妲己 2015-01-11 13:35:23 |
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(逃げ出した夜)
「ハァハァ…ハァ…ッ」
誰も居ないとても静かな夜の公園。昼間と違いとても怖い感じだ。
「ハァ…どうしようかな…。今更帰れないし…。」
ハァと溜め息を零し息を整え座り込む。
-ガサッ-
「!…だっ誰!」
音のした所に目を向け叫ぶと
「助けて…お願い…」
白髪の美しい傷だらけの女性が出てきました。
「…へ?」
ー30分後
「ありがとなぁ、助かったよ。」
そう言って私からサイダージュースを奪ってかぶ飲み…
「ブフォッー!…ゲホッゲホッ…。何だよコレ喉に突き刺さって…ケホッ…」
「…炭酸というものです。というより私の物奪わないで下さいよ。」
「ごめん、ごめん。ほら!俺のやるから「それも私が買った物です。」…うっ。そんなに怒らなくてもー。」
白髪女性の言い訳をさらりと聞き流し聞きたい事を聞いてみることにした
「ねぇ、あなた名前何て言うの?私は麻霧 光。ひかりと書いてコウと言うの。」
「俺は白だ。光か…。よろしくなぁ!」
「はぁ…よろしく…ですね。」
と会話を交わし握手をする私達。そういえば白はどこから来たのだろうか…。とても傷だらけだし…髪も白いし外国の方だろう
「あの、白さんはどこから来たのですか?」
「え?俺?俺は…」
-異世界から来たんだよ-
…は?
傷だらけ白髪美女?はとてもおかしな人でした
踏み外した道から差すか細い光。
後ろに引き戻るのは、もう遅い…
「…え?」
不思議な爆弾発言…、いや頭のおかしな発言をした白さん。そのおかげで私は絶賛混乱中ですよ。
「びっくりしたか?そりゃびっくりするよなぁ。」
とまた私を絶賛混乱中から超絶賛混乱中にさせる白さん。ていうか分かってるなら言わないで下さいよ。その前に何故どや顔?これ以上私を混乱させないで下さいよ。…という心の声は"あえて"しまっておきとりあえずもう一度どこから来たか聞いてみる…が
「だーかーらー、いーせーかーいーだってば。ちゃんと聞こえてる?頭大丈夫?」
「…良い病院ご紹介しましょうか?」
答えはこれ。ついに本音がポロリと出てしまいましたよ。頭大丈夫?と聞かれましたが逆にこっちが聞きたいですよ…
と心の中で愚痴っていると突然白さんが、
「なぁー寒いからさぁ…、コウの家、寄りたいんだけどさぁ。良いか?」
と聞いてきた。今更だが確かに寒い…真冬だ。それに白さんは傷だらけでおまけに頭が心配だし…。それに私もそこまで鬼では無いので一泊か二泊ぐらいなら大丈夫だと思う。…多分だが。
「良いですよ。それじゃあ行きましょうか。」
ベンチから立ち上がり公園を出る。さっき家出をしたが別に大丈夫だろう。それより、白さんの説明が大変だけど…。
回り始めた少女の未来の扉
鍵は2人双子が握っている
「…た、ただいまぁ…「お邪魔しまーす!」しっー!」
静かな玄関に響く白さんの声。とても大きかったのか寝ぼけ眼の母が箒を持って来たほど響いたらしい。
「光!…帰って来てくれたのね。…あら、そちらの女性は?」
「怪我人。何日間はここにいるから…部屋、来ないでよね。」
涙目で抱きついてきた母、やっぱり白さんの事を尋ねて来た。頭の事はあえて触れずに適当に説明し母を突き放して部屋に向かう。白さんは吃驚していたけど私は気にせず白さんの手を引いて自室に向かった。
「大丈夫か…?」
「…大丈夫です。それより包帯巻きますよ。」
自室に着いたあと白さんの怪我の手当てをした。見た目では大丈夫そうに見えたが実際は火傷や擦り傷、また痛々しい刺し傷まであった。個人的にどう喧嘩をしたらそうなるのか気になる程の重傷だ。
「ありがとうよ。恩にきるぜ!」
「いえ、大丈夫ですよ。」
「本ト、コウが助けてくれなかったら俺死んでると思うよ。」
「多分ですが、あなたなら私が通らなくても生きていけると思いますが…」
巻き終わった後私達は色んな事を話したり教えたりした。私は日本の文化や歴史について。白さんは異世界についてだ。白さんが言うには今異世界は大変な事になっているらしい…。
「…はぁ。寝るか、夜遅いし。」
「…」
シリアスな感じからよく出てきますよね。
だけど、今は深夜2時過ぎだしそろそろ寝ないといけない時間だ
明日は平日だが学校には行かないつもりだ。
光はいずれ二択の道を照らし出す
翌日
今日の朝、白さんによく似た髪が黒い美少年?が来ました。…と言うよりは倒れていた。家の前で…
「…大丈夫ですか?…というか生きてますか?」
「だ……れ………?」
にしても白さん以上の大怪我だ。白さんを一回呼び運ぶのを手伝って貰おう。
「白さーん。」
「お?なんだ?」
「怪我人です運ぶの手伝って貰えませ…しっ白さん!」
なんてことでしょう。白さんが思いっ切り黒髪少年を踏んだ…いや飛んだのです!
「おいりゃ!」
「うがっ…!」
「しっ白さん…」
「…いっ…いってぇなぁ…馬鹿白が…」
「五月蝿い!阿呆黒!お歯黒!」
「意味わかんねーし。」
「心配したんだからね!」
「…ごめん」
心配そうな、でも安心したような泣き出しそうなよく分からない表情だ。
そのままぎゅっと抱き締めたら白さん泣き出しちゃいました。
「うぅっ…ひっく…馬鹿阿呆黒…お歯黒ー。」
「はいはい。泣くなって」
「ごめん…」
幸せそうだなぁと二人を見ていたらどこからか視線を感じる…なわけないよね。
鍵の一つが少女を天に導く
鍵の一つが少女を地に導く
感動の再会?から数分後、今私は黒髪の少年の手当てをしております。
「いっつてぇ…」
「後は包帯を巻くだけなので頑張って下さい」
と包帯を器用に巻いていく。
「出来ましたよ。」
「ありがとよ。そういえば自己紹介してなかったな…、僕は黒。白の双子の兄だ」
「私は麻霧光。光と書いてコウと言うの。黒さんね…よろしくね。」
「あぁ、こっちこそよろしくな」
初対面のはずだが何故かそんな感じがしない…不思議だなぁ
「おい黒!あの変な双子どーすんよ?」
「1ヶ月後にまた戦うつもりだが…白、足引っ張るなよー」
「はぁ?引っ張んねーよお歯黒!」
バシッと叩く白さん…黒さんの傷が開くから止めようね?
…は、置いといて二人の話は異世界と言う不思議なパラレルワールドみたいなもの…普通信じられるものでは無い筈だが…二人の真剣な表情や酷い傷を見ていると嘘をついているようには見えない。
「麻霧、ありがとな。おかげで助かった」
「本トありがとよ」
「え?」
二人が突然お礼を言い出した。…もしかしてお別れかな?…いや別れなくては、もとはといえば頭の可笑しい二人だ!…でも
「ここに居てください…」
ここまで仲良くなったのにお別れは嫌だ。…それに怪我も気になる。私の両腕は勝手に二人の服を掴んでた。
少女は選んだ。二人の道へ
「「え…?」」
2人は困惑した表情を見せ首を傾げている。
「あの…私は…その…少しの時間しか話しませんでしたけど…仲良くなったから…行かないで…欲しい…」
顔を赤く染めりんごみたいな顔になっているが言いたいことは伝えたつもりだ…後は返事を待つのみ。
「…残念だけどそれはむ「ついて来る…それは平和から危険な所に行くってことだ。…お前が居れば足手まといだ。」おい白!」
厳しい言葉に言葉を失う…それでも私は…!
「足手まといにはなりません!治療することなら得意です!…だから連れて行って下さい!」
じわっと涙が溢れ出し掴んだ手に力が入る。
「足手まといだ!」
次の瞬間白さんが私に向け剣を下ろす。私は死ぬんだな…瞳を閉じ覚悟を決めた。次の瞬間辺りは白い霧に包まれた。
覚醒した少女の力、歯車はまだ回ったばかり
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