて。代わりに「さ、しっかり頑張んなさい。」と改めて声を大にして告げ。ボス戦を考えれば実績、経験を基に作戦を立てることもある程度必要になってくるだろう。果たして相手はそこまで辿り着くのだろうかと甚だ疑問に感じつつ。)
くっそー…アイツ嫌い。
(何はともあれ身体の傷が癒されていけば這いつくばらせていた身体を起き上がらせ、敵と対峙してぽつり。回復だけを行う味方なんて果たして味方といえるのか、何とも協調性の無い相手に対してもはや信じる者は自分しかいない状況で。一進一退の攻防の中、武器を握りなおして集中力を高めていけば一気に踏み込んで会心の一撃を食らわせ辛くも勝利。「ぜぇ…ぜぇ…」と肩で息をしているところにどこからともなく効果音らしき音が聞こえたような気がした。どうやらスキル的なものを習得したみたいだ)
ん。精神面はともかくとしてその他は順調に獲得できてってるわね、上出来。
(肩で息をする相手に歩み寄り一言多いが自分としては一応褒め言葉のつもりで上記。後ろから相手の肩にぽんと手を置けば「お疲れ様。ちょっと早いけど一旦休憩していいわよ?スキル習得のご褒美。」とだけ告げ手を離し、自分がいたのでは精神的に休憩にならないだろうとの配慮から後ろ手に片手振りながら去っていき。)
え?あぁ、うん、分かった。
(相手の言葉で今の音の正体を知ることになり、身体が勝手に動いたような気がしたのもスキル獲得によるものだということを察し。相手は相手でどこかに行くらしく、これ以上レベル差を離されても困るのだがと思いつつも暫く動けそうにない為その背中を見送り。ふらふらと立ち上がっては先程相手が椅子代わりにして座っていた岩に座って小休憩をとり)
ふぅ…私も甘いんだか鬼なんだか。
(適当な場所で時間を潰そうと特に宛てもなく散歩しながら小さく溜息つき。自分では、相手に生理的に無理!と言われる程の厳しさを保っているつもりだったため、今回のこの休憩はいくらスキル習得したとはいえ些か甘かったかと今更ながら悩み。「…まだまだ甘いわね、私も。」ぽつり呟いたその時、目の前に魔物が。魔物が出たこと自体は問題ないのだが…蛇を模したその姿が問題で。さっと血の気が引き小さく震えながら「いやーっ!」と色気どころかこの世のものとも思えないような叫び声を上げてその場に座り込み。)
…なんだ!?リネル!?
(静かなフィールドに突如こだまする叫び声、いつも冷淡な彼女の声だとは思えないがこの近くで他の女性の姿も見ていない為声の主がすぐに相手だということが分かり、勢い良く岩から飛び降りるとその声がした方向へ駆けて行き。自分が元いた場所から少し離れた林の中、腰が抜けたとでも言うべきか、その場に座り込み魔物と向き合う相手の姿を遠くに捉えると「おいリネル!何してる!早く倒せよ!」と大声を張り上げて叫び。あんな魔物にあいつが怖気付く筈無いだろうと感じながらも、離れた距離を詰めるように相手の元へ急ぎ)
無理!嫌…無理無理無理っ!
(余程苦手らしく頭を抱えてうずくまり、早く倒せとの相手の声にも大きく首を横に振るだけで、杖を取り出すどころか頭を上げようとさえせず。ちらりと視線だけ魔物に向ければ、向こうは敵意満々。鎌首をもたげて今にも襲い掛かってきそうで。触れるのさえ無理=攻撃されるのも無理という方程式が即座に頭の中で組み立てられれば、ただでさえ血の気が引いた顔から更に色味が引いて真っ青になり。どうにか逃げようともがくが腰が抜け思うように動けず、日頃の冷静な鬼の顔はどこへやら。涙目で声さえ出せずにいて。)
いや、無理とかじゃなくて!死にたいのか!何してる!
(こんな一大事に何を言ってるのか、自分よりレベルは上と言えど物理攻撃に耐性の無い魔法使いではあの魔物の攻撃は致命傷になりかねない。更に相手は防御すらままならないあの状況、ほぼバックアタック状態である。彼女がエンカウントした分敵の強さは自分の適性よりも大分上だが、もはやどうこう言っていられる状況では無く、自由に動ける自分が何とかしなければいけないのは明確。「……っ!!」既に相手に牙を剥いている蛇の魔物、捨て身の突撃で必死に彼女の前に腕を伸ばすと、ギリギリのタイミングでその牙は自分の腕に食い込んで、見事に腕を犠牲にすることに成功し)
ッ…カイン!
(もうダメ、噛まれる!いろんな意味で死んだと絶望に苛まれながら強く瞳を閉じるも来る筈の痛みはやってこなくて。恐る恐る目を開ければ、目の前で相手の腕に噛み付いている魔物の姿が。あまりの至近距離にガタガタ震え一瞬言葉を失うも、自分の犠牲になった相手を思えばそれどころではなく。何より、嫌われきっていると思っていた自分を庇った相手の行動が信じられなくて「な、何で…」と愕然。この状況で蛇への恐怖はどうにかピークを越えたらしい。相手の手から離れ再び此方へ向かってこようとするそれに、「よくも…」と小さく呟き開いた瞳からは光が消え失せ、漸く取り出した杖を一振りすれば空から火の玉が。MP全てを注ぎ込む勢いの大技だが、そのおかげで敵は跡形もなく消え去り。)
ま、待て…俺が…!
(利き腕がやられ、牙が引き抜かれると同時に鮮血が勢い良く噴き出せば、左手で腕を押さえながら膝から崩れ落ち、苦悶の表情で相手に向かっていく魔物を呼び止めて。もうだめだと相手に目をやれば恐怖やら何やら一切の感情が抜け落ちたような目をしており、杖を一振りしたかと思えば規格外の火の玉が辺りを焼き付くし、「熱っつい!あほー!俺まで殺す気かー!」と無駄に強大な攻撃魔法にいちゃもんをつけ)
……あ、ごめん…!
(相手からのいちゃもんで漸く我に返っていつもの表情に。気付けば結構な広い範囲が焼け野原となっていて、今回ばかりは相手の抗議も最もだと珍しく素直に謝罪して。「大丈夫…?」と心配そうに駆け寄るが、何せ後先考えずにMPを使い切ってしまったせいで回復魔法さえ使えない状態。「ごめん…」自分に呆れ再び謝れば、「今日はもう宿屋で休みましょ?」と。)
どう、したの?らしく、ないじゃん、蛇が、怖いとか。
(腕の傷はかろうじて致命傷は免れているものの、どうやら先程の攻撃で毒の状態異常にかかっているらしく、呼吸が乱れ汗も流れ出るが、相手に心配を掛けさせるわけにもいくまいとそれを隠すように笑みを浮かべてからかうように上記述べ。自分に気を使ってだろう、しゅんとしてしまった彼女の言葉に「大丈夫だから。」と苦笑を浮かべ、「そうしてくれると助かる。」と続けながらふらふらと立ち上がり)
苦手なの。爬虫類とドロドロしたやつ。
…笑いたきゃ笑えば?笑ったら丸焼きにしてやるけど。
(らしくないと言われれば自分でも自負しているのかバツが悪そうに上記。先程の大技を目の当たりにした直後にこの脅し文句は笑えない。と、そこで相手の異変に気付き、ガサゴソと懐漁っては植物を取り出して。「はい、毒消し。さっきみたいにたまに暴走してMP使い切っちゃうから一応持ってんの。」と。「宿屋まで辿り着けないでしょ、その様子じゃ。」毒に犯されると歩くだけでHPが減る。それを理解してこその行動で。)
ははは、笑う訳無いじゃんか。
(相手だって一人の人間、苦手なものくらいはあるだろうとそこに関しては何も思わないものの、笑いたきゃ笑えという開き直った物言いに思わず笑ってしまい。差し出された植物を取り敢えず受け取ってみるも、毒におかされたことなど皆無な為「え、これどうやって使えば良いの?食べりゃいいの?」とさながら見た目はその辺の草を怪しげに観察すれば、歯の先でちょびっとかじってみて)
さあ?使ったことないから。
(毒消しの使用方法を尋ねられては首を傾げてあっけらかんと上記。実際、毒に犯された経験はあるもののその都度自身の魔法で打ち消してきたため、持っているだけで使ったことは皆無。「半分食べて半分塗れば?」なんて適当なことまで言う始末。その様子からは、苦手な魔物との先程のやり取りに対するバツの悪さや怯えた様子は消え、すっかりいつもの様子に戻っていて。)
まずっ、ん?うーん…まぁ…。
(要領の得ない相手の言葉に何とも不安気な表情、味は美味しいと言えるものではなく顔を顰めて。本当に症状が治まってきた気もするしプラシーボのようにも感じるが、取り敢えず立って一人で歩けるくらいになっていることを確認すると、「大丈夫みたい、行こっか。」と腕を押さえながら宿屋を目的地に街の方へと進み始め)
……あ、そうだ。
(相手の先程までのフラついた様子や顔色の悪さが消えたことからどうやら効いたらしいと推測して。毒消しって食べればいいんだと使い方を確認しつつ相手の隣を歩き。腕を押さえるその様子に、上記に加え「……ありがと。」と。お礼をまだ言っていなかったと認識しての言葉だが、やはり改めて言うのは照れ臭くそっぽを向いて少し小さな声で告げる形になってしまい。)
ん?………。
(何かを思い出したように相手が口を開くと隣を歩きながら顔をみて、そっぽを向きながらではあるものの確かに相手からの感謝の言葉は聞き取れて。何故か無性に嬉しい気持ちが込み上げれば、ぱぁと明るい笑顔を見せ、「ねぇねぇ、カッコ良かった?さっきの俺カッコ良かった?」と右手を相手の肩に掛けてにやにやと笑いながら今までの出来事を台無しにするかのごとく完全に調子に乗った語り口で)
ち、調子乗ってんじゃないわよ!
まだ私よりレベル低いこと忘れないでよね?
(正直かっこ良かったと思う、が、それを素直に認めるのは何だか照れ臭い上に、何より相手が更に調子に乗ってしまうと判断して。ばっと相手を振り返れば、図星をつかれた照れからかほんのり赤らんだ頬で、否定まではしないもののびしっと相手の顔を指差して厳しいことをきっぱりと言い捨て。そうこうするうちに宿屋に辿り着き、主人に代金を支払って指定された部屋へと向かい。)
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