No name 2015-01-21 23:46:19 |
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俺はいつからこんな感情を抱いてしまったのだろうか。
「なかじ-ん、体調やっぱ辛い?」
俺は珍しく熱を出してしまった。
今は昼、目をうっすらと開けただけでも彼女が顔を覗かせているのが分かる。
「うん、まあねって感じ。」
「まあねってどんな感じなの-?」
笑われてしまった、それにしてもインフルでなくて本当に良かったと思う。
看病を殆どしていた為、なっても可笑しくなかったかもしれない。
「...なかじんはさ、本当に弱音吐かないんだから、こういう時ぐらい良いんだよ?」
俺に言うように促しているのだろうか、語尾が上がっている。
とは言っても分からない、欲を出せば良いのだろうか。
「じゃあヨーグルト食べたいかな。」
「それ弱音でも何でもなくない?持ってくるね。」
いまいち良く分からなくなってきた。
取りに行ってくれた彼女を余所に、ドアが閉まった途端マスクを着用しパソコンへと向かった、やはり気になった所があったからだ。
そんな事を何分もしない内、彼女の事を忘れかけていた時にドアが開いた。
「なかじ-ん、何で寝てないのよ-。」
頼んでいた事を忘れていた、言われるがまま再びベッドへと戻り。
「今日は寝てなきゃだめだよ!」
「はいはい。」
ヨーグルトを片手に説教をする彼女はまぬけに見える。笑いが込み上げそれに対しいじろうとしたが怠さの為かそんな気力も失せていて、半ば流すように頷いた。
「さおりちゃん、風邪とかうつったらやばいから戻って良いよ?」
「え-、折角心配してるのに何ですぐ戻れみたいな事言うの-?」
「いや、だってうつっちゃったらねぇ。」
ふとした時の彼女の笑顔は素敵だと思う。
そう思いながら戻るように話しを持ってきたというのに。
「でも私、風邪とか引かないタイプだから大丈夫。」
だから此処に来たというのか、でもどうしてもメンバーには迷惑をかけたくない。
只でさえ、自分がこんな状況で彼女にうつってしまったら、より迷惑をかけてしまうではないか。
「...あ、そいやさっき深瀬が呼んでたよ。」
「え、何でそれを早く言わないの?なかじんは。」
肩を退けるように叩かれた、彼女は深瀬の話となると今までにない、それもとても嬉しそうな様子。
でもその中でも見せるどこか悲しそうな顔が混じっている、そんな表情で。彼女が出ていった途端、大急ぎで先程の事情をメールで説明し伝えた。
勿論、呼んではいないから。
高速で打ったメールは誤字脱字ばかりだ。
でも理解してくれたようで深瀬から了解の返事がきた。
それだけの事なのに、疲れてしまった。溜め息をつく。
ベッドに寝転がり天井を見上げれば彼女の顔を思い出した。
胸に変な違和感を覚えた、深瀬という名前をだす度にでるあの顔は幾度となく見てきた気がする。
目を瞑る、自然と一粒涙が流れた。風邪で可笑しいのだろうか。
...取り敢えず寝よう。
中崎.
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