現代の世界には、人間に姿形のそっくりな妖怪たちが蔓延っている。
彼らは普段は人間と何ら変わりのない生活を送る。…人間の目を欺くために。
しかし、彼らの食糧は人間。
人間の肉を食し、人間の血を飲む。
だからこそ、時として牙を剥く。妖怪としての本性を晒し、人間を喰らう。
そんな妖怪への対処として設立したのが妖怪払い。
妖怪払いといっても組織的なものであり、いわば特別警察のようなもの。事実、警察庁の中に妖怪払い科として存在している。
彼らは人間の身体能力を遥かに超えた妖怪と対峙する力を身につけた選ばれしエリート。
仕事内容ゆえに、殉職する者は跡を絶たない。
そんな世界の中で出会ったのは二人の男女。
妖怪払いのまだ若い少年は、少女が妖怪であることを知っていて近づいた。もちろん、狩るために。
しかし少年は悲しくも少女に恋をしてしまう。
警察庁内で、少女は妖怪ではないと訴えるほどに。
少女も少女で少年に恋をしてしまう。
自分が妖怪と隠しながら少年を好きになる自分に苦しむほどに。
この運命は、どうなるのか＿＿？
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