とくめい 2015-01-26 12:59:56 |
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結構ちゃんとしたお店だったんだ…。(普段外見しか見ていなかった為ちゃんと営業しているかすら知りもしない店だったが中に入ってみると案外ちゃんと品物も揃っている。独り言を呟き乍こつこつと靴音ならしつつ店内まわって。少し腰をまげ小物に見入っていればその先に物越しに見える彼。此方を見ているように伺えれば「あの…、ちょっと一緒に選んで頂けますか?部屋に飾れる様な物。」己よりも店員の方が何倍もセンスがいいに決まってる。そう考え小さく笑みを零しつつ前記述べて。)
あ、はい。僕で良ければ喜んで。 ふふ、嬉しいなあ。普段男性のお客様はあまり見かけないのでとても新鮮ですし…、(彼が一人品物を物色しているのを遠くからさり気なく眺めており、棚に合わせて足や腰を曲げたり首を傾けたりしている仕草や一点を見つめている眼差しに内心やきもきと感情を取り巻き。話しかけられたことを良いことに、感情をだだ漏れさせ、それに比例して表情もふにゃふにゃと嬉しいような悦ばしいような。ぽろりと口を滑らせあたかも若い男性客が来店してくれたのを個人的に喜ぶような発言をしてしまい我に返る。「あっ、えーっと、何をお探しで?」大袈裟に話の主旨に結びつけると小首を傾げ目線を合わせ。)
‥‥そんなに珍しいんですか?(彼の表情が緩くなるのが明らかにわかれば思わず此方も頬が緩み。最近では男性でも雑貨とか好きな人は増えている世の中、雑貨屋に立ち寄るのはそれ程珍しいものかと堅い頭で考えてしまい。不意に話が戻れば己も我に返り、「あぁ‥‥、贈り物を探してて。女の人になんですけど‥‥。」と少し言いづらそうな様子で前記述べて。特に彼女とかそういうのではなく会社の同僚でもうすぐ誕生日だというから皆であげる程度のもの。適当に選べばいいもののやはり相手が女性というので少しは気を遣うみたいでそんな己に呆れて小さな溜息ひとつ洩らし。)
はい。お客様のような男性の方が増えると僕も嬉しんですけどね。ああ、贈り物…彼女さんですか?(此方に合わせてくれたのか柔らかな表情を向けられるとどこか惹かれるものがあり、見た目のクールさとは異なりきゅんと胸を高鳴らせ。それも束の間、不意打ちに聞こえた彼の背後に見える女性の影に一般的に考えて交際している人。舞い上がったテンションはがくんと落ちるが表情に出さず、声にも出さずに変わらぬ態度でその女性との間柄をさらりと尋ね。贈り物をするということは余程大切なのだろう、今自分の目の前にいる綺麗なサラリーマンに心底想われている彼女が羨ましいと感じつつも一般人の恋愛に慣れ親しめない、特殊な性癖であるため手の届かない相手なのだと自覚し。「んーと、どんなものを贈りたいとか要望はありますか?」ここは一つ接客として客に満足させることが出来る物を一緒に選ぼうと心を切り替えて。)
お兄さんはこういうの好きなんですね。(こんなにも多くの雑貨に囲まれて働いている彼は余程好きなのだろうと勝手に思えば己も嫌いではない為何となく親近感の様なものが浮かび。次いでの質問に思わず笑ってしまえば「そんなのじゃないですよ。数日後に会社の同僚の誕生日で。数人で何かあげようという話になって、皆時間ないみたいなので私が代わりに選んでるだけです。」と否定をして。彼女という存在がいたら、なんて惨めな思いは微塵も思わず小さく肩を竦め「それに最近、女性に興味なくなったみたいで‥‥。」なんて彼にとってどうでもいい事まで口走ってしまい。彼から質問されれば「んー‥‥流行りというか小さな小物でいいんですけどね‥‥。難しいですね。」と何も考えてなかったので曖昧に答えてしまい。)
うん、そうなんです。なんか落ち着くんですよ。日常生活で使うものたちですから、大切にしたいですしねー。(巧く伝えることは出来ないが、宙に手を浮かせてジェスチャーしてみたり眉を上下させて熱弁したりと雑貨に対して思うことを語り。「あーあー、だめです。そんなこと言っちゃ。その人にとってみたら記念すべきお誕生日なんでしょう? だから嫌々とか、代わりとかだめです。僕もお手伝いしますから一緒に選びましょ。」大切な人であれ、ただの同僚であれ、贈り物をするからには心を込めることに意味があると思っており、雑貨を売っていてよくサプライズ用の品物を見に来る客が多いため過敏になっていた。自分の意見に肯定を見せてくれることを期待し首を横に傾けるが、初対面のお客さんに説教じみた発言をしてしまったことは後悔している。自分の想いに対しては頗る情熱的になってしまうのは問題だ。続いてぽつりと聞こえた性癖を語るような物言いに当然ながら自分が考えている意味合いではないと悟り“女性より仕事の方に身が入っているのだろう”と解釈して。)
よっぽど好んでいるんですね。(彼の表情や手の動きからとても熱弁している様からかなり好いている事が誰が見たってわかる。そんな姿に尊敬すら感じてしまえば己は何かそんなに夢中になれるものがあるだろうかと考えるも全く思い付かず。説教のように彼から言われれば素直に納得して「そうですね。折角の誕生日ですもんね。喜んでもらえる物がいいです。お兄さんも一緒に選んでくれるなら尚更心強いです。」と小さく肩竦め笑って。またそんな風に考える人なんてこの人の彼女さんは幸せ者だなと勝手に思い込み「付き合ってる方とかいるんですか?」と何となく雑貨を見ながら訪ねていて。)
すみません。偉そうに言ってしまって。でも嬉しいです。 何か贈りたい品とかありますか?(彼の反応を伺っていたが此方に納得したように肩を竦めて笑みを見せる姿に安堵し。自分が得た情報では職場の同僚の方で女性くらいしか定かではないため、彼らが予め決めていた品か、その人の雰囲気に似合う品か二択で。さり気なく品物に目を移しながら聞かれたことには正直驚いたが、社交辞令の世間話のつもりなのだろうと「僕ですか? いませんよ。フリーです。」と同じく雑貨に目を掛けながらさらりと答えて。彼にとっては一店員の自分。いくら男が好きだって、気の合いそうな男性を目の前にしても繕うように良い店員でいなくてはとそれ以上それ以下にならない関係でいたくて。)
あ、これとかどうですか?(彼に具体的に品物を訪ねられれば少し気になっていた兎の置物を手に取り彼に見せて。これなら彼女に似合うかもと想像しては笑みを零して。己から尋ねたにも関わらず予想外の彼の言葉に驚きを隠せず彼をじ、と見つめて。「…いるかと思いました。こんなに素敵な方なのに。」とくすくす、笑って。こんなにも雑貨を見ていれば己も何か欲しくなり彼に申し訳ないと思いつつも「私の部屋にも何か置いておきたいんだが、お兄さんが選んで頂けますか?私に。」と図々しく頼んでしまい。)
あっ、これ可愛いですよねー。僕も始めて見たとき気に入ってしまったのでカウンターの上に置いて宣伝してるんですよ。(彼が尋ねてきた兎の置物を目にするや否や、それに視線を合わせるように屈み、兎をのぞき込んで。レジのカウンターにちんまりと置き、セールのポップと飾っているのを指差せば、彼と少なからず趣味が合うことが分かり。 「へ?素敵?そんなに褒めても何も出ませんよー。 お客さんに、ですか?そうだなあ…、じゃあこれとか。」不意打ちに自分を褒める彼にでれでれと口元を緩ませれば、冗談やお世辞が上手い彼に、新たな印象を植え付け。続いて自分にも品物を選んでほしいと頼まれれば、くるくると辺りを見渡し目を丸くすればガラス製の円形のキャンドルスタンドを手にとって。緑、水色、黄色と纏まった色のガラスが張り合わされ円形状に加工してあり、底にキャンドルを立てるだけの簡易的なスタンドだが、火を灯すとガラスに反射してそれぞれの色が外面にぼんやりと浮かぶ趣もある品でまたもや自分の気に入っている品だった。その品物の説明が書かれたカードも一緒に彼に差し出せば“どうですか?”とでも言うように反応を伺い。)
お兄さんとは趣味が合いそうですね。(己が選んだ物が彼も気に入った物でそれなら安心して贈り物に出来る。彼の好きな物がたまたま被っただけで趣味が合うと捉えては上記を告げて。褒めただけででれでれと口元を緩ませる彼の姿に何処か可愛らし気な雰囲気が伺えば此方もつられて口元緩み。次いで己に選んでくれた商品を見つめてはやはり彼はセンスが良い。素敵な物を選んでくれた事に心底嬉しくなり商品をじ、と見つめたまま目が離せずにいて。「これ…買います。」と無意識に口走ってはふと我に返り「あ、こっちもお願いします。こっちはプレゼント用で包装とかできますか?」と冷静になりつつ訪ねて。)
ですねー。わあ、即決ですか。でも、お買い上げありがとうございます。 あ、ラッピングですね、大丈夫ですよー。(自分が差し出した品物を見つめるなり購入することを告げられれば、即決で選んでくれたことが嬉しくなり礼を言い会釈もして。先程の兎の置物と手の中にあるキャンドルスタンドに視線を交わせては頷き「えっと、袋と箱とがありましてどちらがいいですかね?あと、リボンの色もたくさんあるんですよー。」贈り物ということで包装にも力が入ってしまう。他人に喜んでもらうためにも、お客のためにもきちんとしたプレゼントのお手伝いをしてあげたいと思い、彼に質問を続けて。)
…即決しちゃいましたね。(あまりにも直ぐ購入すると言った事を今になって恥ずかしく思い苦笑いを零し。嬉しそうに話し出す彼の姿に人のいい人だなと強い印象を持ち。「んー…箱の方がいいですね。リボンの色は……迷いますね。」手提げ鞄から財布を取り出し乍彼の質問に答えるもリボンの色となると肝心な気がして決めるにも決めれず優柔不断が出てしまい。己の事だったら適当にやり過ごすも他人の為となるとどうも自信がない。「お兄さんのセンスに任せては駄目ですか?」とこのまま迷いに迷って時間をかけるわけにもいかないし彼にも迷惑だろうと考えた末告げて。)
分かりました、箱ですね。…じゃあ、包みの色は当店のロゴが入った緑色のものなんで、クリーム色のリボンと、同僚さん用は赤にしますねー。(財布を出しながら答える彼を構わず、品物を抱えながらカウンター前まで誘導すれば、ごそごそとそれに似合った箱と包み紙を見せながら説明し。あらかじめタグを持っていたためそれをレジに打ち込みつつも、サンプル用のリボンを指さしながら説明を付け足しては自分の提案に関して反応を伺うように彼をじっと見つめて。)
遅れてすみません。外泊で時間が拘束されていたため返信することが出来ませんでした。前もって連絡できていれば良かったんですがすみません。それと、進行ですが普通にお買い物になってしまいつつあるのでそろそろ動きたいので、アパートの部屋が隣同士とのことで買い物を終えて帰宅したら偶然出くわすという形にしたいのですが何か案がありましたら教えてください。
あ、僕のは包まなくてもいいですよ。直ぐに飾りますので。(彼の言葉から己の分も包もうとしていると捉えては遠慮したように断って。己は同僚の分だけのつもりであった為少し申し訳なく思ってしまい。然しやはり長く働いているのかもともとのセンスなのか色合いがとても良い。流石だなぁと感心していればじ、と包む彼を見つめて。)
全然大丈夫ですよ、お疲れ様です。
そうですね、いいアイディアです。
あっ、はい。失礼しました。では、合計で4200円ですねー。(てっきり二つとも包む気分で心踊らせながら考えていたが、勘違いをしていたようで気恥ずかしさを感じ。合計額を液晶に出すといそいそと品物を包み始める。兎の置物は箱に入れてその上から包装紙で包み、リボンを飾り。キャンドルスタンドは同じく付属の箱に入れた後に、ショップ袋に入れ、二つとも纏めて大きな紙袋に入れて。それが終わると彼に視線を戻し、「同僚さんに喜んでいただけるといいですね。」と目元を綻ばせへにゃへにゃと表情を緩めて笑みを作り。)
連投すみません。では、帰宅してからあれやこれや展開してきましょ。だらだらし過ぎてしまって申し訳ないですが、主はこーいう人なのでご理解ください。
早いですね。有難うございます。(急がしてしまったのか普通のラッピングの時間より早く感じ思わず声に出てしまえばお礼を告げて。緩くなる彼の表情につられて此方も口元緩めば紙袋を受け取り出口で軽く会釈してから自宅に向かい。帰宅途中、腕時計に視線落とせば結構時間が経っていて不意にお腹が鳴ると今日の晩御飯は何にしようかと考えるも冷蔵庫に何もない事を思い出し溜息つきながら足先をスーパーの方向へ向け。
一通りの物をスーパーで買い揃えては少し早足で自宅へ向かい。アパートに着けば両手にあるスーパーのビニール袋と紙袋を片手に収め空いた方で鞄の中を探っては階段の登る音が聞こえ何となくそちらに視線を向けるとあの雑貨屋の彼がいて。「……あの、先程のお兄さんですか?」と驚きながらも隣の部屋のドアを開けようとする彼に訪ねて。)
長くなってしまいましたが進めてしまいました。
主さんのペース嫌いじゃないので
全然大丈夫です。
いえいえ。此方こそありがとうございます。また来てくださいね。(品物を受け取り会計を済ませて此方に微笑みかけてくれる彼との時間が終わってしまい、寂しさを感じつつも向けられた背中が見えなくなるまで見送り、店を終う準備に取り掛かる。また会えるだろうかと、叶わぬ期待に胸を慣らしながら、作業を終え同僚と店仕舞いを終えると真っ直ぐ帰路につき。
カタンカタンと自宅アパートの階段を靴底を鳴らして上がれば今夜の夕飯のことや、テレビ番組のことを考えながら部屋の鍵を手探りで探し。男性らしからぬ、兎のマスコットがついた鍵を見つけ出すと一目散に部屋のドアへと掛けて行き、それも束の間隣の住人らしき人影を目にするや否や見覚えのある顔にぴたりと動作を止めれば彼から言われた一言に唖然として。「……えっと、さっき…の、お客さん?」と首を傾ければ状況把握に少々時間がかかり、隣の住人=雑貨店に来たスーツで眼鏡のお客さん、と導き。)
わわ、ありがとうございます。その優しさに救われてます。
…ええ。家、ここなんですか?(まだ思考がついていかないものの今目の前に見えてる事実だけを述べてみて。彼からもお客さん?と言われればやはり雑貨屋のお兄さんだと確信する事が出来て思わず口元が緩み。「偶然ですね。お隣さんなんて。」とこんな偶然があるものかと驚き。荷物の重みで片手が痛くなってきては買い物帰りだったと自覚して。「あ、もしよかったら一緒にご飯食べますか?…今から作り始めるので時間かかりますが。」と少し遠慮そうに告げて。)
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