珈琲喫茶

放課後の1人の教室
窓から空を見ていた。
家に帰ってから何をしようか。そんなことを考えていた
いつもと変わらない今日が終わった気がした。

遠くから聞こえてくるのは階段をかけあがる音…
「もしかして…」と、ほんの少し期待した
窓に背を向けて入り口の方を見た。
ガラガラと音をたてて開いたのは隣の教室だった
「なんだ…」と、また空を見てため息をついた。

外はさっきより暗くなっていた
荷物を持って教室を出た。
下駄箱からローファーを取り出し
履いていた上履きを下駄箱にもどした。
部活動中の声が響きわたるなか
私は駐輪場へ向かう。
自転車の鍵をバックから取り出して
自分の自転車の前まで着くと
後ろから、私の名前を呼ぶ声を聞いた

振り返ってみると…目の前にあの人がいた。

あの人は笑顔で
「気をつけて帰れよ。また明日な」
と言って…行ってしまった。

私は、風に運ばれてくる…あの人の匂いと
耳から離れない声のせいで
そこから動くことができなかった。

いつもと変わらない今日が
あの人の一言で…
特別な今日に変わり
当たり前のようにくる明日が
とても待ち遠しく思えた

もしかして好きなのかなと気づいた頃には遅かった。
多分いつでも君のことを目で追っているんだ。
私に気づいてほしくて
私を分かってほしくて
この気持ちが届けばいいのに
君に伝わればいいのに

本当はダメだって分かってた。
顔が近づいた途端
身体が動かなくなった。
この人には相手がいるのに。
彼女に知られたら
私は彼女を泣かせてしまう
全部分かっていたのに
身体も頭もフリーズして
もう。遅かった

頼りないように見える人にも
いつもヘラヘラしてる人にも
何でも出来るような人にも
皆んな、何かしら抱えてて
何かしらと戦っている。
今日も同じような1日が始まる
それでも、昨日より一歩すすめたら
いつか
過去を振り返ったときに
たくさん前に進めると思うんだ

手紙には「好き」って言葉は書かなかった。
あなたは今、どんな気持ちでお菓子をたべているんだろう
私がもし。本当に好きだと伝えたらどうなる？
あなたからはどんな返事がもらえる？

雪が溶けて桜が咲く前に
私の思いを伝えられたらいい。

その笑顔が
その声が
全て愛おしい。
あなたに会いたい。
あなたに触れたい。
理由がなくても会える関係になりたい

少女漫画を読むとドキドキするって
あの子は言っていたけど
私は、あの人に会えるだけで
少女漫画50冊分、ドキドキする。

あえない時間がながいほど
くるしくなる

あなたの唇が当たりそうになるたびに
私の心はぎゅっとなって
唇が触れた瞬間。もっと求めていた
離れないでほしくて。離さないでほしくて
この想いはどこにいくんだろう