ビギナーさん 2015-01-13 00:07:22 |
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陸。…陸、って呼んで欲しい…です。
(先生、そんな風に呼ばれるのは学校内だけで十分で私生活にまで学校事情を挟みたいなんて思わず、自我を見せる子供のように名前で呼んで欲しいだなんて言っては視線を逸らし。「口移しじゃないんですね」とさも恥ずかしげもなく言ってのけるとそのまま卵焼きを食べてコンビニの弁当にしては美味しいと感じつつ不味いお酒は無視していつも飲んでいるほうを開けると口に含み相手の胸ぐらを掴むと学校でやって見せたように自分の方に引き寄せ、相手の唇に自分のそれを重ねると口内にお酒を流し込んで所謂口移しとやらをやっては未成年飲酒の手助けをしてしまった罪悪感もあるがその背徳感にも似た感覚が欲を逆撫でて別にこれぐらい飲んだうちには入らないと自己防衛の言い訳を心中で何度も繰り返し
……だったら先生も敬語やめてよ。
(相手はおそらく仕事を連想させる呼び方で呼ばれるのが嫌なだけなのだろう。しかし自分の場合はそんな単純な理由ではなく、他の誰にも見せない顔を自分にだけは見せて欲しいだなんて下心ありきのもので。本気とも冗談ともつかない口調で口移しなんて言われれば言葉を詰まらせて、兎に角何か言い返そうとしたところで胸ぐらを掴まれ目を見開き。「ん、ぐ…っ!?」口内に流れ込む生温いそれが酒である事に気づけば相手を引き剥がそうとその腕に手を掛けるも、上手く力を込められず添える程度になってしまい。結局飲み込んでしまえば「っ…信じらんない、俺まだ17なのに」と生理的に滲んだ涙を払いながら文句を言ってやり。
…陸って呼んでよ、徹。
(自分がここで引かなければきっと相手はいつまでも先生と呼びそうな気がして自分が折れなければとわかっているものの相手に屈服するのはどこかプライドが傷つく思いがする、しかし妥協も必要なのだ。一息置くと上記を述べて視線を合わせ、視線が合うとそれを逸らし。「そんなの飲んだうちに入りません」ときっぱり言い放てば生理的だが相手の泣いてる姿に喉を立てて笑い、指先で涙を拭ってやるとここで相手が本気泣きすれば面白いのになと歪んだ感情がぐるぐると心中で渦巻いては泣かせたいのに笑っていて欲しいなんてワガママな感情も同時に襲ってきてわからなくなって
り、陸ちゃん。
(タメ口は要求したものの名前呼びまでしてくれるとは思っておらず露骨に慌て出して。年上を相手にして友達感覚で呼び捨てる事に躊躇いがあったため、申し訳程度にちゃんを付けて呼んでみる。酒を飲まされたという衝撃ですっかり忘れていたが口移しされた恥ずかしさが今更じわじわと巡ってきて、おとなしく涙を拭われながらも「このエロ教師」と小さな声で呟かずには居られず。少量であれアルコールを摂取したから頬に熱が集まり、やっぱり酒なんだな、と飲んでみて改めて実感を得て。
女の子みたい。
(自分の名前はどうも苦手で、もっとシンプルで普通なものが良かったと昔両親に愚痴を零したこともあったが今じゃそれもあまり気にならなくなってきたのに相手にちゃん付けにされては女の子のようで不満があって。「性欲全開の高校生に言われたくない」目元を拭った手で相手の頬を撫でるとエロ教師だなんて言われて失礼なと言いたげな顔で述べると手を離してお酒を飲み進める。食欲が出なくて折角買ったおつまみはその場に逸してお風呂でも入れてくるかと立ち上がると相手をみながら「お風呂、シャワーですか?湯船入りますか?」と自分はいつもシャワーで済ませてしまうが相手はどうなのだろうと問いかけ
じゃあ陸さん。
(自分の中では‘ちゃん付け=親しい’といったイメージなのだが相手にとっては違ったようで、不満そうな相手にそれならば、と代わりの提案をしてみて。ちゃんよりかは丁寧に聞こえるもののかえって少しだけ堅苦しく感じてしまい。性欲全開だなんて誤解をされるのは不本意な事この上なく、「俺はスポーツで昇華させるタイプなんですぅ」と否定しつつも頬を撫でられれば心地良かったようで一瞬だけ嬉しそうに擦り寄って。弁当を食べ終えて牛乳パンの袋を開けたあたりで風呂について尋ねられれば「俺もシャワーで大丈夫」とだけ答えて大好物にかぶりつき。
(/大丈夫ですよー!!
…やだ。
(まるでおねだりに失敗した子供のように言う。口を結んで視線を下に向けたまま泳がせるとさん付けでもちゃん付けでもなく名前で呼んで欲しいと願いそれを言葉に出せずに全く可愛げのない行動しか出来ない自分が腹立たしくてもっと可愛げのある言動は出来なかったのだろうかと思い返すがあれぐらいしか口に出せなくて。「へぇ、そうですか?」とスポーツで昇華なんてうまいこと言うなと思えば牛乳パンの香りが部屋中に広がってよくそんなもの食べられるな、なんて相手にはとっては失礼かもしれないが直感的にそう感じてしまい「俺牛乳苦手です。」と短く述べ。シャワーでいいと言われるとなら洗いにいく必要ないなと再び相手と対等になるように座り
後から大人を敬え!とか言わないでよ?……陸。
(自分よりも年上のはずなのにやけに可愛らしい言動をされれば思わずくすりと笑ってしまい、断りを入れてから要望通りに名前を呼び捨てにして。相手の名を呼ぶ自分の声が思っていた以上に甘いものになってしまい、後からひとり照れ臭くなってきて。スポーツで昇華、というのはあながち間違いや嘘ではないし動じる事なく牛乳パンを食べ続ければ、牛乳が苦手などとまたもや可愛らしい一面を見せる相手に「牛乳パンと牛乳は別物じゃん」と事もなげに言い返し。風呂の話が出たところで着替えを持っていない事に気がついて、少し迷った末に「…着替え貸して」と小さな声で頼んで。
と、徹…
(甘い声に反応してしまい、その声がずっと脳内で響くと相手の名前を呼んでみるが声が裏返ってしまい恥ずかしさと情けなさで涙が出そうになる。涙を精一杯しまい込んでは未だ反響する甘い声にこれじゃまるで、自分が好きみたいじゃないかとそこだけは否定するように首を振って。「だって牛乳の味する…」相手はその二つは別物だと言うけど自分がかなり前に食べた際にどうもその二つの味が同じものに感じられてやはり牛乳とは一生分かり合えそうにないなと思っていたものでカルシウムをこんな所で多く摂取していてスポーツで昇華していればそりゃ相手のように背が高くなるわけだと一人納得し。悶々とそんなことを考えていると相手が小さな声で呟いたのがわかり、それに対して「ん、いいですよ」と笑えば自室から持ってくるかと立ち上がって
…なんでそんなに泣きそうなの。
(泣きそうな表情で名前を呼ばれれば困ってしまい、頭の隅で泣かせたくないなぁなんてぼんやりと考えながらなるべく優しく尋ねて。自分は滅多に人を下の名前で呼んだりはしないし身近じゃ影山くらい、しかもそれですらからかいの意味を込めたものであり、甘い感情ゆえに名前で呼ぶなど初めての事で困惑してしまう。牛乳の味がすると言われても自分にはよく分からないため「苦手な人にとってはそうなのかな」と曖昧な肯定をし。「ありがと〜」礼を言って相手を見送った後すぐに牛乳パンすら食べ終わってしまい、お茶を飲んでからゴミを袋にまとめて。
別に…
(なんで泣きそうなのか、そんな問いかけをされても答えに困ってしまい自分が今泣きそうだということすら目を背けたい事実なのにそれに覆い被さるように質問されてはどう答えていいのかわからずに首を傾げてはなんでもないように振舞って。自室に行くと自分がいつも着ているものより少し大きめのものを持って来ては相手に渡して「一番大きくてもこれぐらいのしかありませんよ。」と述べ。相手が泊まりにくるだなんて想像もしていなかったわけで自分の家に大きいサイズの服があること自体ないためどうしたものかと考えて。朝ごはんはどうしようとか、明日のことを考えると先ほどコンビニで朝食まで買っておけば良かったなとか後悔してしまい
泣かないでよね。大人でしょ?
(泣かせたくない一心で軽口を叩きながらふんわりとした笑みを浮かべて。自他共に認める性格の悪さの自分が出会ったばかりの人相手にこんなにも優しくできるもんなんだな、なんて我ながら驚いてしまう。相手が持ってきてくれた衣服を受け取っては「前に岩ちゃんの部屋着着れたから大丈夫だと思う」と比較的相手と身長が近い幼馴染の名前を挙げて。着替えまで借りてしまい相手には世話になりすぎだろう、何か自分の出来る事でお礼をしなければと考えながら、先程のアルコールもあり暑くなってきたためベストを脱いでワイシャツ姿になり。
俺がそんな脆い人間に見えます?
(憎たらしくそう言われると言い返す言葉がやっと見つかり上記を述べながら自分はそんなに単純で脆く出来ていないと豪語して。一人前に泣いてる暇は自分にはないのだと自分自身に言い聞かせるように心中で呟き。「いわ、ちゃん…?」相手が当然のように述べた人物名を繰り返す、誰だろうと自分の記憶を探ってみるとそういえば相手が部活が始まる前に紹介してくれたようなと思い出すとあまり印象に残ってはいないその‘岩ちゃん’とやらも自分とそんなに体格に差がないんだろうと考え。「…えろい。」薄着になる相手を見れば開口一番そう言って、ワイシャツ姿はどことなく艶かしく見えるものでネクタイを外した際に開放的にした胸元に目が行き
見えないけど、陸ちょっと俺に似てる気がするから。
(自分の身を守るための殻のような表面上の性格の悪さを剥がしてみれば案外その中身は脆そうで、自分にも思い当たる節があるのか小さく笑いながら目を伏せて。いまいちピンとこない様子を見れば「俺の幼馴染だよ、副主将の子。先生とあんまり身長変わらないと思う」と説明を付け足して。胸元を見られたところで男なのだから恥ずかしがる必要は全くないのだが、相手の発した一言で気恥ずかしさが頂点に達し、相手の視界からシャットアウトするように片手で隠しながら「エロいのはあんたの頭だから。…もう早く風呂入ってきなよ」と言い返し。
似てる?
(相手と自分が似てるだなんて感じたこともなくそんなこと思っていなかったためか首を捻りながら言葉を繰り返す。自分のように性格の悪い所は多少似ているかもしれないがそれ以外思い当たる節がなく相手のように何か寂寞を思わせる態度もとってない気がして。「なんとなくわかりました」相手の説明にうっすらだが人物像は出て来てなんとなくわかると言い。「俺は至って通常。そんなこと気にするなんて女子みたい…」嫌味のようにそう述べると促されるまま浴室に向かって手短に終わらせようと服を脱ぎ捨てて
気がする、って言ったでしょ。
(無自覚なのか本当に自分の抱く相手の人物像が外れているのかは分からないが、不思議がる相手に苦笑しながら部分的にもう一度繰り返して。こいつ岩ちゃんに興味なさすぎだろ、なんて内心思えば、自分だけに興味を持ってくれているらしい事を喜べばいいのか自慢の幼馴染を蔑ろにされた事を嘆けばいいのか分からず何とも言えない気持ちになり。女子みたい、との一言が頭に来たようで「男相手にエロいとか言う方がおかしいだろ、バーカバーカ!」と浴室に向かう背中に幼稚な罵声を浴びせて。相手が風呂場へと消えた後何と無く視線を遣った先、ソファの上に放置されたままのぐしゃぐしゃの衣類を手に取れば、小さく溜息をついてそれらを畳み始め。家主の居ないところであちこち漁るのはよろしくないが、これくらいならば許されるだろう、とお礼も兼ねて全て畳み傍へと積んで。
(本気になったら負け、本気になったら負けと自分に何度も言い聞かせる。相手は10歳も下の男子高校生で本当は自分のような卑劣な人間が手を出してはいけないのだとシャワーを浴びながら頭の端で考えると何を馬鹿なことしてるんだと思い。今まで自分が弄んで来た人間のように少し遊んで捨ててやるぐらいの関係で良かったじゃないか。何もこんなゲームに乗る必要もなかった。なのに自分は柄にもなく手の内で転がされているような気になるとお湯から水に切り替えて頭を冷やすように水を被り。自分が本気にならなければいいんだと一つ答えを導き出すと全身をしっかり洗って浴室から出て着替え相手の待つリビングへ向かい「お風呂どうぞ」と
はーい!ちゃんと髪拭かなきゃ風邪引くよ。
(髪が湿気を帯びていて重たげだからか年齢よりも幼く見える。いかにも面倒くさがりそうな相手にしっかりと髪を乾かすよう告げてから着替えを抱えて風呂場へ向かい。私服ならばさほど意識しないが制服に皺を作ると後々母親に文句を言われるのは自分であるため、脱いだ制服を丁寧に畳んでから浴室に入り。負けたくないという意思とは裏腹に時間が経てば経つほど相手を好きになっていく自分が居るが今ならまだぎりぎり戻れる気がするため、どうしたものかとシャワーを浴びながら深い溜息をつき。
言われなくてもちゃんと乾かすよ…
(相手に忠告されたことを守る気などはサラサラなく、いつも自然乾燥で済ませているため髪を乾かすと言う概念がなく適当にタオルで拭けば自分が脱ぎ散らかした衣服が畳まれていることに気づき、相手の優しさというか律儀さというものに心が温かくなるもこんなことで好きになってはいけないと先ほど飲み残した不味いお酒を飲み干して「まず」と呟いて。好きだと言ってしまえば負けになる自分が負けるなんて嫌でこの関係を保ちたくて、だけどどうにか近づきたくて胸が苦しくなると相手の前で堪えてた涙が出てしまい慌てて拭えば全部お酒のせいにしてしまおうとストックしておいたお酒を開けて飲み
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