_時代を越えて_(非募)

_時代を越えて_(非募)

xxx  2014-12-29 00:12:16 
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_____巡り巡った先の時代でのお話。



▽個人用に作ったトピなので非募集です、関係者様以外は書き込みを控えて下さいませ。
▽荒らし厳禁、なりすまし厳禁です。



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  • No.637 by 露木 菊  2015-03-18 09:48:47 


>桐崎

(翌朝アパートにてそろそろ寮へ行かねばと重たい腰を上げてのろのろと準備を始める。
昨夜の一件があってから今まであまりのショックでどう過ごしたかうろ覚えで鏡に写る自分の顔に酷いものだなと溜息を吐き、気分が乗らないままアパートを後にして。

(訪れた共同スペース、扉を開こうとしたところばったり相手と出会しては悔しさから直ぐ目を逸し相手を先に通すよう黙って道を開ける。
相手が目の前を横切りこのまま沈黙を突き通せば良かったものの昨夜の相手の言葉が頭をかすめては咄嗟に相手の腕を掴んで。
「……今日の夜、時計台で待ってる」
(短く低い声で一言だけ告げると返答も待たず共同スペースに入り『露木君、おそーい!』と騒ぐ女学生の輪の中に入り、笑顔を貼り付けレポートを手伝って。

(その夜、若頭の元へ行き一度は“女にして欲しい”と頼むも寸でのところで思い直し、吹っ切るならお金を払ってでも男のままで一緒にいたいと思い「…優希悪い、やっぱりこのままで…」と断りそのままで来るかも分からない相手を待つため時計台に向かい。

(相手の心境を理解してやれぬまま訪れた時計台、ひたすら相手を待っていると急にどこか見覚えのある男(元カノのストーカーこと元同級生)が近づいてきて。
『露木、久しぶり。お前ってさ案外諦め悪いのな』
「……は?……あ。…あんたまさか槇本(マキモト)?」
『正解。桐崎繿、待ってるんだろ?……何話すつもりか知らなけどくっつかれたら癪なんだよな』
「………何言ってるか分からない。あんたに何の関係があるんだ?」
『大有りだよ!!!俺の奈緒を奪った癖に!!!』
(急に声を荒らげる男に呆気に取られるうち手を引かれては路地裏に連れ込まれいきなり額に手をあてられる。瞬間瞬く間に目線が下がり身体が縮むと四歳ばかりの姿になって。
『露木お前は忘れてるかもしんないけど俺も能力者なんだよ。お前がクラスで目立ってくれたおかげで俺はいじめられずに済んだけどな。なのに俺の奈緒を………。っ、お前は暫くそうしてろ。記憶は数日間は空っぽだ。その間に確実にお前たちを破局に追い込んでやる』
(怒りに声を震わせながらもしっかりと子供服を着せてくれる男に優しいのか馬鹿なのかと呑気に呆れるも段々と記憶が遠のいては男が去って行くのを見たのを最後に目を閉じて。

(その後男は自分達がほぼ破局に終わっているとは知らず相手を散々時計台で待たせると自分から奪った携帯で《奈緒から聞いたよ、あんたが時計台に居るって。もしかして俺のこと待ってるの?期待でもした?誰があんたみたいな万年発情期のやつのところ行くかよ。俺今から奈緒と2人で旅行だからあんたに構ってる暇ないから。どうせあんたみたいなのは一生独りで虚しい人生送るんだろうな》と普段あまり打たない長文メールを送り、元カノが友人と旅行するのを知っていて、うまく写真を加工し旅行先で自分と元カノが仲良くしているところを添付して送りつけて。

  • No.638 by 露木 菊  2015-03-18 09:55:53 


(/お馬鹿な本体失礼します!
いつもながら滅茶苦茶な展開すみません。久々の幼児化でs((
そしてストーカー男(槇本マキモト)が能力者の設定にさせて頂きました。
はじめは自分の名前も思い出せないくらい記憶がすっからかんですが徐々に思い出していく予定です。
どう元の姿に戻るかはまだ考えてませ((←
いつも男前な繿君ごちそうさまです(^q^)
今後も我が儘菊がお騒がせすると思いますがよろしくお願いします。

  • No.639 by 桐崎 繿  2015-03-18 19:12:54 




>露木

( 相手の誘いに行こうか行かまいか悩んだがどうせ別れるのならば最後に愛しい相手の顔や姿、温もりを焼き付けてやろうと時計台へと向かう。
中々訪れない相手に疲れを切らし電話でも入れてやろうと携帯を取り出した途端にメール受信音が鳴れば相手からだろうかとメールを開く。
その文章を見た途端に思わず自嘲の笑みが溢れ髪をグシャリと掴んでは携帯を握り締めその場を去って。

( 時計台から少し離れた路地が沢山並ぶ道を宛も無く歩いてた所で路地裏に数人の人集りが見えては何事だろうかとそちらに歩み寄る。
まだ若いサラリーマンだろうか、一人の幼い少年に群がり何かひそひそと話してる様子が伺えて。
『へぇ、お前幼い男の子好きなんだ。物好きだな』
『いやマジでお前もやってみろって、その辺の女なんかよりやみつきになるよ』
『うっわ変態。………でもこの子もこんなとこに一人でいんだから………金と飯くらいやればさ、簡単に許してくれそうじゃね。すっげぇ可愛い顔してるし』
( サラリーマン達の会話に血が逆流する勢いで怒りが込み上げてはズカズカと路地に入り倒れる少年を抱き抱え慌てふためくサラリーマンを睨み付け。
取り敢えずこの少年は何なのだろうかと思いつつ寮へと向かう訳にも行かないかとカラオケ店にて部屋を一室借りては少年の顔を改めて見詰めて。
そこで驚きを隠せずにまじまじと少年を見詰めては少年の頬を軽くパシパシと叩いて。
丸で相手をそのまま子供にしたかの様な見掛けに胸が高鳴るも取り敢えず人攫いだと勘違いされては堪るかと。
ゆっくり目を開けた少年(相手)の顔を覗き込んでは「おい、お前名前は??家何処だ」と。
しかしとろんとした瞳のまま何も言わない少年(相手)に疲れを切らしては腹でも減ってるのかと大きく勘違いしルームサービスを頼んでは「ほら、腹減ってんだろ」と。
この辺りでは見た事無い顔立ちだし孤児院の子供で無い事は確かな為一体どうしようかと。
「…ったく、父さん母さんと喧嘩でもしたのか??」
( 一人でに問い掛け小さな溜息を付いてはまた先程の様な変態に手を出されたら大変だし少年(相手)を背負い取り敢えずこっそり寮へと連れて行こうと。
「取り敢えず俺の部屋来る??」
( 一応問い掛けるも返答を聞く前に立ち上がっては部屋の代金を支払い少年(相手)を隠しながら自室へと訪れて。
大き過ぎるが仕方無いと自分の服を貸しては小さな身体を抱え浴室で身体を温めて。
髪を乾かしてやらなきゃなと思うも自分は短髪な故にドライヤーなんて物は無く丁寧に髪を拭いてやっては「マジで困ったな。………てかお前名前は何なの。そういやまだ聞いてなかったな」と。

  • No.640 by 桐崎 繿  2015-03-18 19:16:46 




( / 菊君の幼児化に鼻血撒き散らしてる本体でs←
滅茶苦茶だなんてっ…寧ろ美味し過ぎて興奮気味に携帯見てました(`⊙ω⊙´)カッ!!
設定了解しました-、繿は一応子供好きなので愛でて愛でて愛でまくると思われます←
いやもう寧ろ繿じゃなくて自分が愛でた((黙

  • No.641 by 露木 菊  2015-03-18 21:05:03 


>桐崎

(知らない男(相手)の部屋に連れられ始めは緊張するも親切な対応に徐々に警戒を解き大人しくしては相手の問いかけに小さく首を傾げ「…名前、分かんない」と短く答え。
子供ながら相手が困っているのが伺え自分のせいだと思い「…ごめんなさい」としょんぼりするも、何故か相手と居ると心が落ち着き銀髪をじーっと見詰めては無性に触れたくなりベッドに座る相手によじ登ると前髪をワシャと掴んで。
「お兄ちゃんの髪、綺麗。お目々もかっこいいね」
(ニコと笑い向き合う形で相手の膝の上に跨るも、突如扉が開き『繿、ちょっと服貸してー』と兄が入ってきては慌てて相手の後ろに隠れて。
『え…誰その子?……は!繿まさか誘拐?!』
(口に手をあて態とらしく後退る兄は相手の話しから状況を理解するとすぐに若頭に電話をかけ色々確認を取り。
『…警察に届けは出てないみたい。身元が分かるものもないし、どうしようかねー』
「……ごめんなさい」
(何も思い出せない事が申し訳なく口を噤んで俯いては此れからどうなるのかという不安から相手の裾をキュッと掴んで。
『その様子だと梃子でも繿から離れそうにないね。…繿って昔っから子供に好かれやすいよね』
(ムッと顔を近づけてくる兄から逃げるよう相手にしがみついては、ふとベッド脇に置いてあるCDが目に止まり「僕、あの人達知ってるよ」と指さして。
『随分ませたもの聞くんだね。…保護者の趣味かな』
「この前ライブ行ったよ」
『へぇ、その歳で?…誰とかな?』
「………わかんない」
(肝心なところが思い出せずモヤモヤしては髪をクシャクシャと掻き乱し必死で記憶をたぐり寄せるも結局何も浮かばず、その後も相手にぴったり寄り添い相手が手洗いにいくだけの時も不安から後をついて離れずにいて。

  • No.642 by 桐崎 繿  2015-03-19 01:51:56 




>露木

( 翌日、まだ隣で眠る相手の柔らかい頬に触れながら穏やかな笑みを浮かべてはのそのそと着替え初めて。
子供達の費用も全て貯め終わり暫くの休みを貰ってる為相手から目を離す事も無いと安心しながら朝食を用意しようとしてはピタリと手を止める。
流石に子供にカップラーメンは良くないと携帯片手に料理の作り方を載せてる投稿系サイトを開いては朝食にイチオシのスープの作り方を見ながら料理を初めて。
暫く経ち皿の上にトーストを乗せてはベッドの上にて目を擦りながら起きてた相手を抱き抱えテーブルの自分の席の隣に座らせ予め冷ましておいたスープを相手の前に置きスプーンを手渡して。
「………味に保証は出来ないけど」と小さく呟いて。

( 朝食を終えテレビを見たりとしてたが相手の子供服が乾いたのに気付いてはそれに着替えさせて。
飲物などを買いにコンビニへ行く予定だったがこの調子なら着いて来るだろうなと判断し自分のパーカーをすっぽりと被せてはそのまま学校の外へと走り。
かなり離れたコンビニへと訪れミネラルウォーターを籠に入れてはトタトタと着いて来る相手の頭をわしゃわしゃと撫でて。
ここまで歩かせたのだし、と相手を抱えては「駄菓子屋あんだけどよ、行くか??」と問い掛け会計を済ませては駄菓子屋へと向かって。

( 駄菓子屋へ着いた途端見知った顔(幼馴染み)が目に入れば小さな相手に駆け寄り『な…何よこの子!!!か………可愛いっ!!!』と相手に抱き着いて。
一体どうしたのかと聞かれ少しづつ内容を説明しては幼馴染みもどうしたようかと頭を悩ませる………のも一瞬で直ぐに相手の目線にしゃがんでは“可愛い”を連呼していて。
『ふふ、お菓子食べる-??私も駄菓子屋好きなの!!繿君に連れて来て貰ったの-??』
( ニコニコと相手に話し掛ける幼馴染みを尻目に小さな籠を手渡しては「好きなの選んで良いよ」と。

( それから寮への帰り道、相手と手を繋ぎながらゆっくりと歩いては携帯を見詰めどこかまだ未練がましく相手からの連絡を待っていて。
「……………露木、」と小さく零した事にも気付かずに寮が近付いて来た為に相手を抱え上げ。

  • No.643 by 露木 菊  2015-03-19 03:03:09 


>桐崎

(相手に抱えられながら買って貰ったばかりの棒付飴を上機嫌で舐めるも相手が深刻そうに携帯を見て“露木”と呟いた言葉に「何?」と無意識に反応しては相手を見詰める。
しかしすぐケロッとすると「お兄ちゃんも食べる?」と自分の舐めていた飴を差し出して。

(寮へと付き相変わらず相手の足に纏わり付いては好奇心から訪れていた青年に駄菓子を渡し相手にも「プリン好きでしょ?」とまだ相手の好みを聞いてもいないのにプリン味のチョコを渡して。
『うわぁ、それ超甘そう。そういうの兄さんあまり好きじゃないよ』
「………」
(青年の言葉にムッと拗ねては、丁度相手の携帯が鳴って男が奪った自分の携帯で嫌がらせのごとく元カノと自分が仲良くする加工写真を添付し《あんたは一生独りだろうな》と心に傷を負わせるような言葉を態々選んで送りつけ。
相手の膝の上に乗っていたため、偶々自分の写る写真が見えてはドクンと大きく胸が脈打ち「この人、誰?」と相手に尋ね“露木菊”だと聞いたところで今まで空っぽだった脳内に記憶が流れ込み漸く自分が誰かを悟り状況も理解すると一気に青ざめて。
『……ん?僕どうしたの?なんかあった?』
「……ぁ、…いや、何でもない、よ」
(歯切れ悪く答えては相手の膝の上から慌ててどいて急に余所余所しく間を置くと壁に張り付くように後退り。
「俺…ぁ…僕、家、思い出したから帰るね。お世話してくれてありがとう」
(ぎこちなく笑んでは、何故身に覚えのない写真が相手に送られたのかと訝しむ以前にこんな姿で相手といられないと焦燥にかられグッと背伸びしてドアノブを下げて外に出ると一目散に駆け出す。
が、其処は子供の足、思うように足が前に出ず一度派手に転ぶも瞬時起き上がり“早く男(槇本)を見つけだし元に戻して貰わねば”と階段を駆け下りて。

(その頃、男は自分が相手に拾われた事を知り、誤算だったと焦っては幼児が自分だと知られる前に相手の精神を傷付け完全に自分への想いを断ち切らさせねばと策を考え。
自分(菊)の携帯で《…さっきは御免。…本当はあんたが女と仲良くしてるって聞いてすごいむかついて勢いでやったことなんだ。ちゃんと謝りたいから明日会わないか?…俺、今でもあんたのこと信じてるから》と嘘のメールを送り。
その後すぐそのまま自分(菊)の携帯で裏で見世物をする店に《桐崎って良い能力者を紹介するんで明日この廃工場に来てみてください。高値を期待してます》と相手に指定した待ち合わせ場所と同じ場所を指定して送って。

  • No.644 by 桐崎 繿  2015-03-19 04:10:08 




>露木

( 丸で自分を知ってるかの様なら物言いの少年に散々疑問を浮かべるも自分の携帯に来たメールに気付いては一気に表情が暗くなり。
目前の幼い少年(相手)に良く似た相手の事を問われては特に隠す事も無いかと相手の名前を告げる。
しかし突如少年(相手)の表情がサッと変われば“家を思い出した”などと述べ部屋を出て行ってしまって。
『うわ、ちょ…流石に危ないよね』
「急いで追い掛ける、餓鬼一人は流石に心配だし」
( 青年と共に街まで来た所でまた携帯が鳴り響けば先程と打って変わった内容に頭を悩ませる。
しかしまだ未練がましく愛しく思ってる相手の誘いを断れる筈も無くいとも簡単に流されてしまっては若頭へ連絡を回す青年に少し外すと告げて。
急な心変わりなど怪しいとは分かってるのに廃工場まで来てしまえば重たい扉を開け「………露木、居るのか」と小さく呟いて。
『へぇ、お前が桐崎??』
「……………は??……あんた達、…誰だよ」
『口が悪い子は嫌いだな。まぁ良いや、誰が一番金を出すか見物だね』
( 男達に囲まれながらもその言葉が理解出来ずにひたすらに状況を理解しようとして。
相手は何処にいるのか、この男達は何なのかと懸命に思考を巡らせる中、男の次の言葉に頭が真っ白になり信じられないと。
『誰も何もお前の事露木に紹介して貰ったんだよ、“良い能力者が居る”ってな』
『まだ若いしこれは良い金儲けになるね。露木君に感謝しなくちゃな』
「……………露木が??……………」
『ほらよ、証拠のメール。しっかりと露木からだろ??』
「………そんな筈…」
『売られたんだよ、馬鹿みてぇに尻尾振ってっから。まぁしっかり飼い慣らしてやらぁ』
『さ、値段が高い物から彼を引き受けるルールだね。露木君にも金を送らなきゃならないし一番高額の人の手に行く事になる』
( 一人の男が自分の能力を刺激するかの如く首を締めて来ては咄嗟的に能力が解放されてしまい。
何度も意識が遠のこうとする所、男達が次々と額を上げた値を言ってるのが耳に入ってはもう本当に相手の心が手に入る事は無いのだと。
どうやら自分の値が決まったらしく一人の男に首根っこを掴まれては『ほら、大人しくしろ』と。
無理矢理明日からの仕事を言い渡されては誰が従う物かと顔を背ける。
その態度が気に入らなかったのか頬を思い切り殴られては冷えた心を隠しながら廃工場を後にして。

( 切れた口内の痛みに眉を寄せてた所でまた携帯が鳴り響いては《まんまと騙されたんだ。あんたって本当に馬鹿だな、そんなに俺が好きだったんだ》と挑発する様なメールが届いて。
苛立ちが込み上げ電話を掛けるも相手が出る事は無く留守番電話に繋がっては“メールは出来ても電話には出れないのか”と。
「誰がテメェみてぇな薄汚ぇ身売りに本気になるかよ。自惚れ過ぎだろ、笑わせんな。………最初から本気になんてしてねぇんだよ。………今日の事、許さねぇから。次会ったらマジぶっ殺してやるからな」
( 暴言を散々撒き散らし留守番電話を切ってはコンビニにて水を購入し腫れた口内を冷やして。

( その頃、幼い姿の相手と出会した能力者の男は相手の姿を見るなり憐れむ様な笑みを浮かべる。
そして不意に取り出した相手の携帯で先程の自分からの留守番電話を再生しては面白そうに笑って。
『桐崎は最初から露木なんて見ても無かったんだよ。…だって露木と付き合ってる最中も女との関係は耐えなかったんだから。桐崎が洋風の居酒屋のバイト始めたのだって若い女性に人気の店だからって知ってた??』
( 上手な嘘をつらつらと並べては相手の様子を伺っていて。

  • No.645 by 露木 菊  2015-03-19 09:58:42 


>桐崎

(街の中、男の行方を探していると向こうから接触してきて、聞かされた留守録と男の言葉に絶句しては小さく首を横に振って「嘘だ…」と後退る。
しかし男に腕をつかまれ何処で見ていたのか『ついこの前本人から直接同じようなこと言われただろ』と耳打ちされては今までの甘い時間は本当にまやかしだったのだと失望して。
それでも今の身体では何かと不便、戻して貰おうと男に頼むも聞き入れては貰えず『もう暫くそうしてろ』と突き放され、結局携帯も奪い返せずに去りゆく男のポケットからはみ出る相手から貰ったストラップが揺れ動くのを虚しく見詰めることしか出来ずに。

(トボトボとアパートに戻っては大家に“露木の親戚”と適当に理由をつけ首を傾げられながらも予備鍵を得ると自室に入りベッドに倒れ込む。
目を閉じれば相手の喜怒哀楽の表情が走馬灯のように浮かび、意に反して涙が込み上げてきてはしゃくりを上げて布団にくるまり気付けば眠りについていて。

(目覚めたのは翌朝、本などを踏み台にして何とか朝の身支度をするも子供服は一着しかなかったため洗濯が終わるまで家で大人しくしては、洗濯後着替を済ませ今度こそ男に元に戻して貰うため街に出て男を探し、相手のことは考えないようにして。

(その頃、相手を買った男はしつこく相手に連絡を取り応じなければ青年に手を出すと脅迫して廃墟に相手を呼び出しては訪れた相手を乱暴に硬いマットに放り投げ。
『たく、従順だったら可愛がってやったものを。…今日は仕置だ』
(ニタリと笑み力尽くで相手を抑え込むとトラウマを抉るように煙草をちらつかせ『お前の弱みを告げ口したのも露木だぜ。ちなみに赤城だったか?あいつをだしに使ったのも露木だ』と男(槇本)が自分の携帯から送ったメールを見せつけて『にしてもお前、いい顔してる上に肌も女みたいに綺麗だな。…今夜野郎どもに売り捌くのが楽しみだ』と相手の髪を撫で上げて。

(一方自分は偶然、相手が怪しい男と廃墟に入っていく姿を目撃し外の見張りが『あの餓鬼上物だし相当高値で売れるぞ』『俺も遊びて~な~』と話すのが聞こえ、一度は“あんな遊び人、痛い目見た方がいいんだ”と素通りしようとするも、未練がましく相手を想う気持ちが見てみぬ振りなど出来るはずもなく、小さい体を利用し見張りの目を盗んで裏口から中へ侵入すると痛々しい暴行の音がする方へ息を顰めて忍び寄り物陰から様子を窺い。
相手が痛めけられる光景、酷い惨状に精神まで幼稚になったのか足が竦み震えるもこのままでは駄目だと恐怖を勇気に変え飛び出しては男の腕に爪を立て手加減なしに噛み付いて。
殴られようが決死で男に喰らいつき隙を見ては男の急所に蹴りを入れて怯んでる隙に男から相手の携帯を奪うとすぐにアドレス帳から兄に電話を入れて。

  • No.646 by 桐崎 繿  2015-03-19 14:42:13 




>露木

( 男達からの酷い暴行の最中、これも相手が仕組んだ物なのかと勘違いを続け抵抗しようとも人数的に難しい所がありいとも簡単に気圧されて。
青年達にまで手を出されたら堪らないと必死に自分を押し殺してた所で小さな影が横切ったと思えば一人の男に噛み付き携帯を奪うのが見えては別の男が小さな相手に殴り掛かろうとして。
咄嗟に身体が反応し相手の上に多い被さっては兄に連絡を入れたとも知らず「親は、どうした。………危ないだろ、フラフラしてたら変な奴に捕まるぞ」と小さく叱りそのまま抱き締めて。
『おいおい、良いのかよ。露木がお前を売ったんだぜ??好きにして良いって言われてんだ、ジッとしてろってんだ』
「……………煩ぇな、取り敢えずこの餓鬼安全な場所にやってくんねぇか。…そしたらちゃんと大人しくしてやるよ、こんな小せぇ餓鬼に見せるもんじゃねぇだろ」
『悪いが躾のなってない餓鬼は嫌いでね、悪いがそれは聞いてやれねぇな』
( 尚も相手に暴力を振るおうとするのに何とか盾となっては懸命に逃げ道を探す。
しかし不意に重たい鉄の扉が開いたと思えば若頭と共に兄や青年が立っていて。
『その子、一応僕の友人なんだよね。君達が人数でやろうってんなら僕はその倍の人数を出そうかな。言っとくけど木ノ宮グループの部下達はみ-んな武道とか優れてるからね??』
( きょとんと態とらしく首を傾げる若頭の顔は割と知れており顔色を変えた男達はさっさと逃げて行ってしまい駆け寄って来た兄に軽く頬を叩かれて。
『あ-もう馬鹿じゃないの。…って言うかその子が連絡してくれたんだ、随分器用な子だね』
『あれ??お父さんとお母さんの家思い出したって…………ってまた抜け出して来たの-??』
( 困り顔の青年とは真逆に相手に似てる事からデレデレとする兄と青年を見詰めては小さく礼を言って。
外は既に夜、一人で家に向かわせるのも心配だと小さな相手を寮へと連行しては若頭が用意してくれた子供服を受け取り自室へと来ては温めの風呂を沸かし一人で入ると聞かない相手の言葉を無視して。
「前は一緒に入っただろうが、急にどうしたんだよ」
( ボソリと呟き入浴を終え慣れない手付きで自分の傷の消毒を済ませてはまた携帯片手に料理を始める。
難しい顔をしながら何度か味見をし、出来た料理をテーブルに並べてはテレビを付けて。
「料理とか本当苦手なんだ。…母さんは上手かったんだけど…流石に教えて貰う年じゃねぇし。………俺の作ったの旨いって言ってくれたの露木くらいで………」
( 僅かに表情を綻ばせながら相手の名前を言った所で視線を下に向けては誤魔化して。
中身が相手だとも知らずに無意識の内に携帯を何度も気にしてしまい。
食事や洗い物などを終えのんびりとした時間を過ごしてた所で相手を軽々と抱き抱えては自分の膝の上に乗せ髪を拭いてやる。
鼻は効くつもりで僅かに感じた“相手”の匂いに反応しては僅かに眉を寄せ「お前マジ何処の子??……………露木の、知り合いか??」と。
柔らかい頬に触れながらその可愛らしさに思わず頬を緩めては自然と笑みが浮かび。

  • No.647 by 露木 菊  2015-03-19 21:54:59 


>桐崎

(ボロボロの身体で身を挺して庇ってくれる相手に胸がズキズキと痛み、きっと“子供だから”守ってくれるのだろうと悲観的になっては、兄達が来て漸く解放されると直ぐ退散しようとするも敢え無く相手の部屋に連れられて。

(相手の部屋にて、丁寧に風呂に入れられ子供服を着せられては帰る隙を窺うも一生懸命作ってくれた料理を目の前にして帰るに帰れなくなり結局その美味しさにペロリと平らげては眠気からウトウトしはじめ相手の膝の上に簡単に乗せられる。
次ぐ問い掛けに小さく肩を揺らしては視線を横に流し「…親戚って聞いたよ」と短く答え、相手のきれいな微笑みを見てはもう二度と“自分”に向けられる事はないのだろうなと。
相手の留守録が脳裏を過り、相手が(男の虚言を含む)自分に傷付けられているとも知らず一方的に捨てられたのだと勘違いし続けては相手を悲しげに見上げ「……露木さんは身売りなの?」とほぼ無意識に尋ねて。
すぐハッとなっては「なんでもない」と首を横に振り、相手の頬の傷に触れては「…大丈夫?」と(嘘の)自分のせいでついた傷とも知らず心配しては相手はいつも人の為に傷だらけだなと眉を下げ。
____こんなにも優しい相手にあんな暴言を吐かせたのは自分のせいかもしれない。
____もう相手といられないなら一生このままで………。
そんな甘えが生まれては子供のせいか緩くなった涙腺からホロホロと涙が零れ落ち其れを隠すように相手に抱き着いては思わず「…繿」と呼んでしまい。
もしかしたらバレた…と蒼白になっては「ご、御免なさい」と早口で謝り一目散に相手の部屋を飛び出し、丁度相手の部屋にプリントを届けに来た男子高生にぶつかるのも気にせずひたすら走って。

(その頃、男は相手の部屋のポストに仕込んだ盗聴器により現状を把握すると直ぐに街に出て公園の遊具(トンネル)の中に身を隠す自分を引きずり出しては大人用コートを被せ有無を言わさず元の姿に戻して『ほら、さっさと服着ろ。お前もそんな格好じゃ困るだろ』と服を投げ渡し。
何故このタイミングで…と男を睨みつけながら服を着ては「…あんた何がしたいんだよ」と何も知らず問うも男が応える代わりに昼間見かけた男(相手を買った男)が現れ『桐崎には逃げられたからな。代わりにお前が稼ぎになってくれるって聞いてよ』と強引に口付けられて。
戻った反動で関節が痛み碌に抵抗も出来ずその姿は求め合っているように見えなくもなく。
その間に男(槇本)は、相手に接触を試み“子供なら公園に居た”と言うつもりで。

  • No.648 by 桐崎 繿  2015-03-20 00:01:47 




>露木

( 涙ながらに自分の名前を呼んだ様子にピクリと反応しては問い詰め様とするも逃げ出されてしまえばそれも適わずに項垂れる。
続け様に開いた扉から同級生の男子生徒がプリント片手に自分を引き気味に見詰めてるのが目に入れば「何??」と問い掛けて。
『…や、お前子供居たんだな。…噂とか凄かったから色々あんだろうなとは思ってたけど孕ませてたとかヤバくね??』
「はぁ??」
『じゃ…じゃあな。俺戻るからさ』
( 見事な勘違いをしたまま去って行く男子生徒に溜息を漏らしつつ兎に角少年(相手)を探さなければと判断して。

( 寮を出てひたすらに相手を探してた所、見ず知らずの男にドンッとぶつかれば慌てて頭を下げて。
表向き人の良さそうな雰囲気の男性に『どうしたんですか??慌ててる様子ですが…』と問われては親戚の子供が一人で出て行ってしまったと話して。
『もしかして…さっき居た子かな。公園の遊具の中で啜り泣いてました、僕も声を掛けてあげるべきだったんですが急いでて………すみません』
「あ、…いえ。じゃあ公園行ってきます」
( いとも簡単に騙され公園へと向かえば向こうの遊具に人が動く陰が見えては真っ直ぐそちらへと駆け寄り「おい、また一人でフラフラ……………、」と。
相手が男に抱き着き求める様にも見えるその光景に目を見開いては蔑む様な目線を向けて。
「お取り込み中悪いけど此処は子供が遊ぶ場所だ。ホテルなりなんなりに行ってやれよ」
( あくまで平然を装いながら淡々と蔑みの言葉を言うもキリキリと痛む胸が悲鳴を上げてしまい。
歯をギリギリと噛み締め相手の前髪を掴み無理矢理目を合わせては「……………へぇ、俺もそいつ等と同じ??金なんて払ってないのに俺の相手したのは身体の相性が良かったからか??」と。
「次会ったらぶっ殺してやろうと思ってたけどな、馬鹿みてぇに他の男によがってんの見たら冷めたわ。命拾いしたな」
( 悔しさから拳を握り締めては逃げる様に公園を後にして。

  • No.649 by 露木 菊  2015-03-20 00:45:55 


>桐崎

(男から逃れようと力の入らない身体で必死に抵抗していたところ、現れた相手に背筋が冷えては誤解だと言う間もなく蔑みの言葉を浴びせられ身勝手に傷付く。
相手の心の痛みも知らずに何で自分だけが責められなければいけないんだと、そっちだって女と散々遊んでいた癖にと怒りが芽生えては唇を噛み締め八つ当たりするように男を突き飛ばし何度か転びそうになりながらアパートに駆け込んで。

(翌朝洗面所にて座り込んだ状態で目を覚ましてはジトリと重たい髪に濡れたまま寝てしまったのかと溜息を吐き、フラリと立ち上がっては軽く顔を洗って着替えを済ませバイトに行く準備をする。
と、ポストに自分の携帯が入っているのに気付いてはおずおずと手に取るも受送信履歴は空で相手のあの留守録だけが残っていてすぐに削除してはアパートを出て。

(その頃、元カノは友人との旅行を終えて戻ってきたところ、偶々相手と出会しては男によって自分と旅行に行ったことにされていたとは知らず普通に話し掛けて。
『あ…こんにちは。…あ、此れ友達と旅行行ったからその御土産。良かったらみんなで食べてね。………桐崎くん、なんか疲れてる?』
(相手の顔色を心配するも直ぐに『御免なさい。私に心配されても困るよね』と眉を下げて謝り『旅行行く前にね、菊から桐崎君と付き合ってるって聞いたの。…それになのに私、菊に困らせるようなことお願いしちゃって…。………菊とは上手くやってる?あれから全然連絡なくて…』と現状を何も知らずに悲しげに溜息を吐いて。
その時元カノと一緒に旅行に行っていた友人が『ねえねえこの恰好良い人だれ?』と口を挟んでは『私、奈緒の友達。よろしくね』と相手を上目遣いで見詰め『連絡先教えてよ』と馴れ馴れしくして。

  • No.650 by 桐崎 繿  2015-03-20 02:48:08 




>露木

( 掴めない元カノの話に“露木と旅行に行って仲良くしてた癖に何のつもりだ”と勝手な苛立ちが込み上げては「上手くやってる訳無いだろ」と追求せずに素っ気なく答えて。
困った様に眉を下げる元カノの行動や表情の意味も分からず相手と仲良くしてる罪悪感からそんな顔をしてるだけで所詮は偽善なのだろうと。
軽々しく連絡先を聞いて来る元カノの友人にもへらりと胡散臭く微笑んでは「良いよ、赤外線出来る??」何て問い掛け携帯を取り出して。
しかしそれを見た途端元カノが自分の手を掴み『ちょっと!!!…っ、どういう事よ』と。
「あ??あんたに関係無いだろ」
( 冷めた瞳で元カノの手を振り払えば友人とのアドレスを交換しさっさとその場を後にして。

( 結局少年(相手)も見付からずに困り顔で寮へと戻ろうと考えるも久し振りに孤児院へと顔を出しては届いていたランドセルやらを見せて来る子供達に微笑みを零し軽く頭を撫でてやって。
院主に封筒に入れた貯金を渡しては子供達の費用に使ってくれと頼んで。
それから休む事無く寮へと戻っては共同スペースにて暇を潰すもふと現れた青年に『兄さんレンタルショップ付き合ってよ-』と言われてはあからさまに嫌そうな顔をして。
「は、一人で行けば良いじゃん」
『…え-やだよ。一緒に来てってば』
( レンタルショップには相手がいると渋ってたが青年の押しに負けては渋々相手のバイト先であるレンタルショップへと向かう事にして。

  • No.651 by 露木 菊  2015-03-20 03:28:06 


>桐崎

(バイト先にてバックルームで指定の服に着替え棚戻しをしていたところばったり青年と相手に出会しては始め会った時のようにあからさまに嫌そうな表情をして相手を睨みつけ。
「…今日は女じゃないんだな。性格悪いのバレて嫌われたか?」
(刺のある言い方で冷ややかに述べるも全く罪のない青年には申し訳なく思い目を逸らす。
当然、男の策により自分が青年をダシに使った事になってるなど知らず相手に視線を戻しては「てか。昨日あんたが邪魔したせいであの男から金貰い損ねたんだけど。……あんた女引っ掛けていくらでも稼げるんだろ?損した分の金、弁償してくんない?」と心にもない訳の分からない事を述べ内心舌打ちするも、どうせ自分など何とも思ってない相手にとっては屁でもないだろうと。
「…身体の相性がどうのとか言ってたけどそんなんじゃないから。ただあんたが近くに居て、そこそこ顔も良いから利用してやっただけ。病気貰うリスクも減るからな。特別な感情なんて一切なかった。ぶっ殺してやろうなんて熱くなって本当滑稽だったよ」
(鼻で笑うように言うも胸はズキズキと痛み幼児化した時に携帯をしきりに気にして“露木”と名を呼ぶ相手の表情が浮かんではギリッと奥歯を噛みしめる。
こんなものに惑わされるなと、期待するだけ無駄と言い聞かせては相手を睨みつけ口を開きかけるも突如見知らぬ女(元カノの友人)が『あー!偶然!!』と近寄ってきて。
『さっきぶりだね。アド交換した直後にメールしたんだけど気付いた?』
『えー兄さん誰、この人?』
「…………」
(馴れ馴れしく相手に色目をつかう女に未練がましく嫉妬してしまう自分に気付いては小さく舌打ちし「……今夜の相手だろ。……ほんと虚しいやつ」とボソッと蔑んで。
その時、店長が此方を見る鋭い視線に気付いては流石におしゃべりが過ぎたとバイトに戻るため何も言わずに店の奥に行こうとして。

  • No.652 by 桐崎 繿  2015-03-20 04:10:43 




>露木

( レンタルショップにてばったりと出会してしまった相手が嫌顔をあからさまにしてるのに内心胸が痛むもそれを表情に出さない様に努めては昨日の事は相手が自分からした事なのかと勘違いして。
身売りなんて思ってる訳が無い、今でも相手を___と胸が苦しくなる為考えるのを止める様にしては駆け寄って来た元カノの友人に一瞬首を傾げる。
誰だっただろうかと思い返してた所、元カノの友人の言葉に漸く思い出しては「ごめん、気付かなかった」なんて言いながら気安く女の頭を撫でて。
嫌味を言い残し去って行く相手の肩を掴み無理矢理此方に振り向かせては蔑む様に相手を見詰める。
「ほらよ、昨日の弁償代。………は、態々俺から金巻き上げなくてもその顔と身体がありゃ幾らでも稼げんじゃねぇの??」
( 万札数枚を相手のポケットに捩じ込みわたわたとする青年と勝手に着いて来る女と共にレンタルショップを後にしては女の“また今度会おう”と言う約束に適当に頷き寮へと向かって。
『に、兄さんまた露木と喧嘩したの??』
「別に」
『それに…夜な夜な兄さんが外出してるの…俺だって知ってるんだからね。露木の学年でも“桐崎は女遊びがどうたらこうたら”って噂になってる………』
「当たりって事で言わせとけよ」
( 本当は相手と別れた後に女に手を出す気になんてなれる筈も無く孤児院に通い詰めてるだなんて言えずに。
新しく孤児院へと来た少女と少年の姉弟がまだ孤児院に慣れずに夜に泣きべそをかいてるのを慰めに通い詰めてるだなんて理由格好悪い事この上なく。
青年が何か言いかけたがさっさと自室に戻り「じゃ、早いけど俺もう寝るから」と告げて。
また自分を騙す様な言葉で構わないから相手からの連絡が欲しいと未練がましく携帯を見詰める自分に嫌気が差してはベッドへと横たわって。

  • No.653 by 露木 菊  2015-03-20 08:51:54 


>桐崎

(夜、バイトを終えては着替えをする際床に落ちる万札に何であんな無意味な侮蔑をしてしまったのかと唇を噛み締め“お金なんていらないのに…”とクシャリと札を広い上げ帰り支度を済ますとアパートへ向かって。

(その帰り道、同じ学科の男子学生に出会しては何故かニヤニヤと近づいて来て“相手の噂”について話し始め。
『お前、桐崎と仲良かったよな?いい女紹介してくれるように頼んでくんない?』
「…は?……自分で頼めよ。それに俺、彼奴と仲良くないし」
『え?そうなの?なんか一部の女子の間で同人誌だっけ?流行ってるって聞いたけど』
「……いつの話だよ。向こうが勝手に騒いでるだけだから」
『なんだそうなのかぁ。…桐崎なら毎晩みたく女と遊んでるらしいから絶対ツテになると思ったんだけどなぁ』
「…………」
『あ、露木知ってるか?彼奴、隠し子いるらしいぜ。この前見たって奴がいるんだよ。あいつバイトめっちゃしてたけどそりゃあ女に貢いで餓鬼もいれば金もいるよなぁ』
(ペラペラと良く喋り相手を蔑みだす男子学生に段々と苛々してきては「…そうやって人の噂馬鹿みたいに喋って楽しいか?」と睨みつけつつ、“隠し子”が自分の事とも気付かず噂を信じては悔しい気持ちでその場を立ち去って。

(翌朝、睡眠不足で重たい身体を起こしては教授からの呼び出しがあったためさっさと身支度をすませるも、ふと相手のCDが目に止まり、まだ返してなかったかと。
兄にでも渡して…と思うが借りた物くらい自分で返せよと変に真面目になっては、ここまできて“相手に会いたい”という気持ちを隠し連絡もせずに相手の部屋へと向かって。

(その頃、元カノの友人は昨晩から今まで逐一自身の行動を報告して《繿君今何してる??私は今半身浴中(*´ェ`*)♡》《おはよー、今日の服は何色ー?私はピンクだよ♪っていうかKSって繿君忙しいの?(´・ω・`)》と返信がなかろうとしつこくSNS(L○NE)にメッセージを送り《繿君子供好きで孤児院に寄付してるんだってね。私実家がパン屋なんだけど良かったら孤児院に行ってパン作り教室開くよ!勿論無償で!…それが終わったら2人で夜お出かけしよーね♡》と何とか相手の気を惹こうと必死でメッセージを送って。

  • No.654 by 桐崎 繿  2015-03-20 14:14:52 




>露木

( 元カノの友人のしつこいメールに軽々しく連絡先を交換するんじゃ無かった、なんて後悔するも流石に既読無視を続けるのも失礼かと《今度な》と適当で短い文を送っては孤児院へと電話をして。
院主に繋いで貰ったのは孤児院に来たばかりの姉弟、最近暇があれば連絡を取っていて。
『もしもし、…繿兄ちゃん??あ、今お姉ちゃんに代わるね』
「良いよ、どうせ聞こえてるだろ」
『うん、聞こえてるって。繿兄ちゃんは今学校??』
「あぁ。お前達も落ち着いたらちゃんと小学校通わせてやるからな、ランドセルも筆箱も好きなの選べ」
『良いの??僕妖怪ウ○ッチのが良いなぁ』
( 元気そうに話す姉弟に心温められてた所、ふとノック音が鳴り響いては携帯を耳に当てたまま玄関を開け。
想像もしてなかった相手の訪問にあんぐりと口を開けつつ兎に角電話を切ろうと「ごめん、後で電話するから一旦切る。来週の土日開けとくから筆箱とか見に行こうな」と告げ電話を切って。
冷ややかな表情とは裏腹に煩い鼓動に嫌気を感じつつ「何か用??」と言葉少なに問い掛けては差し出されたCDに漸く相手に貸してた事を思い出して。
「………別に態々届けに来なくて良かったんだけど、何なら捨ててくれても良かったし」
( ブツブツと文句を翻つつそれでも本心は相手に会えた嬉しさもあり顔を背けては微妙な空気に溜息を付く。
俯いたまま頭をガシガシとかき乱しては「………さっさと行けよ。………お互い顔も見たくねぇんだから」と。
玄関口からでも伺える散乱された子供服(幼児化の相手に着せるつもりだった若頭からの貰い物)になど自分でも気付けずにいて。

  • No.655 by 露木 菊  2015-03-20 18:49:32 


>桐崎

(電話片手に誰かとの電話を切る様子にどうせ女だろうと勘違いしつつ、冷ややか表情と“互いに顔も見たくない”という言葉にズキリとなっては顔を逸し「……だったら態々来るかよ」と思わず小さく吐き捨てていて。
ふと相手の室内に見えた子供服、それが自分の為の物とも知らずやはり噂は本当だったのかと馬鹿な思い込みをしては何処か憐れむように相手を見て。
「……あんたってさ、いつから“そんな”なの。…女と遊んで子供まで作って……、もしかして子供に優しいのも孤児院に金入れてるのも罪の意識から?…だったとしたらすごく虚しい…。あんたの笑顔が…罪悪感からだったとしたら…俺は、悔しいよ」
(幼児化した時相手が向けてくれた柔らかな微笑が脳裏に浮かんでは軽く唇を噛み締め相手を僅かに揺れる瞳で見据え。
「…そんなに、……そんなに女と道理わきまえず遊びたいなら俺が女になって相手してやるよ。…女の俺なら金払ってでも相手して良いって言ってたよな?…俺もそこらの男相手するよりあんたのが楽だし、あんたも知らない女孕ませて罪の意識感じるなら俺のが気が楽だろ?」
(やや早口で、見当違いで訳の分からないことを述べては自分でも“何を言ってるんだ”と目を逸らすも口は止まってくれず「…別にあんたの為とか一切ないから。…あんたが女と遊ぶとさ…俺、あんたと連れ添ったことあるから俺まで周りに遊び人だって思われて迷惑してるだけ…。だからさ…さっき言ったこと考えといてくんない?」と嘘を並べ立て。
どうせただの虚言、返事を聞くまでもないし相手も気にも留めないだろうと早々にその場を立ち去って。

(翌土曜、未だに男(槇本)からの嫌がらせメール(相手と女の写真)が送られてきており、同じように相手にも元カノとの写真が送られてるとは知らず尚も嫉妬する自分に苛々してはベッドに携帯を放り投げる。
と、全く同じタイミングで携帯が鳴り“なんだよ”と毒吐きつつ着信に出てみると幼馴染の明るい声が響き。
『あ?菊?今日暇?暇だよね?今から百貨店来てくれない?従兄弟がさー、もうすぐ入学するんだけどまだお道具箱とか買ってないらしくて、それ買うから荷物になりそうなのよー。…ナツが好きそうな雑貨屋さん教えて上げるから!今すぐね、よろしく!』
(プツン、と一方的に電話が切れては相変わらず圧しの強いやつ…と溜息を吐くも特に用事もなかったためさっさと支度を済ますと百貨店へ向かって。

  • No.656 by 桐崎 繿  2015-03-20 19:39:51 




>露木

( 相手の言葉と切なげに揺らぐ瞳に押し黙るも一瞬“どうせなら相手の誘いに乗り偽りでも相手に触れられたら…”と考えるもそんなのは甘えた考えだと。
女遊びなんてしてないし夜抜け出してるのは孤児院の姉弟を寝かし付けに行ってるだけ。
しかしそんな事を言うつもりも無く唇を噛んでは下を向いたまま小さく息を付いて。

( 姉弟との約束をした土曜日、孤児院まで迎えに行き姉弟と共に百貨店へと訪れてははしゃぐ姉弟に無意識に頬を緩めていて。
二人の親は20代前半のまだ若い両親だったが碌に子育てもせずに育てるのが面倒になったという最低な理由で孤児院へと二人を置いて行った。
少しずつで構わないから二人の心の傷を癒したいという一心からパタパタと走り回る二人を追い掛けて。
『繿兄ちゃん、好きなの選んで良いの??』
「良いよ。ちゃんと気に入ったやつ選べよ」
『遙花(ハルカ)これが良いな、ピンク色の筆箱!!!陸(リク)はどれにするの??』
『僕はこれ-』
( 鉛筆やら消しゴムやらセットになってる箱を抱える笑顔の二人の頭を軽く撫でては会計を済ませ自分達で荷物を持ちたいと言う二人に紙袋を渡して。
『僕達今まで学校とか行った事無いから楽しみだな』
『友達とか沢山出来るかな』
( 不安げに話す様子に「出来るよ」と優しく答え次は上履きやらランドセルやらを身に行こうとした時、向こうから幼馴染みと共に歩く相手を見付けては咄嗟に逆方向に逃げようとするも『あ、繿く-ん!!!』と自分を呼ぶ幼馴染みの声にピクリと反応し硬直して。
『あら??この子達は……………』
『こんにちわ!!!僕達孤児院に新しく来て…小学校行くから繿兄ちゃんにランドセル買ってもらうの』
『可愛い筆箱買って貰ったの』
( ニコニコと話す二人の背後で軽く頭を抱えては相手を一切見ない様にぎこちなく微笑んで。
『まぁこの時期から小学校ってのも…訳ありなのよね。でも二人ともとっても元気ね。よし、お姉さんが生ジュース奢ってあげようかな』
『本当??!!』
『やったぁ』
( 飛び跳ねて喜ぶ二人に内心慌てるも断れる雰囲気では無く。
相手も自分も互いに顔を合わせられる仲では無く微妙な表情で俯くも既に姉弟は幼馴染みに打ち解けて。

( 生ジュースの店へと訪れ席に腰を下ろすもその場の雰囲気に慣れる事が出来ず「ごめん、ちょっと電話して来る」なんて言っては喫煙所へ向かい未成年にも関わらず成人を気取り済まし顔で煙草をくわえて。
その頃、姉弟が『私達ね、最近やっと自分で寝られる様になったの』と得意気に話していて。

  • No.657 by 露木 菊  2015-03-20 21:35:07 


>桐崎

(電話をすると言って席を外した相手にホッとしつつ、無邪気に笑う子供達の様子から相手によく懐いているのが窺えては“こんなにも子供が心を開くのに、あんな辛辣な言葉を言うだろうか”と一瞬疑うも、相手も“人間”…いろんな顔くらい持っているだろうと期待しないようにして子供達の話に耳を傾け。
『繿兄ちゃんね、いつも忙しいのに僕達が夜寝れないって言ったら一緒に寝てくれんだよ』
『ギューッてしてくれるの。だから安心して寝れるの!』
「……へぇ。…ねえそれっていつの話?」
『最近ずっとだよ!』
(ニコニコとジュースを飲む少年の言葉にまさかと…と青ざめる。
相手は最近ずっと女と遊んでいた筈、写真だって送られてきた…では何故だと…_。
脳裏にあの男(槇本)の姿が浮かんでは嫌な予感がしダラリと冷や汗が流れ。
『あれ、菊なんか顔色悪いけど大丈夫?』
「…あ…ああ、悪い。俺ちょっと用事思い出したから先帰る。…じゃあ、気をつけて帰れよ」
(平静を装い笑顔で述べては男を問い詰めるためさっさと現地点六階から一階までエレベーターで降りるも荷物持ちで買い物に連れ添ったのに手ぶらでは意味が無いではないかと。
上りのエレベーターに乗り直し六階を押すも一度三階(喫煙所有)で止まってはあろうことか相手と乗り合せ、しかも狭い密室二人きりになってしまい。
どんだけ運悪いんだと嘆くも数十秒の我慢。ひたすら沈黙を守り階数を示す電子版を見るも五階に来た所で突如ランプが消え、ガタンと大きく揺れてはエレベーターが停止しその反動で相手に寄れかかってしまい。
「…わ、悪い……」
(咄嗟に謝りガバッと距離を取っては真っ暗になったエレベーター内に何事かとすぐ非常用ボタンを押すも応答はなく、予備電源も作動する気配は全くなくて。
携帯も当然繋がらず“ここら一帯の停電だろうか”と頭を痛めてはハァと大きく溜息を吐いて壁に凭れ掛かって。
「……なんであんたなんかと……、……煙草臭いし」
(気まずさから気にもしない事を悪態吐いては再び溜息を吐くも、先刻の子供達の言葉を思い出してはチラと相手の居るほうを見て「………なあ…最近孤児院に通いつめてったって本当か?………女と会ってたってのは噂だけ?」と小声で尋ね暗がりで見えない相手の反応を窺って。

  • No.658 by 桐崎 繿  2015-03-20 23:03:33 




>露木

( 止まってしまったエレベーターの中、煙草の匂いを気にしつつ相手から離れては俯いて。
続いて問掛けられた相手の言葉にピクリと反応するも此処で真実を言ってしまえば優しい相手はまた自身を責めてしまうのだろうなと。
「……………そ、んな訳…無いだろ。あんた馬鹿だな、まだ俺の事信じようとか思ってんの??………残念ながら毎日毎日色んな女とお楽しみだよ」
( 鼻でせせら笑い遊び人を気取っては中々戻らないエレベーターに苛立ちつつ重い空気に唇を噛み締めて。
電波の繋がらない携帯を見詰め幼馴染みやあの姉弟は平気だろうかと眉を寄せる。
苛々としながら煙草を咥えジッポライターの火を口元の煙草に当てようとするが火の灯りと共に相手と目が合っては先程の言葉を思い出し火を付ける前に煙草を箱の中へと戻して。
溜息をつき天井をライターの火で灯しては非常天井口を見付けエレベーターの端に合った椅子に昇れば天井口を開けて携帯を片手に翳して。
「…あ、電波ギリギリ通じる」
( ボソリと呟き直ぐに幼馴染みに連絡を入れては姉弟の無事を問い掛け自分と相手の居場所を告げては係員にエレベーターを開ける様に告げて欲しいと頼み。
電話を切り相手に見向いては「30分くらい待てとよ、あんたの幼馴染みが係員呼んでくれるって」と告げ。
再び相手から離れた場所に腰を下ろしてはまた沈黙が続き、それに耐えられずに「……………あんたさ、本当はあの男に自分からよがってたんじゃねぇんだろ。………俺だって本当はあんたの事身売りなんて思ってない」と無意識に呟いて。
しかし直ぐにハッとしては「悪い、今の無し」と身勝手な事を言い後はひたすら無視を貫いて。

  • No.659 by 露木 菊  2015-03-21 00:02:00 


>桐崎

(相手が外部と連絡を取ってくれた事に安堵するも先程の相手の言葉が胸を締め付けていて、では子供達が嘘を吐いていたというのかと唇を噛みしめる。
__何だか期待することに疲れた…、真実がどうであれ此処まで自分を遠ざけるということは“嫌い”なのだろうと、思い込んでは呟かれた言葉に自嘲の笑みを零し「自分から誘ったに決まってるだろ」と暗い天井を仰いで。
「…外でやればそれだけ金くれるって言うから乗っただけの話。……今更“身売りじゃない”とか俺のこと慰めて何が狙いだ?俺と…“薄汚い身売り”としたくなった?」
(冷嘲気味に静かに述べるもすぐに「あー、悪い“今の無し”だったな」と刺々しく吐き捨てては、今でも男の事を思い出しただけで震える身体に暗くて良かったと時が過ぎるのをひたすら待って。

(数十分後、漸くエレベーターに明りがつき動き出しては六階のフロアで扉が開くなり目に涙をいっぱいに溜めた姉弟が相手に抱き付いて『繿兄ちゃーーん!!怖かったよ~!!』『もう会えないかと思ったー』とワンワン泣きだして。
その光景に“自分も子供だったら…”と一瞬思っては何考えてるんだと溜息を吐き、しきりに謝り停電の原因を話す係員に「大丈夫ですから」と笑顔で対応し、近寄ってきた幼馴染の荷物を持って頭を撫でてやると相手に振り返ることなく百貨店を出て。

(幼馴染のマンションまで荷物を運んだ後、すぐに別れを告げるももはや男に問い詰める気はなくなっていて。
どうせ嫌われてるんだと相手の辛辣な言葉だけを鵜呑みにしては“子供だったら…”と再びどうしようもないことを思うもその感情は強くなる一方で。
それなりの金を渡せば…と徐々に本気になってはSNSや人伝を頼りに男の居場所を突き止めその場所に向かって。

(その頃、元カノの友人は懲りずに相手に《今日停電あったね(+_+)繿君は大丈夫だった?…ところで今度っていつ?私はいつでもいいよ♡》と可愛さアピールのスタンプ付きでメッセージを送り続けていて。

  • No.660 by 桐崎 繿  2015-03-21 18:48:21 




>露木

( 元カノの友人からのメールにほとほと呆れつつ、それでも既読無視を続けるのは失礼かと考え《パン作り教室開いてくれんだろ??孤児院の子供達もきっと喜ぶし来週とかどう??…あ、子供達の前でイチャついて来んのは無しで
》と何処と無く素っ気無い文を送り。
返事は驚く程に早く《分かった!!!終わったらちょっとは甘えさせてね》なんて来ては面倒そうに眉を寄せ。
それからバイトへと向かい淡々と仕事をこなしてはまだ胸に突っかえる相手の言葉を思い出さない様にして。

( その頃、とあるバーで友人とダーツをしていた男(槙島)は突然の相手の訪問に驚きつつ渋々個室を借りては相手と二人になり『…一体何??話す事なんて何も無いんだけど』と携帯の事を咎められる物だと勘違いしていて。
しかし相手が言って来たのは男の能力の事で、男は少し驚いた様な顔をしては『へぇ…何、子供の身体で身売りした方が気持ち良かったとか??』と蔑む様な事を口にしたが流石に言い過ぎたかと微妙な表情で口を噤み。
差し出された金を見詰め相手を真っ直ぐに見詰めては『そんなの良いから………奈緒を、』と言い掛けるもやはり口を吃らせ緩く首を振って。
『今回だけ、聞いてやるよ。どうせ露木と桐崎の仲は終わったも同然だしな。増してや子供の姿で近付いたもんならきっと笑いもんになるだろうし』
( 相手の腕を強引に掴み物陰に来ては相手の額に手を翳し、バーの物置から子供服を持って来ては少し乱暴に着替えさせて。
ここのバーは男が能力を使う時の拠点となっており、その為に沢山の子供服を揃えてるのだが人の頼みで能力を使ったのは初めての為少し苛立った様な態度で。
結局男が良い人なのか悪い人なのかは分からず、店の外に相手を出しては『戻すか戻さないかは俺の判断だからな』と言い残して。

( バイトを早めに終え特にする事も無くフラフラと店を見て回ってた所、今日の夕食もどうせ一人だし作るのは面倒だと考えては適当なスーパーに入り夕飯でも買って帰ろうと考えていて。

  • No.661 by 露木 菊  2015-03-21 20:09:07 


>桐崎

(ダメ元で男(槇本)に交渉したが意外にも受け入れられ乱暴ながら子供服を着せられては子供用リュックまで用意してくれ、店に戻っていく男がポイ捨ての煙草を拾って行くのを見てふと過去を思いだす。
__中学時代、彼(槇本)は目立たない生徒だった。運動音痴で何をするにも不器用。
だが影でひっそり花瓶の水を変え、みんなが嫌がるトイレ掃除やゴミ箱のゴミ出しを黙って引き受ける、そんな人間だったなと。
今回の行いは許せないが根は良い奴なのかもしれないと、まだ男の行いを全て知った訳でないため甘い考えでいて。

(数十分、もうとっくに相手の寮に着いている筈なのにまだ半分しか来ておらず、子供の歩幅はこんなにも小さかっただろうかと溜息を吐く。
相手と歩いた時は全く苦じゃなかったのに…と項垂れつつ、そもそもいきなり押しかけて迷惑ではないだろうかと今更な心配をし始め。
何だか喉も乾いてきた…と歩く速度が更に落ちた時、スーパーが目に止まっては御茶でも買おうと、この時間この姿で一人という不自然な状況も気にせずにドリンク売り場に来てはいつも飲んでる緑茶に背伸びをして手を伸ばすもあと数ミリ足りずに。
なんて不便な身体だと毒吐きつつここは無理せず他のにしようと一段下の烏龍茶を手に取って抱き抱えてはレジに行こうとして。

  • No.662 by 桐崎 繿  2015-03-21 23:10:22 




>露木

( 御決まりのカップラーメンと適当な惣菜やらを籠に入れレジへと向かおうとしては見覚えのある小さな少年(相手)に気が付き其方へズカズカと駆け寄っては首根っこを掴み「何一人でまたテクテク歩ってんだよ。…ったく、母さんは??」と問い掛ける。
しかし居ないと言われてはまた一人で居たのかと溜息を漏らしつつ相手が抱える烏龍茶を取れば自分の籠に突っ込みレジへと向かって。
会計を済ませ相手に烏龍茶を手渡しては家まで送ろうと考えるも小さな子供が一人でうろうろしてる時点で帰りたくない理由でも有るのかと勘違いし小さな手を取っては結局寮まで連れて来て。
「お前の年で家出繰り返してたら色々怖い目に合うぞ」
( あまり怒りを見せずにさらっと叱ってやりながらカップラーメンを棚にしまい惣菜のみを出し簡単な料理をしてはテーブルの上に置き。
それにしても本当に相手に似てるなと考えつつふと携帯が鳴り響けば誰からかも確認せずに応答して。
電話の相手は孤児院のあの姉弟、今夜からは一人で寝れるという事らしく成長したなと頬を緩めては「じゃあ今夜からはちゃんと寝ろよ。また怖くなったら何時でも電話して、真夜中だろうがちゃんと出るから」と答え電話を切って。
これで夜な夜な寮を出る理由も無くなり一安心してはグッと伸びをして。
元カノの友人から何度かメッセージが来たがサラッと無視しては以前若頭に貰った子供服を相手に渡し。
「着れるだろ、それ。丁度いいと思う」
( “隠し子”の噂など知らずにもくもくと夕食を食べては何気無く携帯を取り相手のアドレスをなぞってはメールを開き何か送ろうとしたが直ぐに“消去”と押して。

  • No.663 by 露木 菊  2015-03-22 00:07:52 


>桐崎

(相手の粋な計らいで寮にお邪魔しては申し訳なく思う一方相手の傍で相手の手料理を口に出来る事が嬉しく感じ“いっそこのままでいいんじゃないか…”と電話をする相手を見詰める。
電話の相手は誰なのか…、話の内容からすぐにあの姉弟が頭に浮かんではエレベーターの中で相手が言っていた女と遊んでいるというのは嘘かもしれないと伸びをする相手をジトリと見つつ子供服を受け取って。
この服も“隠し子”の物なのか…期待と疑心が入り混じっては服に視線を落とし俯いて「ねえ…なんで子供の服なんて持ってるの?」と。
「スーパーでお兄ちゃんのこと…話してる人達がいた。……お兄ちゃんは夜女の人達と遊んで、何人子供がいるか分からないって………本当なの?」
(スッと顔を上げて切なげに相手を見詰めるも、真実を知った所で相手から嫌われてることには変わりないと悟ったばかりではないかと、だから傍にいるため子供になったのに…。
これではこの姿でも嫌われてしまうと慌てて「何でもないよ、お風呂入ってくるね」とケロッと笑顔で言って逃げるように浴室に駆け込んで。

(脱いだ服を綺麗に畳んで隅においては、心を落ち着かせるようにシャワーを浴びる。
あんなにも女と仲良くする相手が許せなかったのにこんなにも未練がましく相手に付き纏っている自分。
きっと今の自分が“自分”と知れたら相手に鼻先であしらわれるだろうなと冷笑を零しては髪を洗い流す。
いつもは愛おしい相手のシャンプーの香りが今は少し切なく感じて。

(その頃、相手のベッド脇に置いてある子供用リュックの中で自分の携帯が着信音を響かせており留守電に切り替わっては元カノの声で《菊?最近連絡ないけど大丈夫?…あの、この前旅行の帰りに桐崎君に会ったんだけど様子がおかしかったから気になっちゃって。余計なお世話だよね。あ、…これ聞いたら連絡ください》と留守電が終わって。

  • No.664 by 桐崎 繿  2015-03-22 02:28:58 




>露木

( 年齢を感じさせない様な問い掛けに頭を悩ませつつ浴室に向かう相手を見送っては流石に良からぬ噂が流れるのは良くないかと。
そこでふと鳴り響いた着信音に何処と無く聞き覚えを感じては音源である相手のリュックをジトリと見詰め僅かに開いたチャックの隙間を覗き込み。
“何で相手の携帯が入ってるんだ”と眉を寄せては首を傾げるもまさか幼児化しただなんて想像も付く筈無く相手が風呂から戻り落ち着いたら問い詰めてやろうと。

( 自分も風呂を済ませ冷蔵庫からスポーツドリンクのペットボトル片手に部屋に戻るも思い出した様に再度キッチンへ戻れば子供用のコップに注がれたオレンジジュースを相手に差し出しベッドに腰を下ろして。
「…はぁ、…ってかチビが人の色恋沙汰に首突っ込むとはな。………さっきの、スーパーで聞いたって言う子供が何人居るとかどうたらこうたらって。………俺流石に餓鬼は居ないけど。…ったくどっから流れた噂だよ」
( 呆れた様に溜息を漏らし“噂とは怖いな”と考えては携帯の事を思い出し相手のリュックを指差しては「そう言えばお前何で露木の携帯持ってんだよ」と。
視線を流す相手に詰め寄り軽々と膝の上に乗せては逃げられない様にガシッと掴み「何で持ってんの」と再び問い掛けて。
口を開かない相手に溜息を付いては手をパチンとし「分かった。…ならお前の質問に何でも二つ答えてやるよ。俺が答えたらお前も家出の理由と携帯の理由答えろよな」と。
相手の頬にふにふにと触れながら「何か聞きたい事あるか??好きな食べ物でも動物でも何でも答えてやるよ」と子供に接する態度で問い掛けて。

  • No.665 by 露木 菊  2015-03-22 03:24:43 


>桐崎

(逃れられない状況に内心冷や汗が止まらず、ガキ扱いされても相手に見惚れてしまい一瞬ぼーっとしてしまっては首を横に振って小さい頭をフル回転させる。
数秒後考えがまとまっては小さく息を飲み込み複雑な表情で相手を見詰めて相手の服の裾をグッと握って。
「……じゃ、じゃあ……質問するね。………………お兄ちゃん…最近、女遊びばかりしてるって本当なの?……それで菊兄さんのことはどう思ってるの?もう嫌い?顔も…見たくない?」
(明らかに不自然な質問、それでも構わず揺れる瞳で相手を見詰めては小さく息を吸い「……携帯は…家出したとき菊兄さんが心配してくれて念の為にって持たせてくれたの。……家出は母さんと父さんの喧嘩を見てるのが嫌で……」と疑惑だらけの嘘を並べて。
「……理由答えたよ。………お兄ちゃんも僕の質問に答えて?“嘘つき”は駄目なんでしょ?」
(真剣な瞳で内心“嘘は駄目”なんてよく言えたものだなと苦笑を漏らしつつ表情は変えずに相手を見詰め「……菊兄さんのこと、嫌い?」と一番聞きたいことを“嫌い”と言われるのを覚悟で再度尋ねて。

  • No.666 by 桐崎 繿  2015-03-22 04:15:47 




>露木

( 揺らぐ瞳が相手と重なり胸が締め付けられる様な感覚になっては一瞬唇をきゅっと締める。
それでも目前の少年が相手な訳無いと思ったまま「…分かった、答える。…ただ露木に言ったら許さないからな」と額を軽く小突いてやって。
「先ず、一つ目。女遊びなんてしてないよ、…って言うかどっからそんな噂流れてんのかな。………好きでも無い女とイチャイチャ出来る程俺器用じゃ無いんだ」
( 落ち着いた様子で淡々と答えてはペットボトルのスポーツドリンクを一口飲み込んで。
「二つ目、か。露木の事は嫌いじゃないよ、…嫌いな訳ねぇだろ。好き………って言うか愛してる」
( こんな小さな子供に何を言ってるんだと呆れるも少年は相手じゃないと思い込んでる為にすらすらと言葉になって。
「でも彼奴に言うつもりも無いし傍に居たいなんて大それた事は思ってない。………恥ずかしながらさ、こんなに人を好きになったのこの年で初めてだから空回りしてばっかで…。割と俺小さい男なんだよ、それに良いとこもあんまない。煙草臭いし見た目もこんなだし直ぐに嫉妬するし」
( 苦笑いで言っては立ち上がりペットボトルをキッチンへと戻しに行っては「さて、お互いちゃんと腹割って話したな。取り敢えずお前も家に居づらいなら好きなだけ此処にいて良いから。…あ、でも来週の土曜は孤児院行く予定だから暇ならお前も付いて来いよ」と軽く微笑み同じベッドへと横になっては相手を寝かし付けるより早く自分が寝てしまって。

  • No.667 by 露木 菊  2015-03-22 05:36:06 


>桐崎

(相手の隣、先程の事があって眠れるはずもなくいつまでも煩く鼓動する胸のあたりをギュッと握る。
ずっと相手から嫌われたと思っていた。“急に”相手の態度が変わって不安で…。
でも相手は“愛してる”と想ってくれている。……では何故“自分”に言えないのか。
今直ぐにでも聞きたい、それなのにこの姿で今更聞けないと思ってしまいもどかしい気持ちで眠る相手に抱き着いては「……御免なさい」と小さく零すも、相手の匂いに安心しては次第に眠りに落ちて。

(翌朝、相手より先に目を覚ましてはベッドから抜け出し用意されていた踏台に乗って洗面等を済ませる。
まだ気持ちが落ち着かず、何かしようと世話になった礼にいつも相手が食べているトーストをセットしてはレタスを千切り不器用ながら目玉焼きを焼いて、コーヒーをいつも相手が飲んでいる濃さで淹れる。
完成した朝食をテーブルに並べては相手の元へ行き「きり…」まで呼びかけ慌てて「お兄ちゃん……ご飯作った」と言い換えては、急に昨夜の事を思い出し羞恥が込み上げ、子供のせいか上手く表情を隠せず顔を真っ赤にして。
こんなの恥ずかしすぎるとトイレに駆け込むとやはりすぐにでも元に戻して貰おうと携帯で男(槇本)に小声で電話して。
『……なんだよこんな朝っぱらから。……まさか戻して欲しいとか?』
「そうだよ。昨日の今日で悪いけど…気が変わったから」
『…………やだ』
「は?…なんでだよ」
『元に戻すかどうかは俺が決めるって言っただろ。じゃあ俺まだ寝るから』
(プツンと電話が切れては何してんだかと自分の阿呆さに溜息を吐き携帯をポケットにしまう。
まさか相手の部屋のポストに盗聴器があり昨夜の会話が聞かれていたとも知らず、男にどう交渉すればいいかを考えながらトイレから出る。
相手の視線を感じ慌てて目を逸らしては「そう言えば土曜日だけど、…いけたら行きたいな」なんて変に疑われないよう何か聞かれる前に話題を振って。

  • No.668 by 桐崎 繿  2015-03-22 20:42:31 




>露木

( 子供とは思えない程の何処と無く相手を思わせる様な自分好みの料理に舌づつみしつつ小さな相手の頭をわしゃわしゃと撫で回して。
不審な相手の行動をジトリと見つつ土曜の事を切り出されては僅かに表情を緩め頷き「おう、孤児院の子供達もきっと喜ぶ」と。

( それからあっという間に土曜になれば元カノの友人との待ち合わせ場所に相手と手を繋ぎ訪れては友人は一瞬驚くも相手を抱き抱え『え、この子どうしたの??可愛い-!!!』と黄色い声を上げて。
「あ-…“顔見知り”の親戚、かな。家出中らしいから俺が引き取った」
( サラリと答えては一方的に話す元カノの話を流しながら孤児院へと向かって。
子供達も数日前から楽しみにしてくれてたらしくはしゃぎながら迎えてくれては元カノの友人が準備を始めるのに気付き手伝いに向かって。
その頃、相手の元に先日の姉弟が駆け寄っては『こんにちわ!!!私遙花っていうの』『僕は陸だよ、良かったら一緒に本読もうよ』と。

( 孤児院の調理場にて、元カノの友人に『ねぇ、特定の彼女って作ったりしないの??』と問われては“どういう意味だ”と眉を寄せる。
「そろそろ、欲しいかな。………でもまぁ俺の事理解出来る奴なんて居ねぇだろうな」
( 小さく呟いてはきょとんとする友人に「ごめん、なんでもないわ」と言っては小麦粉やらを棚から運んで来て。

  • No.669 by 露木 菊  2015-03-22 23:40:58 


>桐崎

(迎えた土曜日、毎日男に交渉するも結局元に戻して貰えず約束通り孤児院に訪れては相手と親しげに話す女を“誰だ此奴”と嫉妬心を隠しつつ見る。
女の前で“自分”を顔見知りと言う相手にあの夜は“愛してる”って言ったのにと身勝手に拗ねては、姉弟に誘われるまま本を読みにいって。

(遊び場スペースにて、自分が子供ということを忘れ姉弟に本を読み聞かせては丁度パン作りの準備が整ったため、エプロンをしてそちらに向かう。
すると女(元カノの友人)がやたら相手に密着して『へー彼女欲しいんだ!…私だったら繿のこと理解できると思うなぁ…。あ、ごめん名前呼び捨てにしちゃった!』と態とらしく口を塞ぎ、抜け目なく小麦粉を頬につけては『ねぇねぇ顔についてない?とってー』と相手に顔を近づけて。
明らかに狙っている女の行動に無性に苛々してはトタトタとそちらに駆け寄り2人の間に割って入り「…小麦粉、上手くまとまらない」と相手にボールを差し出す。
その際、目が合ってはあの夜聞いた相手の言葉を思い出しまたカァと熱くなって俯く。
いい加減、相手とちゃんと話したいと思っては顔を上げて「ねえ…」と声をかけるも女が横から入ってきては相手の横にぴったりついて『あ、繿、こね方そうじゃないよー』と相手に自身の手を重ねて生地のこね方を教え始めて。
その光景が親しげに見えては、結局自分は“子供のままで相手のそばにいるだけ”では満足出来ないのだと自覚する。
そして酷く貪欲な自分に嫌気がさすと共に、相手がちっともこっちを見てくれていない気がして悲しくなっては普段は我慢出来ただろうむしゃくしゃが抑えきれなくなり、突如女と相手が練っていた生地の入ったボールを床に叩きつけるようにひっくり返して。
ガシャンと騒音が響き無残に床に広がる小麦粉を見ては、ハッと我に返りなんてことをしてしまったのかと蒼白になって「…ご…御免なさい」と震える声で謝罪してはその場を走り去って。

  • No.670 by 桐崎 繿  2015-03-23 02:20:32 




>露木

( 小さな謝罪と共にパタパタと去って行ってしまったのに一体どうしたのだろうかと首を傾げては女も僅かに困り笑顔で『まだ小さいからね-、少し難しかったのかな』と零して。
手を洗い「ちょっと迎えに行ってくるから」と女の返事も聞かずに言っては孤児院内を相手を探し見回り、漸く空き部屋の棚の陰に相手を見付けて。
駆け寄り相手の目線まで屈んでは「どした??」と問い掛けそのまま腰を下ろして。
黙り込む相手と向かい合い、それでも深く追求せずに無言で相手を抱き上げ自分の膝に乗せては「そんな顔すんなよ。………何かお前が悲しい顔してるのは嫌なんだ、………すっげぇ露木と似てるからさ」と。
「…今日の帰りさ、さっきの姉ちゃん(元カノの友人)に誘われてたんだけどやっぱり断るわ。何か疲れたし…お前も疲れてるだろ。帰りにアイスでも買ってやっからもうちょい我慢しろな」
( 相手の頭を撫でてた所で女が『パンそろそろ焼けるからおいでよ-』と言いに来て。
早速今日は真っ直ぐ帰ると告げては強引に次の約束をされ碌に耳も通さないまま相手の隣に戻って来て。

( パンも焼き上がり相手の隣で一口パンを齧っては相手の肩を軽く叩いて。
「…露木の親戚なんだろ??……………あのさ、俺の事………何か話してたり、…する訳無ぇよな。ごめん」
( 困り顔で微笑んでは相手に向き直り「……………よし、明日彼奴呼び出してみるわ。………まぁ来ないとは思うけど………どうせこんななら言うだけ言った方が良いよな」と。
相手(少年)の携帯は既に相手(大人)の元に戻った物だと勘違いしたまま《明日話したい事あるから時計台の下で待ってる》とメールをし。
大人の姿に戻れないという相手の事情も知る筈無く何処と無く真剣な表情でいて。

  • No.671 by 露木 菊  2015-03-23 10:52:22 


>桐崎

(何も咎めてこない相手に居た堪れない気持ちになりながらパンを囓るも“自分を誘う”という相手の言葉にピクリと反応する。
自分の携帯は幸い隣室、着信音が聞こえる事はなかったが相手の気持ちを蔑ろにしている自分が酷く愚かに思えて……。

(パンを食べ終え片付けなどが終わってはしつこく女が相手に迫ってきたが相手が上手く対応してくれ2人で寮までの道を歩く。
途中足を止めては「……行きたいところがある」と少し声を低くして述べ相手の手を握り直すと黙って自分のアパートに向かい鍵を開けると戸惑う相手の室内に通して。
慣れたように相手に御茶を出しては奥の部屋から匿名で送られてきた加工写真の数々が入った封筒を持ってきては相手に差し出し正面の席に座って。
「……それが…あんたと奈緒との誤解を解いてからずっと送られてきてた。その時からあんたの態度が変わって…。…赤い髪の女と仲良くしてるし……。……でも一度は話し合おうとしたんだ。そしたらいきなりこの姿にされて…」
(はっきりと“自分”とは言わずポツリポツリと気持ちを話しては、男に携帯を取られていて相手の留守録を聞かされた事や(相手を売ろうとした)男とは本当はなんでもなかったことなど包み隠さず話して。
「……あんたには嫌われたと思った。でも…どうしてもあんたの傍に居たくて…“自分”じゃ駄目ならこの姿でって思ったんだ…。だけど…あんたの気持ち聞いて欲が生まれた。……俺、やっぱり“自分”としてあんたの傍にいたい。あんな気持ちの聞き方してこんな事言うのはずるいのは分かってる。でも…あんたが好きなんだ。…なあ、何で俺には“愛してる”って言えないんだ?あの時“俺(子供)”に言ってくれた言葉は嘘だったのか?」
(未だに男(槇本)が相手にしてきたことや、アパートで元カノが雨で濡れた自分の服を脱がそうとしていた誤解が溶けていないことに気付かず、身勝手に問い掛けては震える拳をキュッと膝の上で握って。
この時まだ自分が元に戻れないことは口に出せずに。

  • No.672 by 桐崎 繿  2015-03-23 19:10:08 




>露木

( “行きたい所がある”と連れられたのはまさかの相手の家で何故鍵を持ってるんだと疑問を浮かべる。
見せられた写真を見詰めては中々の加工の腕前に自分でさえ騙されそうになるも見覚えは無く。
成行きを説明する相手に漸く理解出来て、今まで一緒に居たのは少年では無く相手だったのだと。
沸々と浮かんで来たのは全て曝け出してしまった恥ずかしさ、上手く隠し通して来たのにと唇を噛み締めて。
「………何だよそれ。俺の事騙してたの」
( ポツリと零しては視線を横に流し「あんた元カノと出来てる癖して俺の事も惑わそうとか考えてんの??」と。
元カノとはまだ付き合ってると勘違いしたまま特に怒りを見せる訳でも無く静かに言う。
「本当は嘲笑ってるんじゃねぇの、俺の事。未練がましいとか思ってんだろ」
( ただ本心を相手に知られたという恥ずかしさから早口になるもハッとしては口を噤み俯いて。
「赤い髪の女、あれ赤城だから。木ノ宮に頼んで女にして貰ったとか言ってた。…それに、餓鬼のあんたにも言ったけどあんたの傍にいるつもりとか無いから…あんたは精々元カノと仲良くすれば良いだろ。何の心配もしなくても男の俺と付き合ってた事は言わねぇし」
( 相手の言葉も聞かずにつらつらと言っては相手が“戻れない”という事なども知らずに「第一、何時まで餓鬼の格好してんだよ。………それとも俺があんたを呼び出すって餓鬼のあんたに言ったから来れない口実を作っただけ??」と。
やり切れなさに舌打ちをし立ち上がればスタスタと玄関先に向かい「あ、あんまり餓鬼の姿でうろうろすんなよな」と言い残して。

  • No.673 by 露木 菊  2015-03-23 21:16:57 


>桐崎

(相手の返答から自分が思い違いをしていたと知り深く反省して、続く“あんたの傍にいるつもりはない”という言葉に傷付くも勘違いしている様子にこのままでは終われないと玄関の扉に手を掛ける相手の服の裾を掴んで。
「待てよ。…なんで俺があんたを蔑んでるって事になるんだよ?…奈緒とは何でもないって言っただろ?……なんでそんなに…」
(元カノとの関係を疑うんだと聞きかけて、漸くアパートでの事を思い出しては自分の落ち度に唇を噛んで。
「…アパートに彼奴(奈緒)が居た時のこと気にしてるなら誤解だ。あれは…彼奴が俺の服が濡れてて着替えろってしつこく迫ってきただけで…。…だいたい服が濡れたのはあんたが待ち合わせ場所に女連れて遅れてきたからなんだぞ。……まあ女は赤城だったけど。でもあの時俺が女とあんたの写真見せられてどれだけ不安な気持ちでいたか分かるか?」
(相手と青年に何があった(*)かも知らずに気持ちをぶつけるも自分にも反省点はあるため目を逸らし「…そりゃ俺もアパートで奈緒といた時のことすぐにちゃんと話さなかったのは悪いと思うけど……話そうとはしたんだ。…でも…この姿にされて暫く記憶がなかったから」と素直に打ち明けるもどれも言い訳じみて聞こえてしまい俯いて。
しかしある事を思い出してはハッとなって相手を見上げ。
「…お、俺(少年)に奈緒と俺(大人)の旅行先の写真見せてくれたことあっただろ?あの時、俺は俺であんたと一緒にいた。同じ時間に奈緒と旅行に行けるはずないだろ?」
(必死で誤解を解こうとするもいつもより高い相手の目線が鋭く見えては掴んでいた相手の服の裾を離して。
「……でも…俺のことなんて信用できないよな……、………子供になって嘘吐いて、あんたの気持ち…勝手に聞き出したんだもんな」
(眉を下げ謝っては、どうせ相手は信じてくれないだろうと奥の引き出しから万札を持ってくると相手に差し出して「…此れ、あの…公園の男とは何にもなかったから。……返す」と手を伸ばし相手のパーカーのポケットに突っ込んでは「…引き止めて悪い…」と部屋の奥に行き。
“何故子供のままなのか”はとても恥ずかしくて言えず、どうせ相手が離れていくなら言う意味などないため自分で何とかしようと決めて。


(*)>632

  • No.674 by 桐崎 繿  2015-03-24 00:23:21 




>露木

( 疑いの目を向けてたが小さな手が自分のポケットに以前自分の渡した万札を返してくるのを驚いた様に見詰めては部屋の隅に向かう相手にズカズカと駆け寄る。
無理矢理此方に振り向かせ頬に手を添えては「……………嘘だろ。…本当に露木だってのかよ」と零して。
しかし再び罰が悪そうに目を逸らしてはさっさと相手の部屋を後にし寮へと向かって。

( 自分が相手の家を去った後、外で聞き耳を立ててた男は勝手に家の中へと入り座り込む相手に駆け寄っては眉間に皺を寄せて。
『奈緒に、…会って来た。露木の話題になったら奈緒優しく微笑んで“菊の本心からの笑顔見れたから嬉しくて”って言ったんだよ。…露木が奈緒とよりを戻せば…奈緒が笑っててくれれば俺だって』
( 言い掛けた言葉をグッと飲み込んではギュッと目を閉じしっかりと相手に向き直っては相手の額に手を翳すが何か思い出した様に手を止めて。
『やっぱ…まだ戻してやらない。今から俺桐崎に話さなければならない事があるから…それが終わったら戻してやる事考えてやっても良いよ』
( スッと立ち上がり『今露木は子供の姿なんだから戸締りはしっかりしろよ、泥棒に入られたらその身体じゃどうにもならないからな』とまた優しさを思わせる言葉を相手に残し部屋の扉に手を掛ける。
『前、露木が奈緒と居る時女姿の桐崎が来ただろ。…奈緒と居た露木に嫉妬してあの姿で露木を奪いに来たんだってよ。赤髪の友人………確か赤城だっけ??彼奴はそこに居合わせただけ。………調べると何でも分かるんだよ。そしてもう一つ分かった事だけど、来週駅前の居酒屋で桐崎合コンに呼ばれて行くっぽい。桐崎の携帯数日間ハッキングしたら…そんな様な事合った』
( 相手に背を向けながらポツリポツリと伝えてはそのまま相手の部屋を後にして。

  • No.675 by 露木 菊  2015-03-24 01:09:48 


>桐崎

(男が去った後、相手や男の残した言葉が脳内を駆け巡り、何故男は態々自分に相手が女体化した理由や合コンがあることを告げてきたのかと疑問に思う。
それよりも言葉少なに去った相手の気持ちが全く読めず、“愛してる”は嘘なのかとすら感じてしまい項垂れる。
孤児院に居た女(元カノの友人)が“相手は彼女が欲しい”と言っていたことを考えるとやはり合コンにいくのかと。
それらの事をすぐに携帯で聞く気にはなれず、そのまま現実逃避するように眠りに落ちて。

(明け方、目を覚ましては四苦八苦しながら身支度を済ませるも、この姿ではバイトは出来ないし相手にはこの姿が自分だと明かしてしまったため寮にも行けない。
完全に手持ち無沙汰になるももやもやする気持ちだけは募る一方で、あまりこの姿でうろつくなと言われたが中身は大人なんだから危険くらい察知できると気分転換に外へ出て。

(日が昇る頃、公園につきベンチに座っては通勤や犬の散歩で道行く人々をぼんやり眺める。
相手は今頃どうしているのか。男が相手に何か話すと言っていたが何のことなのか。
考え出したら止まらず気分転換の筈が結局もやもやしだしては携帯を取り出し相手宛のメール作成画面を開いたところでジッと固まる。
何度も打っては消しを繰り返し本当は何行もかけて“会って話したい”まで打ったのに全文消しては《合コン行くのか?》とたった一言だけ送って携帯をリュックにしまって。
その後も暫くベンチの上でぼーっとしていると餌を強請りに野良猫が近づいてきて、何も持っていなかったためベンチの下に生えていた猫じゃらしをちぎっては意味もなく猫と戯れていて。

  • No.676 by 桐崎 繿  2015-03-24 01:54:42 




>露木

( 相手の家を出て寮へと戻った頃、まだモヤモヤとする心を誤魔化し今日は早目に寝ようと風呂を沸かしに向かった所でチャイムが鳴り響き。
一体誰だと玄関先へと来てはどうやら訪問して来たのは以前相手を探してた時に“公園で見掛けた”と教えてくれた人の良さそうな青年の姿で。
「………??」
『桐崎君、………先ず…ごめん。先に謝るよ、…』
( 訳の分からない謝罪と共に渡されたのは大量の紙や写真、そこには元カノと相手をくっつけるべく行われた悪事や自分の身の回りの情報、加工写真までもがあり気味が悪そうに眉を寄せて。
男は自分の部屋のポストを何やら弄り始め、盗聴器と思われる小さな物体を取り出しては自分に見せて来て。
「………は、何だよこれ」
『警察に言ってくれても構わないよ。…露木と奈緒が縒りを戻せば奈緒にも笑顔が戻ると思ってやった事なんだ、………でも俺がそんな事しなくても良かったみたいだ。…本当にごめん』
( 頭を深く下げ『そろそろ、行かないと。………何時までも露木を子供の姿にしてたら危ないしね。………桐崎君、改めてお詫びはする』と言い残しさっさと去って行ってしまった男の後ろ姿を見詰めてはまだ混乱する思考の中、相手の言葉が頭の中を過ぎり。
全ての疑問が繋がり自分が相手にぶつけた酷い言葉や行為を思い出しては激しい後悔に襲われて。

( 翌日の朝、相手からのメールに目を覚ましては何で合コンの事を知ってるのかと疑問が浮かんだが寝起き故にまだ覚醒しておらずに。
《約束しちまったから行く》と短い返事を送り、本当はまだ相手を愛していて戻りたいだなんて言える筈も無く欠伸を一つしてはのそのそと着替え初めて。

( 公園にて、漸く相手の姿を見付けた男は小さな溜息を付き『勝手に出歩くなって言っただろ』と軽く叱っては相手の手を引き公衆トイレへと訪れて。
昨夜買い揃えた大人用の衣服を相手に手渡し『………戻りたいんだよな』とさり気なく確認しては相手を見詰め『…桐崎なら、全部話したから知ってるから』と。

  • No.677 by 露木 菊  2015-03-24 02:39:17 


>桐崎

(野良猫が逃げて行ったところで男に気付いては警戒の眼差しを向けるも、以前とは違う様子と告げられた言葉に小さく目を瞬かせる。
まだ戸惑いつつも子供の身体は懲り懲りしていたため即服を受け取って元の姿に戻して貰い関節の痛みに耐えつつベンチに座る、すると男も隣に腰掛けてきて。
『……露木はずるいよな』
「…は?……何がだよ…」
『…奈緒に好かれてるのに他に好きな奴がいて友達もいる。しかもみんな露木の能力を認めてる。…ずるいよ』
「…………」
『俺なんて奈緒に見向きもされないし寄ってくるのは金目当ての連中ばかりだ。誰も俺を見てくれない』
「……槇本は…『慰めなんて寄せよ。俺は露木と桐崎君に最低な事をした。きっと全てを知ったら露木は俺のこと嫌いになる』
(男は静かに述べて立ち上がり一度振り替えては『露木、お前もっと好きな奴のこと観たほうがいいよ』と苦笑し去って行って。
追おうにも関節が痛み敵わず諦めて座り直したところで相手からのメールに気付いてはその内容に落胆する。
変に真面目な相手のこと、気にする事ではないと言い聞かすもやはりショックに感じる自分がいて、それでも咎める資格など自分にはないと思えば今まで休んでいた分を取り返すため連日バイトに打ち込んで。

(数日後の相手が合コンする日、相手とは何にも連絡を取っておらず頭に濃い靄が掛かったままバイトに来てはバッグルームに来るたび溜息を吐いて無意味に携帯の着信を見る。
相手から連絡が来るはずないのにとまた溜息が漏れるも、客の前では笑顔を振る舞うようにしバイトが終わったらさっさと家に帰って寝てしまおうと。

  • No.678 by 桐崎 繿  2015-03-24 13:27:05 




>露木

( 訪れた合コン予定日当日、駅前の居酒屋にて男女3人ずつ集まっては共に酒を飲み始める。
特に会話に交じる訳でも無く聞かれた事のみに適当な返事をしては時間が過ぎるのを待つ。
好みの女性なんて者は相手と出会ってから出来なくなったしあまり興味も無くなった。
合コンも終わり適当にアドレスを交換してはさっさと帰ろうとするも何故か席を共にした男が付いて来て。
「何、お前家あっちだろ」
『や、何となく。桐崎良い女見付かった??』
「別に」
『そっか。……………お前はさ、同性には興味無い??』
「あるよ」
『!!??………マジか。………あのさ、アドレス交換しよ』
「何で」
『俺も同性好きだったりするからお互い相談とか出来るじゃん』
「あぁ」
( 興味無さそうにアドレスを交換してはその男とも別れ寮までもう少しという所でバイト帰りの相手と出会し。
素通り出来る筈も無く何時もの変わりない無表情で「よ、帰り??」と他愛ない様子で声を掛ける。
相手と一緒に居たいという気持ちが合ったが「危ないし送る」なんて言い訳を作っては共にアパートの方角へと歩き出して。
沈黙に耐えられず「昨日さ、全部聞いた。…俺の勘違いだったんなな、色々ごめん」と。

  • No.679 by 露木 菊  2015-03-24 19:42:42 


>桐崎

(バイト帰り相手とばったり出会しては気まずい別れ方をしたこともあり、気さくな態度に戸惑うも突如謝罪されては弾かれるように「あんたは悪く無いだろ」と応えハッとなっては俯き。
「…俺が誤解を煽るようなこと言ってちゃんと話さなかったのがいけなかった。……………でも良かった。…あんたとはこうやって話すことはもうないと思ってたから」
(俯いたまま静かに話しては子供になってまで相手に張り付き数々の醜態を晒したのを思い出して顔が熱くなるのを感じ今が夜で良かったと相手を見ないようにして。
再び沈黙になるもそう言えば相手は合コン帰りだったなとチラリと横目で相手を見て。
「………さっきまで合コンだったんだろ?……“いい女”居たか?………彼女作りたいんだってな。孤児院で女(元カノと友人)が騒いでるの聞いた」
(視線を地面に戻しては相手の返答を待つもいつの間にかアパートに到着してしまい、まだ相手といたいと思うのに此処まで送って貰って引き止めるのも悪く感じ「…なんでもない」と相手を帰そうとする。
しかし、相手が身を返し少し歩いたところで急に不安が押し寄せ相手との微妙な距離感に耐えられなくなっては自分でも驚くほど強く相手の手を握り引き止めていて。
「あ…、悪い…」
(パッと手を離して目を逸らしてはまた気まずい空気が流れるが、しっかりしろと自分に活を入れると相手を見詰め。
「…俺達って…今、どんな関係って思えばいいんだ?…………俺は…、あんたが俺が餓鬼の時に言ってくれた言葉信じてるし俺も同じ気持ちだ。……でも今あんたの気持ちが変わって他に気になる奴がいるなら、諦める__」
(相手を諦めるなんて出来るはずないのにと唇を噛むも、まだ終わった訳ではないと紅い瞳をまっすぐに見詰め直し。
「__諦める、けど。………あんたがまだこんな俺でも好きでいてくれるなら……いや気になるだけでも良い。少しでも気にかけてくれるなら……また俺と付き合ってくれないか?」
(不安で微かに語尾が震えるも相手からは視線を逸らさずじっと返答を待つ。
内心、こんな告白じみたこと慣れてなくて心臓がどうにかなってしまいそうだったがどんな返事でも受け入れようと心に決めて。

(一方、飲み会の男は帰宅途中早速相手に《今日はお疲れ。いきなりで悪いんだけどさ相談乗ってくれよ。次の休み明けとくからよろしく》とやや圧しの強いメールを送って。


  • No.680 by 桐崎 繿  2015-03-25 00:52:31 




>露木

( 相手からの言葉に鼓動が煩く騒ぎ正面から見詰められては俯いてた顔を遠慮がちに上げる。
相手の傍に居れば苦しむと思い自分から身を離して逃げに走ったのだ、今更どの様な返事をしたら良いのかと頭を悩ませるも返事は既に胸の中にあり。
結局相手から離れるのは何より一番苦しかった。
それでも言葉にするのを迷っては頭をガシガシと掻き乱し小さな溜息を付いて。
「…“傍に居るつもりは無い”って…言っただろ。………そんな事言われたら、…俺だって気持ち揺らぐだろ」
( 改めて言われた気持ちに沸々と羞恥が蘇っては視線を横に流し「………良いよ」と。
カアッと照れ臭さが来ては自分の顔を見せまいと相手の頭をわしゃわしゃの撫で回しアパートの前まで来ては「………じゃあ、明日な」と。

( 男からのメールに気付いたのは翌朝、《分かった、次の休みな》と素っ気無い返事をしてはそれから数分も経たない内に電話が来て。
『もしもし、いきなり悪いな。約束な』
「ん。何処待ち合わせにする??」
『時計台だろ、待ち合わせって言えば』
「分かった」
( 短い電話の後、最近は楽になったペースのバイトへと向かえばバックルームで制服に着替えて。
付き合った当初の様な恥ずかしさを感じつつ《今日はバイト??》と相手にメールを送って。

  • No.681 by 露木 菊  2015-03-25 01:31:13 


>桐崎

(一瞬断られたかと思い胸がズキリと痛むも続く相手の言動でその痛みは吹き飛び、相手が去った後撫で回された髪に触れては小さく微笑み、今日も暫く眠れそうにないなとまだざわつく胸を押さえつつ部屋に戻って。

(翌朝、相手のメールに気付いては《夕方には終わる。時間合うならそっちのバイト先迎えに行くよ》と返信して、身支度をすませるとレンタルショップに向かい。
その途中、突然見知らぬ男に話し掛けられては服装から自校の高校野球の男子高生だと分かり「…どうした?」と一応笑顔で尋ね。
『突然すいません。露木先輩ってカテキョのバイト、まだやってますか?』
「…あー、一応。でもそんな多くは出来ない」
『いいっすよ。ちょっとでいいんで。俺部活ばっかやってたから勉強全然やってなかったんで大学入る前に必須の英語だけでも復習しときたかったんすよ。あ、連絡先教えて貰っていいすか?』
(馴れ馴れしい態度に若干煙たさを感じつつも勉強熱心なのは応援したく連絡先を交換するとさっさとその場を去ろうとするが『あの』と引き止められ。
『先輩って桐崎と仲良いっすよね?』
「……まあ。なんで?」
『いや、別に。じゃあカテキョよろしくお願いします』
(手を振って去って行く男子高生に“なんだ?”と思うも特に気にせずバイト先に歩を進めては、バイト中も相手のことをふと考えては次の会うのを楽しみにして。

  • No.682 by 桐崎 繿  2015-03-25 20:22:40 




>露木

( バイトを終え店の角で相手と出会しては以前を連想させる一定の距離のまま歩き始める。
不意に当たった手に内心ビクリとしてはそのままさり気なく手を取り何も言わないまま歩き続け。
寮の玄関口にて鍵を開けては相手と共に中に入りやや散らかり気味の自分の部屋を軽く片付けて。
バラバラになった雑誌やCDケースを棚に戻しては漸く落ち着きベッドに座る相手の隣に腰を下ろし。
「ごめん、結構散らかってた…けど。まぁ座れる」
( 自己完結気味にコクンと頷いては風呂を沸かしに浴室へと向かいその後キッチンの冷蔵庫を漁って。
今日は折角だからちゃんと作ろうとしては相手と共に台所に立ち野菜類を取り出す。
その時、不意に携帯が鳴り響いては一体誰だろうかと携帯を片手に電話に応答して。
相手はどうやらあの合コンの男子、『あのさ、いきなりだけど今からそっち行って良い??話あるんだけど』と唐突な事を言われては眉を寄せて。
「はぁ??いきなりとか流石に無理だろうが。今客来てるから」
『マジ??数分だけで良いんだけど』
「明日、明日なら来て良いから」
( 強引な物言いに呆れつつ何の相談をされる物かと頭を悩ませては携帯を切り相手の隣に戻って。
何気無く相手の肩に顔を乗せては意味も無く相手を後ろから抱き締め「割と俺等みたいなのって多いんだな」なんて呟いたりして。



  • No.683 by 露木 菊  2015-03-25 21:10:38 


>桐崎

(どことなくぎこちない相手との距離感、電話の相手は誰だろうと小さなことが気になるもあまり煩くしては煙たがられるだろうと聞かずにおく。
後ろから抱き締められ言われた言葉に「…ん?」と軽く聞き返すもどこか甘える様子に頬を緩めては肩にある相手の頭をぽんと撫でて「甘えるなら後でな。今野菜切ってて危ないから」と小さく微笑むも自分からは引き離すことはなくそのまま調理を始め。

(その後、夕食と片付けを済ませてはそれぞれ風呂に入り微妙な距離感を保ちつつ甘酸っぱい時間を過ごして一緒にベッドに横になる。
間近にある相手の顔にドキドキしながらもそれを悟られないように柔らかな銀髪を撫でては、やはり相手の近くは落ち着くと微笑を零し暫く飽きずに相手の髪や耳、目元に触れていて。
__もう手放したくない。悲しませたくないと強く思っては目を閉じる相手に「……繿」と本人の前では滅多に呼ばない名を口にして前髪に口付けて相手のぬくもりを感じながら眠りに落ちて。

(翌朝、相手より先に目を覚ますと久しぶりに見る相手の寝顔に口元を緩ませツンツンと柔らかな頬を突いては耳元で「おはよ」と吐息をかけるよう悪戯に囁いて。
そしてベッドの脇に座り携帯を開いては今日も朝からバイトかと相手と過ごしたい気持ちを堪えつつ朝の身支度を始め、そう言えば昨日話しかけてきた男子高生からまだ連絡ないなとふと思うも気に留めることは無く。

  • No.684 by 桐崎 繿  2015-03-25 22:44:31 




>露木

( 翌朝、耳元に感じる吐息にビクリとしては悪戯に微笑む相手の頬に軽く口付ける。
暫くのじゃれ合いの中、相手が携帯に目を向けバイトに向かう準備を始めれば少し寂しそうに自分も起き上がり「今日は俺休みだから送る」と告げて。
私服に着替え身支度を済ませては相手と共に相手のバイト先に向かい帰りにまた迎えに来ると伝えて。

( 相手とまたこうして寄り添える中になった事にニヤけそうになるのを堪えつつ寮へと戻れば自室の前に昨夜電話を寄越した男子生徒が自分を待ち伏せており。
渋々部屋へと入れては冷蔵庫の中にあった適当な飲み物を男子生徒に手渡し「で、相談って何??」と。
『俺さ、好きな奴いんだよね』
「へぇ。良かったな」
『年上なんだけどさ、男なの。この前思い切って家庭教師頼んだんだよ。笑顔で了承してくれてポーカーフェイス気取ってたけどマジ心臓ヤバかった』
「誰、その年上の男って」
『桐崎と中良いからさ。応援して欲しいなって』
「だから誰」
『ほら、露木菊先輩。ヤバいよな、めっちゃタイプ』
( 男子生徒の言葉に「は??」と一瞬間抜けな声を出してしまうも平然を気取っては「へ、へぇ」と。
人懐っこい笑顔で『応援してくれよ、折角お互い理解し合える仲なんだから』と言われては真実を話せる雰囲気でも無く上機嫌で去って行く男子生徒を見送り。

( 男子生徒は自分と別れた後、早速相手のアドレスに《明日からカテキョ頼んで良いっすか??俺、真面目に頑張ります》とメールを送っていて。

  • No.685 by 露木 菊  2015-03-25 23:29:04 


>桐崎

(バイト終わり、バッグルームにて男子生徒からのメールに気付いては《いいよ。寮行けばいいよな?部屋番教えて》と男子生徒の想いなど知るはずもなく短く返信して。
その後、迎えに来てくれていた相手と当然のように寮へ向かっては昨日と何だかわらない時を過ごすも其れが至極幸せに感じいつまでもこんな時が続けばいいのにと相手との他愛のない会話を楽しみつつふと家庭教師のバイトのことを思い出し。
「あ…そう言えば明日から同じ寮の生徒に家庭教師つくことになった。もしかしてあんたの知り合い?」
(何もやましいことなどないため何気ない会話として聞いては「勉強熱心だよなー、俺なんて入学前はずっと遊んでたよ」と呑気に笑って。
同じ時刻、男子生徒は相手と自分が一緒にいるなど夢にも思わず《明日先輩に家庭教師ついて貰うことになった!!桐崎ってさ先輩の好きな食べ物とか知ってる?つーか好きそうなものあったら何でも教えて》とメールを送っていて。

(翌日、昼ごろまで相手と一緒に過ごしては少しだけ夕飯のおかずを作りおいてはお互いにバイトがあったため「…家庭教師のバイト終わったらあんたの部屋にも顔出すから」と告げて数時間だけレンタル店のバイトに出ては、夜に約束していた男子生徒の部屋へ向かい。

(男子生徒の部屋、なんの巡り合わせか丁度相手の真上の部屋で間取りも変わらなかったが、人が違えば趣味も違う。当たり前だが相手とは雰囲気の違う部屋にやっぱり相手の部屋が一番落ち着くなぁとしみじみ感じながら男子生徒と2人並んで座り予定通り英語を教えて。
『先輩、今日メガネなんすね』
「…え?…ああ…、丁度コンタクト切らしたから」
『へぇ。…今付き合ってる人とかいます?』
「いきなりなんだよ。………いるけど。そんなこと聞いてどうするんだよ」
『いえ、別に。でも意外っす。先輩、特定の人は作らないって噂だったんで』
「噂だろ。…はい、この話は終わり。勉強に集中しろ」
(まだ変な噂が流れているのかとげんなりしつつも気持ちを切り替えて勉強にうつり、何回も質問してくる男子生徒に意欲があっていいことだと感心しつつ出来る限り丁寧に教えて。

  • No.686 by 桐崎 繿  2015-03-26 02:48:47 




>露木

( 男子生徒のメールと共に特に疚しい様子も無く家庭教師を引き受けたと言う話を相手にされては勝手に不安な気持ちになるも平然を装い続ける。
バイトへと向かう相手を送り出す時も何処と無く心に靄が掛かった様な感覚を感じながら笑顔を作って。

( 夜、一通り今日の勉強を終えた男子生徒は笑顔で相手に礼を告げると予め自分に聞いていた相手の好物であるチーズケーキの入った箱を取り出し相手に見せ『駅前の有名なスイーツ店分かります??期間限定でニューヨークのパティシエが作ったチーズケーキ先着で売ってたんすよ、一緒にどうっすか??』と上機嫌で告げて。
紅茶を淹れ相手の隣に並んでは相手の眼鏡に触れ『先輩の眼鏡姿、初めて見たけど最高っすね』なんて大胆な事を人懐っこい笑顔で言っては『明日もよろしくお願いします、ちゃ-んと予習復習しとくんで』と。

( 相手が男子生徒の部屋から戻って来る頃、丁度自分もコンビニから戻って来てはモヤモヤとした気持ちを抱え買って来た雑誌に目を通しながらジュースの蓋を開ける。
そろそろ相手も戻って来るだろうなんて考え段々といつもの調子を取り戻そうとしたが鳴り響いたメール受信音と男子生徒の名前が流れたのに微妙な顔をして。
《桐崎、露木先輩の事色々教えてくれてさんきゅ!!!今日家庭教師やって貰ったんだけど心臓爆発するかと思ったわ-。先輩気付いて無くて無意識なんだろうけど教えんのに熱心過ぎてめっちゃ顔近いの、明日も鼻血出さない様に頑張るわ(笑)お休み!!!》
( 長文のノロケにムスッとしては《そりゃ良かったな、お休み》と何時もながらの素っ気無い返事をして。

  • No.687 by 露木 菊  2015-03-26 03:29:34 


>桐崎

(早く相手の元へ行きたいと思うも男子生徒の厚意を無碍にも出来ず、好物の誘惑に負けて結局一時間ほど過ごしてしまえば長居しすぎたなと焦って「ケーキご馳走様」と微笑み相手の部屋へと足を急がせて。

(相手の部屋に来るなり疲れたと言ってシャワーを浴びては濡れた髪をタオルで拭きつつベッドに座る相手の隣に腰掛け先程の男子生徒の話を始め。
「ちょっと煙たいところあるけどすごく良い奴でな、美味しいチーズケーキご馳走してくれた」
(相手の気も知らず普段の何気ない会話のつもりで話してはフワッと欠伸零し「…明日もあるんだよな。…あんたと会う時間減るのは嫌だけど…彼奴なら我慢できるかな」と眠たげに零し相手のベッドに横になり。
その後も相手と会話を続けるも疲れていたこともあってすぐに眠りについてしまい。

(翌日、あまり相手と顔を合わせること無く家庭教師の時間を迎えては男子生徒の部屋へいき何事も無く勉強を終える。
今日はまっすぐ相手の元へ行こうとさっさと退散しようとするが『先輩明日って暇ですか?』と聞かれて。
「…なんで?」
『新しい英語の教材買いたいんすけどどんなのが良いか分からなくて先輩一緒に選んで欲しいんすよね』
「ネットで調べたほうが確実だぞ」
『えー、ネットのレビューなんて桜とかいて信用できないですもん。…お願いします!』
「……分かった。少しだけなら」
(本当は相手と過したいと思っていたため嫌だったが、勉強態度は真面目だしそのやる気を無駄にはしたくないため渋々了承して。

  • No.688 by 桐崎 繿  2015-03-26 13:33:53 




>露木

( あの人懐っこい印象の男子生徒はどうやら上手く相手に懐いてる様で複雑な感情が沸いては何とか嫉妬心を押し殺して。
疲れが溜まってるのだろう、早々に寝てしまう相手の頬に口付け髪を弄んでは「………お前無意識に彼奴喜ばせてんの。妬かせんなよ」なんて呟いて。

( 翌日、男子生徒の家庭教師を終え自分の部屋に戻って来た相手を後ろから抱き締めては中々離れずに何処と無く面白く無さそうな表情をしていて。
しかし自分の携帯が鳴り響けば渋々離れ、携帯の応答ボタンを押し「はい」と怠そうに返事して。
『あ、もしもし桐崎??明日先輩デートに誘ったら笑顔でOKしてくれてさ。…まぁ参考書買うのが口実なんだけど。先輩ってどんな店好き??』
「……………さぁ、良く分からない」
『マジかぁ…。出来るなら先輩の事は何でも知っときたいんだよね、まぁ明日は頑張る』
「………ふぅん」
『何だよ桐崎、何か調子悪い??』
「別に」
( 上機嫌な男子生徒との電話を切り相手の元に戻っては相手に予定がある事を知りつつ「な、明日暇??」なんて意地の悪い質問をして。

  • No.689 by 露木 菊  2015-03-26 18:05:02 


>桐崎

(いつになく甘えてくる相手に何かあったのかと心配する反面、呑気にかわいいと喜ぶ自分がいて、電話から戻ってきた相手の問いにはまさか知ってて聞かれてるとは知らず済まなそうに視線を落とし隠すこと無く男子生徒が参考書を買うのに付き添うことを伝えて。
「…でも2時間掛からないと思うから午後は空いてる」
(終わったら連絡すると続けるも折角の相手の休みを拘束するのは嫌だったため「予定入ったらそっち優先していいから」と微笑み相手の髪をぽんぽんと撫でて。

(翌日、百貨店開店と同時に本屋に訪れて参考書を吟味しつつ早々に購入するものを決めるも『先輩って漫画読みます?』『普段どんなの読んでるんすか?』とやたら質問してきて携帯で相手に連絡をする隙を与えてくれず。
『そうだ、先輩って動物好きなんすよね。ペットショップ見にいきません?』
「…誰から聞いたんだよ。……いや、この後予定あるから」
『えー、昨日は一日暇だって言ったじゃないっすか』
「悪い、あの後予定入ったんだ」
(面倒臭いやつと悪態吐きつつ、つい笑顔で対応してしまうも電話が掛かってきてはしめたと男子生徒に断りをいれてから隅に行って電話に出て。
『…菊、今いいか?』
「父さん?……どうしたの」
『あ、…敬語…』
「………いいから、何?」
(気恥ずかしさからぶっきらぼうに聞くもゴニョゴニョとよく聞こえず何度か「え?」と聞き返して。
『あの、その…実は、上司の借金の連帯保証人になったんだけど。…その上司が行方不明で…』
「は?!」
『ご、ごめん!!…でもこんなこと菊にしか相談出来なくて』
「……父さん、借金の肩代わりなんて逃げられるのが落ちって分かってただろ?…桐崎さんにもまだお金返せてないのにどうするんだよ…」
『御免…、でもその人が困ってるの見たら放おっておけなくて…』
「……………いくら…いくら肩代わりしたんだよ」
『…二千万。…その半額を来週までに返さないと何するか分からないって…本当に御免』
(父の悲痛な声に頭が痛いと額を抑えては電話を切り溜息を吐く。
こんなこと迷惑をかけたばかりの相手や兄達に相談できる筈もなくどうしたものかと表情に出さないよう男子生徒に元に戻り「…悪いけどすぐ帰る」と別れを告げようとするも腕を掴まれて。
『先輩何かあったんっすか?なんか顔色悪い』
「別に、何も」
『………俺だから話せることってあるんじゃないんすか?』
「気遣いは有り難いけど本当になんでもないから。………此れ駅前のカフェの割引券。彼女とでも行けよ」
(謝罪代わりにクーポンを押し付けるように渡してはさっさと百貨店を出るも行く宛はなく頭を冷やすために公園のベンチに腰掛けては相手に《御免、ちょっと遅くなる》とメールし暫くぼーっとしていて。

  • No.690 by 桐崎 繿  2015-03-27 01:00:39 




>露木

( 相手からのメールにがっくりと肩を落とすもならば出掛けずに部屋で大人しく待ってようと。
不意に扉を叩く音が耳に入り相手な訳無いのだが期待をしつつ扉を開ければそこに居たのは男子生徒で。
「何、いきなり」
『露木先輩先に帰っちまうんだもんよ。め-っちゃ暇でさ、…で、応援してくれてる桐崎の所に来た』
「別に応援なんて…」
『え、してくれないの??あんなに先輩の事教えてくれたのにそりゃ酷いって』
( しゅんとする男子生徒を煙たそうに見詰めては渋々部屋へと招き入れ。
相手の様子が可笑しかっただのデートが途中だっただの散々聞かされては面白くなさそうに視線を流すも『あ-あ、人の心は金で買えないもんなぁ』なんて言われては何を言ってるんだと眉を寄せて。
「何、頭まで可笑しくなった??」
『可笑しくねぇから!!!俺これでもお坊ちゃまだかんね、めっちゃ金持ちなの』
「は-、以外」
『以外とか言うなよな』
「なら良い塾行けば良かったろうが」
『無理、露木先輩と仲良くなりたかったし』
( 結局聞きたくもない話を延々と聞かされては漸く帰る気になった男子生徒を見送り。
相手の状況も知らずに相手が来るのを待ち続けてる間、男子生徒はやはり相手が気になるのか何度もメールを送っていて。

  • No.691 by 露木 菊  2015-03-27 02:02:19 


>桐崎

(一時間ほど無意味に公園で過ごすも名案が浮かぶわけでもなく溜息を吐いては今日一日だけは相手に甘えて慰めて貰おうと立ち上がって相手に連絡を入れようとするが男子生徒からのメールの多さに無視できず電話を掛けて。
『あ!先輩!やっと出てくれた。もう俺超心配したんすよ??…そうだ。さっき買った参考書で分からないところあったんで今から教えてくれませんか?俺待ってますんで!それじゃあ』
(ちょっと待てと言う間もなく切れた通話にうんざりするも気を紛らわすのには丁度良いかと。
相手が待ってくれているとも知らずそう何度も連絡を入れてはしつこいかと思っては特にメールせずに男子生徒の部屋に向かって。

(男子生徒の部屋に行くと『やっぱり来てくれた』と笑顔で招き入れられてはさっさと分からない場所を聞こうとするも『まあまあ』と言われ食卓に座らされ“美味しいジュース”があると飲み物を出されて。
『その“ジュース”非売品なんで滅多に飲めませんよ』
「…へえ。…いや、でも俺ジュース飲みに此処に来たわけじゃないから」
『そう堅いこと言わずにー。飲んでみてくださいって』
(人懐っこい笑みを浮かべる男子生徒に溜息が漏らしつつまあいいかと“ジュース”もとい“強い酒”を飲むも口当たりの良さから気付かずに結局二杯呑んでしまい身体の異変に気付いた所で漸くそれが“酒”と気付いて。
「…お前なぁ、何の嫌がらせだよ」
『すいません。でもこーでもしないと先輩何があったか教えてくれないと思いまして』
「…は?」
『先輩、何か悩みがあるんすよね?話してみてくださいよ。楽になりますから』
「………言わない」
(絶対話すものかと口を噤むもしつこい問い掛けと酒の酔いに段々と思考が鈍ってきては自分も知らないうちに父の借金について話していて。
『うわ…まじっすか。それ超やばいですね。………俺、払いますよ?』
「冗談よせよ。…一千万だぞ。無理に決まってるだろ。というより頼めない」
(阿呆かと軽く罵倒しては“こんな事絶対相手に言えない”と溜息を吐く。
それでも相手の顔が急激に見たくなっては「……勉強しないなら繿のところ行く」と無意識に呟きテーブルに手をつきながらフラリと立ち上がるも予想以上に身体に力が入らずガクンと膝から崩れ落ちては拍子にグラスも落として割ってしまい、下の部屋(相手の部屋)にも響くほどの騒音を響かせて。

  • No.692 by 桐崎 繿  2015-03-27 02:49:28 




>露木

( 中々訪れない相手に眉間に皺を寄せるも相手が約束を踏み倒す様な性格で無いのは自分が一番分かっておりもう少し待とうと言うのを何度も繰り返して。
音楽を掛けたり雑誌を開いたり携帯のゲームアプリを始めたりと何かと暇潰しを探すもやはり相手が気掛かりになり何れも手に付かず。
その刹那、不意に上の階から大きな音が聞こえ何事かと天井を見詰める。
確か上の階はあの男子生徒の部屋、最近良く顔合わせもしてるし無視する訳にも行かず相手が居る等と知らずに渋々エレベーターへと向かって。

( その頃、男子生徒は崩れ落ちた相手の肩を組みベッドへと寝かせては自分の事を“名前”で呼んだ事に僅かに気掛かっており。
あまり深く考えない様にしようと言い聞かせベッド上の相手に『あ、変な事したりしないっすから!!!俺ちゃんと段階は踏むタイプだし………じゃなくて!!!…あ、水持って来ます。………酒弱かったんすよね、すいません』と言い冷蔵庫からミネラルウォーターを持って来て。
相手の横に座りまさに尻尾を降る犬の如く相手との距離を縮めては『あ-、でも先輩酔った勢いで俺に話しちゃったのラッキーかもしんないっすね。一千万とか俺のお小遣いでもちょろいっすよ』なんて笑顔でとんでもない事を告げて。
ベッドから離れ鼻歌交じりに『…あ、でも現金より小切手のが楽だよな』なんて小さな声で呟いては突如叩かれた玄関に気付き顔を出して。
「さっきすっげぇ物音した。何か合ったの??」
『わ、心配してくれたの??桐崎やっさし-』
「馬鹿にすんなよ。大丈夫なんだな」
『おう。ありがとな-、今先輩来てるからさ』
「……………は??」
( 男子生徒の言葉にポカンと口を開けては僅かに見えた隙間からベッドに横たわる相手が見えて。
自分の部屋より先に男子生徒の部屋へと来たのか、なんで自分以外のベッドなんかに居るんだ、と黒い感情が根を張っては「…じゃあ俺は邪魔だろうから」と男子生徒にしか聞こえない声で呟いて。
笑顔で『悪い、後で電話するわ』なんて言う男子生徒に小さな憎悪が沸くもしっかり真実を言えない自分が悪いのだと。

  • No.693 by 露木 菊  2015-03-27 03:22:28 


>桐崎

(男子生徒が話す言葉を何とか聞き取るも返答することは出来ず、相手が来ていたことも気付かずに身を起こすとミネラルウォーターを口にして。
『あ、もう起きて大丈夫っすか?ゆっくりしてってくださいね』
「…悪い。迷惑かけた」
『いやいや俺が酒飲ませたのがいけなかったっすから』
「………」
(それもそうかとまだぼーっとする頭を抑えていると突然一千万円の小切手を渡され目を瞬かせるも受け取れないと突き返して。
『これくらいなんともないっすよ。残りの一千万も必要なら言ってください。なんなら今用意しますよ』
「待て待て。…そんなすぐ返せるものでもないし…困る」
『家庭教師代ってことで』
「いや、それは…」
『じゃあ明日から一時間延長で。困った時は助け合いっすよ、先輩』
(ニカッと笑う後輩にでも…と渋るが強く押し切られてしまえば実際追い詰められていたこともあって受け取ってしまい。
その後これ以上長居して迷惑を掛けるわけにもいかないと深く謝罪と礼を述べて部屋を後にしようとするも『まだ居てくださいよ』と引き止められる。
しかし気を遣わされてると思い込んでは「埋め合わせ出来るかわかんないけど出来ることはするから」とその場を立ち去って。

(まだふらつく足で訪れたのは相手の部屋、先程ベッドに寝込んでいたところを見られていたとは知らず中に入れて貰っては入った瞬間ガバッと相手を抱き締め扉が閉まるのと同時に相手を床に押し倒して。
「…会いたかった…」
(酒の臭いを漂わせながら吐息混じりに呟いては相手の首筋に顔を埋め、お金の不安がなくなった安心感からか小さく微笑みを零しては「…遅れてごめん」と表情とちぐはぐな言葉を述べ頬に音を立てて口付けて。

  • No.694 by 桐崎 繿  2015-03-27 21:58:56 




>露木

( 男子生徒の部屋で見てしまった光景にモヤモヤはまた膨れ上がり“もしかしたら男子生徒と一線を越えたのか”“男子生徒の方が心惹かれるのか”なんて不安が込み上げて来て。
自室のベッドで項垂れてた所部屋に鳴り響いたノック音に気付いてはのそのそと扉を開けるもそこに居たのは相手の姿で複雑な顔をして。
ほんのりと赤らんだ表情で押し倒されては見事に体制を崩してしまい「…酔ってんじゃん、酒飲んだのかよ」なんてぼやいて。
相手を軽々と抱き抱えベッドに下ろしては男子生徒と何も無かった事を確認すべく相手の首筋を軽く乱し自分の痕をいくつも残して。
小さな優越感を感じつつそれでも嫉妬が拭えずに居ては相手の腕を顔の脇にグッと押え付け「良いだろ??」と強引な物言いで鎖骨を甘噛みして。

( その頃、階下の事など何も知らない男子生徒は富豪な自分の父親に相手の身元の借金を全て片付けて欲しいと頼んでは相手のアドレスをなぞって。
相手の為になれたのだと嬉しそうに微笑みを浮かべては《先輩、俺最近勉強頑張ってますよね??折角なんで息抜きしたいし次の休み一緒に映画とかどうっすか??……………お金の悩みならもう終わらせたんで先輩は何も悩まないで下さいね!!!》とハイテンションなメールを送っており。
春休みに入る事もあり相手と会える時間が増えるのだと頬を綻ばせては明日も相手が部屋に来るのだしと散らかってた衣類やらを片付けて。

  • No.695 by 露木 菊  2015-03-27 22:55:05 


>桐崎

(酔が醒め切っていないせいか押さえ付けられても身体は震えず、むしろ首筋や鎖骨に与えられるチクリとした痛みに敏感に反応しては誘うように相手の首に腕を引っ掛け口付けを求めるも触れ合う寸前でお決まりのごとくバタンと力尽き一人呑気に眠りについて。

(翌朝、二日酔いもなくサッパリ目を覚ましてはシャワーを浴びて着替えると相手が用意してくれた朝食を頬張り片付けを終えたところで男子生徒のメールに気付き。
次の休みこそ相手と一日過したいと思っていたため思わず眉を寄せるが、大金を肩代わりして貰って断るわけにもいかず《本当に助かった。…次の休みあけとくから見たい映画決めておいて》と返信しては相手の前ということを忘れ溜息を吐いて。

(そして次の休み、時計台で男子生徒と待ち合わせ映画館に向かってはチケット代もドリンク代も全て支払われてしまい悪い気しかおきず、映画も特に見たかったわけでもなかったため次の休みは絶対相手と過ごそうとそればかり考えていて。
上映が終わり近くのカフェに入っては一人ぺちゃくちゃ喋る男子生徒の話に適当に相槌を打ちつつ、ふと思い出したように包みを男子生徒に差し出して。
『え、俺に?何ですか?』
「…色々、助けて貰ったから」
『わあ、これ最新型の電子辞書じゃないですか。しかも結構高いやつ。いいんすか?』
「そんなんじゃ全然返しにならないと思うけど。…大学では必要だから」
(あんな大金今の自分ではこれくらいしか埋め合わせができないと申し訳無さそうに述べてはここのカフェ代くらいは自分が支払おうと会計に向かって。

(その頃、相手の元に何も事情を知らない父が電話をかけていて。
『あ、繿君?久しぶり。元気かい?この前は本当にありがとう。……ところでその、菊から話は聞いてるかもしれないけど今回も繿君が助けてくれたのかな?…君には助けて貰ってばかりだね。でもあんな大金どうしたんだい?』
(てっきり自分が相手に相談したものだと思い込む父は相手の身に何かあったのではと心配していて。

  • No.696 by 桐崎 繿  2015-03-28 00:11:21 




>露木

( 突如相手の父親から連絡が来てはその内容に何の事か分からず、それと共に何の相談もされなかったと。
上手く流し電話を切ろうとするも『今度休みが有ったら縺さんの所に行くからね。仕事も順調だし少ない額だが返そうと思って。もし良ければ………その、菊も誘って一緒に御飯でも食べに行かないかい??』と言われて。
「露木も喜ぶんじゃないですか。…何時頃こっちに来るんすか??」
『あぁ、君達も春休みに入ったんだもんね。縺さんの暇が取れたら行こうと思ってるよ。………菊は…来てくれるかな』
「来ると思いますよ。………でもちょっと露木に話あるんで…失礼します」
( 相手の父親との電話を切り相手に電話を掛けるも何故か留守電に繋がり一体何をしてるのかと疑問が浮べば暇と退屈を潰しに街へと向かって。

( 相手からの贈り物に男子生徒は分かり易く喜びながら会計へと向かう相手に追い付き相手が代金を支払うよりも早くカードを店員に渡していて。
『俺が付き合わせてるんすから気使わないで下さいよ。…それより先輩、またこうして遊んでくれると嬉しいっす』と気恥ずかしそうに微笑んで。
『夜、家庭教師お願いしますね。ちゃんと復習しといたんで!!!』
( ニッと明るい笑顔を浮かべカフェを出ては街を見回りながら寮へと向かう。
道すがらのショーウィンドーを見ながら『あ、あれとか先輩に似合いそうっすね』なんて言っては楽しそうに。
街を抜けるというその時、コンビニの中に自分の姿を見付けた男子生徒は『あ、桐崎』と。
『先輩と仲良くなれたのも桐崎のお陰なんすよ、応援してくれてるって………って俺何言ってんだろ』
( 照れ臭そうに頭を軽く抱えてははにかんで。

  • No.697 by 露木 菊  2015-03-28 00:55:30 


>桐崎

(カフェ代まで支払われてしまえば、自分は特別何かしてやったわけでもないのにどうしてこうも親切なのかと無邪気に笑う男子生徒を横目でチラリと見る。
こんな良い奴が本当にいるのだろうかと首を傾げていると“桐崎”の言葉に光速で反応してそちらに目を向けるも、続く男子生徒の言葉に耳を疑っては「え?」と男子生徒を見て。
そこで漸く鈍感な自分でも隣の男子生徒が至極親切にしてくれる理由に気付いては少し青ざめたように一歩後退り『露木先輩!!』と呼び止める声も耳に入らず逃げるようにその場から走り去って。

(たどり着いたのは公園、しかしすぐに男子生徒も追い掛けて来ては急にどうしたのだと問いただされ勝手に逃げたことを謝って。
『それはいいっすよ。…なんか俺まずいこといいました?』
「……あんた、俺のこと好きなの?」
『え。……ぁ、いや。…はい、俺ずっと先輩のこと…「俺と桐崎、付き合ってるんだ」
『へー。そうっすよね。って、えええ?!でも桐崎俺のこと応援してくれるって…』
「……本当にあんたを応援するって言ったのか?」
『勿論。露木先輩のこと色々教えてくれて。俺それで超助かったっすもん』
「……あんたには感謝してるよ。勉強熱心でいいやつだと思う。……でも俺は桐崎だけだから」
(男子生徒の目を見てまっすぐ告げるも罪悪感と靄々した気持ちが入り混じり胸がジクジクと痛んでは目を逸し。
重たい沈黙の中、自分の携帯が鳴っては「…御免」と謝り遊具の影に行っては電話に出て。
「父さん、何?……そっちは大丈夫そう?」
『ああ。おかげで助かった。それになんだか分からないけど急に会社の経営が向上してね。給料も上がるみたいなんだよ。あー、違う違う。今日はその話じゃないんだ』
(珍しく覇気のある父の声に良かったと安堵するも複雑な心境は拭いきれず、相手や相手の父親と食事する話を聞くときもあまり思考が回らずよく考えもしないで「分かった。予定あけとく」と頷いては電話を切って。
すぐに男子生徒の元へ戻らねばと思うも後ろめたさと靄々した気持ちで中々足が前に出ず暫く電話を続けるふりをして。

  • No.698 by 桐崎 繿  2015-03-28 01:41:33 




>露木

( 電話に向かった相手の後姿を見詰めながら男子生徒は小さく溜息を付くも何故付き合ってるならそうと言ってくれなかったんだと自分の事を考えていて。
素直な性格故か、言い出しづらい状況を作ってしまったしお互い様かと考えてはやはり気が重く。
背後から相手の様子を伺ってた所でもう電話中だろうと構わないと相手を後ろから抱き締めては肩に顔を置き相手の携帯に目を向ける。
電話が終わってる事に気付き、それでも気にせずにゆっくり口を開いて。
『先輩、俺先輩が桐崎の事好きでも先輩を助けた事後悔してないっすから。桐崎全部知ってて俺に協力してたんすよね、上等っす。一瞬だとも応援してくれる様子だったし俺諦めるつもり無いっすから』
( ニッと笑顔で上記を言えば改めて相手と向き直り『だからこれからも暫くは家庭教師お願いします。………惚れさせる様頑張るんで』と悪戯に微笑んで。

( その頃、自分は結局相手も見付けられずにとぼとぼと寮へと戻っては最近相手と過ごす時間は少ないなと感じており溜息を漏らして。
男子生徒の言葉が誤解を生んだとも知らずに暇そうにマンガ本を取り出してはベッドに横になって。
その時、不意に携帯が鳴り響いてはどうやら着信相手は男子生徒の様で。
「何」
『桐崎さ、俺と露木先輩応援してくれんだよな』
「………えと………」
『なんてね、聞いたよ先輩から。も-言ってくれても良かったんだぜ??』
「…は??」
『でも桐崎応援してくれてる素振りだったから俺も諦めない事にした。…って事で俺達ライバルだな』
( 『じゃあね、俺明日からも露木先輩に勉強教えてもらうからさ。羨ましいだろ』なんて言葉を最後に電話が切れては暫し状況を掴めず頭をこんがらがせて。

  • No.699 by 露木 菊  2015-03-28 02:08:32 


>桐崎

(男子生徒と別れてからも相手と会う気にはなれず“相手が男子生徒を応援していた”という事実が頭の中をグルグルと駆け巡っては沈んだ気持ちのままアパートに帰り、単なる思い違いだと知ること無くその日は眠りについて。

(翌日レンタルショップのバイト終わりに男子生徒の部屋に向かっては戸惑いつつも“これは勉強”と言い聞かせ何事も無く授業を進める。
何度か“休みの日は何をしてる”だとか“兄弟はいるのか”とか他愛のないことも聞かれたが隠すことでもなかったため淡々と答えて終了時刻を迎えると「…お疲れ」と逃げるように部屋を後にして。

(そのすぐ後相手の部屋の前まで来るも扉を叩くまで数分かかり意を決してノックするも中には入らずに「……今日は父さんがアパートに泊まりにくるからここで」と視線を落としボソリと呟いて。
聞きたいことは沢山あるのに中々声に出せずどうせ明日食事をする時に会うのだからその時にしようと怖気づいてしまえば「…じゃあ明日。おやすみ」とその場を去ろうと。

  • No.700 by 桐崎 繿  2015-03-28 22:12:44 




>露木

( 相手が来てくれたと思えば素っ気無い言葉と共に去ろうとするのに眉を寄せる。
咄嗟に腕を掴み“少しくらい上がれよ”と口にしようとするが父を待たせてるのならそれは失礼かと。
不満気な顔を顕にしながらパッと手を離し「…ごめん、じゃあ…明日な」と何処と無く寂しそうな表情をしてはパタンと扉を締めて。

( そして翌日、自分の父と出会し相手と相手の父との待ち合わせ場所になってる洒落た居酒屋に来れば父は面倒そうに席に付いて。
相手の父が優しい微笑みで前回の三百万の礼と返済の約束を言うのに舌打ちしては『要らねぇってんだろうが。お前本当学習能力無ぇな、あれは繿が餓鬼の頃お前に世話になったからって言った筈だ』と。
酒やら料理やらが運ばれて来る中、何故か相手と視線が交わらずそれを疑問に思いつつも深く考えない様に料理を口に運んで。
『菊、菊にも散々迷惑掛けたね。今は地元でちゃんと安定した仕事に付いたよ、ナツや母さんの所にも週3くらいで通っててね。今度は家族で食事に行こうって話にもなったんだ』
( 嬉しそうに話す相手の父親に自分の父が『ふん、そっちの会社の上司にも上手く騙されたら笑いもんだな』なんてまた一見冷たい様な言い方をして。
相手と一言も会話を交わして無い事や何故か気不味い雰囲気な様子に勝手にイライラとして来ては頬杖を付いたまま相手の皿にプチトマトやら玉ねぎやらを移していて。

  • No.701 by 露木 菊  2015-03-28 22:59:51 


>桐崎

(居酒屋にて相手と話さねばと思うも父親2人の前でする話でもないため口を閉ざしていたが、明らかに苛々した様子で苦手なものを皿に移してくる相手に“なんであんたが不機嫌なんだよ”とむかついてしまい皿に乗せられたものを相手の皿に返却していき。
『こら、菊。行儀悪いからやめなさい』
「…此奴が先にのせて来たんだし」
『子供みたいなこと言って。それに友達を此奴呼ばわりしたら駄目だろう』
「…………」
(相手の前で父から叱られ情けなさと恥ずかしさで更に機嫌を損ねるもここで空気を悪くするわけにはいかないため素直に謝り相手の父親に笑顔でお酌しては適当に世間話をして場を繋ぎ。
結局相手とまともに会話をしないまま食事が終盤にさしかかり店員が『予約のサービスです』とデザートを持ってきてどこか聞き覚えのある声に顔を上げると目を丸くする男子生徒が立っていて。
『先輩!…と桐崎。え、…あ、じゃあもしかして露木先輩のお父様ですか!わあ初めまして、俺先輩に世話になってる磯貝(イソガイ)っていいます。よろしくっす』
『磯貝?磯貝君ってもしかして今回お金の工面をしてくれた?』
「…父さんその話は…」
(借金の話は相手には話していないこと。出来れば知られたくないと父を制そうとするも既に遅く、父はヘコヘコと男子生徒に頭を下げて『僕はてっきり繿君に相談したと思ってたんだけど菊が昨日話してくれてね。いやー、君みたいな子が菊の傍にいてくれて嬉しいよ』と笑っていて。
それから暫く男子生徒と父が笑顔で会話し話の区切りがついたところで思い出したように此方を見て。
『あ、先輩。言っておきますけどバイトは親と学校公認の社会勉強なんで校則は違反してませんから。っていうかもう卒業だから校則とか関係ないっすから…じゃあ俺はこれで。明日も待ってますね』
(ニカッと笑顔で仕事に戻っていく男子生徒に父が『本当にいい子だねー』と呑気に笑うのに、自分は居たたまれなさから相手の顔が見れず、今日聞こうと思っていたことも忘れて相手を遠ざけるように目をずっと逸らしていて。

  • No.702 by 桐崎 繿  2015-03-29 00:10:21 




>露木

( 現れた男子生徒と相手の父との会話に以前相手の父が自分に連絡を寄越した内容が漸く理解出来ては自分には全然相談も無かったのに男子生徒には言えたのかと身勝手な苛立ちが込み上げて。
此方を見ない相手に小さな舌打ちを漏らしては欠伸をする父を見詰めて。
『あ??辛気臭ぇツラでこっち見んじゃねぇ』
「息子に向かって言う言葉かよ」
( ブスッとしながらデザートを平らげ暫く話した後に店の外に出ては自分の父と相手の父がまた会おうと話してるのを横目に携帯を見詰めていて。
『じゃあ僕はホテルに泊まるから此処で。縺さんは自宅に戻るんだよね、なら途中まで道は同じだね。じゃあね菊、繿君も今日はありがとう』
( ニッコリと微笑む相手の父にペコリと頭を下げては重たい空気の中何時もより早足で帰路を辿る。
アパートと寮の別れ道迄もう少しと言う所で遂に我慢が出来なくなっては相手に向き直りグッと顔を近付けては一番問い掛けたい事も聞けず「ムカつく」と呟き。
「こっち見ろよ」と言うも見事にフイと逸らされては相手の耳に軽く噛み付き「こっち見ないと噛み契るぞ」なんて子供地味た脅迫をして。
「………磯貝とすっげぇ仲良さそうだったな、あんたの父さんもすっごい気に入ったし」
( 不機嫌をあからさまに上記を言えば尚も機嫌の悪そうな顔で自分の巻いた種にももはや気付けずにいて。

  • No.703 by 露木 菊  2015-03-29 01:01:46 


>桐崎

(重たい空気の中、突如“ムカつく”と言われカチンと来るも居た堪れなさが先立っては相手の鋭い視線から逃げるように目を逸らす。
しかし耳を噛まれ言われた言葉についに苛々が我慢できなくなっては相手をキッと睨み付け。
「は?何であんたがんなこと気にするわけ?俺と磯貝が仲良くしたらあんたにとって都合良いんだろ?」
(相手が“応援してる”とまだ確認してもいないのに怒りをぶつけては何で俺が悪いみたいに言うんだと舌打ちして。
「てかあんた、さっきからずっと苛々して空気悪いんだよ。好き嫌いとか餓鬼か。ムカついてるのはこっちなんだよ」
(子供の喧嘩のように罵声を浴びせてはハァとわざとらしく溜息を吐き「……あーそうだよ。磯貝と仲良いよ。彼奴はいい奴だしあんたみたくいきなりキレたり噛み付いたりしないしな。それに勉強熱心だし人も良いしそりゃ父さんも気に入るよ。あんたも俺と磯貝のこと応援してくれるんだろ?きっと喜ぶだろうな、うちの父さんは」といやみったらしく述べて。
本当は相手が誰よりも優しくて、バイトや授業の合間の短い時間に一人勉強に励んでいることを知っていたのに、今は気が回せず相手を睨みつけて「今日あんたのとこ行こうと思ったけど辞める。どうせ苛々するだけだし、俺は邪魔だろうから」と“応援する”ということは他に気になる人がいるのだろうと勝手に思い込んでは冷静になれないままその場をさろうと。

  • No.704 by 桐崎 繿  2015-03-29 01:17:54 




>露木

( 男子生徒にしっかりと真実を言えずうやむやにして誤解を生んでる事にも気付けずに相手の言葉に“本当にあの男子生徒に相手を取られるのでは無いか”と言う焦燥感が湧いて。
わなわなと震えながら相手の肩をグイッと掴むも性格上やはり素直になれず「な…なら勝手に磯貝の所でも行けば良いだろうが。別に俺は止めたりしねぇから」なんて生意気極まり無い事を言っては相手に背を向け大股で寮へと戻って行って。

( 自室に来るなり今日の自分の行いに深く後悔しては相手の言葉を一つ一つ思い出す。
まずは勝手にキレた事と噛み付いた事を謝らなければと携帯を取るも文字を打った所で送信する事が出来ず結局消去して。
勉強熱心と聞けば別にあの男子生徒は相手との勉強会だから頑張ってるだけだろなんてまた黒い感情が生まれるも最近は自分も成績が落ちて来ていて。
以前相手に勉強を教えて貰おうとも思ったが丁度家庭教師のバイトを受け持ったと聞いて諦めて。
あの男子生徒の様な人懐っこい笑顔を向けるなんて無理だしこれでは適わないと大きな溜息を付いて。
ベッドに横になったまま寝息を付いては夢の中でも相手の事ばかり考えていて。

( 翌日、朝食に行こうと迎えに来た青年を見詰めては身支度を済ませどうせなら外のファミレスに向かおうと。
頭の中ではあの男子生徒の印象がグルグルと駆け巡っており少しでも笑顔を作れたら良いのになと。
『わ、俺パンケーキにしようかな。兄さんは??』
「トーストで良い」
『分かった、店員さ-ん』
( ニコニコと笑顔で注文する青年を見詰めては小さく溜息を付き。

  • No.705 by 露木 菊  2015-03-29 02:05:53 


>桐崎

(翌朝アパートにて目を覚ますも眠れたはずなのにすこぶる目覚めは悪く、その原因は明らかで昨夜相手が最後に残した言葉からやはり本当に自分と男子生徒の仲を応援したのかと疑っていて。
相手からのメールはなく何度も自分から送ろうとするが言葉が見つからず結局なにも送れずに溜息を吐き今日は家庭教師のバイトしかないしそれまでアパートでゆっくりしようと思うもSNSの通知音が鳴っては《おはよっす。今から一緒に朝飯食いに行きませんか?》と。
男子生徒の想いを知ってしまったためこれ以上近づきたくないと思うもそれを見計らったように《友達としてで良いっすよ》と続けざまにメッセージが送られてきて。
正直面倒だったが相手とのことで意地になっていたこともあり、どうにでもなれと投げやりになっては《分かった。今から支度する》と短文を送って。

(訪れたのは相手と青年もいるファミレス、しかし敷居などがあったため気付かず入り口付近の席に案内されてはサラダやスープを注文して。
「…金持ちはこーいうところこないのかと思ってた」
『嫌だな、それは偏見っすよ。それに先輩もこっちのが落ち着くでしょ?』
(人懐っこく笑い朝からがっつり厚切りベーコンを食す男子生徒に流石元野球部と感心しつつ、食堂で相手から貰っていたヨーグルトを恋しく想い、昨夜相手の苦手な物を食べて上げればよかったとウジウジ後悔して。
『話聞いてます?この後、俺の実家来ません??先輩の好きな星とか自然の図鑑沢山あるんで。あ、自家用プラネタリウムもありますよ。あと望遠鏡も。折角だから今日の家庭教師は俺の実家でやりましょうよ』
「…あー…、いやでも…」
『あ、今俺に襲われるかもって思いました?心配しないでください。俺そーいうところは紳士っすから』
「は?…だれかそんな心配するかよ。………ただ桐崎と…」
(会いたいと言おうとする自分に気付いては喧嘩してるのに何考えてるんだと焦ってしまい『わー、図星っすか?意外と変態っすね』とからかわれたのも相まって顔を赤くして。

  • No.706 by 桐崎 繿  2015-03-29 21:34:08 




>露木

( 朝食を終え青年と共に会計へと来た所で目に入ったのはあの男子生徒と向き合い頬を赤らめて何かを話してる相手の姿で。
分かり易く不機嫌をあからさまに表情に出しては激しい嫉妬に駆られわなわなと震えて。
その刹那、相手とばっちり目が合うも咄嗟の事にビクリとしフンと顔を背けては青年と共にファミレスを後にして。

( それから春休み故に特にする事も無く青年と街をブラブラ彷徨っては最近成績が落ちてる事を何気無く青年に相談してみたりして。
『俺も勉強嫌いだからな-、留年生だし』
「いや俺も嫌いだよ。でも俺寮賃親が出してる訳じゃ無くて少し事務の先生に媚ってるからさ、流石に成績落ちると追い出されかねねぇんだよ」
『え-、寮賃かぁ。確かお父さん何とかしてくれるって言って無かったっけ??』
「言われた、…けど俺が断ったの」
『何でよ-』
「母さん肺弱らせてるらしくてさ。病院通えば治るらしいしあんまり世話かけらんねぇなって」
『そっかぁ…』
( 相手とは喧嘩をしてるし頼める筈無いと頭を悩ませつつそれでも青年が話を明るくしようとしてくれてるのは分かり軽く微笑んで。

( その頃、男子生徒は相手を豪邸に招きその一室のプラネタリウムに案内しては真っ暗な部屋の中相手の手をさり気なく取って。
『あ、す…すみません。俺鳥目なんすよね』
( 困り笑顔でそのまま装置の前まで向かえば漸く手を離し慣れた手付きで操作をして。
『凄くないっすか??たま-に無料で子供達とか招待してるんすよ。その辺と意地悪な金持ちと一緒にしないで下さいね』とあの人懐っこい笑顔で。

  • No.707 by 露木 菊  2015-03-29 22:30:41 


>桐崎

(男子生徒の家に招かれ自家用の域を越しているプラネタリウムに圧巻するも、相手のことが頭から離れず今朝ファミレスで顔を背けられたことを自分が顔を赤らめたからとも知らず気にしていて。
『先輩どうっすか?気に入ったならいつでもまた来てくださいね』
「…あ?…ああ。………陸と遙花にも見せてやりたいな」
『誰っすか?』
「ああ…孤児院の子どもでさ。桐崎によく懐いてるんだ」
『……また桐崎っすか。先輩さっきから口を開けば桐崎桐崎って…』
「………」
『あ!いやいいっすよ。今度その子供達連れてきてくださいよ。珍しいフランス菓子も用意しますんで』
「いやでも桐崎居ないと難しいかな…。俺だけじゃ子供達連れ出せないし」
(今は喧嘩してるから頼めないと眉を下げては機械が天井に映し出す空をぼんやり見つめていて。
その後夕食までご馳走になっては男子生徒の部屋で授業を終えて今度は本物の星空を見ようと誘われるも小さく首を横に振って。
「それはやめとく。…桐崎と見る約束して…、まだ見てないから」
『……でも喧嘩してるんすよね?』
「…悪い、もう帰る。長居したら家の人にも迷惑かかるしさ。…今日はありがとな。楽しかった」
(小さく微笑んでは男子生徒の家族に挨拶して邸宅を後にして家路を歩く。
相手のことがむかついていたのにこんなにも相手を想ってしまう自分に嫌気がさすも相手を忘れられないことくらい分かっていた気がして着信のない携帯を見ては小さく溜息を吐き、自分から男子生徒に相談したことだけでも謝ったほうがいいのだろうかと相手のアドレスを開いて。
暫く散々迷うも此れまで何度もちゃんと話しあえずすれ違って来たことを思い出しては《話がしたい。時間あるときでいいから会わないか?》とメールを送り。

(その頃、男子生徒は相手にライバルとして今日のことを報告しようとSNSで自分としたことを自慢し《俺のがポイント高いかもな♪》 なんて送りつつ自分が相手のことばかり話していたことは伏せていて。

  • No.708 by 桐崎 繿  2015-03-29 23:46:04 




>露木

( 自室にて結局青年と駄弁って居たが青年がふと時計を見上げては『あ、バイトの時間だ』と零して。
バイトなんてやってたのかと疑問が浮かび問い掛ければ『かなり高収入だよ。ネットでうま-くバイトしてるの』と微笑みさっさと自室に戻って行って。
何のバイトしてんだよ、なんて考えつつ携帯を手に取っては相手からのメールに気付きバッと起き上がるもそれと共に男子生徒からのメッセージが入っては眉を寄せる。
絵文字を乱用しまくってる様子から相当な上機嫌が伺えイライラとしては《何なら俺も彼奴泊まりに誘っちゃおうかな》なんて嫌味な返信を送って。
男子生徒からの返事は早く《巫山戯んなよなヽ(`Д´)ノ…って言うか桐崎が泊まりに誘うって言うとあっちのイメージしか沸かないんだけど》と失礼極まりない内容に再び苛立って。
《何、俺はそういうイメージが定着してんだ》
《いや…そんなんじゃ無いけどお前自分の噂少しは気にしろよな》
( 長く続きそうなメッセージに小さく溜息を付いては相手のメールを開き返信を作成する。
…が、やはり素直にはなれず会おうという誘いに凄く嬉しい筈なのに《仕方無ぇな、面倒だけど時間作ってやっても良いよ》と生意気な返信をしてから後悔しベッドにボフリと身体を預けては本当に自分は馬鹿だなと唇を噛んで。

  • No.709 by 露木 菊  2015-03-30 00:28:06 


>桐崎

(アパートに戻っては相手のメールに気付きその冷たいように見える内容にズキリと胸が痛むも此処で負けてたまるかと《御免、有難う。時間わかったらまた連絡して。待ってるから。おやすみ》とメールし、次会うときは絶対冷静でいようと心に決め、たとえ本当に“応援してた”ことが真実でも受け入れようと。
ただの思い違いとも知らず勝手に靄々してはその日は疲れていたためそのまま眠りについて。

(その頃、相手の部屋には若頭と兄が怪しい大きめの水晶球を手に押しかけていて先程テレビでやっていた怪奇現象の番組について話していて。
『本当凄かったんだって!!男の人が呪文みたいなの唱えたら人がスゥと水晶球に吸い込まれて消えちゃったの』
『まああんなの編集だよね。絶対。信じてるの木ノ宮くらいだよ』
『えええ。絶対本当だって。それでねそれでね。また呪文を唱えたら消えた人がパッと現れて過去にタイムスリップしてきたって言うんだよ。びっくりじゃない?』
『……まあ嘘だよね。木ノ宮も信じてない癖にその乗りやめなよ』
『…綸はノリ悪いなぁ。繿は僕の話乗ってくれるよね?僕昔っから魔法とかちょっと憧れてたんだ。念を送れば一般の人でも出来るらしいから繿、ちょっと実験台になってよ。そのために多額はたいてこの水晶球即取り寄せたんだから』
『……俺はとめたよ』
(流石の兄もこの若頭のテンションにはついていけないのか呆れ顔をしており、勿論若頭も本当に信じているわけではなく盛り上げてしまったテンションを引くに引けなくなっているだけで。
『ささ、繿。ちょっと僕の遊びに付き合ってよ』
(相手の気も知らずに酒でも入ってるのかというくらいハイなノリで相手に絡んでは相手の手を無理やり水晶球に乗せて。


(/本体失礼します。そして申し訳ありませんw
今回もお馬鹿な本体がやらかしましt((←
繿君江戸へタイムスリップ(身体ごと)の巻です☆(殴蹴)
ちょっと雰囲気変えたくて(露草で繿君を愛でたかっt)やらかしただけなので
え、ないだろって思ったらスルーしてください<(__)>
設定的にらん君が二人いるとややこいので爛君は現代で菊とワイワイしてて貰おうかなと←
それで爛君と露草も喧嘩してて気まずくなってますとかだったらいいな←←
本トピの江戸での設定・矛盾はスルーでOKです(笑)
毎度、本体暴走してすみません(深々)
そして例のごとく何も考えておりまs((
とりあえず舞台は江戸で露草と繿君と絡みが出来たらいいなという自分の我が儘でございます(^q^)

  • No.710 by 桐崎 繿  2015-03-30 18:56:09 




>露木

( 若頭のテンションの高さに呆れつつ、それでもタイムスリップなんてある訳無いしと仕方無くその遊びに付き合ってやろうと手を翳しては突如その水晶球に吸い込まれる様な感覚になり慌てて助けを求める。
…が、時既に遅く地面に身体を打ち付けられる感覚に眉を寄せては着物に身を包んだ少年少女達が『爛兄ちゃん??』と自分を覗き込むのを最後に意識を手放し。

( 現代の自室、現代の自分と引き換えに飛び出して来たのは真黒な着物に身を包み白鞘の刀を持つ自分と瓜二つの青年(爛)の姿。
以前自分に憑依した事は合ったが生身の自分自身で呼び込まれたのは初めてな為無表情で辺りを見回しては冷静な様子で兄の顔を見詰める。
『………ちょっと木ノ宮、俺知らないからね』
『ま、待ってよ!!綸だって面白がってたじゃん!!』
( ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人に溜息を付き「どういう事だ。あんた等の遊びで俺は呼び出されたのか」と。
『いや、え-っと』
『木ノ宮が巫山戯てたからでしょ』
『違う!!!何で僕だけの所為児しようとするのさ-』
( 目に涙を溜め頭を悩ませてる様子の若頭に“困るくらいなら何で呼んだんだ”と飽きれるも兄が渋々と立ち上がっては現代の自分の衣服を手渡して来て。
『取り敢えず…着物じゃ不便だと思うんだよね。…それから刀も銃刀法に関わるし』
「随分生易しい時代になったもんだな。あんた達は仲間と見なして良いと言う事か??」
『……仲間…と言うか家族だしね、大丈夫大丈夫』
( 困り笑顔の兄に強引に着替えをさせられては出来る事ならさっさと江戸に戻りたいと思うも念じるだけで戻れるなんて事は有り得ずに。

( そして此方江戸時代にて、ゆっくり目を覚まし直ぐに目に入ったのは柔らかそうな赤髪。
着物を身に纏い満面の笑顔を向けては『良かったぁ-、兄さんやっと起きた。俺の事分かる??』と。
「赤城…だよな」
『へへ-、違うよ。俺は“アカ”ね』
「はぁ??」
『うん、まぁまだ困惑状態だよね』
( 緩く首を傾げる青年に“訳が分からない”と言う表情を向けては何故か黒い着物を渡され取り敢えず着替えろと言われて。

( / またまた何時もながらの素敵な展開に興奮しております(*゚∀゚)
今回自分のロルではタイムスリップ後の取り敢えずの状況把握、みたいな感じになってしまいました
舞台は江戸と言う事なので次ロルから繿と露草くんの絡みにさせて頂きますね
楽しみ過ぎてテンション上がってます←

  • No.711 by 露木 菊  2015-03-30 22:44:47 


>桐崎

(時は江戸、寺子屋にて子供達が勉学に励むのを見守りつつ窓から見えるどんよりとした雲行きを見て今朝の相手との喧嘩を思い出し何度目か分からない溜息を吐く。
__原因は些細なことだった。そして明らかに非は自分。今朝は互いに依頼続きで数週間ぶりの顔合わせ。甘い時間を過ごす筈だったが飛脚から相手へ新しい依頼が届き結局時間を共に出来なくなっては一気に気分が滅入り、相手は我慢してくれていたのに自分は長々と日頃の不平不満をぶつけ「どうせ仕事って言っても女と酒飲みだろ?」と相手の疲労も考えず責め続けてはついに相手を怒らせてしまいそれからは売り言葉に買い言葉で……。
昼過ぎには相手は依頼に出かけてしまう。そうなればまた数日は会えない。
このままでは駄目だと他の者に寺子屋を任せては孤児荘に足を向けて。

(孤児荘に着くと何故か子供達がいつもより騒がしく荘内から『らん兄ちゃん、この服変わってるね』『この“けーたい”は何に使うの?』とはしゃぐ声が聞こえ、なんだ?と首を傾げるも特に気にせず、一度小さく吸ってから相手の部屋の襖を開き。
そこにはいつもと変わりない…いやどこか違う気がするが相手の姿がありまだ依頼に出てなかったと安堵しては青年や子供達がいるのも気にせず相手の前に座りすぐに今朝のことを謝り。
「今朝はすまない。…あんたと過ごすのを楽しみにしていたから八つ当たりをして」と素直に言葉を並べていたところ青年と子供達が部屋に隅で必死に笑いを堪えるのが目に止まり眉間に皺を寄せるも、先程から感じる妙な違和感。その原因がなんなのか、目の前の相手に視線を移してはじーと紅い瞳を見詰め「…爛?」と呼びかける。
なぜだろうか。いつもより幼く見え、凛と研ぎ澄まされた気迫がない気がする。
「ちょっと立ってみろ」と相手を立たせては「……あんたまた背が伸びたか?」と。
まさかタイムスリップなんて想像もしないため、目の前の相手が“桐崎”だとは思わず、この短時間にやけ酒でもして気が抜けたのかと相手に顔を寄せて口元の匂いをかいで。


(/本当に自分の我が儘聞いて下さり有難うございますm(__)m
自分の超乱暴なパスを綺麗にまとめてくださり感謝です。
なんで爛君と露草がひっついてるかは疑問だらけですが…そこは置いときます(←)
今後露草が繿君を全力で可愛がりますのでよろしくお願いします!!

  • No.712 by 桐崎 繿  2015-03-31 00:08:53 




>露木

( 見慣れない衣服の相手の姿に相手もこの時代に飛ばされたのかと勘違いしては取り敢えず知ってる人に会えて良かったと安堵するも現代の相手はこんなに長髪では無い事に直ぐに気付いて。
状況も掴めないままに相手の言う事に首を傾げるも漸く相手の名前を思い出し「…思い出した、あんた…“菊露木”だろ??」と。
しかし相手の存在を思い出したからと言って不安が取り除けた訳でも無くガシガシと髪を掻き乱しては溜息を漏らし「…木ノ宮と綸…巫山戯やがって」と。
子供達から携帯を受け取り取れる筈無いと理解しながらも連絡を試みる。
しかし分かっては居たが県外、頭を抱えしゃがみ込んでは見慣れた顔立ちの姉弟が抱き着いて来て。
「…遙花、…と陸??」
『??…違うよ-??私は小遙(コハル)だよ??』
『僕は陸太(リクタ)だよ-』
( そっくりの顔立ちに一緒心が和むもやはりジッとはしてられず相手の肩を掴んでは状況を話して。
頓に信じられない話だが縋る思いで話終えては「ほら…この時代って物騒だろ」と。
『大丈夫だよ-兄さん、俺が添い寝して上げる』
「いや別にいらない」
『安心してよ、ちゃんと傍に居るしこっちでの過ごし方は何でも教えて上げるよ』
( やはり見慣れない街に一人で居るのは不安、現代とあまり変わりの伺えない様子で抱き着いて来る青年に何処と無くホッとしては「悪い、頼む」と相手が何かを言掛ける前に青年に返事をして。
それがまた擦れ違いになるなんて考え今は無く青年の好意に甘える事にしては子供達の元に駆け寄り。

  • No.713 by 露木 菊  2015-03-31 00:55:30 


>桐崎

(孤児荘の入り口に座り相手が子供達を遊ぶ様子をぼーっと眺めては本当に相手の生き写しだなと。
青年とのほうが親しげなのは気に入らないがあくまで自分は“他人”なのだから仕方ないかと溜息を吐きつつ、相手のお陰でいまの相手(爛)とよりを戻せた恩もあるため相手のことは自分が絶対に守ろうと決めては暫く相手の様子を頬やましげに見守っていて。

(夜、孤児荘にて共に食事を終えては『兄さんのそばにいたいけどお仕事あるから』と何度も振り返りながら依頼に向かう青年を見送り、相手と二人っきりになってはとりあえず風呂に入るかとどこか他人行儀で使い勝手を説明しては、風呂から出てきた相手の着物を見ておもむろに近づいて。
「帯、それだとすぐ解ける」
(小さく呟いては帯を直すため相手の腰に手を回し、必然的に抱き付く形になるも気にせず綺麗に整えては満足気に微笑み「やっぱり爛より腰細いな。ちゃんと食べてるか?」と軽くからかっては一緒に相手の部屋に行き青年が話し切れなかったことを伏せる所は伏せつつ丁寧に話して。
「…とりあえずあんたが無事帰れるまでは俺も此処で寝泊まりするよ。……あと一人では昼間でも絶対に一人で出歩くなよ。特にあんたの場合…いや爛は色々いわれがあるから」
(いわれで言えば自分も負けてないがと内心苦笑を漏らしつつ、少し真剣な表情をして相手の前に自分の脇差を差し出して。
「護身用だ。抜かせるつもりはない。…だが、万が一のときに」
(多くは語らず述べ、空気が重たくなるのを感じては相手の髪をワシャワシャと撫で「大丈夫だ。凛もアカもいる。みんな頼りになるから」と微笑むもどうしても爛が重なってしまいスッと目を逸らして。
爛は無事だろうかと愛しい相手を思うもふと自分の生まれ変わりともいえる存在を思い出しては「そう言えば露木だっけか。…彼奴とはあれからどうだ?」と。
そう問い掛けつつ内心、爛がいない依頼の埋め合わせをどうするか考え下手したら組織の連中が相手の不在を騒ぎかねないなと懸念していて。

  • No.714 by 桐崎 繿  2015-03-31 01:29:49 




>露木

( 相手で合って相手で無い事は理解してるのだがそれでもやはり胸は騒ぎ他愛も無い事で羞恥が沸いてはそれを隠す様に顔を逸らす。
“自分”の部屋だと言われ連れられた場所は何処と無く落ち着きを感じデザインや形こそ違うが持ってる物や趣味などは殆ど変わらない様子で。
渡された脇差にも“…本物か??”と刀という物に驚いた様にそれを見詰めるも相手の言葉に深く頷いては迷惑はなるだけ掛からない様にしようと自分に言い聞かせるも逸らされた視線に最近現代で喧嘩をしてしまった相手が重なり俯いて。
現代での相手の事を言われては普段の無表情に僅かに眉間皺を刻ませ口を吃らせる。
「………露木と、喧嘩したんだ。…彼奴の事好きな奴が居てさ…俺の事ライバル…じゃなくて恋敵みたいに思ってるみたいなんだよな。………そりゃあ俺も餓鬼みたいな態度取っちまったけど…彼奴だって…。その恋敵の家に上がってんだぜ??可笑しいだろ」
( 深い状況も知らない癖に不満を次々と口にしては漸くハッとし「…ごめん」と小さく謝って。
朝起きたら戻ってると良いな、なんて甘い考えを持ちながら布団に入っては寝息を立てて。

( 翌日、孤児荘とやらの年長の少女に起こされては態々起こしに来てくれた事に礼を言うも驚いた様に目をぱちくりとされて。
慣れない着物に袖を通し相手のお手製の朝食に舌づつみしては現代の相手同様自分好みの味付けに僅かに表情を緩めては“美味い”と率直な感想を述べ。
『………なんかこっちの兄さんは凄く素直だね』
『本当!!!今朝なんか起こしに来た事に御礼なんて言われちゃったのよ??何時もなら起きないか面倒そうに起き上がって欠伸してるのに』
( 現代でもそんな素直な方では無いし、だからこそ今回相手と喧嘩をしてるのにと思うも口には出さず「こっちの俺は随分な生意気みたいだな」と。
『そう言えば兄さん手拭い巻かないの??』
「あ-手拭いは巻き慣れて無い。いつも着けてないかヘアバンドだったし」
『ヘアバンド??』
「そ、一々結ばなくてもゴムで出来てるから楽なんだよ。……………それにあの黒い手拭い、こっちの俺の宝物みたいだったから勝手に触ったらどやされそうだし」
( 悪戯っぽく微笑んではまだぎこちなくも何処か落ち着いた様に。

  • No.715 by 露木 菊  2015-03-31 02:13:40 


>桐崎

(翌朝、子供達が目を輝かせながら相手にいくつも質問する様子を頬やましげに見詰めつつ、今日は夜までこっちに戻ってこれそうに無いため少々落ち着けずにいて。
寺子屋へ行く時間入り口まで相手に見送って貰っては一度向き直ってしっかりと見詰め。
「アカもいるけど一応凛も呼んでるから…、なんか言われるかもだけど頼ってやってな。喜ぶから」
(微笑を向け普段より子供に見えてしまうせいか相手の頭を撫で撫でし「夜には戻る。その時にまた露木の話し聞かせろよ」とトンと額を突いて孤児荘を後にして。

(途中、兄と鉢合わせては文で伝えていた相手の話題になり兄も昨日の夜戻し方を調べてくれたらしいがそう簡単にわかるものでないと。
「…だよな。…なるべく事が大きくなる前に。……彼奴に血は見せたくない」
『……心配してるところ悪いけど、既に爛いないって組織の連中が騒いでる』
「……」
『まあもしもの時は俺が変装して何とかするよ』
「……能力は、どうにもならないだろ」
(江戸の外気は能力を高めやすい。相手の身体に負担を掛けないためにも早く平成へ帰してやらねばと表情を険しくしては、とりあえず今は兄に相手を託し寺子屋に向かい。

(夜の簡単な密売を終え孤児荘への道を行くところ、街で買った相手への手拭いを見ては喜んでくれるだろうかと。
もしかしたら今夜平成に帰れて不要になるかもしれないのに何となく相手に持っていて欲しくて。
何やってんだかと自身に呆れつつ孤児荘の前まで来るも突如背後から相手の飲み仲間である浪士が絡んできて。
『よー、勿!!なあなあ霧ヶ暮いるか?昨日彼奴、宴会をすっぽかしやがってさ。折角いい女紹介して貰おうと思ってたのによー』
「知るか。……彼奴は長期依頼に行ってていない。諦めろ」
『そんな筈ない。暫くこっちにいると行ってたぞ』
「急だったんだ。…もういいだろ。忙しいんだ」
(しつこく絡んでくる男にうんざりするも悪いやつではないし相手の組織の仲間のため無碍には扱えず、外に響く大きな声で話してくるのを男の気が収まるまで聞こうとするも中々離れてくれずに。

  • No.716 by 桐崎 繿  2015-03-31 19:56:27 




>露木

( この時代の兄と対面し、しかし何処か他人行儀な様子に堅苦しくなっては視線を流して。
外に出るなと言う言い付けを胸に過去の自分の自室での暇を弄んで居ては溜息を漏らして。
夜、子供達も漸く寝静まった頃外から聞こえる声に気付いては戸口から外を覗き込む。
相手と並び何か話してる様子の男に過去の自分の知り合いだろうかなんて考えるも兄と相手の言い付けを思い出しては大人しく自室に戻ろうと。
しかしその時、一人の少女が目を擦りながら抱き着いて来ては『怖い夢見たの、お兄ちゃんどうして此処に立ってるの??』と。
静けさの中に少女の声が響き渡りまずいと思った時には時既に遅く、此方に気が付いた男が駆け寄って来ては自分の手を掴み宴会に出なかった事を咎めて来て。
『霧ヶ暮!!!お前なぁに居留守を使ってるんだ、昨日の宴会もどういうつもりだ』
「あ??……………え、………」
『…まぁ構わん。それより約束覚えてるよな??』
「約束??」
『忘れたとは言わせない、次の宴会は来いよ。仕方無いから引き伸ばしにしてやる』
( 笑みを深め去って行く男が言う“女を紹介する”だなんて約束自分が知る筈も無く隣できょとんとする少女を抱き抱えては近寄って来た相手に「…ごめん。挙動言動共に不信だったよな」と。
腕の中で少女がうとうとと眠りに付くのを微笑ましげに見詰めては取り敢えず子供達の寝室の少女の布団に少女を寝かせ相手と共に自室に戻って。

  • No.717 by 露木 菊  2015-03-31 21:59:45 


>桐崎

(相手の部屋にて相手が謝ってくるのに対し首を横に振っては謝罪するのは此方だと苦笑を零して「宴会には出なくていい。なんとかなるから」と心配を抱かせぬよう軽く述べて早々に話題を変え、自分も今爛と喧嘩中だと笑って。
「まあ今回は痴話喧嘩かな。……でも彼奴、俺が嫉妬むき出しで話てるのに表情一つ変えないんだ。少しくらい照れたっていいだろ?…そりゃ彼奴がどんな顔してようと好いてるのは変わりないが俺の前くらい……、って何言ってんだろうな」
(これでは愚痴と惚気ではないかと苦笑いしてはなぜか相手の前だと爛に言えない事を言えてしまうなと不思議な気持ちになりつつ「…露木も素直じゃないからな。あんたも苦労しそうだ」と小さく笑って。
その後、暫く雑談して相手が眠りについたのを確認しては別室にいる兄の元へ行き「明日、爛に変装して宴会に出て欲しい」と頼み、相手の自室の前に座って万が一に備えて見守っていて。

(翌朝、相手が作ってくれた朝食を皆で食べ『いつものお兄ちゃんのより美味しい!!』とさり気なく毒を吐く少女に思わず吹きそうになるのを堪えつつ「俺はどっちの味付けも好きだな」と微笑んでは、食事を終えたところで相手の背後にまわり昨日買っておいた手拭いを丁寧に巻いてやり。
「前髪、邪魔そうだったから。…不要なら捨ててくれていい」
(照れたように述べつつ手拭いをした相手の顔を見ては一層爛に近づいたなと感じ「今日は一日一緒にいれるから」と恋人に言うような台詞を吐いて片付けをする子供達の元へ行き。

(昼過ぎ、そろそろ兄が相手に変装をするため此方に来る頃合い。
そんな時にあの男が孤児荘にズカズカと上がり込んで来ては相手を見つけるなり相手の腕を掴んで『よう霧ヶ暮。今日はとんずらされねぇように迎えにきてやったぜ』と。
咄嗟に相手との間に割ってはいり腕を離させてはもう少し待つよう頼むも逃げられると懸念してるのか聞き入れてくれず。
「どうしても今から連れていくと言うのなら俺も同行する」
『は?野郎が増えてもうれしかねーよ』
「じゃあ宴会は諦めるんだな」
(かなり強引だが男が引かぬなら一度聞き入れるふりをして隙を見て変装した兄と入れ替わるしかないかと。
「…悪い。少しの間だけ付き合ってくれ」
(ほんの数刻だけ、宴会だから大丈夫だと言い聞かせては相手の様子を窺い。

  • No.718 by 桐崎 繿  2015-04-01 00:27:33 




>露木

( まさかこの時代の自分達も喧嘩してたとは知らず互いに打ち明けられる事を打ち明けた所為か落ち着きを持ち眠りに付く事が出来て。

( 翌日、慣れない勝手場にて何度も味見をしながら朝食を作り子供達や相手と食卓を囲む。
ふと背後から手拭いを巻かれては僅かに驚いた様に振り返り何気無くそれに触れて。
質の良い物だと自分でも分かりこの時代の相手の言葉に不覚にも胸が高鳴っては子供達の元へと向かう相手の後姿を見詰めていて。
そして昼過ぎ、相手と共に自室へと向かい廊下を歩いてた所いきなり先日の男が現れては腕を掴まれて。
咄嗟に相手が入ってくれたが男は諦める様子は無く、相手の耳打ちにコクリと頷いては男に同行し。

( まだ明るいにも関わらず連れて来られたのは遊郭街の奥の宿屋街の中の一つ。
宿屋の一番奥、広い宴会間へと通されては見事に相手と離され相手から二人程挟まれた席に座らされ。
相手に視線でどうしようかと訴えるも兎に角此処は演技を続けるしか無いかと項垂れて。
この頃の自分の性格など知らないが敢えて繕わない方が良いかと判断し言葉遣いのみに気を使って。
『霧ヶ暮、お前が紹介してくれると言った女はどういった身元の奴だ??…まぁ貧相な女でも顔が良ければ良しとしてやるから』
「………さぁな、女には余り興味がねぇから。大体身分を晒してどうするつもりだ、お前の身分が上だからと女に無理強いでもさせるつもりか??」
『はっ、相変わらず手厳しいね。本当にお前は詰まらねぇ男だよ』
( ゲラゲラと笑う男を溜息気味に見詰めてはそろそろ兄と入れ替わる時刻だろうかと相手と視線を交わす。
雰囲気を伺いながら「…ちょっと厠に…」と言掛けるも男に手を取られては『逃げるつもりか??』と。
何を変な勘違いしてるんだと眉間に皺を寄せるも兎に角席を外さなければと。
「おいおい、何疑ってんだ。逃げるつもりなら此処まで来ねぇよ」
『…どうだろうな。信用出来ん』
( 首を横に振る男に舌打ちしては苦虫を噛み潰した様に相手を見詰めて。

  • No.719 by 露木 菊  2015-04-01 01:37:07 


>桐崎

(宴会場にて上手く演技をする相手に爛ではないと分かっていても爛に見えてしまい中々やるではないかと感心しつつ、しつこく相手を引き止める男の腕を取って。
「俺が見張りとしてついてく。それで構わないだろ?」
『お前は霧ヶ暮と仲が良いだろ。共犯なんじゃないか?』
「なんの共犯だ。……疑り深い男は嫌われるぞ」
(呆れたように述べ一括しては男が押し黙るうちに相手の手を引き厠まで来て女を連れて身を潜めていた変装済みの兄と落合って。
『この子(女)には事情話してあるから大丈夫。今のうちに外に行きな。アカが待ってるから』
「助かった。…俺は外まで此奴を送る」
『はいはい。先に行ってるよ。………君もお疲れ様』
(兄は相手にニコリと微笑みかけるとさっさと女を連れて男の元へ向かい、其れを見送る間もなく相手の頭に頭巾をすっぽり被せては「外にでるぞ」と声を掛け宿屋の階段を降り。
あと一階降りれば入口のある階というところ今度は自分と相手を良く知る浪士、しかも悪仲の男に出会しては咄嗟に相手を自分の背後にやり。
『勿じゃねぇか。なんだ霧ヶ暮に構って貰えず女遊びか?…ん?その頭巾の男は誰だ』
「…仕事仲間だ。…先を急いでる。通してくれ」
『なんだよ。今日はやけに下手だな。……それで通せか?嫌だね。俺はお前に賞金首横取りされて鬱憤が溜まってんだ。今すぐ表に出ろ』
(乱暴な言い分に何とか言い包めようと考えるも男の背後から男の仲間が加勢してくるのが見えては小さく舌打ちし、こうなったら逃げるが勝ちだと相手の手を引き逆走しては宿屋の階段を駆け上がって空き室に入り押入れに相手を押し込んでは自分も其れに続きピシャリと戸を閉じて相手が声を上げないよう片手で軽く口を塞いで。
張り詰めた空気、男達の怒号が遠ざかるのが聞こえては小さく息を吐き相手の口元から手を離すも未だ余談は出来ないため「…暫く我慢してくれ」と。
押入れの中は大人二人が身を縮めてやっと入れる広さ。
今の状況は布団の上に相手、そして自分が覆い被さる形でしかも殆ど密着状態。
顔に至っては互いの息が触れ合うほど近く、急に羞恥が込み上げては顔を逸し。
だが逸らした所で相手の吐息が首筋にかかり逆効果で、目の前の相手は爛じゃないと何度も言い聞かせるも数週間爛に会っていないせいか欲は止まらず、相手を熱っぽく見詰めては艶めかしく唇を奪って。


  • No.720 by 桐崎 繿  2015-04-01 19:05:16 




>露木

( 兄と入れ替わり宿屋を出口を目指し相手と足を急がせる最中、見知らぬ男達に囲まれては人数的にも状況的にも厳しく逃げ足を取って。
狭い押入れの中、塞がれた口から声を漏らさぬ様に息を殺すも至近距離の目前に有るのは誰よりも愛しく思ってる相手と同じ顔立ち。
何とか自我を保ち乗り切ろうとするも相手の視線に気付き唇を奪われては僅かに潜持った声を漏らして。
最初こそ狭いながらも相手の肩を押すも次第に抵抗は薄れ相手の髪に指を絡めては求める様に応えて。
耳に掛かる相手の吐息にビクリと身を震わせては相手の首筋に顔を埋める。
___その刹那、僅かな物音がしてはピタリと動きを止め再び息を殺して。
『…確かこの辺りから物音が聞こえたんだがな』
『そうか??俺には何も聞こえなかったぞ』
『可能性はあるだろ、しっかり見て回れ』
( 抱き合った体制のまま相手の肩に頭を乗せ足音が遠ざかるのを待っては漸く音が消えて。
恐る恐る麩を開け人気が無い事を確信しては相手と共に屋根へと上がり路地から地に降りて。
特に意味も無く相手の手を強く握っては急いで孤児荘へと走りながら「………やっぱ、あんたの事を好きになるのは決まってた事だったんだな。例え時代が変わろうとも…」と小さく呟いて。
相手であって相手では無い、しかしこんなにも愛しく思えるのは自分でも予想出来てた事で。

  • No.721 by 露木 菊  2015-04-01 20:30:14 


>桐崎

(相手の身のこなしの軽さのおかげで早々に宿屋を抜け出すことが出来ては、走りながら強く握られる手をそっと握り返し相手の呟きを擽ったいような切ないような複雑な気持ちで聞いていて。

(相手の自室、迷惑を掛けたことを謝りながら御茶を差し出すもその際に指が触れ合っては先程手を握っていたのに敏感に反応してしまい「わ、悪い…」と目を逸らして。
押入れの中での相手のぬくもり、唇の感触、吐息までもが鮮明に脳内に浮かんでは羞恥が湧くも平静を装い「さっきは…悪かったな。あんたには露木がいるのに。……あー、おれもこのこと爛にばれたら何か言われそだな」と苦笑を漏らし御茶を啜って。
「で……、俺の言いつけは守ってるのか?“素直になれ”ってやつ。人の恋路をとやかく言いたくはないが…あんたは“他人”とは思えないから。その……露木と上手く言って欲しいんだ」
(まるで自分のことを言っているようで少し照れたように視線を横に流してはふと爛の煙管が目にとまり煙管なしで大丈夫だろうかと心配になって「彼奴…苛つくとすぐに吸うからな…」と眉を下げて呟いて。
一人沈んでしまうもハッとなっては相手に向き直り疲れただろうから寝るように促して「帰る方法はきっとあるはずだ」と励まして髪を撫で。
丁度その時、襖が開かれては変装を解いた兄が飛び込んできていつもごとく抱き付かれ。
『菊酷いよ。なんで宴会に戻ってきてくれなかったのさ。言い訳するの大変だったんだからね』
「あ…、忘れてた。……悪い、少し問題があってな。成り行きだ」
『酷いなぁ、もう。…じゃ、罰として接吻ね』
「…出来るわけないだろ。…此奴の前でそういうお巫山戯はやめろ」
『いやでも爛がいないこの時だからこそさ』
(ニコニコと訳の分からないことを述べる兄に眉を寄せつつ絡みついてくる腕を解くも、相当呑まされたのかいつもよりしつこく絡まれ始めは抵抗するものの、脇の下や腰を擽られるうち笑いが我慢出来なくなり相手の前だというのに兄とじゃれあう形になって。
やっと擽りから解放されたと思った時には兄は標的を相手に変え『久しぶりにお兄さんが遊んであげるー』と相手にのしかかり相手の身体を擽りはじめ。

  • No.722 by 桐崎 繿  2015-04-01 23:44:00 




>露木

( 兄とじゃれ合う様子の相手に嫉妬心が過るも今度は標的が自分になったのか巫山戯た様に伸し掛かられてはつい何時もの無表情を崩してしまって。
漸く開放され気恥ずかしそうに目尻の笑い涙を拭っては兄の視線が自分の首筋に止まって。
まだ残る幼少期の火傷の跡や見世物時などの傷、軽くなぞられては『…父さんと仲良く出来た??』と。
此方の時代で合った事など知らずに丸で全て知ってるかの様な物言いに僅かに疑問が浮かぶも穏やかに微笑んでは「誤解も合ったけど…ちゃんと分かり合えた」と答えて。
兄は安心した様に自分の髪に触れると『父さんも…何時の時代も変わらないみたいだね』と。
一つ欠伸をしバタリと倒れ込み寝息を立てる兄を支えては取り敢えず予備の布団に寝かせて。

( 翌朝、湯浴びを済ませ身形を整えては縁側から江戸の街を眺めまだ現代で無い事に頭を抱える。
圏外の携帯に溜息を漏らし少しばかり慣れた手付きで帯を結んでは自室へと戻り。
兄は朝から仕事に向かい寝ていた布団に代わりに相手を寝かせては出て行った様で。
寝息を立てる相手の頬を軽く撫で「………素直になってれば、…露木と喧嘩しなかったんだろうな」と。
頬に軽い口付けを落とし相手の艶やかな髪に触れては石鹸の匂いが鼻腔を掠めて。
現代の相手の髪も手入れがされた美しい物だったなと思い浮かべて。

  • No.723 by 露木 菊  2015-04-02 01:09:12 


>桐崎

(朝、相手が居ることにも慣れぐっすり眠ってしまっては相手に触れられても目を覚ます事無く軽く身をよじり、寝ぼけ眼で近くにある相手の顔を見詰めては爛と勘違いして首に腕を絡め「…おはよ、爛」と首元に口付けて小さな声で“愛してる”を続け返答を望むよう見詰める。
が、だんだん意識がはっきりしてきては漸く相手が自分が望む相手でないと気付き慌てて離れて「い…今の忘れろ」と逃げるように朝の身支度をして朝餉の支度をはじめ。

(朝餉を終え片付けを済ませたところ、今日は青年も朝からいなく二人で子供達を見守るも自分も寺子屋に顔を出さなければならなかったため年長の子供に孤児荘を託し相手と共に寺子屋に足を向けようと。
が、孤児荘の門で数人の女達が相手(爛)を待ち構えており相手の姿を見るなり自分を突き飛ばす勢いで我先にと駆け寄ってきて。
『爛様、今日もお美しいのね』
『私のこと覚えてますか??宴会の席で私がお酒が弱いのを知って代わりに呑んで下さって』
『あらそんなのお仕事でしょ。私は家まで送って頂きましたわ』
(キーキーといがみ合う女たちに内心全部仕事の上だと一括してやりたかったが無碍に扱えば折角相手が我慢して女と絡み積み上げた信頼が水の泡になってしまう為なれたようにやんわり帰るよう笑顔で促しては『今度は絶対二人でお出かけしましょうね』と残念そうに帰っていく女達の背中を見送り。
一瞬酷く憎悪に満ちた嫉妬した目つきになるも相手の視線に気付いては平静を装い「いつものことだよ」と肩を竦めて歩を再開して。

(寺子屋に着くと相手を中に通すと少女が駆け寄って来て『れんおじさん来てるよ』と。
朝から何の用だろうと疑問に思いつつ特に隠すことなく相手も一緒に連れて部屋に来ては父の前に正座して「急ぎですか?」と尋ね。
『其奴が平成から来たっていう……。腑抜けた顔してやがるな』
「可愛いとお思いの癖に。………で、知ってたんですね。彼が爛でないこと」
『当然だ。今日はそのために来たからな』
(自分のからかいをスパッと無視して無表情に差し出してきたのは一枚の文で時空間の移動について知る者が記されており。
『其奴に聞けば何かつかめるかもしれねぇ。が…ただでは情報は渡さねぇとよ』
「……能力ですか」
(父の視線から“相手の能力を見世物にする”というのが条件とすぐ理解したが今の相手は相手ではないため、とても危険だと首を横に振って。

  • No.724 by 桐崎 繿  2015-04-02 12:27:31 




>露木

( 朝、ゆっくりと目を開き甘える様に抱き着く相手に鼓動が騒ぐが珍しいその様子に頬が緩んで。
相手の頬を軽く撫でゆっくり顔を近付けた所で正気に戻ったのかガバッと離れられてしまい。
その様子に軽く微笑んでは自分ものそのそと立ち上がり相手の後を追い掛けて。

( 朝食を終え寺子屋に向かうという相手を送りに玄関口に出た所知らない女性が此方へと来ては話の内容や意味も存在も分からないまま適当に相槌を打つ。
無表情は癖であまり感情の分からない様子で頷いては相手の救いの手により去って行く女性を見送って。
暫し相手を見詰めては何処と無くその感情に気付き、此方の時代でまで相手と思い違って堪るかと思えば相手の腕を掴み引き寄せるが反動で至近距離になり。
「あの女達、…こっちの俺の仕事での相手だろ??特に何の感情も持ち合わせて無かったの俺でも分かる。………あんただけだよ、本当に愛してるのは」
( 本来ならば此方の時代の自分が言う事なのだろうがつい口にしてしまっては何気無い様子で再び歩き出して。

( 寺子屋に付くなり此方の時代の父と対面しては相変わらず人の悪そうな顔をしてるなと。
本題を出されては戻れるかもしれないと思うのと共にそれに対する条件にリスクを感じて。
きっと自分が帰らなければ“爛”も帰れない。
暫く間を起き首を横に振る相手の手を取り父を見詰めては「やる、見世物なら…慣れてる」と。
その言葉に父が眉を寄せるのにハッとしては「…現代でも金稼ぎとかにやってたんだよ。…でも平成の露草に出会って父さんとの誤解が解けてからもうやめた」と弁解する。
『は、お前みてぇな餓鬼に出来るか。何とか手を回すから手前は大人しく「それじゃ駄目だ、待てない」』
( 父を見詰め「危険な自体になりそうになったらしっかりまともな判断をする」と言っては相手の静止の言葉も耳に入らずに。
「………それに俺が死にそうになったら父さんが助けてくれんだろ??」
( ぎこちなく、それでも悪戯っぽく笑えば父が僅かに驚いた様な表情をして。

  • No.725 by 露木 菊  2015-04-02 14:28:07 


>桐崎

(父の言葉を遮る相手の凛然とした振る舞いに子供に見えていた相手が急に大人に見えては見惚れてしまうも、父の『…相変わらずいけすかねぇ野郎だな』と見世物を容認する言葉にピクリと反応して。
「此奴はまだ十八です。危険な真似はさせられません」
『うるせぇな。本人がやるって言ってんだ。やらせておけばいいだろ』
「お義父さん!!」
『手前がそんなでどーすんだよ』
(父の言葉にハッとなっては目を伏せて少しの躊躇いの後「明日、その者の元へ俺も一緒に向かいます」と静かに告げ、少し話したあと父を見送っては相手がいる部屋に戻り隣に座って。
「…あんたはいつの時代も無茶をするな」
(困ったように笑い相手の前髪をクシャクシャと撫でては「あの人(爛の父)だけじゃない。俺もあんたを守るから」と不安を伝染させぬよう穏やかに微笑み。
その時不意に先程相手に言われたことを思い出しては恥ずかしげに目を逸して。
「あ、あんたは爛より…素直なんだな。……彼奴は中々口で“愛してる”とは言ってくれないから……嬉しかった」
(照れたように述べては相手に視線を戻し「露木も…あんたを愛してるはずだ。……俺は四六時中爛の事を考えているが…露木も同じ、だと思う」とほぼ確信に近かったが語尾を濁しては誤魔化すように立ち上がり「…良ければ子供達の勉学を手伝ってくれ」と頼みスタスタと学び舎に向かって。

(そして時が過ぎ翌日昼下がり、名目上相手の補佐役として付き添い男の拠点へと訪れては奥の薄暗い部屋に通される。
程なくしていかにも怪しげな格好をした男が訪れては相手を見るなり口元に不気味な笑みを浮かべズイッと相手に顔を近付けて。
『噂通りの美しい身形だな。…まずは品定めからだ。能力を見せてみよ』
「…情報は?」
『そう焦るな。全て終わればちゃんと渡してやる』
「……どうか、身体に負担が掛かることは避けて頂きたく」
『それは客次第だな』
(フッと嘲笑を浮かべる男に睨みたくなるのを堪え相手に「無理はするなよ」と耳打ちして自分は部屋の隅にいき男が相手を吟味する様子を注視して。

  • No.726 by 桐崎 繿  2015-04-03 01:05:10 




>露木

( 最初こそ反対された物の父の言葉と共にやっと納得してくれた相手に僅かに表情を緩めて。
きっとこの時代の“爛”も自分と同じ、素直になると言う簡単な事が出来ないだけなんだろうと思えば少し難しい感情になり。
相手の頼みに快く頷き寺子屋へと訪れては翌日の見世物の事を深く考えない様にして。

( そして翌日、相手と共に付き添いの男の拠点へと訪れては早速能力の解放を命じられる。
最近は能力のコントロールも操作出来る様になったし大丈夫だと自分に言い聞かせては一つ深呼吸をして。
意識を集中させ周りの空気が変わっては段々と瞳と牙が変化し髪から毛質が変わって。
数分も経たない内に狼の姿へと変えては媚を売るかの如く男へと歩を進めて。
首根っこを掴まれ強制的に男との視線を合わせられては男はゆっくりと口角を上げて。
『ほぅ、これは面白い見世物になりそうだ』
( 戻れと命じられ再び人姿に戻れば久し振りに解放した所為か関節やらが痛み僅かに顔を顰める。
相手も同行する約束だった為に共に見世物の会場へと向かわされれば大人しく従って。

( 大きいとは言えないが小さくも無い会場、人は既に溢れかえっており見るからに富豪そうな着物やら扇子やらを手にしてる人達を蔑んだ様に見詰める。
やはり金持ちの退屈はこういう物に回るのかと呆れつつ舞台に無理矢理放り投げられては僅かに体制を崩して場にへたりこんで。
『さて、いきなり披露するのも尺だしなぁ。どうせなら暫く遊んでからにしようか』
「……………は??」
( 男の言葉に訳が分からず男を見詰めるも手にある鞭に状況を察しては距離を取る。
暴行を加えられるなど聞いてないと男を睨み付けるもやはり見世物にそれは御決まりらしく。
歯を食い縛り抵抗しようとするも鎖を引かれ『情報が知りたく無いのか??』と言われれば従うしかなく。

  • No.727 by 露木 菊  2015-04-03 01:45:50 


>桐崎

(どこか辛そうな相手を心配しながら見世物屋に訪れてはやはり暴行を強要され男の悪どさに奥歯を噛み締めては、相手を傷付けるわけにはいかないと男の前に立ちはだかって。
「暴力はなしだ」
『ほう、ではどうするというんだ』
(意地悪く笑みを浮かべる男を睨み付けつつ相手に知られないよう紙に交渉金となる金額を書いて渡すも一度目は首を横に振られ数度それを繰り返したあと漸く首を縦に振られて。
『いいだろう。売上金も全て此方がもつ。それでいいんだな?』
「ああ…。此奴を傷付けず情報さえ貰えれば」
(小さく頷いては相手を置いて奥の部屋に行き前金を男に渡したあと契約書に指印を押させて交渉を成立させると相手の元へ戻り。
『随分、ご主人様に大事にされてるんだな。…金の掛かる化け犬だ』
(そう言って相手を愚弄し乱暴に鎖を引く男の腕を掴んでは殺気に満ちた冷たい瞳で男を睨み付けては死角で刀の持ち手に手をかけカチャリと音を鳴らして。
『…っ、落ち着けって。冗談だろ。……たく、血の気の多いやつは此れだから…』
(ブツブツ言いながら相手の鎖から手を離し『ほら、さっさと自分の足で客の前に行け』と乱暴に吐き捨てては奥の部屋へと行ってしまい、其れを鋭く睨みつけたあとフッと穏やかな目に戻っては相手の前にしゃがみ首にきつく締められた首輪を緩めてやり。
「本当は客の前にも出したくないんだが……、」
(眉を下げ微笑んでは相手の髪を撫でて額を合わせ「無理はするな」と小さく、それでいて強く述べては相手から少し離れて。
舞台の向こうからは『早くせんか!』『待ちくたびれたぞ』と下衆な客達の苛立った声が聞こえてきて。

  • No.728 by 桐崎 繿  2015-04-03 02:17:06 




>露木

( 相手の救い手に何とか暴行を受けずに済みその穏やかな表情に落ち着きを取り戻しては小さく深呼吸し再び舞台へと戻る。
しかし人目が多い事もあり僅かな焦りと不安が生まれては意識を集中させるも中々解放出来ず。
瞳は獣の様な紅、長く鋭い牙というなりまがいの姿になってしまえばこんな姿人目に晒すのは嫌で漸く狼の姿に変化する事が出来て。
観客の声が響き渡るその状況にも嫌な思い出しかなく眉を寄せては約束の時間が過ぎるのを待って。

( 観客席の中の一人が手洗場へと向かう途中、舞台袖に僅かに相手の姿が見えては見世物舞台関係者に金を握らせ相手を呼び出して。
人目を引く程の容姿端麗さに見惚れ、それでいて今回の見世物の飼い主だと聞けば男が諦められる弾も無く観客席の奥で遠目に自分を見詰めては語り掛け。
『飼い主がこんな若造だとは思わんかったよ、随分良い犬を飼ってるが躾がなっとらん』
( 口角を上げ視線を相手に移しては馴れ馴れしく相手の肩に手を置き髪に指を絡める。
『犬と共にお前さんをかいたい。…否、お前さんが手に入るのならあの犬は諦めよう、ここの見世物関係者も俺の言葉一つで直ぐに動くぞ。金なら幾らでもつむし悪くない話だと思うが』
( 通り掛かった一人の見世物関係者の肩を掴みその関係者が慌てて男に頭を下げるのを相手に見せ付けてはそれと共に権力を訴えていて。
相手の返事も聞かぬ間に此処の関係者にでも聞いたのか『確か彼等から情報を欲しがってるらしいな』と呟いては続け様に『この後食事でもどうだ、犬も同伴で構わない。その情報を知ってる奴とやらも俺の命令一つで口を割ると思うが…まぁお前さんが選べ』と。

  • No.729 by 露木 菊  2015-04-03 02:52:54 


>桐崎

(相手の無事を祈りながら舞台袖にいると突如呼び出され何事かと来てみれば男から交渉を持ちかけられ始めは断ろうとするも権力を見せつけられては逆らえば面倒事になりそうだと眉を寄せ。
「情報と…彼奴には一切誰の手もかからないよう保証してくれるのか?」
『ああ勿論だとも』
「………」
(馴れ馴れしく触れてくる男を無視して舞台に目をやっては何処か辛そうにする相手に『もっと芸を見せろ!』『それだけしかできんのか』と揶揄を飛ばして石を投げようとする客が目に移っては「……今すぐ見世物をやめさせてくれ」と男の提案を承諾する言葉を低く呟いて。
__本当は爛とたとえ誰かを守るためであっても安易に身を売るような真似をしないと約束していたため心浮かばれなかったが今は仕方ないことなのだと言い聞かせては、舞台から戻ってきた相手に何食わぬ顔で振るまい「よく頑張ったな、有難う」と肩を叩いて。

(その後、相手を孤児荘に帰してやりたかったが兄もアカも仕事で折り合いが付かず相手を一人で帰す訳にもいかないため渋々食事に付き合ってもらうことしては「悪いな。仕事の付き合いなんだ」と嘘を吐いて、男と共に食事所へ向かい。

(訪れたのは食事処というより高級宿屋で通された部屋は畳に絹が織り込まれ、壁や襖は有名な絵師の絵が描かれ金粉が散らされていて。
勿論出された料理や酒は滅多にお目にかかれないものばかりで。
『好きなだけ食べるが良い』
「……情報は?」
『ああ、情報ならお前さんの仲間か?至極柄の悪い男に渡しておいたぞ』
(すぐにそれが相手の父だと分かれば安堵の息を漏らし隣に座る相手に目を向ければ「今夜には戻れるかもな」と優しく微笑み箸を取るように促して。
自分は男の機嫌をとるために男の隣にいきお酌をして極力笑顔で振る舞って。

  • No.730 by 桐崎 繿  2015-04-03 20:51:57 




>露木

( 従順な相手の態度に男は更に上機嫌になりスキンシップが激しくなるも自分はそれに気付かずやや詰まらなそうに酒を啜って居て。
しかし男のそれが増すのに漸く気付いては苛々が込み上げ、相手が男に従ってるのは自分の事だとも知らずに相手の腰に回される手を掴み男を睨み付ける。
『やはり躾がなっとらん。露草、お前から言ってくれないか』
( 男の言葉に意味が分からなかったが相手には弱い為大人しく手を引いては俯いて。
ベタベタと相手に触れる男に機嫌を悪くしながら時間が過ぎるのを待っては漸く解放され何故か男も共に帰り道を同行して。
孤児荘まで送られ青年と合流しては寺子屋へと戻る相手を少し寂しそうに見送って。

( 相手と二人になった男は口角を上げ肩を引き寄せては相手の耳元に唇を寄せて。
『さて、礼をしてくれるんだろう??あの化犬を痛ぶらない様にしてやったんだ』
( 寺子屋へと押し入り相手の部屋へと強引に上がっては下卑た笑みを浮かべ『代償は高く付くぞ。今日は楽しませてやるからな』と。

( その頃、兄からの文に“明日父の元へ来る様に”とだけ書かれてるのを読んでは現代へ戻る方法が見付かったのかと。
しかし今はそれより先程の男が相手に手を出して無いかと不安で仕方無く。
暫く狸寝入りをかまし隣で漸く青年が眠りに付いたのを確認しては音を立てずに立ち上がる。
父がやってた為に剣道なら出来る。
自室に稽古用にと立掛けられてた木刀を取れば強く握り、黒の手拭いで髪を隠しては部屋を抜け出して。
人目に触れない様に裏路地を通り抜けては颯爽と寺子屋へと向かって。

  • No.731 by 露木 菊  2015-04-03 21:35:15 


>桐崎

(食事処での男からの接触を何とか笑顔で乗り切るも其処で終わるはずもなく孤児荘まで着いて来られては相手に勘付かれぬよう何事もないよう振る舞い男と共に寺子屋へ向かい。

(訪れた自室、覚悟はしていたがより濃密になる男からの接触に吐き気がするも何も考えないようにして必死に耐える。
しかし此処数ヶ月ずっと爛にしか触れさせなかった肌に男の手が触れた瞬間耐え難い嫌悪感が襲い、のしかかってくる男の肩を押して待ったをかけ。
「…話を、…戯れの前に話をしないか?……あんたのことを良く知っておきたいんだ」
『話など後で構わん。代償は高く付くと言ったはずだ』
「…………」
(引かぬ様子の男に目を逸らしては身体の力を抜き始めは好きにさせるも、やはり爛の姿が頭にちらつきどうしても我慢できなくなってはやんわり男を遠ざけて。
「…お酌ならいくらでもする。護衛もするから…此れだけは辞めにしてくれないか」
『何を今更。あの化け物に手を出してもいいのか?』
「…………」
(化け物などではないと心の中で男を愚弄するも、逆らえない事実は変わりなく一度は容認したことではないかと言い聞かせては再び大人しくするよう努める。
しかし一度爛だけにと決めた心は中々大人しくしてくれず、震えや恐怖はないものの意に反して男を拒絶して顔を逸したり男の腕を払ったりして。

  • No.732 by 桐崎 繿  2015-04-03 23:39:30 




>露木

( 拒絶を見せる相手が気に食わず払われた腕を大袈裟に抑えて見せては相手の手首を痣が出来る程に強く握り締めて。
『逆らうな。俺は気に入らない奴は殺す達でな』
( 無理矢理に着物の襟元を掴み乱しては口角を上げ相手の耳元で『俺はあの化犬を殺す事も出来る』と呟き有無を言わさずに強引に行為を始めようとして。

( 太めの襟巻きを首に巻き口元を隠しては手拭いを目元すれすれ迄に下げ息を殺して相手の居所を探す。
木刀を握り締め廊下を歩いてた所、僅かに聞こえた声と布の擦れ合う様な音に気付いては屋根裏へと周り上から様子を伺う。
強引に相手の着物を乱し接吻を強要する男にカッと血が上るも思考は何故か冷静で。
丸で別の人格が宿ったかの様に瞳を変えては音を立てずに男の首筋に木刀を打ち付ける。
「『……………哀れな男だな、其奴は無理矢理に奪えるもんじゃねぇんだよ。俺から簡単に奪えると思うな』」
( ボソリと呟きまだ意識のある男に木刀を向けるもハッとした様に“人格”が戻っては少し身構え「………まだやるか??今度は遠慮しない」と。
所詮金持ちのボンボン、剣術等は一切出来ない為無様に逃げ出しては相手の乱れた衣服を直して。
「何もされてないだろうな」
( 無表情の中に何処と無く不安を写してはそのまま相手を抱き締め「………あんたこそ無理してんじゃねえか」と小さく呟いて。

( それから相手を慰める様に安心させる様に暫く一緒に時間を過ごしてはこの時代の自分も現代に行ってるのだろうし大丈夫だろうかと。
“露木と仲良くしてるだろうか”と言う話題になっては「………爛、だっけか。露木に手出したらぶっ飛ばす」なんて言っては互いに笑みを零して。
ふと取り出したのは自分の携帯、相手に渡した物と良く似たキーホルダーを実は自分も買っておりそれを取り外しては相手に手渡して。
「…菊の花、俺好きなんだ」と小さく呟き続けて「やるよ」と言っては空も白じんで来た為取り敢えず眠りに付こうと。

  • No.733 by 露木 菊  2015-04-04 08:57:54 


>桐崎

(男一人の相手など造作ないはずだったが自分でも驚くほど心も身体も爛に絆されていて、頭では抵抗してはいけないと分かっていても口付けられただけで身体が男を拒否し、こんな事で最後まで持つのかと目を閉じたところ耳に凛と透き通った声が響き身体が震える。
目を開ければそこには鋭く綺麗な紅の双眸があり、その憎悪に満ちた瞳にゾクゾクと背筋が震え、この瞳に惚れたのだと小さく笑みを浮かべては尻尾を丸めて男が逃げ去ったあと優しく抱き締めてくれる腕に安心したように身を委ねて。

(それから暫くすっかり相手のおかげで気持ちが落ち着けばそれぞれの恋人の愚痴等を零しつつ穏やかな時間を過ごし、ふと相手に綺麗な装飾品を渡されれば目をゆっくり瞬かせ。
一目で気に入り見惚れてしまうも眠ろうとする相手を見てはハッとなり横になる相手に近づいて「いいのか?…揃いのものならあんたが持ってたほうがいいんじゃ…」と口を開くも既に相手は寝息を立てていて。
無理もない、慣れない土地に来てずっと緊張状態にあったのだろう。
相手のあどけない寝顔はいつの時代も可愛らしく愛しい銀髪を優しく撫でては「ありがとう…繿」と小さく呟き相手の額に口付けを落として。

(翌朝、寺子屋にて恐らく相手とは最後になるだろう朝食を終え、一度孤児荘に戻って相手に始め着ていた現代の服を渡してキーホルダーの事を聞こうとするが、少年がいつ取ったのか相手の携帯を手に『ねえねえ此れ先生?』と一枚の写真を見せてきて。
どれどれと覗いて見ては其処に写る人物に小さく目を見開く。
其処には一件の花屋の前に並ぶ平成の相手と自分、そして記憶よりも少し年老いた父と母の姿があり。
両親の顔など写真も残って居なかったため見ることは二度とないと思っていただけに暫し固まってしまい『せんせー?』と言われビクリとなっては「そうだね」と咬み合わない微笑みを零しては相手を見て「そろそろ行くか」とキーホルダーのことはすっかり忘れて父の元へ向かって。

(父の家、客間に通されれば兄も居て其処には何故か若頭もおり、また何か悪さを企んでいるのではと鋭く睨み付けて。
『菊、大丈夫だよ。ちゃーーんと悪さしないように脅してあるから』
『ひ、酷いなぁ。僕は改心したんだよ。昨日露草を襲った男だって僕が奉行所に…』
『なんか言った?』
『い…いや、なんでもないけど…』
(しょぼんとする若頭の前には大きめの水晶球があり、話を聞くに来た時と同じ状況を作ればいいと。
そんな単純なことでいいのかと突っ込みたい衝動を抑えつつ相手を見ては「此れで帰れるな」と微笑み髪をポンポンと撫で。
『時間的には夜だからそれまでゆっくりしといて良いよ』
(優しく微笑む兄に頷きつつ、爛ともうすぐ会える嬉しさと相手と離れてしまう寂しさが同時に襲い微妙な表情をして。

  • No.734 by 桐崎 繿  2015-04-05 00:19:10 




>露木

( 翌朝、現代の服に久し振りに袖を通し何時取った物か少年から携帯を返されてはそれを受け取り相手と共に父の元へと向かって。

( 父の自宅にてこの時代の若頭と対面するもやはり顔立ちはそのままで勿論と言うべきか女装しており。
ぎゃあぎゃあと騒ぐ若頭を尻目に相手に向き直っては「……………迷惑掛けたな」と。
若頭が自分の手を取り水晶級に近付けさせ様とした所で「ありがとう」と相手にしか聞こえない程の声で呟いてはあの吸い込まれる様な感覚に流されて。

( 激しい浮遊感が漸く落ち着きゆっくり目を開いては懐かしい見慣れた顔と服装の兄と若頭が自分を覗き込んでおり自室である事を確信して。
“戻れた”と小さく口を動かしては兄がキッチンへ相手を呼びに向かい念願の現代の相手に対面するも喧嘩してた事を思い出しては気不味そうに視線を流す。
…が、ふと相手の首筋にある鬱血の痕が目に入ればズカズカと相手に駆け寄り襟首を掴んで。
鬱血の事を問い掛け様と口を開くが慌てた兄が止めに入っては自分を相手から引き剥がして。
『“爛”だよ!!!すっごい手が早くて本当繿の分身って感じ』
「どういう意味だよ」
『いや俺達も菊に手を出さない様に見張ってたんだよ??でも“どうせならこっちの俺に悪戯でも残してくか”って…』
( 子供地味た嫉妬に羞恥が沸いてはパッと手を話すもやはり素直に謝る事が出来ず眉を寄せ頭をガシガシとしては部屋へと戻りベッドにストンと腰を下ろして。

  • No.735 by 露木 菊  2015-04-05 01:47:40 


>桐崎

(父の部屋、相手の姿が消え白い光の中から現れたのはずっと待ちわびた愛しい恋人。
喧嘩していたことも忘れ、父や兄達の存在も無視し恋人に抱きついては「おかえり」と頬に口付け唐突に「丘へ行こう」と。
そして今日は自分から素直になって愛しい彼に“愛してる”と言わせるんだと相手の手を引きながら勇気を貰うように懐にしまわれるキーホルダーに手をやる。
今宵は晴れ、きっと綺麗な星が見られるだろうと微笑んで_。

(時は現代、相手がいなくなって数日、代わりに来ていた過去の相手と色々あったがずっと相手のことが気に掛かり、殆どの時間過去の相手に繿が心配だと泣きついていた。
だから相手が帰ってきたらすぐに謝ろうと思っていたのにいざ相手を目の前にした途端、急に気まずくなってしまい、鬱血の事を咎められそうになってもすぐ反応出来ずに目を逸らす。
頭を掻いてベッドに腰を下ろす相手の仕草が自分を避けているようで悲しくなるも、段々と相手が帰ってきたという実感が湧いてきては今まで不安だった気持ちが溢れて相手を押し倒す勢いで抱き締め「無事でよかった…」と涙声で呟き。
「あんたが斬られたらって考えただけで胸が痛かった。それに桐崎はモテるから…江戸の女に言い寄られてそっちに残るって言い出すんじゃないかって…」
(相手の上に乗ったまま相手の肩に額を押し当て不安を吐露するも軽く相手に対して酷いことを言ってるのは気付かずスッと鼻を啜って。
色々、相手には言うこと聞くことが沢山ある。特に“応援していた”ことについて。
が、涙が溢れてしまったせいで顔が上げられなくないという悪状況。
もし相手が自分のことなどどうでもよくなっていたら相手にとっては相当嫌な筈。
今更感極まって抱き付いてしまったことを後悔するも泣き顔なんて今は誰にも見られたくなく前髪で表情を隠すように顔を上げてはそのまま上手く相手の上からどこうとして。

  • No.736 by 桐崎 繿  2015-04-05 22:40:13 




>露木

( 自分を抱き締め不安だった事を包み隠さず話す相手に少しばかり驚いた様に目を向けては兄と若頭に二人にさせて欲しいと視線で訴える。
唇を噛み俯く相手の顎を軽く持ち上げ潤んだ瞳と向き直れば江戸での相手からの“素直になれ”と言う言い付けを思い出して。
濡れた睫毛に口付けを落とし涙を拭っては「………露木以外の奴に手を出す訳無いだろ」と呟いて。
ベッド上にて相手を膝に乗せたまま抱き締めては「…まぁ、色々…ごめん」と。
相手の腕を引き今度は自分が相手をベッドに押し倒しては「さっきのすっげぇ良かった。身長と体制的に上目遣いだったし目潤んでたし………綸と木ノ宮の前だからって我慢出来た俺がすげぇよ」と悪戯っぽく微笑み江戸での自分が付けたと言う鬱血の痕をなぞる。
まずはゆっくりと誤解を解いてかなきゃとは思うもののそれと共に嫉妬心が渦巻いては鬱血の痕を塗り替えるべくそこに唇を当て。
「………言っただろ、嫉妬深いんだよ俺。………なんかあんたは別の男(男子生徒)の家行ったりするし…増してや彼奴のベッドで寝てたのとかすげぇ腹立つ」
( 小さなリップ音をたて鬱血の痕をいくつも残しては何処と無く責め立てる様な口調になってしまい。
首筋に顔を埋めては自分の短髪が相手の頬や耳元に当たり擽ったそうにする相手の手首をやんわりと抑えベッドに沈め「彼奴(男子生徒)なんかより俺は露木を知ってるし…気持ちだって負けるつもり無い」と。
そこで先程相手が言った“江戸の女に言い寄られてそっちに残るって言い出すんじゃ…”との言葉を思い出してはからかう様に相手の鎖骨を甘噛みし「………露木は……………菊はさ、俺が他の女に言い寄られてホイホイ付いて行っても平気なんだ」なんて意地の悪い事を言って。

  • No.737 by 露木 菊  2015-04-05 23:55:12 


>桐崎

(相手から紡がれる素直な言葉から相手に不安を抱かせていたと知り申し訳なくなると同時に嫉妬してくれていたことが嬉しくてジワジワと感情が溢れてきては一度緩んだ涙腺から再び涙が溢れる。
情けなくて涙を拭いたいのに手首を押さえ付けられているため敵わず鎖骨に感じるチクリとした痛みに小さく身体を揺らしては意地悪い笑みを浮かべる相手を軽く睨み付け。
「平気な訳…ないだろ。……あんたを誰にも渡したくない。誰の所にも行かないように繋ぎ止めて置きたいくらいだ」
(束縛染みた言葉を恥じらいもなく強い口調で述べては少し相手が驚いて力が抜けてる隙に上体を起こし、お返しとばかりに相手の弱点の耳に触れながら反対側の首筋に甘噛して痕を残しコツンと相手の肩に額をあて。
「……俺だって不安だったんだ。…あんたが俺と磯貝のこと応援してるって聞いたから。………なんで俺達が付き合ってること彼奴に言わなかったんだよ」
(ボソボソと責めるように言うも相手の気持ちを知れた今となってはどうでもいいこと。
まだ薄っすらと濡れる瞳で相手を見詰めては「……名前、呼んでくれたな」と微笑み相手を抱き締めては首筋に顔を埋め「あのさ…。俺、一つあんたに謝らなきゃいけないことがあるんだけど…」と言いにくそうにそれでもどこか楽しげに述べチラリと相手を見て。
「……彼奴……あ、こっち来てた過去のあんたな。……あいつと一回……キスした」
(しかも結構深いやつ、とは口に出さずに相手の顔色を窺うように首を傾けて。
が、流石にキスは怒らせてしまうだろうかと冷や汗が出てきては「…あ、…でも仕方ないだろ。……似すぎというか…そっくりそのままあんただったから…つい」と言い訳を零すも逆にボロがでてしまった気がして目を逸し。
が、ふとずっと気になっていた相手の頭にまかれる手拭いに気付いては「っていうか、それどうしたんだよ」と此処ぞとばかりに責め立てて。

  • No.738 by 桐崎 繿  2015-04-06 01:18:58 




>露木

( 相手の口からは珍しい言葉にその束縛感さえ嬉しく思えては頬を緩めるも視界が反転し耳を責められ潜持った声を漏らしてしまい口元を腕で隠して。
互いの不安を打ち明けてしまえば心が軽くなりじゃれ合う様に相手の髪を撫でては次の言葉にピクリと反応し相手の額にコツンと自分の額を当てて。
例え“自分”だったとしても無性に腹が立ち、しかしふと思い出せば自分も人の事を言える立場でも無く。
それでも嫉妬は拭えず「へ-…、お前からキスしたんだ」なんてジトリ目で言うも手拭いの事を問われては思い出した様に頭からそれを取って。
「あっち(江戸)で…露草に貰った。なんかすげぇ質も良いし上等だし気に入ってて…」
( 無意識に照れ臭そうに言っては相手の視線に気付き「…な、なんだよお互い様…だろ??」と。
暫く離れてた為にその存在を確かめるべく相手を強く抱き締めてはふと思い出した様に携帯を取り出し電波が戻った事を確認しカメラを開く。
内カメラに設定しきょとんとする相手の後頭部に手を回し触れるだけの口付けをしては写真に収め直ぐ様男子生徒へと送信して。
返事は驚く程に早くしてやったり顔で返事を開いてはクスクスと笑みを浮かべて。
《桐崎お前許さね-からな!!!ってか露木先輩びっくりした顔してんじゃんどうせ桐崎が強引にいきなりに無理矢理にしたんだろ!!!》
《いや、思い合ってのキスだけど??》
《いやいや俺は信じないからね。遠慮無く先輩に男気アピール続けるからね》
( 勝ち誇った様な笑みを浮かべ相手を腕の中に閉じ込めたまま至近距離で見詰めては「あれ、俺の名前は呼んでくれないんだ」と。
からかう様に相手を見詰め視線を外そう物ならそれを許さずに頬に手を添えて。

  • No.739 by 露木 菊  2015-04-06 06:55:09 


>桐崎

(過去の自分になんて抜け目の無い奴だと嫉妬していると突如口付けられその写真を男子生徒に送りつけやりとりする様子に頬が赤くなるのが分かり相手はこんなにも積極的だっただろうかと前以上に男らしく感じる相手を見詰める。
すると携帯を置いた相手と至近距離で目が合い、名前呼びの事をからかうように言われては性懲りもなく胸がドキドキしてしまい視線を横に泳がすも相手はそれを許してくれずまたすぐに視線が絡み合い。
名前呼びなんて園児のカップルだってやってること。
それなのに顔が沸騰しそうな程に熱く、素直になろうとは思ったが表情までこんな正直では困ると泣きそうな顔で見詰めて。
「……、…繿…」
(たっぷりの間を開け小さな声で熱っぽく名を呼んでは羞恥を誤魔化すように相手に抱きつくと耳元で「…愛してる」と続け。
心臓がバクバクとし名前を呼ぶだけでこんなにも体力を浪費している自分が恥ずかしく暫く相手の首元に顔を埋め落ち着いたところで少しだけ身を離して。
「…素直じゃなくて良い……、あんたが素直だと俺の心臓が持たない」
(顔を俯かせたままブツブツ呟くも、元々負けず嫌いの性格。
このままでは終われないと顔を上げては相手の耳朶にカプリと噛み付き態と音を立てて舐めあげては小さく反応する相手を見て「こっちは素直になってくれていいけど」と相手の内股を撫で上げながら悪戯に微笑んで。
それから少し真面目な表情をして相手に顔を近付けて「…何があっても繿から離れないから」と囁き触れるだけの口付けを落とし、更に深いものへと変えようと顔の向きを変える。
が、触れることはなく態と熱を残すように相手から離れるとベッドから降りて「…腹、減ってるだろ?何か作るよ」と台所に向かい調理を始めようと。

  • No.740 by 桐崎 繿  2015-04-06 18:01:21 




>露木

( 耳への感覚に小さく声を漏らしては口付けを期待する様に相手の頭に手を回そうとするも唇が触れる事は無くスルリと摺り抜ける相手をきょとんと見詰めてはからかわれたのだと察しわなわなとして。
残された熱に頭をガシガシと乱しては此方から強請るのも悔しく調理を始める相手を後ろから抱き締めては言葉に出来ないまま少し不貞腐れた様にして。
邪魔をしながら相手の耳元に唇を当てた所で自分の携帯の着信音が鳴るのに気付き渋々そちらへと向かえば「………はい」と。
電話の相手はどうやら以前のバイトのオーナーの様でまた暫くバイトをしに来ないかと言う事で。
「………いきなりっすね」
『…ほら、色んな騒動合ったからさ。あれからガラッとスタッフ変えたんだけどやっぱ男性客多くなっちゃってこれじゃマズイだろ??』
「でもそっち系の人多いんすよね」
『ホストって言ってるだけに女性客居ないとさ、他の店から色々悪口言われたりするし』
「……………でも俺一応恋人居るんで」
『アフターとかは無しで良いからさ、何とかならないかな-…給料もそれなりに出すよ』
( オーナーの押しに負け明日から手伝いに行く事を約束しては相手の元に戻り先程の電話の内容を説明して。
元々愛想も無い性格だし面倒なバイトを増やしてしまったと溜息を付いてはベッドに腰を下ろす。
最初は金の為だと思ってたが特別な存在が出来れば面倒な仕事でしかない、休みの日には相手と過ごそうと言い聞かせては携帯を見詰めていて。

  • No.741 by 露木 菊  2015-04-06 21:08:15 


>桐崎

(調理中、後ろから抱き締められては甘えてきてるようで可愛いなと思いつつそろそろ悪戯をやめて相手の方を向こうとするも相手の電話がなり。
どうやら仕事の電話、不満ながら気にしない素振りで大人しく待っては電話を終え相手から内容を聞くと少し微妙な顔をしてベッドに腰を下ろす相手を目で追い。
その後すぐにできた料理を机に並べては相手の隣に座り「バイトの話…してくれてありがと」と視線を床に落としながら述べ。
「…本当は嫌だけど…それはあんたも同じだろうし…我慢する。…そのかわりアフター入った時は教えてくれ。……多分、あんたと女…いや男もだけど…兎に角誰かがあんたにくっついてるの見るとまた勘違いするから」
(正直アフターなど入れて欲しくないが事情は色々あるだろうし、自分の場合相手の動向を知っていたほうが安心できると思って。
「なんか俺ストーカーみたいだな」
(空気が気不味くならないよう小さく笑って冗談を言うと相手の顔を覗き込み「変な奴に引っかかるなよ」と忠告し相手の前髪をワシャワシャと掻き乱して。

(翌朝、相手のベッドの中。自分の携帯の着信音で目が覚めてはベッドに入って寝転がった状態のまま電話に出ると相手はあの男子生徒で。
『おはよっす。先輩起きてましたか?昨日桐崎に変なことされませんでした?』
「……んー…寝てた。……ていうか朝から大きな声出すな」
(隣で横になる相手にも聞こえるのではないかというほどの大声。
朝からこれはきついとまだ覚醒しきっていない頭で欠伸をして「それで、何?」と。
『遊ぶ約束、忘れてないっすよね?』
「………したっけか?」
『したっすよ。今日いっしょに出掛けるって』
「……………」
(やばい全く記憶にないと頭を撚るも煩く喋りかけてくる男子生徒のせいで思考が回らず、相手の横でダラダラと会話を続けていて。

  • No.742 by 桐崎 繿  2015-04-06 22:30:47 




>露木

( 翌朝、隣から聞こえる話し声にまだ眠い目を擦りながら起き上がっては携帯片手に話をしている相手に悪戯する様に抱き着いて。
ふと響いた電話相手である男子生徒の声にイライラとしては態とらしく「おい、身体は大丈夫か??昨日あんなに激しくしたからな」なんて嘘を連ね相手の口を軽く塞いで。
『はぁ!!??桐崎マジぶっ殺すぞ!!!露木先輩大丈夫っすよ、俺信じてませんから!!!今日時計台の所で待ってますね!!!』
( 一方的に電話を切った男子生徒への嫉妬心も解けないまま相手の鼻を軽く摘んでは「……………行かせたくねぇけど…俺これからバイトだしな」と。
乗り気じゃないままに身支度を整えては途中まで相手と共に向かい時計台と店へと分かれ道で別れて。

( 店に着くなりオーナーに挨拶を済ませては着替えを済ませ自分が止めた後に入ったスタッフと共に客引きに向う。
しかし見知らぬ人に声を掛けられる様な性格でも無く大人しくしてた所適当に声を掛けてくれた女性グループに店のクーポンを渡して。
「サービスとかするってよ、良かったら来ないか」
『えぇ-どうしよう。こんな昼間からお酒-??』
「なら紅茶出そうか??俺別のバイトで洋風の居酒屋やってるから簡単なのなら作れるし。そこ昼間は喫茶店みたいな感じだからコーヒーか紅茶なら作れる」
『へぇ、じゃあ行こうかな-』
( 無表情のまま店へと案内をし、どの様に酒やサイドメニューを進めようかと考えては一緒に来たスタッフと共に店へと戻って。

  • No.743 by 露木 菊  2015-04-07 09:12:10 


>桐崎

(分かれ道、相手の背中が見えなくなるまで見詰めては出来れば相手と一緒にいたかったとため息を吐き時計台に向かうと既に来ていた男子学生にブンブンと手を振られ。
何をするかと思えば特別なことはなく服屋などを見て回るだけ。
途中相手に似合いそうなシャツを見つけてはそちらに向かい、相手と少ししか背丈が変わらない男子生徒の肩に服をあてがってサイズを確かめさせて貰うと迷わず購入して。
『先輩、それ桐崎にっすか?』
「…ああ。バイトで使って貰おうかと思って」
『バイトってホストっすよね?だったらもっと良いシャツにしないと低く見られますよ?』
「…良いんだよ。あんまり高く見られると変な客も多くなるし。って、何で彼奴のバイトのこと知ってるんだよ」
『あ、え、嫌。違うっすよ。…たまたまそこのホストの経営者と知り合いでちょっと前から桐崎誘うみたいな話聞いてたから……、ストーカーとかそんなんでは…』
「………」
『…あ、で。そのシャツ。ほんとやめた方が良いっす。低く見られればそれだけ収入に影響してきますし』
「……じゃあいいよ。あんたにやる」
(どこか投げやりにシャツの入った袋を男子生徒に押し付けてはへそを曲げた子供のように別の店へと足を向ける。
男子生徒の言葉が気遣いなのか嫉妬なのかは不明だが今は水をさされた気分で、ただ所有の証を形として示したかっただけなのにと気落ちしつつその後も相手のことばかり考えて。

(一方相手のバイト先、相手がキャッチした女達を上手く誘導してサイドメニュー等を注文させるころ、店に二人の女性が来店し迷わず相手を指名しては奥の席に座って。
内一人の女、その人物はあのホステス希久で相手がくるなり綺麗な口元に微笑みを浮かべ『座って座って』と手招きしてもう一人の女との間に相手を座らせて。
『久しぶり。この前はありがとう。優希君だっけ?あの子があの後しっかりストーカーを追い払ってくれて。…繿にも本当に助けられたわ』
(ふわりと微笑んでは、今ここの近くのホステスに移動になったことを告げて此処の経営者に相手がいると聞いて此処に来たと続け。
『でね。その…またお願いがあるんだけど。……実はこの子新人でこーいう仕事初めてなのよ。でもすっごく気が小さくていい子だから男慣れしてなくて髪に触られるだけでも緊張しちゃって…。正直仕事にならないから慣れるまでの間、繿の客として話し相手になって欲しいの。他の男だと信用出来なくて…。勿論お礼はするわ』
(頭を下げるホステスの隣で新人が慌てて頭を下げるも至極おどおどした様子で『す、すみません…。私みたいな人間がこんな仕事場違いなのわかってるんです。で、でも…』と涙ぐみハラハラ泣き始め。
その新人、身長149㎝と小柄のため子供のようで、それを宥めるホステスが“放おっておけなくて”と相手の方を見て肩を竦め申し訳無さそうにし。

  • No.744 by 桐崎 繿  2015-04-07 12:40:37 




>露木

( 指名と共にそちらの席に向かっては懐かしい顔に僅かに表情を緩め頼まれた内容に少し困り顔をするもその小さく震える姿が何処と無く子供と重なり放って置けず二つ返事で了承して。
「あ、…代金なら良いよ。あんたが有名になったら店行くから良い酒一本奢って」と小さな頭にポンポンと手を乗せてはおどおどと初々しいその態度に小さく笑みを零して。
店が近くなるなら顔を合わせる機会も増えるなと話してた所では携帯のSNSが鳴っては一度席を外し一体誰からだろうと確認する。
どうやら相手はあの男子生徒、昨日の事がどれほど悔しかったのか《シャツ、露木先輩が俺に似合うの選んでくれた》と報告して来て。
《へ-、あっそ》
《桐崎こそ今頃色んな女の相手してんでしょ??露木先輩放って置いてさ》
《バイトの事はちゃんと話してる》
《俺だったら絶対嫌だな-。恋人がホストなんかやって色んな奴に愛想振り撒いてるなんて》
( 男子生徒からのメッセージにピクリと反応しては唇を小さく噛むもこれでは売り言葉に買い言葉だと携帯をポケットにしまい席に戻る。
わなわなと震える新人が携帯片手に『あの…どうせなら………』と言掛けるのに察し自分の携帯を渡し「良いよ、後でメールする」と。

( その頃、男子生徒は僅かに拗ねた相手の手を取り『…そんな怒らないで欲しいっす。…あ!!!確か近くに美味しいケーキ屋あるんで奢りますよ』と笑顔で言っては高そうなスイーツ店に入りチーズケーキとタルトを頼んで。
『ここのパティシェ外国で修行積んで来たんですっごい美味いって評判だったんすよ、先輩と来たくて』
( にっこりと人懐っこい笑みを浮かべタルトを一口分取っては相手の口にやり『こっちも結構美味いでしょ』と言って。
支払いを済ませ再び街に出ては『………桐崎に変な事されたりしたら何時でも頼って下さい』と顔を俯かせたまま言って。

  • No.745 by 露木 菊  2015-04-07 18:15:47 


>桐崎

(男子生徒にケーキをご馳走になるも、やはり相手と一緒の食事が一番美味しくて沈んだ気持ちのまま街に出ては男子生徒のどこか真剣な言葉に足を止めて。
「……あのさ。もうこうやって会うの止めにしたい。……さっきみたくケーキ食べさせるみたいなことされたら正直、困る。……俺、磯貝を好きになることはないから」
『そ、そんなの分かんないっすよ。俺先輩の望むこと何でもしますから』
「………じゃあ、距離置いてくれないか。あんたは良い奴だよ。でも俺なんかに構ってないで他の奴探したほうが絶対に良い。…俺みたいな我が儘は繿にしか扱えないから」
『……なんすか、それ。……俺、二千万肩代わりして上げたのに…』
「……、…」
『あ、え、いや!今の無しっす。ないない!!あれは俺が勝手にしたことで先輩は何も気負いすることなんてないっすから。あー俺なに言ってんっすかね。』
「…いや、ありがとう。…そうだな。距離を置くってのは勝手すぎた」
(慌てて訂正する男子生徒に優しいんだなと思いつつ「…家庭教師としてなら会うから」と困り顔で微笑んでは「今日はありがとな。…俺この後用事があるから」と適当に嘘を述べて逃げるようにその場を後にして。

(夜、相手のバイトが終わる時間まで近くのカフェでぼんやりしては時間になると店のスタッフ専用出入口布巾の邪魔にならないところに立って相手を待つ。
手には小さめの紙袋。その中には男子生徒にシャツを押し付けたあと結局相手に何か所有の証を持っていて欲しくて購入した物が入っていて。
受け取ってくれるだろうかとそわそわしながら、扉が開くたび相手かと期待して別のホストが出てくるたび「…どうも」と小さく頭を下げ落胆気味に小さく息を吐いていて。

  • No.746 by 桐崎 繿  2015-04-07 23:36:52 




>露木

( バイトが終わる時間まで新人と客を行ったり来たりして漸く上がりの時間、疲れた様に欠伸をしては早速先程の新人に《結構頑張ったな》と短いメールを送りさっさと裏口から出て。
扉を開けた所で壁に寄り掛かる相手とばったり出会しては少し驚いた様な表情をし携帯をポケットに仕舞う。
「来てたのか、…もしかして待っててくれた??」
( 僅かに首を傾けるも此処の店は以前の騒動の噂が流れてから“そっち系”のスタッフが増える一方。
まさか変な奴に言い寄られて無いだろうなと考えてはやや焦りが生じ相手の腕を掴んではさっさと店を後にする。
バックルームでスタッフが騒いでた“裏口にすっごいイケメン居るんだけど誰か待ってんのかな”“俺声掛けちゃおうかな”なんて言ってたのは相手の事だったのかと。
「声掛けられたりしてねぇだろうな、………あそこの店…そういう奴多いから」
( ボソボソと話しつつ寮へと付いてはベッドへドサリと身体を預ける。
明日は休みだが特別にする事も無く、相手に予定を聞こうとした所でSNSの通知音がなり携帯を取る。
相手は新人ホステスの様でアイコンはどうやらホステス(希久)と一緒に撮った写真。
傍から見れば小柄で可愛いと思うのにあの緊張症は本人も大変だなと思いつつメッセージを開く。
《今日はありがとうございました、お仕事に支障が出ない様に頑張ります!!!》
( 意気込みは立派だと僅かに表情を緩めふと相手が持ってた小さな紙袋に目が行けば相手を見詰めて。
「買い物、言ったんだろ??………まさか磯貝と揃いの買ったとかじゃないよな」
( ムッとした様な表情をしつつ相手がそんな事をする様な性格では無いのは自分が一番分かっていて。
そう言えばとポケットを漁るも渡す勇気は無く、今日休憩時間に抜け出して買ったペアリングを切り出せずに居ては少しそわそわとしていて。

  • No.747 by 露木 菊  2015-04-08 00:25:24 


>桐崎

(相手の焦りなど露知らず寮へ訪れては買った物をいつ渡そうかタイミングを窺っているとどこか楽しげに携帯を見る相手がいて、通知音から誰かとSNSをしてることは分かり“なんでそんな笑顔なんだ”と嫉妬しては、心のなかでブンブンと首を横に振りこんなことを気にしていては駄目だと言い聞かせ。
不意に紙袋について振られてはピクリと肩を揺らし相手の言葉に不機嫌そうに眉を寄せ「そんな訳ないだろ」と。
そして何処か気恥ずかしげに紙袋を手に取りおずおずと中から長方形の箱を取り出すと相手の後ろに周ってから箱を開けて何も飾りがない細めでシンプルなシルバーネックレスを手にとっては相手の首につけて。
ネックレスなんて束縛染みた物、相手は嫌がるだろうかなんて思いながらそのまま相手を後ろから抱き締めては首筋に顔を埋め「…その…安物なんだけさ…、あんたに似合うと思って…」とボソボソ話して“素直になれ”と心の中で自分に喝を入れ相手を抱き締める腕に力を込め「……出来ればバイト先につけてって欲しい。あんたが俺のだって分かるように。…変な虫がよりつくといけないから」と語尾が羞恥で小さくなりながらもしっかりと述べ。
それでもネックレスを選ぶ時、ペンダントタイプにするか否かで一時間近く迷ったことは伏せておき。
その後、想いを告げたことで少し気が抜けたのかズシリと相手に体重を掛けて後ろから顔を覗きこむようにして「で、今日はどうだったんだ?……まあどうせあんたのことだからモテモテだったんだろうけど」とあからさまに拗ねた態度をとってみて。

  • No.748 by 桐崎 繿  2015-04-08 01:10:38 




>露木

( 思いがけないプレゼントに段々と耳が赤くなっては俯き至極小さな声で「……………あ、ありがとな」と礼を言い自分も渡さなければと。
相手がプレゼントに束縛を気にしてるとも知らずに“流石にペアリングは束縛感激し過ぎるか”と眉を寄せるも折角買った物だしと。
僅かに拗ねた様にも伺える相手が可愛らしく態と相手に寄り掛かる様な体制を取っては特に隠す事でも無いかと今日合った事を話して。
敢えて誤解を招かない様にと先程のSNSの相手と内容まで話しては相手にグイッと顔を近付け。
「………って言うか俺の方が結構嫉妬してんだからな」
( 相手の鼻を軽く摘み上記を言っては再び甘い雰囲気になりこの場を逃さない様にとポケットからリングの入った小さな箱を取り出し相手に押し付ける様に渡す。
シンプルなデザインのシルバーリング、内心恥ずかしさから顔を背けたくなり俯き加減に口を開く。
「………ペアリング、たまたま…売ってたから」
( 小さく言い訳を言ってはやはり束縛感があからさま過ぎただろうかと。
何か言おうと口を開いた所で携帯の着信音が鳴っては誰からかも確認しないまま応答する。
一度席を外しキッチンで「…はい??」と言えばどうやら着信者はあの男子生徒で。
『今…平気??』
「あ??…まぁ別に」
『今日さ、露木先輩にガッツリフラれた。…で、俺最低な事言っちゃって』
「………」
『でもやっぱ先輩の事好きで好きでしょうがないし………言われた通り距離置くしかないかなって』
「何でそれ俺に言うの」
『明後日からから桐崎と同じバイトすっから』
「は!!??」
『よろしく、桐崎“先輩”』
「いやいやいや、何でだよ」
『男らしさ磨こうって、先輩振り向かせる』
( 何とも大雑把で思い切った決断に呆れるも自分に止める資格は無く「…まぁ、頑張れば」と言っては電話を切りペアリングを見詰めていて。

  • No.749 by 露木 菊  2015-04-08 02:28:38 


>桐崎

(耳を赤くする相手に喜んてくれてるのかな?と思えば買ってよかったと安堵し、仕事場での新人との事を話されては軽く嫉妬しつつもやっぱり相手は優しいなと少し誇りに思い。
鼻を摘まれ言われたことは鈍感な自分でも何のことかすぐ分かり不謹慎にも嫉妬してくれてることを喜びつつ「大丈夫、俺は繿だけだから。」と恥ずかしげもなく微笑み。
そんな時、相手からぶっきらぼうながらも思わぬプレゼントを貰っては分かりやすく目を輝かせ抑えようのない歓喜から頬を緩ませ「ありがとう、すごく嬉しい」と大切そうに指輪を見詰め。
きっと“たまたま”なんて嘘なんだろうななんて惚気たことを思いつつ、次の相手の言葉を待つも電話で場を離れる相手に不服げに息を吐く。
それでも未だ興奮は冷めやらず自分好みのデザインの指輪を左手の薬指にはめて翳してみたりしていて。
電話の内容は勿論知らず相手の電話が終わるのを見計らっては後ろから近付き再び密着するよう後ろから抱き締め、はめたばかりの指輪を嬉しそうに見せつけて「やっぱり繿は俺の好みわかってるな」と微笑み「…あんたはつけないの?」と相手が手に持つリングを手に取り、なんか自分が買ったネックレスに通しても違和感なさそうと思いつつ、意味深に相手の左手を取っては薬指にはめてみたりして。
しかし流石に調子に乗りすぎたかと思えばとりあえず自分の指輪を右手の薬指に付け替えて相手を見詰め「また揃いのものが増えたな」とスルリと髪を耳にかけ以前相手から貰ったピアスを見せて微笑み。
それから相手のベッドに行きバタンとうつ伏せに倒れては幸せを噛みしめるように布団を握りそれを隠すこと無く「なんか幸せすぎて今日寝れるかな」といつになく素直に言葉を述べるも言った傍から眠たげに欠伸を零しウトウトしはじめて。

(その深夜、相手のSNSにあの新人が《遅くにごめんなさい。もしかして通知オンになってて起こしたら申し訳ないと思ったんですけど…自分の性格の事とか考えたらどうしも今気持ちが落ち着かなくて。あの…良ければ明日は色々相談したいので遅くまで付き合って頂けませんか?》と切実なメッセージを送り、その数十分後に送るか送らまいか相当悩んだのか《…あ、あと…男の人に慣れるために軽いスキンシップもお願いしたいです///》と焦って間違えたのかギャグ要素満載の土下座スタンプ付でメッセージが続いて。

  • No.750 by 桐崎 繿  2015-04-08 21:58:44 




>露木

( 少し不安気に渡したプレゼントも思いの他嬉しそうに受け取ってくれ、そのはにかんだ笑顔に照れ臭くなれば隣で寝息を立てる相手の額に口付けて。
無防備に眠る相手を隣に寝られる筈も無くそわそわとしながら同じベッドの上で相手に背を向け眠りに付こうとするもやはり意識してしまって。
不意に鳴り響いたSNSの通知音に携帯を取っては新人からのメッセージに気付き頭を悩ませる。
どうせなら相手と過ごしたかったのだが新人も新人なりに仕事の為に頑張ろうとしている、ならば断るのも引け目を感じ《良いよ、何時にする??》と短いメッセージを送って。
《じゃあ…1時くらいから会えますか??待ち合わせは時計台がベタですよね》
《了解、じゃあ1時に時計台行く》
《ありがとうございます、遅くにごめんなさい。お休みなさい》
《おやすみ》
( 簡単なやり取りが終わり特に疚しい事をするつもりでも無いしと簡単に考えては翌日相手に説明して行こうと。

( そして翌朝、相手の手料理に舌づつみしては思い出した様に昨夜のSNSの内容を話し出掛けると告げる。
次の休みこそ一緒に居たいと小さな声で言っては相手の額を軽く弾き「まぁ只の仕事付き合いだから」と。
約束の時間が近付き身支度を済ませ相手とのペアリングをネックレスに通し首に付けては合鍵を手渡して。
「…無くすなよ。それ部屋の合鍵、何時でも来て良いから」と告げるも羞恥が湧いては素っ気無く視線を流しドアに手を掛ける。
…が、相手に振り返り小さなリップ音を立てて口付けをしては「…じゃあ行って来るから」と告げ時計台へと向かって。

  • No.751 by 露木 菊  2015-04-08 23:35:27 


>桐崎

(翌朝、相手から新人と会う事を告げられ酷く不安になるも、ペアリングを身につける様子と合鍵を渡されたことで一瞬不安が吹き飛び、相手が去った扉を見詰めては口付けされた口元に手をやり全くずるいやつだなと小さく笑みを零す。
それでも一人になるとやっぱり不安でそわそわしつつ貰ったばかりの合鍵を大事に鞄にしまっては不安を紛らわすように次の休み相手と過ごす事を考えバイトに向かって。

(時計台、相手よりも早く来ていた新人は相手が来るとペコペコと頭を下げおすすめのカフェがあるからとそこへ向かうと隣り合って座れるカップル席に座り身を小さくして緊張していて。
『あ、あのせっかくのお休みなのに御免なさい。…桐崎さん、恋人いるんですよね?…あ、もしかしてその首にしてる指輪、ペアリングですか?素敵ですね。桐崎さんの恋人どんな人なんだろう』
(緊張からか何か話さねばとペラペラと空回り気味に話し水を飲むペースも早く、焦りからコップを落としてしまっては店員が破片を片付け終えた所で酷く落ち込んだ様子でため息を吐いて。
『私ってこの仕事向いてませんよね。チビでグズでドジだし。…でもどうしてもお金が必要で…先輩だった希久さんに相談したら面倒見てくれて』
(ポツリポツリと事情を話し始めては8人兄弟の長女で下の弟妹達の生活費が不足していることを打ち明けて、そこで少し気持ちが落ち着いたのか細い足をプラプラさせながら『此処のココア美味しいんですよね』と子供のように笑っていて。
そんな二人がカフェから出てきた所、偶然あの男子生徒が居合わせてはどこか怒った様子で相手に近付き。
『おい、桐崎。誰だよ、その子。もしかして浮気?………明日からバイト一緒になるのになんか不安だわ。………俺、桐崎“先輩”のことちゃーんと見てますから』
(ジッと相手を睨むように意味深に述べてはその場を去っていき、状況を把握出来ていない新人はオドオドとして『あ、あの私のせいですか?大丈夫ですか?』としきりに心配していて。

  • No.752 by 桐崎 繿  2015-04-09 00:13:18 




>露木

( 新人がこうまで懸命に仕事に慣れようとする理由を知っては協力したい気持ちも高まり、自分も孤児院への寄付をしてるんだと互いに打ち明けては他愛も無い話をし緊張を解して。
その仕草一つ一つ傍から見れば初々しく可愛らしい物で男心を掴むのは上手いしその仕事も向いてるんじゃないかと思うが口には出さず。
まぁ自分は相手が一番だし相手の仕草一つ一つが全てツボだがと心の中で惚気けたりして。
カフェを出た時、偶然あの男子生徒と出会しては新人の事を咎められ此方が否定する前に不機嫌な様子で去って行ってしまうのを見送り。
慌てる新人に「あ-、あんたの所為じゃねぇから。心配すんな」と言ってはカフェを後にして。
街を歩きながら、そう言えばスキンシップがどうのこうのと言ってたなと思い出せば意味も無く手を取って。
『…へ??』
「スキンシップがどうのこうのって。次の店まで手でも繋いでみる??」
『あ…はい!!!』
( 新人を友人としか見てない所為か疚しい気持ちは一切無くあくまで慣れる為の手助けと考えながら何処に行こうかと話をする。
しかしこの見事な身長差、人目を集めるのは勿論の事でしかし特に気にした様子も無く。
適当な服屋に入っては新人が楽しそうに服を見て回るのを見詰め、『これ可愛いと思いません??』なんて笑顔で言うのに頷いて。
相手の女体化がふと頭を過ぎり男姿でも女姿でも相手を愛しく思ってるのは同じで、女体化の相手なら此処にある服どれでも着こなせそうだなと。

( その頃、男子生徒は下手糞な変装で自分を付け回してはギリギリと分かりやすく歯を食い縛る。
携帯を取り出し相手に連絡を入れようとするも相手の言葉が脳裏を過ぎってはブンブンと首を振り『………駄目だ駄目だ、もうちょっと男らしさ磨いたらまた会いに行くって決めただろ』とブツブツ呟いて。
レディースショップの為女体化の相手に似合う服を選んでる自分をてっきり新人に似合う服を探してると勘違いした男子生徒は思い切り此方を睨み付けながら『は-もう有り得ねぇ。やっぱ桐崎の噂マジなのかな-』なんて独り言を零していて。

  • No.753 by 露木 菊  2015-04-09 01:19:25 


>桐崎

(夜、バイトを終えては結局ほとんど相手のことを考えていたなとぼんやり空を仰いではまだあの新人といるのだろうかとメールしようとするも仕事の付き合いと言っていたし気を遣わせては邪魔になるかと携帯をしまい洗濯物が溜まっていた為アパートへと足を向ける。
その途中、突如強い雨が降り出しては予報を聞いていたため持っていた折りたたみ傘をさして歩みを再会する。
すると閉店した本屋の軒下で怪しい格好をした男、男子生徒がずぶ濡れの服でオドオドしているのが見えてはうわ…と思うも放おっておけなく自分のお節介さに若干嫌気がさしつつそちらに近付き。
「…何、傘持ってないの?」
『え、あ!先輩!?あ、どうしよ。俺、まだ会ったら駄目なのに』
「…まだ?……よくわからないけど…そのままだと風邪引くから」
(自分から距離を置きたいと言ったがずぶ濡れの知り合いを雨の中放置できる性格でもなく、気まずいながら「アパートすぐ其処だから」と男子生徒を家に上げると自分が持っている中でも大きめの服を渡し風呂を貸すと、上げってきたところで御茶を差し出し。
「ていうか、何であんな所いたんだ?あんたなら迎えとか呼べそうなのに」
『え、ああ…、俺そーいうのあんま好きじゃないんっすよ。金持ちだからって人をこき使うみたいなの』
「……へぇ。……で、その格好は?…不審者にしか見えないけど」
『あ、いや、これは何でもないっす。…ははは。…………ところで先輩』
(から笑いをする男子生徒が突如真剣な顔をしたため、変に身構え暫し沈黙の時間が流れるも『……やっぱり何でもないっす』と言われてしまえば何なんだを眉を顰めつつ、洗濯物が乾くまでの間暇なため適当に作りおきの食事を用意すると自分は隣の部屋に行き携帯を取り出し相手のアドレスを開いて。
《もう寮?さっき雨降ってきたけど大丈夫だったか?………今、磯貝がアパート来てるんだけど何でもないからな。雨に濡れてるの見たら放おっておけなくてさ…。……明日の夜はそっち行っていいか?》
(相手の顔がみたいななんて思いながら、変な勘違いが起きないよう軽い気持ちで男子生徒のことを報告して。

  • No.754 by 桐崎 繿  2015-04-09 23:38:46 




>露木

( 遅くまで新人に付き合ってたのだが降り始めた雨が本降りになってくるのに傘を2本購入してはどうせなら夕食も付き合おうと。
適当なレストランにて食事をしてる所、相手からの連絡に一度席を外しては応答して。
男子生徒が相手のアパートに居ると聞かされては面白く無さそうにするも自分のある状況を考えては一方的に嫉妬するのも良くないかと。
全く相手の御人好しには参ると考える反面、そこも好きなんだけどなと惚気けたりして。
《…分かった。明日迎えに行くから》と答え《…今日、…本当に何も無かったからな》と言えば“俺は露木だけだから”と続けようとするも流石にそれは恥ずかしさから言えずに。
新人を家付近まで送り届け「結構頑張れたじゃん。今度は俺があんたの事指名しに行くから」と。
先日長い時間指名してくれたし、いくらホステス(希久)の奢りだと言えども新人の性格上全然出して無いなど有り得ないと。
にっこりと頷いた新人に軽く手を振り自分も寮へと歩き出しては“妹が居ればあんな感じだろうか”なんて考えていて。

( そして翌日、バイト先にて男子生徒と出会しては意気込みは立派で先輩達にも好印象で。
『磯貝、お前金持ちのボンボンだからって甘やかしたりしねぇからな-』
『ちょ…酷いっすよ!!!俺結構仕事に対しての責任感とか強いんすからね』
『はいはい、期待してやっからよ。兎に角分かんない事有ったら桐崎に聞いて。研修中は桐崎にくっついとけば何とかなるから』
「…は??………何で俺が」
『長いだろこの仕事、じゃあ頼んだ』
『よろしく、桐崎“先輩”』
( ニッと態とらしく笑顔を向ける男子生徒の視線は何処と無く何時もよりも冷たく感じて。
その原因が昨日の事とは知らずに「…酒とかは作れる??」と問い掛ける。
『多分…多分作れる』
「心配だな、次指名来たら教える」
『わ、俺達未成年なのにバレたらマズイんじゃね』
「俺はもうバレてるし。知らないのは客だけ」
( しらっと言っては早速の客の元へと向かう。
…客と言ってもホステス(希久)と新人で慣れ親しんだ様子で席に付いては此方を睨み付ける男子生徒にも気付かず酒の割り方等を作り方を教えて。

  • No.755 by 露木 菊  2015-04-10 00:21:41 


>桐崎

(すぐに帰ってきた相手の返信に安心しては早く明日にならないかなと子供染みたことを考えつつ男子生徒の元に戻り乾燥機で乾かした服を渡しては傘を貸して家まで送るというも『いいっすよ。俺男っすから』と軽く断られ。
それもそうかと思いつつ途中まで送ってアパートに戻るとベッドに横になり相手から貰ったストラップとペアリングを交互に見詰めては口元を緩ませていて。

(翌日、男子生徒は持ち前の飲み込みの早さと相手の教え方のうまさもありすぐに仕事を身につけては希久の話にも上手く合わせ、男が苦手な新人ともすぐ打ち解けてさり気なく相手との関係を探ろうとしていて。
『え、じゃあ新人ちゃんは男慣れするまでずっと桐崎と居るんだ?』
『ずっとって訳ではないですが…。あ、でも今度お店に来て指名してくれるって』
『へぇ、そうなんだ。…女の子のためにそこまでしちゃうなんて流石桐崎先輩』
(新人にニッコリ笑顔を向けつつ次の瞬間相手に冷たい視線を送るもすぐに笑顔に戻り会話を盛り上げようとして。
そんな男子生徒の明るさもあってか新人もいつもより呑んでしまいほろよい気味で、へにゃりと相手に凭れ掛かってしまっては『ご、御免なさい』と必死で座ろうとするもカクンコクンと左右に前にと船をこいでしまっていて。

(その頃、自分は早めにバイトを終えて一度アパートに戻ろうとするもどうせ戻っても相手が迎えに来る時間まで待っていられそうにないため、適当に時間を潰しては相手のバイトまで行って相手が出てくるのを待ち。
ここまで付き纏うと疎ましがられるかと懸念もあったが、本当は相手が他の誰か…特に女客に絡まれてないか不安で見張りもかねており。
なんだか前よりも相手に依存して自分が煙たい性格になってると自覚しつつ相手が出てくるのを待って。

  • No.756 by 桐崎 繿  2015-04-10 01:09:42 




>露木

( 先程から何処と無く棘の有る男子生徒の言葉や視線に一体何なんだと気付けないまま時間を送る。
バイトの退勤時間まで後1時間程度、しかし新人の様子を見る限り少し飲ませ過ぎたかと。
こんな様子なら何処ぞの男に襲われても文句言えないと心配になっては新人を支える。
そして漸く上がりの時間、千鳥足の新人の肩を支えつつ「…大丈夫かよ、送って行くか??」と問い掛けるも
男子生徒が鋭い目付きで『桐崎“先輩”は大人しく帰るべきっすよ。希久さん達は俺の家のお手伝いさんに送らせるんで平気っす』と。
『あ…あの、…えと…ごめんなさい』
「ったく。ちゃんと休めよ」
( 男子生徒の電話一本で店の前にリムジンが止められ『すみません、知り合いなんだけど送ってくれる??』と男子生徒が下手に頼んでは使用人は深々と頭を下げ2人を送って行って。
バックルームで着替えを済ませ先程から此方を睨み付ける男子生徒に「…あのさ、さっきから何なの」と問い掛けるも『別に…随分女の子に優しいんすね』と刺々しい言葉を投げ掛けられて。
「はぁ??…そういう仕事だろうが」
『そういうんじゃなくて』
「意味分かんねぇから」
( ムッとした表情で言うも何故か男子生徒は自分よりも怒っており男子生徒と同じタイミングで裏口から出ては丁度相手と出会し僅かに表情を緩めて。
ペアリングの付けられたネックレスは勿論自分の首元にあり、相手に駆け寄る自分を男子生徒はキッと睨み『“先輩”浮気症治した方が良いっすよ』と嫌味を投げ付けて。
「はぁ??…俺がいつ浮気して………」
『可愛いっすもんね。さっきの新人ちゃん、ああいうのがお気に入りっすか』
「だからあれは客で…」
『お疲れっした』
( 機嫌の悪い男子生徒に頭を悩ませつつ相手の手を取っては「待たせたよな、…早く帰ろうぜ」と言い寮へと向かって。

  • No.757 by 露木 菊  2015-04-10 09:47:29 


>桐崎

(どこか刺のある男子生徒の言葉にピクリと反応しては自分の手を引き寮へと向かう相手の顔を不安げに見詰めるも新人と仲良くしてるのは仕事の付き合いだしと言い聞かせ握られる手を軽く握り返し。
「磯貝の言葉、別に気にしてない。…俺は繿のこと信じてるから」
(真面目な表情で低く呟いては相手を見詰めるも、此れではプレッシャーをかけているみたいで滅茶苦茶重たいではないかと焦っては「あ、あれだよ。磯貝の奴、きっとあんたが女にモテるから僻んでるだけなんだよ。…というか彼奴もやっと俺みたいな男じゃなくて女に目を向けるようになったんだな」と思いっきり勘違いながら不安を払うように明るく振る舞って。

(相手の部屋、食事を済ませ先風呂に入らせて貰っては相手が入浴する間持ち込んだドライヤーで髪を乾かす。
男子生徒の言葉、相手の前では気にしない素振りでいたが本当はすこぶる気にしており何度も“仕事だし相手はちゃんとペアリングもネックレスもしてくれていた”と身勝手な嫉妬を抑えようとして。
そんな時ふと目に入った相手の携帯、普段見ようなんて思った事など無かったが一瞬気の迷いが生じては“少しくらい、確認のため”と悪魔が囁き携帯に手を伸ばしかける。
しかしやっぱり勝手に見るなんてどうかしてると手を引っ込めようとした時、丁度SNSの通知音が鳴ってはビクッとしてその拍子に携帯を落としてしまい。
何やってんだかと携帯を拾い上げたところ、落ちたはずみでSNSの画面が開いてしまっていて、そのまますぐ閉じれば良いものを欲に負けてメッセージを読んでしまってはすぐに後悔し。
《今日は酔って迷惑かけて御免なさい。でもとても楽しかったです。今度お店に来てくれるの楽しみにしてます。“繿君”が私の初指名になるので頑張りますね(。・・。)》
(新人の生真面目さ故のメッセージ、それが酷く親密に見えてはつい過去のメッセージまで読んでしまいその中に《この前、“桐崎さん”が選んでくれた服、友達にもお客さんにもすごく好評でした。センスも良いなんて羨ましいです。妹達の分の服選びも手伝って欲しいくらい!》とあり、呼び名が変わってることに酷く嫉妬して。
その時、浴室の扉が開き相手が出てきては大袈裟なくらいビクリと肩を震わせ慌てて携帯を元の位置に戻すも、既読がついてしまったことにまで気が回せず「…あ、…早かったな。そうだ。プリン買ってあるんだ。食べるだろ?」と手に汗握りながら笑顔を取り繕い冷蔵庫からプリンを出すと相手に渡し、バレてないだろうかといまだにバクバクと煩く鼓動する心臓を何とか落ち着かせようとして。

  • No.758 by 桐崎 繿  2015-04-10 22:30:48 




>露木

( 何とも鈍感な相手に笑みが溢れそうになり男子生徒には悪いが鈍感で助かったと。
部屋に付き相手の後に浴室に向かいキツイ香水の匂いを落としては湯船に浸かる。
あまり長風呂するタイプでも無く濡れた髪を拭きながらリビングへと向かえばビクッと震える相手に首を傾げるもぎこちない笑顔でプリンを渡されそれを受け取る。
何故か余所余所しい相手が気になるスプーンを咥えたまま顔を近付ける。
「何か合ったの??」
( 直球に問い掛け相手の返事を待ってた所、SNSの通知音が鳴ってはのそのそと携帯を取る。
相手はどうやら新人、しかし文の辻褄が合わずに何度か見直して。
《いきなりごめんなさい、既読が付いてたけどお返事無かったので………私何か失礼な事言っちゃいました??(´・_・`)》
( 既読なんて付けたつもり無いがと考えては《ごめん、バグかなんかじゃね??別に変な事言われてないから心配すんな》と。
続くメッセージに新人の天然加減が現れ無意識に表情が柔らかくなってる事など自分でも気付かずに。
《来週から勤務始まるんです、暫く手伝ってくれたの無駄にしない様に頑張りますね!!!》
《来週ね、指名しに行くから》
《待ってます(´∀`)ドジしない様に頑張ります!!!》
( 意気込みからして彼女なら出来るだろうと僅かに安心しては携帯を置き何気無く相手に視線をやる。
余所余所しい態度とSNSのバグ、こんな辻褄があるだろうかと考えては視線を合わせる様に相手の正面に座り目線を合わせる。
特に何を話す訳でも無く、意地悪をするかの如くジッと見詰めては視線を外させない様に頬に手をやり。

  • No.759 by 露木 菊  2015-04-10 23:35:10 


>桐崎

(直球な問い掛けに冷や汗がダラリと流れるもSNSの通知音に救われホッと肩を撫で下ろす。
しかしどこか楽しげな相手の表情に先程呼んだメッセージの内容が浮かんでは醜い嫉妬が生まれムスッとしてしまい、相手と目が合って慌てて目を逸らして。
無言で頬に添えられる手、大袈裟のほどビクッと肩を揺らし引きつった笑みを浮かべるも勝手に見たなんて言えるはずないと思ってしまい「な、なに?なんか顔についてるか?」と素知らぬふりを突き通そうとして。
それでも引かない様子にこうなったらこっちの流れに持って行ってしまおうと相手の肩を軽く押して後ろに倒しては顔をグッと近付けて「なに、そういう気分になった?」と悪戯な笑みを浮かべ首筋に甘噛みして「…繿」と誘うように甘く名前を囁いては相手の反応など気にせず一人勝手に不自然なほどじゃれつき盗み見したことを誤魔化して。
そして散々じゃれついた挙句「疲れた…」と一言零しては何か追求される前に眠りについて。

(翌朝、相手よりも先に目を覚ましては朝の身支度を済ませ相手を起こそうとするも相手の携帯のLEDが点滅しているのを見た途端、また見たい欲求にかられる。
数分間心の中で葛藤するも駄目だと分かっていながらメッセージを読んでしまっては“来週お店に行くんだ…”と酷く落胆し今朝来た《おはようございます。朝からすみません。今日は希久さん抜きの一人で繿君のお店行ってみようと思うので宜しくお願いします(^^*)》とあり、もしかして仕事以上の付き合いなのかと疑心暗鬼に陥っては深い溜息を吐き携帯を元の位置に戻すと眠る相手の耳にカプッと噛み付き「バイト行ってくる」と言い残し部屋を後にして。

(夕方相手のバイト先にて新人が来る前に他の女を接客する相手を先輩ホストが困り顔で呼び出しては酷く言いにくそうにして相手のネックレスとペアリングを指摘して。
『君の頑張りはすごく助かってるよ。お客さんにも評判いいし。…でもその中にはさ、それがペアリングだって知ってるお客さんもいてね。その…嫌らしいんだよ。お金払ってるのに恋人いる人が接客してるのを見るのは気分悪いって。だからせめてお店に居るときはそれ、外してくれないかな。……あといつも裏口で君を待ってる彼…、正直“そっち”の噂が立つから困るんだよね。君の方からなるべく店には近付かないよう行ってくれないか?』
(よろしく頼むよと苦笑を零し相手の肩を叩いては来店した女性客を迎えに行って。

  • No.760 by 桐崎 繿  2015-04-11 01:26:33 




>露木

( 昨夜は上手く流されてしまった物だなと溜息を漏らしつつバイト先へと訪れては先輩ホストからの指摘に困った様に眉を下げる。
渋々ネックレスを外し内ポケットに大切そうにしまい早速相手に電話をしては相手もバイト中の為留守番電話になり。
「あ-…あのさ、…悪い意味じゃ無いんだけど…暫く迎えには来なくて良いよ。…ここ暫く遅くなるみたいだしかなり待たせると思うから、…それにまぁ………うん。会える時は俺から迎えに行くからさ。じゃあ仕事頑張れよ」
( 言葉を濁しつつ何とか伝えては再び仕事に戻り漸く訪れた新人の元へと来て。
最近は随分慣れた様子になって来たなと頬を緩めては「酔い過ぎんなよ」と言い薄目の酒を手渡す。
それを先程から男子生徒が睨んでたのだがそれに気付けず他愛も無い話をして。
『この前仕事でのお洋服見に行ったんです。…私希久さんみたいにスタイル良くないし………胸も小さいから困っちゃって』
「そういうのが好きって奴もいんだろうが。…あんた言う程悪い顔してねぇよ、自身持てば??」
『………でも前繿君と出掛けた時………“妹さんですか??”って聞かれちゃったんですよ??』
「俺に言えば否定してやってたのに」
『……………もう、まだまだ成長期続けば良いのにな』
( 小さく冗談を言う新人に軽く微笑んではふと現れた男子生徒が『桐崎“先輩”、ちょっと良いっすか』と。
呼ばれるがままバックルームへと来てはそのイライラした様子に疑問を浮かべる。
『随分あの子可愛がってんすね』
「だから客だからってんだろ」
『……………リング、外してる』
「それは先輩に注意されたから」
『すっげぇ親密そうだけどな、俺から見れば』
「………はぁ、お前一体何なの」
( ムスッとする男子生徒に困りつつ呼ばれる声に気付いてはそちらへと向かう。
別のホストに飲まされた新人は既にクタクタ、“…だから言ったのに”と呆れつつ帰る様に耳打ちする。
さり気なくホステス(希久)に迎えに来る様に頼んでは薄着の新人に小さな溜息を漏らし裏から私服の自分のパーカーを持って来て新人に手渡して。
玄関にてホステスが来るのを二人で待っては漸く来たタクシーの中にホステスの姿が見え手を上げて。
その様子が傍から見れば酔い潰れた女と共に何処かに行こうとしてる様に見える事など気付かずに。

  • No.761 by 露木 菊  2015-04-11 11:38:34 


>桐崎

(バイト終わり早速相手のバイト先に行こうと足を向けながら留守電を聞いてはその内容にピタリと足を止める。
素直に聞ければよかったがその言葉を濁すような物言いに嫌な予感がして。
もしかして携帯を盗み見たのがバレて怒っているのか、それとも迎えに来られては暑苦しくて迷惑なのか、いろんな不安が過るがあの新人とのメッセージのやりとりが浮かんでは疚しいことがあるのではと疑い始め。
“遅くなって待つ”そんなのどおってことないと相手の事情も知らずに不安ばかりが先走っては来なくていいと言われたのにも関わらず相手のバイト先に向かってしまい。
そして店の向かい側の道路から裏口へと周ろうとしたところタクシーが見え何気なくそちらに目を向けては、相手が女を支えながらタクシーに乗り込ませる姿が目に止まり愕然とする。
相手がタクシーに一緒に乗ったかも確認しないままその場を離れてはフラフラと近くの公園のベンチに座り込むと、自分の姿が見えていたのかすぐに男子生徒が駆けつけて来て。
『先輩、…桐崎、迎えに来たんじゃないっすか?』
「…いや、そうなんだけど…」
(そう言って浮かぶのは先程の光景。確か酔った女は相手の服を羽織っていて、相手の首元にはネックレスがないように見えた。
こんな時ばかり目が利く…と溜息を吐いては不安を取り払うようにベンチに背もたれ空を仰いで。
「…俺って早とちりなんだよ。特に彼奴の事になるとまともな考えが出来なくなる」
『…………』
「さっきのもきっと彼奴の親切だ。……俺、彼奴のそういう優しい所が好きで…人に冷たくする彼奴なんて見たくない筈なのに、俺以外の奴に優しくしてるの見ると胸が痛くなる…」
『…あの…』
「最低だよな。…勝手に疑って…」
『…………』
「悪い、変な話聞かせたな。…態々声掛けてくれてありがと。バイトお疲れ。気をつけて帰れよ」
(どこか力なく微笑み男子生徒の肩をポンポンと叩いてはその場を後にしては相手の寮へと向かい合鍵を使って中へと入る。
相手の姿はまだなく身勝手に落胆にしては相手のベッドに寝そべって。
女と何もなければすぐに帰ってくる筈…と相手にだって色々事情があるだろうに結局疑ってしまってる自分に嫌気が差しつつペアリングを見詰め相手の帰りを待って。

  • No.762 by 桐崎 繿  2015-04-12 00:34:39 




>露木

( 新人とホステスの乗ったタクシーを見送り店へと戻れば再び先程の先輩ホストが現れ自分の腕を掴み裏へと向かう。
難しい顔の先輩ホストの話に寄ればどうやらこれから此処の店を管理する上の業者グループの頂点に立つ人が来るらしく勤務時間は過ぎてるが暫く残って欲しいと。
人員不足もあり渋々引き受けては一度店を締め店内の掃除等を済ませ貸切状態にして。
約束の時間、スタッフ全員で玄関口へと出迎えをすればスーツに身を包んだ男達数人の後に如何にも高価そうな毛皮の上着を身に纏う一件美しい顔立ちの男が現れ。
オーナーがやや強ばらせた笑顔でその男の前へと向かい、女性客にする様に手を取れば奥へと案内する。
『あら、貴方見ない顔ねぇ。貴方何時から此処で働いてるのかしら』
( 此方に振り向き上記を言った男に呆気に取られつつ、「………前まで世話になってたんですけど…復帰させて貰ったんです」と小さく言って。
確かに女性とも似つく様な中性的な顔立ちをしてるし若頭とも同じようなジャンルなのに何故か近寄れる雰囲気では無く。
新人を見せて欲しいと言う事で男子生徒と共に自分もその男に付き添えば夜まで酒に付き合わされて。

( 寮へと戻れたのは既に0時を回る頃、欠伸をしながら部屋の扉を開ければ僅かに眠そうにうとうととする相手が目に入り。
「ただいま、来てたんだな」
( こんな時間だしかなり待たせてしまったのだろうなと考えつつ浴室に向かえばさっさとシャワーを浴びる。
相手の胸にある不安さえも気付けず、手早く入浴を終えては思い出した様にジャケットの内ポケットからネックレスを取り出し首に付けて。
やはりこれが無ければなと無意識に表情が緩んでは寝間着のパーカーとジャージに着替えリビングへと戻って。

  • No.763 by 露木 菊  2015-04-12 02:47:43 


>桐崎

(中々戻らない相手、そんな相手の気苦労も知らずに不安と苛立ちばかり募れば相手が帰宅しても素直に喜べず、部屋に入ってきた瞬間香った強い香水の香りに眉を顰める。
疑ってはいけない、そう思うのにシャワーから上がってきた相手がネックレスをしているのを見ては“店では外してたのに”と自分がいる時だけネックレスをする行為がわざとらしく見えてしまい。
瞬間醜い嫉妬が爆発して相手の疲労も考えずに相手がリビングに来た途端突如噛み付くような口付けをしては営業時間などとっくに過ぎているのに未だに残るアルコール臭に眉を潜め一方的に相手を突き離すと刺のある視線を向け「…………酒の匂い。…あの新人とホテルで呑んで遊んでたのか?」と。
すぐにハッとなって気まずげに目線を逸らすも一度溢れた不安は止まってくれずに微かに息を震わせ視線を落とし。
「…ネックレス、さっきまで外してただろ。…迎えに来なくて良いって突然言い出したのも俺が重たいからか?…それとも、邪魔だから?」
(不安げながら相手を責めるように述べてはそんな自分が嫌でギリッと歯を食いしばるもつい八つ当たるよう相手を睨み付け。
「新人のホステスとも仕事付き合いとか言って随分親しそうだもんな。……服も一緒に買って態々其奴の店行って指名の約束までするとかあんた其奴のこと好きなんじゃないの?…どうせホストのバイトも女と遊びたくて始めたんだろ?」
(相手が男子生徒から嫌味を言われ続けついさっきまで真面目に仕事をしていたとも知らず相手を端から疑う最低な言葉を並べてしまっては、流石に言い過ぎたと思うもすぐに謝罪の言葉が出てこずまた視線を逸らし、溜息を吐いてしまって。
この時、携帯を盗み見なければ知り得ない、服の買い物の事や指名の話をつい口走っていることは気付かずに。

(その頃、相手のバイト先のオーナーが相手にメールしており《今日は遅くまでお疲れ様。ついさっき付き合わせたばかりで悪いんだけど、実は支配人(中性的顔立ちの男
が君を偉く気に入っちゃってさ。明日からも暫く仕事終わりに君に酌を頼みたいって言うんだ。申し訳ないけど店の経営にも関わるから相手してくれないかな?昼と夕方のバイト時間は考慮するし勿論お礼は弾むから》と。

  • No.764 by 桐崎 繿  2015-04-12 14:32:23 




>露木

( 噛み付く様な口付けと共に力強く睨み付ける視線に呆気に取られるも自分の行動が誤解を招いてたなんて知らず取り敢えず話さなければと。
しかしそれと共に新人とのメールの内容の話が出て来ては何故知ってるんだと疑問を抱く。
「……………何でメールの内容知ってんの??」
( ポツリと出た言葉、別に相手になら携帯を見られる事くらい構わないし新人とメールをしてた事は話してた。
しかし何故内容まで知ってるのかと思えば、以前勝手に既読が付いてた事を思い出して。
「………アフターとかはしないってこのバイトする前にあんたにも言っただろ。………ホテルなんかに行ってないしあの新人とは本当に友達なだけ。………分かるだろ、ああいう店って高いんだよ。お茶一杯で千円近く取んの。だから散々指名して貰ったから俺もお返しするって…」
( 誤解を解こうと弁解を試みるもこの状況故に言い訳にしか聞こえず溜息を付いては俯く。
自分の浅はかな行動や上手く説明出来ない事に沸々と腹立たしささえ過ぎり頭をガシガシと乱しては「………で、なんで携帯のメールの内容知ってんだよ」と何処と無く責め立てる様な言い方になってしまい。
責任転嫁するかの如く相手を責める様に見詰めた所で携帯が鳴り響けば話をしてる最中にも関わらず直ぐにメールを開く。
寮へ戻るまでは仕事を頑張って給料日になったら駅近くに新しく出来たプラネタリウムに相手を連れて行こうと思ってたが気不味い雰囲気になれば言い出せず。
《了解です、得に用事も無いんで》
( あっさりとした返事を送り結局素直になれないままスタスタと相手の横を通り過ぎベッドに横になって。
「疲れてんだよ。俺もう寝るから」
(正直眠くなんてないしこの時間まで待ってくれてた相手と甘い時間を過ごすつもりだったが性格上からか不貞腐れた様に相手に背を向けて。

  • No.765 by 露木 菊  2015-04-12 18:42:34 


>桐崎

(相手の弁解をいつもなら容認できたのに相手の頭を掻く仕草が自分を煙たがっているように見え、言い訳に聞こえてしまっては「…なんだよそれ」と依然相手を責めるように呟き、メールの内容を何故知ってるか聞かれてもすぐに謝罪出来ず目を逸らして。
しかし此れでは拗ねてるだけの子供だと謝ろうとしたところ相手がメールを始めて其れが仕事のメールとも知らず、自分との事なんてどうでもいいんだと被害妄想してはベッドに横になる相手を睨み。
相手が自分の好きなプラネタリウムに行く計画を立ててくれていて、今日も接待で疲れが溜まっているなんて考えもせず寝ようとする相手の肩を乱暴に引いては仰向けにさせ「まだ話終わってないんだけど」と苛立ちをぶつけ。
「そうやってすぐに寝るのは疚しいことがあるから何じゃないのか。今のメールだってどうせあの新人からなんだろ?…俺と話してるのにすぐ返信するなんてよっぽどその女が大切なんだな」
(新人とは何でもないと言われたのにガミガミと一方的に怒っては「……帰る」と言って相手の話も一切聞かずにさっさと部屋を出て。

__『…それで深夜に一人で帰って来ちゃったの?』
(翌日、アパートの一室にて激しく後悔してうなだれる自分に突如訪れた兄が呆れ顔で『流石に今回は繿に同情するよ』と溜息を吐き。
『…菊さ。素直と我が儘は違うんだよ。…繿が浮気してないことくらい菊が一番わかってるでしょ』
「………」
『で、ちゃんと謝ったの?』
(兄の問い掛けに携帯を無言で見せ《昨日(深夜)はいきなり当たり散らすみたいに責めて御免。あんたの話も聞かずに最低だった。…謝りたいからまた部屋に行っていいか?》と相手に送信したメールを見せて。
『別に確認しなくても直接行けばいいじゃん』
「…部屋にいきなり行くの鬱陶しくないか?いくら付き合ってても俺みたく付き纏われたら暑苦しいんじゃないかって。…あいつから此処に来たことないし…」
『いやそれは菊が先に繿のところ行くから………、…まあいいけどさ…』
(また呆れ顔する兄にやっぱり自分は煙たいのかと溜息を吐いては相手からの返信を待ちつつ兄と暫く話した後、バイトに出かけて。

(夜、相手の勤務終了時間、端正な顔立ちをしたあの支配人がきつい香水の匂いを漂わせながら訪れ、さっそく相手を隣に座らせては『本当かわいい子だね』と相手の髪を撫で回し上機嫌に酒をのみ一向に相手を離そうとせず。
それは深夜を周っても続き他のホストたちは香水と酒にやられ“桐崎あとは任せた”といった感じで完全に伸びてしまっていて。

  • No.766 by 桐崎 繿  2015-04-13 22:34:08 




>露木

( 翌日、またもや相手と喧嘩をしてしまったと項垂れつつバイトの休憩時間に相手からのメールに気付けば今日も支配人は来るし帰りは多分深夜になるだろうと考え《悪いけど今日も遅くなる》と素っ気無いメールを送った後で激しく後悔して。
どうしてこんなにも素直になれないのかと溜息を漏らしつつ今日もあの支配人が来る為清掃や準備を済ませては出迎える体制に入って。
きつい香水の匂いを纏わせる支配人が訪れ“匂いには敏感故に結構来るな”なんて考えては大人しく隣に腰を下ろし酒を注いで。
『この前街で君の事見付けたの、恋人居るのね』
「……………まぁ」
『綺麗な子じゃない。これはペアリング??』
( ポケットから出てたネックレスをスルリと取られてはペアリングを面白そうに見詰める支配人から視線を逸らす。
返して貰おうと手を伸ばすも上手く避けられては眉間に皺を刻むもそれをなぞられて。
『バイトに打ち込んでるみたいね』
「あぁ………はい」
『来週のシフトは休み結構取ってるみたきじゃない』
「………えと、まぁ…恋人と喧嘩してて………来週は一緒に過ごしたいって言うか………駅近くに出来たプラネタリウム…連れて来たくて」
『へぇ…結構あそこ人気だものね。なら君の給料弾む様に沢山高いお酒頼んで上げなきゃ』
( 結局良い人なのか悪い人なのかも掴めず流される様に飲まされ漸く開放して貰えたのは朝方。
フラフラと寮へと戻り自室にてぶっ倒れては珍しく高級過ぎる高い酒を飲まされたか僅かに酔いが回って。
視界が不安定にクラクラとしたまま相手の連絡先に電話を入れるも脳内ではあの新人に連絡を入れてるつもりでいて。
「…あのさ、明日俺休みだから指名しに行くから」
( 留守番電話に上記を残し、続いて新人に連絡を入れては相手に電話をしてる物だと勘違いしていて。
「………露木、前はさ………その…ごめん。来週空けといてくれると…嬉しい」
( ポツリポツリと言っては電話を切り疲れからかベッドに倒れ込み寝息を立てて。

  • No.767 by 露木 菊  2015-04-13 23:30:51 


>桐崎

(翌朝、アパートにてベッドの中で昨日相手から届いた冷たく感じるメールを見返してはやはり昨日は言い過ぎたというか相手を怒らせて当然だったと反省し小さく溜息を吐く。
そこで漸く相手からの留守番電話に気付きその内容を聞いて、は?と眉を潜めて単なる間違いなのに態々報告してきたと馬鹿な勘違いをしてはさっき反省したばかりなのにムッと拗ねて《態々報告どうも。明日はせいぜい女と楽しめよ》と疲れてる相手に対しまたもや当たり散らすメールを送りつけて。直後に後悔するもすぐに謝れるほど器用ではなく「…俺の馬鹿…」と一人空虚に呟いて。

(そして翌日、結局相手が電話をかけ間違えたと知らないまま朝帰りのバイトを終えてはアパートへ向かうもその途中で突如高級リムジンに横付けされて車の窓が開くと強い香水の香りと共に綺麗な男、支配人が顔を出し『もしかして貴方って繿君の恋人?』と。
「…え、まあ…はい」
『やっぱり。ねえ今日の夜、繿君のバイト先に来ない?一緒にお話がしたいの』
「え…、でも繿は今日休みじゃ…。……それにあなたにお話することは…特に」
『あらはっきり言う子ね。それと繿君が休みなのは知ってるわよ』
(そう言って見せてきたのは相手のネックレスから外されたペアリングで、何で…と問う前に『返して欲しいでしょ?今夜お店で待ってるわ。磯貝君もいるから安心して』と早々に去られてしまい。
リムジンが去った方を呆気に取られながら見つつ相手はペアリングがなくなったことに気付かなかったのだろうかと疑問に思いながら、店に行かないわけにも行かないため夜の予定を開けて。

(一方で新人は相手からの留守電を聞いて、どうしよどうしよとあたふたしつつ相手が今日店に来るとも知らないため先輩である希久に『ら、繿君いつ来るかな』なんて落ち着きなく髪や服を正したり店内を行ったり来たりしていて。

  • No.768 by 桐崎 繿  2015-04-14 00:57:45 




>露木

( 間違った電話に気付かないまま朝を迎えシャワーを浴びた所で相手からのメールに気付き“何の事だ”なんて考えては電話履歴を開く。
確か最初はあの新人に連絡した筈…と思うもどうやら最初に電話をしたのは相手の様子。
寝惚けたのだろうかと思うも相手をあれ以上怒らせまた溝が出来るのは嫌だと思う反面まだ素直になれず。
そう言えばまだネックレスとペアリングを返されて無いと思えば不安が過ぎり昨日強引に交換された電話番号を開いて支配人に連絡をして。
『あら、今日はオフでしょ??ゆっくり休みなさ…「ネックレス…取りに行きます」』
『凄く大事にしてるのね、でもまだ駄目』
「な…何でっすか」
『大丈夫よ、無くしたりしない。でもまだ駄目よ』
( 意味の分からない事を言われ電話を切られてしまえば従うしか無く。
次の仕事の時にでも返して貰おうと思うもやはり不安で《それ、すげぇ大事にしてるんで傷付けたり無くしたりしないで下さい》と無愛想なメールを送り。

( そして夕方、新人とホステスの働く仕事先へと向かえば新人を指名し席に付いて。
まだ慣れてないのかトタトタと小走りで此方へ来た新人に気付いて。
『あの…態々ありがとうございます。でも…あまりお金使わなくて大丈夫ですよ??』
「別に平気、俺もそれなりに稼いでるし。それよりあんたも俺の店に結構出してくれただろ」
『流石に希久さんにばかりお世話になれないですし』
「……………取り敢えず一番高い酒、頼む」
( 相手が支配人と会ってるとも露知らず、今までの礼をしようと注文をしては他愛無い話をして。


  • No.769 by 露木 菊  2015-04-14 05:11:59 


>桐崎

(夜、営業時間が終了した相手のバイト先へと訪れては男子生徒が出迎えてくれて『先輩何かあったんすか』と心配顔で耳打ちされるも自分もさっぱりのため小さく首を傾け案内されるまま既に酒を飲み始めていた支配人の隣に座り「…それで、話って何ですか?」と速く相手のネックレスとペアリングを返して欲しく早速本題を切り出して。
『まあまあそんなに焦らないで、君も呑みなさい』
(進められるままに男子生徒が作った酒を口にしてはその酒の薄さに気を遣ってくれたと分かり感謝しつつ支配人が何を企んでいるのか気になり「あの…」と話を促して。
『もうせっかちね。…実はあたし繿君のことすごく気に入っちゃって是非あるお店で少しの間働いて欲しいの。そこの店は“そっち系”の人専門なんだけど最近経営が傾いてて繿君が来てくれればとても助かるなと思って』
「…はぁ…、で、何で本人に直接言わないんですか?」
『あら。だって“そういう所”で手伝って貰うんだから恋人の許可が必要でしょ。君が了承したって言えば繿君も聞き入れやすいだろうし』
「……でも俺が了承しないとネックレス返してくれないんですよね。それって脅迫じゃ『
脅迫?人聞きが悪いわね。親切のつもりよ。…で?どうするの?』」
「俺一人では決められません。…繿に聞かないと。…それに俺が了承したって聞いたら繿がなんて思うか…」
『でも此れ、返して欲しんでしょ?』
「…………」
『手伝いって言っても一週間だけでいいの。君が今、条件を飲んでくれればネックレスは返して上げるわ。あーそれとホストのバイトも辞めてもいいよう手配してあげる』
(楽しげに笑う支配人にやっぱり脅迫じゃないかと軽く睨み付けつつ内心、これ以上相手が自分以外の誰かに笑顔を向けたり触られたりするのは嫌で一週間我慢すれば相手はホストを続けなくて済み自分との時間が増えると思うと悪くない話に思え。
相手の仕事を勝手に決めるなんてどうかしてると思うも後から話せばきっと分かってくれると甘い考えでいては「……約束守ってくださいね」と。
『じゃあ繿くんは暫くあたしがお借りするわね。ネックレスも直接本人に返しておくわ』
「……あの、その店も接客だけ、ですよね?」
『当然よ。如何わしいことなんてないわ』
(上機嫌に笑う支配人とは逆に自分の心は穏やかではなく相手に早く謝らなくてはと思う一方今頃新人の店で楽しくやっているのだろうかと嫉妬しては薄い酒を軽くあおって。

(その頃新人の店では他のホステス達が相手に惚れ込み『繿君格好いい!!』『今日は私の奢りね』なんて言いながらどんどん酒や食べ物を頼み新人を押しやる勢いで『私が一番好きよね?』と相手の気を引こうと競っていて。

  • No.770 by 桐崎 繿  2015-04-14 12:32:59 




>露木

( 携帯片手に相手からの連絡やメールを期待する無愛想極まり無い客だったが待っても来ない事に項垂れ他のホステス達の言葉など耳に入らずにいて。
新人を呼び戻し「そろそろ帰る、また来るから」と言い残しては会計を済ませ店を後にして。

( 寮への帰り道を歩く途中、黒塗りのリムジンが自分の横に横付けされてはスモークの掛かった窓が下がりあの支配人が胡散臭い笑みを浮かべていて。
『御機嫌よう、少し話がしたいの。乗ってくれる??』
「……………ネックレス…返してくれます??」
『返して上げるわ。だからお話しましょう』
( ほぼ強引に車の中へと乗せられ不機嫌極まりない表情で居れば支配人が迎えに座って。
『良い話があるの。貴方の恋人さんにもちゃんと了承取ったわ』
「何なんすか」
『ほら、“そっち系”の人が来るお店ってあるじゃない??一週間で構わないわ、こっちで働いて欲しい』
「……………は??」
『それに貴方ホスト辞めたがってたじゃない。あんな小さい居酒屋に戻りたいなんてびっくりだわ』
「待って下さい………」
『明日からお願いね。ちゃんとホストも辞めさせて上げる。ほら、ネックレスも返して上げるわ』
( 相手が了承しただなんて信じられずに居るも寮の前で下ろされては暫し放心状態でいて。
相手の胸の内も知らず悲観的に考えてしまっては唇を強く噛み締めさっさと部屋に入って。
ポストには予約していたプラネタリウムのチケットが二人分あり、雑にそれを取ってはテーブルの上に放り何とも言えない気持ちになり。

  • No.771 by 露木 菊  2015-04-14 21:33:23 


>桐崎

(漸く支配人から解放されては肩の力が抜け深い溜息を吐くもすぐにでも今のことを相手に話さなければと携帯を取り出して電話を掛けるが留守番電話に切り替わりそう言えば新人の所に飲みに行ってるんだと思いつつ「…繿?…この前はごめん。返事くれないってことはまだ怒ってるんだよな。…でもあんたのバイトのことで話したいことがあるから会いたい。何時になっても待つから今から寮行くな」とまだ相手が電話をかけ間違えたと知らずに返事がないことを怒ってると勘違いしつつ、相手の都合も聞かずに寮に行くと言い切って。
それからすぐに相手のバイト先を後にするも何故か男子生徒も付いて来て『寮行くっすよね?俺も一緒なんで』とどこか以前よりも大人びたふうに笑い、男子生徒は女好きになったと勘違いしてるため断ることもないかとややほろ酔い気味にコクリと頷きそのまま一緒に相手の部屋の前まで来て。
「じゃあ此処で。おやすみ」
(軽く手をヒラリとし相手はまだ帰ってきていないものだと思って合鍵を出してドアを開けようとしたところ、突如その腕を男子生徒に掴まれ廊下の壁際に手を引かれて。
「…磯貝?」
『先輩…、その迷惑承知でお願いするんすけど…、今度の休み俺と一緒にプラネタリウム行きませんか?』
「え?……あ、いや…、その日は桐崎と過ごそうと思ってて…」
『でも今喧嘩してるんすよね?』
「だからこれから謝ろうとしてるんだろ。…今回は俺が理不尽に拗ねてただけだし」
『桐崎、あの新人のとこに呑みに行ってんじゃないっすか?』
「だからさっき待つって…、なんでそんな不安を煽るようなこと言うんだよ。あんたには関係ないだろ」
(男子生徒の鋭い視線にきっと酔ってるからしつこいんだと思っては少し迷惑そうに目を逸しさっさと合鍵で相手の部屋の扉を開けようとして。

  • No.772 by 桐崎 繿  2015-04-15 00:25:03 




>露木

( 廊下から聞こえた声が誰の物かなんて一目瞭然で玄関前にてその内容を聞いてしまっては眉を寄せる。
話の内容は一部しか聞こえなかったが相手が拒否の言葉を言ってるのは聞こえた、…それなのに先程の支配人の言葉が脳裏を過ぎっては玄関を思い切り開けるも相手に衝突しそうになる寸前で歩を止め。
「………行けば、良いんじゃねぇの。………ってか聞こえてっから。……………」
( こんなの子供の八つ当たりでしか無い、そんなの自分でも知ってるのに二日酔いの頭痛が襲い頭をグシャリと掴んでは男子生徒に目をやる。
『飲み過ぎたんだ、あの新人ちゃんのとこで??』
( 支配人に浴びる程飲ませられた事など相手の前で言える筈も無く更に悪くなった目付きを相手にやれば「…行けよ。…何、そいつと行く事態々俺に言いに来た訳??」と酷い言葉を言って。
男子生徒が自分に掴み掛かりそうな勢いで近寄って来ては僅かに見えた自室のテーブルに置かれるチケットに気付いたのか何か言い掛けて。
自分もそれに気付き「………あれは…、その…あの新人と行こうとしてたんだよ。彼奴最近頑張ってるから」と咄嗟的な言い訳を言って。
男子生徒の瞳が段々と怒りに戻るのを感じ取り「じゃあ俺疲れてんの、明日からまた仕事だし」と言いパタリと部屋の扉を締めて。
真っ暗な自室の中、玄関に背中を預けては自分の馬鹿馬鹿しさに自嘲の笑みさえ溢れて。

( 翌日、ラフな格好で構わないと支配人に言われた為普段着で支配人の元へと向かえば自分の学校と同じ制服を手渡されて。
「…あの」
『そ、それがこのお仕事の“制服”よ。高校生なんて滅多に居ないし面白そうだな、なんて』
「………不味くないっすか、これ」
『大丈夫よ、私を誰だと思ってるのかしら』
( 渋々それに着替え何時も着てる様な楽な着方にしては支配人の元に戻り。
『さて、フロアを案内するわ』
( 手を引かれ相手と揃いのペアリングをしっかりと内ポケットに入れては不機嫌そうな表情のまま後を着いて言って。

  • No.773 by 露木 菊  2015-04-15 01:19:57 


>桐崎

(まだ帰宅していないと思っていた相手が部屋から出てきてはその怒った様子にすぐに謝らなければと口を開くもその前に冷たく聞こえる言葉を言われては小さく目を見開き。
しかしそれよりも何処か辛そうな相手が気になり“繿?”と手を伸ばそうとするも男子生徒の言葉を鵜呑みにし、その後続く相手の言葉も真に受けてしまっては相手に触れようとした手をギュッと握り締め、謝るタイミングを完全に見失ってしまい。
バタンと閉ざされる扉、素直になるなら今だと思うも相手が新人を構ってると思うと卑屈になってしまい、自分が相手と居たいという我が儘で相手を売るような真似をした癖にその事を謝ること無く男子生徒の制止も聞かずにその場を立ち去って。

(支配人の店、客達はフロアに現れた相手にすぐ惚れ込んでは我先にと高い酒を頼んで支配人がその中から一番高い酒を頼んだ男を選び相手にその席へ行くよう指示して。
一番高い酒を注文したのは小太りの中年男で相手をニヤニヤと足先から頭まで見てはポンポンとソファを叩いて隣に座るよう促し。
『君、本当の高校生?それにしても悪い格好してるね。不良だったの?』
(失礼なことを平気で言いながら厭らしく相手の内股に手をおいてさすり『まあまあ呑みなよ』と連日疲労溜まっている相手に対し強い酒をどんどん進め『繿君って言うんだ。君なら女の子の格好しても似合いそうだね』と変態発言を鼻息を鳴らしながらいっていて。

(その頃自分はバイトまでの時間、カフェで昨日のことをずっと後悔しておりそれでも相手にメールを送れずにいて。
相手と仲直りしなければ一週間我慢するどころか一生会えなくなってしまう。
わかってるのに素直になれず相手が自分のせいで嫌な思いをしてるとも知らず相手のアドレスを開いたままずっと靄々していて、男子生徒からの《休日プラネタリウム行くの考えてくれませんか?》というメールもずっと返せずにいて。

  • No.774 by 桐崎 繿  2015-04-15 09:56:47 




>露木

( 何とも気色の悪い接待、酒は嫌いじゃ無いがあんなにも高価な酒を飲まされ視界が歪んだ経験は初めてで躊躇しがちに酒を流し込み。
酒を仰がなければやってやれないこの時間、増してや相手以外の男なんて考えられず僅かに距離を起きつつ早く退勤時間が訪れるのを待って。

( 初日だからと言う事もあり夕方に上がらして貰えれば支配人に別室に呼ばれ時給を言われて。
高額な値段に驚くも良い事をして稼いだ金では無いと複雑な気持ちになりながら寮へと戻り。
テーブルの上で寂しくあるプラネタリウムのチケットを見詰めてはそれなりの値段したのになと。
相手は男子生徒の誘いを拒否していたし自分の一方的な苛立ちをぶつけてしまったに過ぎないのにと激しい後悔に苛まれては何度も携帯を見詰めて。
まさか本当に新人を誘うのも気が引け青年でも誘おうかと悩んでいて。
そんな時、ふと新人から連絡が来ればどうやら今週はホステス(希久)に続く人気だった様で。
「そか、おめでと。あのさ、プラネタリウムとか…好き??たまたまチケット2枚あるんだけど明日これやるからさ。希久とでも行ってこいよ」
( 新人の返事など聞かずに一方的に言ってしまえばっさと電話を切ってしまって。

  • No.775 by 露木 菊  2015-04-15 12:35:03 


>桐崎

(結局相手に何も連絡が出来ないまま翌日を迎えては朝からどんよりと相手から何の連絡もない携帯を見詰める。
もしかしたら相手は新人とのメールに夢中なのかと悲観的になるも、仕事の事を言ってないのがどうしても引っ掛かり何があってもそれだけは謝らなければと気を奮い立たせ寮へと足を向けて。

(到着した寮、すぐに相手の部屋にと足を進めようとするが何やら学生たちがざわついていて“共同スペースに桐崎が可愛い女の子”をつれてると。
まさかと思い共同スペースに足を向けるとソファに並んで座る相手と新人が居て丁度チケットを渡すところで見事に“本当に新人と二人で行くんだ”と勘違いしてはショックで後退り。
今すぐこの場から逃げ出したい、いっそのこと自分は男子生徒の誘いに乗ってしまおうかと捻くれた感情が湧き上がるも、相手と離れ離れになるなんて考えられず“絶対にやだ”と思えばその直後人目がある中ズカズカと相手と新人の元へ近寄りチケットを持つ相手の手を掴みあげて「…何、俺以外のやつと行こうとしてるんだよ」と鋭く相手を睨み付け。
その時相手の目の下に隈ができ疲れていることに気付くも我が儘な感情は収まらずグッと腕を強く握り。
「俺達、付き合ってるんだよな?……それともあんたはその女のこと好きなのか?」
(低声で相手を見下げ見当違いなことを述べてはそんなことにも気付かず嫉妬を顕わにして冷たい目つきを微かに揺るがせ。
「何でだよ…。…なんで俺がいるのに他の奴に構うんだよ!!最近その女のことばっかり……。やっぱり俺なんて熱苦しいって思ってんだろ?勝手に迎えに行くし無断で部屋に上がるし…、煙たいなら煙たいって言えよ!!」
(声を荒らげだだをこねる子供のように感情をぶつけてはその影響か能力が微かに解放されフワリと自分の髪や服が揺れ動くも全く気が付かずに「俺のこと鬱陶しいって思ってるんだろ?!いつもその女と楽しそうにメールしてるもんな。あんなに酔うまで飲んでさ。俺といるより楽しかったんだろ?」と相手に謝るはずが完全に逆ギレして訳の分からない言葉を感情的に並べ立ててはそれに比例するように能力が身体から漏れて相手の腕を傷つけてしまうも冷静さを欠いていたためそれすら気付けないままで。

  • No.776 by 桐崎 繿  2015-04-15 14:15:51 




>露木

( 翌日、偶々新人が寮の近くに居るとの事で折角だからチケットを渡そうと共同スペースへと呼ぶ。
丁度ホステス(希久)も休みを取ってくれたらしく新人と共に行く約束をしてくれたみたいで無駄にならなくて良かったとチケットを渡そうとして。
しかしその刹那、共同スペースの扉が開いては怒りに瞳を染める相手が自分の腕を掴んで来て。
自分が口を開く前に相手が珍しくも怒りを見せて来れば此方も我慢ならず「煩ぇな!!!お前だって磯貝と行くんだろうが!!!」と叫んでしまって。
何故集まってたのか漸く人集りに気付いては口を噤むも泣きそうに狼狽える新人に目をやりチケット2枚を強引に手渡して「帰って良いよ」と。
ヅカヅカと扉へ駆け寄り大きな音を立てて締めては再び相手の元に戻り切なさの滲んだ瞳で相手を睨み付け僅かに赤くなった腕に目を向けて。
何処と無く能力が溢れそうになってたのは感じた、人目に触れては行けないだろうと新人を先に帰し扉を閉めただなんて伝わる筈も無くて。
冷静を保つ様に試みるも冷静でなんて居られず、此方は此方で嫉妬に塗れそうになっており。
何故自分を支配人の支店に行かせる事を了承したのか等聞きたい事は沢山合ったが言い出せず。
相手の手を取っては「…昨日、支配人の支店で気持ち悪りぃ親父にめちゃめちゃ触られた。すっごく嫌な思いした」と皮肉を言って。
「あんたが了承したんだってな」
( 眉間に眉を寄せて言えば悔しそうに手を離し「何で俺の事縛り付けんの、…俺だって」“お前の事閉じ込めたいくらいに縛り付けたいのに”と言うそれは言葉に鳴らずさっさと共同スペースを後にしようとして。

  • No.777 by 露木 菊  2015-04-15 22:32:27 


>桐崎

(相手の大きな声に小さく肩を揺らしては新人を帰して乱暴に扉を閉ざす相手に、それが自分の能力を人目に触れさせないためだとは知らず完全に怒らせてしまったと勘違いして逆ギレしたことを後悔するも靄々した気持ちは収まらずキッと睨みつけ。
が、相手の切なげな表情に“なんでそんな顔するんだ”と表情を歪めると同時に赤く腫れた腕に漸く気付いて“御免”と咄嗟に謝ろうとするも手を取られ言われた言葉に一気に罪悪感に苛まれグッと押し黙り。
続く“何で俺の事を縛り付けんの”という言葉が深く胸に突き刺さりやっぱり重たかったんだと思い込んでは身勝手に落ち込むもせめて謝らなければと去ろうとする相手の腕を取って。
「……御免、勝手に変なバイト了承して…、嫌な思いさせて…。でも……」
(“繿を独占したかったから”と言おうとして、そんな言葉は今の相手を束縛するものでしかないと飲み込み「……暫く、距離置くようにするから」と俯いて述べては自分のせいで赤く腫れてしまった手を軽く撫で「あの女と出かけても何も言わない。…でも……俺と別れるなんて言うなよ」と相手にとって混乱させるような言葉を切なげな眼差しを向けて述べると返事も聞かずにその場を後にして。

(その後、自分はいったい相手に何が言いたかったのかとフラフラ歩いては支配人の支店に来て、まだ開店前の店内に入っては『誰だ、アイツ』とざわつく店員を無視して奥の事務所に行き扉を開いては、仕事をするでもなく店員の一人と戯れる支配人の前まで来て。
『あら。繿君の恋人じゃない。こんなところまでどうしたの?』
「……繿をこの仕事から下ろしてください」
『ふーん。でもいいの?ホストのバイトやめさせるって条件取り下げるわよ。そのペアリングも頂くことになるけど』
「それは駄目です。…だから俺が代わりに働きます」
『嫌よ。あたしは繿君が気に入ってるの。それに君、お酒呑めないんでしょ?』
「呑むようにします。それに…男なら彼奴より俺のが慣れてますから」
『でも昨日一日繿君が来てくれただけで売上が上がったし繿君を指名してくれるってお客さんも沢山ついちゃったのよね~』
(髪をくるくると指で巻く支配人にそこをなんとかと食い下がるつもりは一切見せずに頭を下げて頼み込んで。
内心、なに馬鹿やってんだろと自分を愚弄しつつも相手に言われた言葉や表情を思うとこの行動は間違ってないと思えて。

  • No.778 by 露木 菊  2015-04-15 23:32:20 

(/すごい今更ですが日本語の間違いに気づきました滝汗
最後の()の中の”食い下がるつもりは一切見せず”ってところ。
おもいっきり食い下がってるのに一切見せてないってどういうことだって感じですよね汗汗

”そこをなんとかと食い下がっては頭を下げて頼み込んで”
に訂正しときます。駄ロルなのにさらに混乱させてすみません。
日本人なのに日本語に疎いんです(^_^;)

  • No.779 by 桐崎 繿  2015-04-17 00:53:51 



>露木

( 支配人は深く頭を下げる相手の顎を掴みゆっくり口角を上げては面白そうに笑みを深めて。
舐め回すかの様に視線をやっては『…仕方無いわね』と言うも表情は何処か妖しくも晴れやかで。
『良いわ、君の聞き入れ呑んで上げる。君可愛い顔してるしね。ただ此処の店のお客さんは皆変態だからね、君くらいの顔立ちなら女装なんかさせられちゃうかもしれないわよ』
( サラリと変態地味た事を言えば『明日から来なさい、君の働きぶり見て判断して上げるわ』と。
それから支配人は従業員であるホストに相手を送らせる様に言いリムジンのキーを手渡しては『待ってるわね』と笑みを浮かべて。

( その頃、自分は相手に対しての行動を深く後悔しておりそれと共に相手はまだ心の何処かで自分を“女好き”と見てるのだろうかと。
無理も無い、新人との事だって疑われて当然だし何せこんな仕事をしてるのならそう思われても仕方無い。
激しい不安と後悔に陥る中、ふと携帯が鳴り響けば慌ててそれを取り応答する。
相手はどうやら支配人、どういう風の吹き回しか明日は休みをくれるらしく小さく首を傾げつつ受け入れては携帯を置いて。
幾ら休みと言えども相手とは喧嘩してるしする事も無い、居酒屋のバイトは午前中のみ。
久し振りにたっぷり寝るか、なんて考えては取り敢えず朝からのバイトの為浴室へ向かいさっさと寝ようと考えて。

( 翌日、バイト先にてテキパキと仕事に取り組んでは何とか相手に謝るタイミングを図るもやはり素直になれずにいて。
眉を下げ休憩時間を終えてはホステスと共に新人が来てるのに気付きそちらへと向かって。
軽く挨拶を済ませチケットの礼を言われるも首を横に降っては気にしなくて良いと。
『でもほら、あそこのプラネタリウムって家族向けじゃないから少し高いじゃない』
『確か…カップル向けなんですよね、演出も通常よりロマンチックに出来てるから高いって』
『どうしてそんなチケット手配したのに行かないの』
「行く人いないんだよ。先に誘われてたみたいで」
( 素っ気無く言い気にしてない振りをしては注文を受け中房へと戻って行って。

  • No.780 by 桐崎 繿  2015-04-17 00:57:51 




(/ふおお全然大丈夫ですよ!!!
寧ろ素敵展開美味しいです(^q^)
わ、私のが色々日本語おかしいと思いますけど…「あ??何だこれ意味分かんね」ってなったら是非言って下さいね!!!!!
そしてそして毎度の如く菊君素敵です←
我が儘な繿に頑張って尽くしてくれてるの見ると涙止まらないんですけど((ry
もう嫉妬とか束縛とかこの微妙な距離感とか全部大好きなんでs←
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

  • No.781 by 露木 菊  2015-04-17 02:34:57 


>桐崎

(相手が午前中のバイトを終える頃、すれ違いで指定された時間に支配人の店へ訪れては着てきた服で良いと言われて客のいる席に行き笑顔を貼り付けながら挨拶するも男性客は不満気に舌打ちされて。
『なんだよ。繿くんじゃないのか。俺は繿くん目的で来たんだけどな』
「すみません。彼、臨時だったのでいつもはこの店にいないんですよ」
『ええ、そうなの。うわあ、最悪。せっかく繿君のために色々持ってきたのに』
(あからさまに溜息を吐く男の足元にある紙袋の中には明らかに女物と思われる服が入っていて、いったい相手に何をさせるつもりだったのだと男を睨み付けそうになるのを堪え「そう言わずに呑んでください。今日はあなたの好きなロゼワインが入ったんですよ」と何とか機嫌を取ろうと酒を進め。
内心、こんな変態男を相手に近付けさせた自分が許せず勝手に相手の仕事を変えたことを至極悔やみつつ心の中で何度も相手に謝って。

(夜、短時間で上がらせて貰うも疲労感は半端無くやはりまだ身体が拒否反応をしてしまうなと溜息を吐き。
相手にもっとちゃんと謝ったほうが…と携帯を出すが、束縛しないで欲しい的なことを言われたばかり。
何より距離を置くと言ってしまったしなと携帯をポケットにしまったところ、バイト終わりの男子生徒に出会して。
『あ、先輩。…どっかで呑んできたっすか?お酒と煙草の匂いしますけど』
「匂い、そんな分かるか?……ちょっと付き合いで居酒屋行ってたんだよ」
『へぇ?…あ、そう言えばまだプラネタリウムの返事ちゃんと貰ってないっすけど…』
「…だから…」
(行かないって言っただろと言おうとして共同スペースで相手が新人にチケットを押し付ける光景が浮かんでは“あの二人は一緒に行くんだ”と馬鹿な勘違いを未だにして。
_相手と新人の関係が良いのは確か。だがそれ以前に相手は自分を“重たい”と思ってる。
ならば男子生徒と友達として仲良くしてるところを見せれば少しは束縛感が軽減されるかと。
いや、そんなのは良い子ぶった言い訳で本当は相手が嫉妬するところを見て自分への愛を確かめたいだけで…_。
「…分かった。空けとく。でも今忙しくて一日は空けられないから午前だけな」
『まじっすか?じゃ明日でいいっすか?』
「…ああ、いいよ」
(プラネタリウムがカップル向けなんて知らずに、男子生徒を利用するという最低な行いをするもまあ“友達としてだし”と軽い気持ちでいて。

  • No.782 by 露木 菊  2015-04-17 02:44:37 


(/いつもながら暖かいお言葉有難うございます。
いえいえいえ、いつも綺麗なロルで感心しております!
幼稚な自分が恥ずかしいです(汗
中身がいつまでたってもお子様なもので←
嫉妬束縛歪んだ愛いいですよね。
菊なら繿くんを縛りかねn(ry
こちらこそこんな変態にお付き合いいただけるなら今後もよろしくです!!

  • No.783 by 桐崎 繿  2015-04-17 14:05:29 




>露木

( 翌日、はしゃぐ犬の如く分かり易く喜ぶ男子生徒は相手と共にプラネタリウムへと訪れて。
カップルで賑わうそこはやはり飾り付けやらも恋人向けに出来ており男子生徒はそれに気付いてるのか気付いてないのかチケットを受け付けにて購入して。
暫く館内を見て回ってプラネタリウムの上演になるまでの時間を潰してた所でホステスと共に来ていた新人が相手と男子生徒に気付き駆け寄って。
『あ、あれ新人ちゃん??何で一人なの??』
『えと…チケット貰ったんで、…希久さんと』
『……………そうじゃ無くて、………桐崎は』
( 新人は男子生徒の問い掛けにきょとんとしつつ、状況も知らずに『何か…行こうとしてた人に予定が出来たらしくて、…勿体無いからって』と。
ホステスが新人に駆け寄り時計を見ながら『あら、そろそろ始まるみたいよ』と笑顔で言っては新人と共に先に会場へと向かって。
男子生徒は一瞬難しそうな顔をするも何も言わず、パッと笑顔に切り替えては『俺達もそろそろ会場入りますか』と。

( その頃、自分は午前中のみの仕事を早目に終わらせ切り上げてはコンビニへと寄り寮へと向かって。
部屋に戻るなり暇を持て余すかの如く買って来た雑誌やらを見ていて。
喧嘩をしてなければきっと今頃相手と共にプラネタリウムを見ていてはにかむ様なあの笑顔を見せてくれていたのかもしれないのに、と項垂れて。
まだ何処か期待してる自分が居るのか、携帯を見詰めては連絡無しの様子に溜息を漏らし雑誌を顔に乗せたまま眠りに付いて。

  • No.784 by 露木 菊  2015-04-17 22:02:02 


>桐崎

(訪れたプラネタリウム、やたらカップルが多いことにそわそわしてると新人とホステスに出会し、新人の言葉を聞いて漸く自分が誤解していたことに気付き動揺する。
_あの時、相手が新人にチケットをわざわざ二枚渡した時に気付くべきだった__。
今更気付いても_と嬉しそうにする男子生徒を横目で見てはどうしようと俯き。
『…先輩?はやく行かないと始まっちゃいますよ』
「あ、…えっと……」
『…………まさか先輩、いまさら辞めるなんて言いませんよね?』
「…、………」
『駄目っすよ。今日はそんな我が儘聞かないっすから』
「…御免でもやっぱり初めては桐崎とが良いんだ。…それにカップル多いみたいだし」
『はぁ……一度俺と来るって言ったっすよね。気分屋というかちょっと自分勝手じゃないっすか?』
「…………」
『あ、いや。何でもないっす。今の気にしないでください。その先輩と行けなくなると思ったらつい…。…分かった!じゃあこうしましょう』
(笑顔で言われた途端、不意をつくように肩を抱き寄せられてはパシャリと写真を取られて男子生徒はすぐさまその写真を相手のSNSに送って《先輩とプラネタリウム来てる。羨ましいだろ》と。
その内容に冷や汗を流し「おいッ!!」と焦ったように男子生徒の腕を掴むとニカッと笑顔を向けられ『これで桐崎がどうでるか様子見ましょうか。先輩、桐崎のこと嫉妬させたかったんすよね?』と見透かされ会場に向かうかと思えば館内のカフェに入っていき。
「…磯貝?」
『今日はプラネタリウムはなし。チケットは期限一ヶ月っすから大丈夫』
「…え、でも」
『細かい事は気にしたら駄目っすよ。俺は先輩の気持ちを優先したいだけっすから』
(微笑む男子生徒に“どうしてそこまでしてくれるんだ”と眉を寄せつつ、その心遣い感謝しては男子生徒の秘める想いも知らずに相手から連絡はないかと携帯を出すも男子生徒に取り上げられて『今は我慢。連絡したら駄目っすよ』と言われて。
何度か取り返そうとするも店内であまり騒がしくしては周囲に迷惑だと途中で諦めて、暫くカフェ内でコーヒーを飲みながら相手はどんな反応をするだろうと落ち着かずにいて。

(数時間後、支配人のバイトの時間が迫ってきたため男子生徒とカフェを出てバイト先まで送ると言われるも流石にバレてはまずいと迷惑かけたしこれ以上はと断って。
『別にいいっすけどね。…ところで何のバイトっすか?レンタルショップとは方向違いますよね?』
「あ、いや…えっと…居酒屋だよ」
『どこのっすか?』
(意外と追求してくる男子生徒にえっと…と目を逸し冷や汗を流しては「もう時間が…」と誤魔化し逃げようと。

  • No.785 by 桐崎 繿  2015-04-18 03:37:12 




>露木

( 怪しい様子の相手を男子生徒が見過ごす筈も無く相手の肩を掴み寄せては『先輩知ってる??此処ら辺一体の店は全部磯貝グループと木ノ宮グループが仕切ってるんすよ、俺達がちょっとやそっとの金持ちじゃ無いって事忘れないで欲しいっす』と僅かに脅しが混ざった言葉を述べて。
『まぁでもそっちは木ノ宮グループかな、俺達如何わしい店には関わらないんで』
( 何時ものへらりとした笑顔に戻り上記を言っては『バイトっすよね、お疲れ様っす』と言い相手に背を向けて歩き出して。
相手の死角、相手に背を向けたまま徐に携帯を取り出しては部下へと連絡を取り『あ、どもども。あのさ、木ノ宮グループの若頭さんに話が有るんだけど明日懐石料理屋さん一室取っといて。それなりに迎えなきゃでしょ、ん??何を聞くかって??………俺の大切な人がどんな所で働いてるのかちょーっと調べるだけ』と。
支配人の店、それは若頭の目を盗み経営してるに過ぎず支配人は支配人なりに己の権力を持って正当に聞こえる理由を作ろうとしていて。

( その頃自分は深い眠りに落ちる事は無く夕方に目が覚め恐らく来てないであろう相手からの連絡を確認すべく携帯を開いて。
“やっぱり来てないか”と溜息を付きふと開いたSNSの通知に男子生徒の名前があるのに気付いては特に疑いも無く開いてしまって。
開いた後に激しい後悔に襲われては悔しそうに唇を噛む、きっと相手は今日男子生徒と共にプラネタリウムに行って楽しんで来たのだろう。
本当は相手の隣に自分がいる筈だったのに。
子供の様な嫉妬に駆られ男子生徒からの写真に既読を付けた事にも構わず相手へ《随分磯貝と仲良いんだな、今日も楽しんで来たんだろ。お前らお似合いだよ》なんて嫌味めいた文を送ってしまい。
激しく後悔するも時既に遅く携帯をベッド上にボフリと投げやっては項垂れて。

  • No.786 by 露木 菊  2015-04-18 13:26:44 


>桐崎

(支配人の店、男子生徒の言葉を気にかけながらも今は目の前のことに集中しようと『繿君いないの?』と不満そうにする客に笑顔を貼り付け酒を注いで。
数時間、スキンシップはさほど無かったものの散々呑まされて店仕舞いするころには客を送り出せないほどベロンベロンになってしまい机に突っ伏してしまっては『此奴、つかえねーじゃん』と罵る従業員の言葉も耳に入っておらず。
ぼんやりする意識の中、情けないなーと自分を責めながら相手の声が聞きたくてほとんど無意識に携帯を取り出しては相手からのメッセージに気付きそれを読んで。
始め内容が入ってこなかったが徐々にそれを理解するとポワンとする思考で“あれ…これ怒ってるけど妬いてくれてるのかな”なんて普段は落ち込む筈が呑気に考えては完全に酔っ払った頭で謝罪と弁解とからかいの言葉を打つも実際は《ごてん、磯はいと…?@&$__》と滅茶苦茶な文章になっていて。
そんなことも気付かずSNSの画面を開いたままぼんやり相手との甘いトークを見返して頬を緩ませてはそのままウトウトしてしまい。
それを不満そうに見ていた従業員は何を思ったのかこっそり自分の隣に座り肩を抱くと自分の腕を自身の首に掛けさせその姿を自分から奪った携帯でパシャリと撮り。
『え、先輩何してるんですか?』
『あ?此奴、男いて生意気だからちょっと悪戯』
(従業員は後輩にニタリとすると今撮ったばかりの写真をそのまま自分の携帯から相手のSNSに送りつけて《お楽しみ中》と短文を送り、その直後に自分にバレないようトーク画面から画像と今送った短文メッセージを削除して。
その写真はどこぞの店で自分が客として“男遊び”をしているところに見えなくもなく。
そうとは知らず呑気に数時間後に目を覚まし、酔い潰れたことに蒼白になってはまだ残っていた従業員に深く頭を下げて店仕舞いを手伝うとその日はアパートでぐっすり眠りに落ちて。

(翌日目を覚ましたのは昼過ぎ、すぐにバイトの準備をとぼーっとする頭でのろのろと身支度を済ませては特に携帯も確認せずにアパートを出て。
男子生徒が若頭と会っていることも従業員が悪戯したことも全く知らずに、まだ昨日の記憶があやふやな頭でそう言えば相手からの返事がまだだなと思い込んでは昨日男子生徒としたことの後ろめたさを感じながら緊張の面持ちで携帯を取り出したところ。

  • No.787 by 桐崎 繿  2015-04-19 02:31:39 




>露木

( 翌日、高級料亭の一番奥の一室にて若頭と男子生徒が向かい合う様に腰を下ろして居ては男子生徒が何時もの笑顔で『木ノ宮先輩、お久し振りっね。こうして家絡みの話をするのは』と。
『ほんとだよ、磯貝君は元気だった??僕は暫く仕事から手を離しててね。ロサンゼルスの会社と契約がどうのこうのってさ』
『うわ、流石っす。てかお願いしてたの持って来てくれました??』
『あぁー、あれでしょ。こんなの何に使うのさ。ホスト街の店舗名と…店を経ち上げる為の契約書、それから今の従業員のデータ。常に更新されてるから』
『すみません、助かるっす』
( くしゃりと微笑み若頭からiPadを受け取ってはにっこりと微笑み若頭の飲む酒にお酌して。
敢えて理由は言わずに食事をしては『木ノ宮先輩相変わらず女子力高いっすね』なんて言って。

( その頃、昼過ぎに目を覚ました自分はのそのそと携帯に手を伸ばし来て無いであろう相手からの連絡を期待し確認して。
そこで目にした写真に思考が真っ白になり、なんで態々自分に報告したんだと思うのと共に苛立ちやら嫉妬やらが入り交じり唇をきつく噛み締め携帯を強く握っては《俺の部屋の合鍵返してくれる??どうせもう必要無いだろ。もうあんたには会わない》と身勝手な文を送り付けて。
相手は男好きなんかじゃないと思ってた、自分だってこんな仕事をしてた訳だし女好きに思われても仕方無いと。
しかし相手は違うと思ってたが結局自分は恋人に見られてた訳では無く“一人の男”に過ぎなかったのかと思えば虚しくなり八つ当たりする様に煙草に手を伸ばし。

  • No.788 by 露木 菊  2015-04-19 09:21:39 


>桐崎

(携帯を取り出したところ少し前に相手からメッセージが届いていたようで微かに指を震わせながら見てはその内容にサッと血の気が引き思わず足を止めその場に立ち尽くす。
何度読み返しても同じ文で読み間違えでないと分かり“なんで”と身勝手な疑問を抱く。
一つ前の“磯貝とお似合いだ”という相手からの見覚えのない(読んだ記憶が無い)メッセージ。
従業員に悪戯されたとも知らず相手の気持ちが自分から離れてしまったと思っては胸が急激に苦しくなりまた無意識に能力が解放され髪が揺れるもすぐに鎮静したため気付かずに。
まだ現実が受け止めきれず“終わったんだ”とただ漠然と思えば本当は縋り付きたいほど相手と居たいのに返信もせずにフラフラと支配人の店に向かって。

(支配人の店、接客に集中出来るはずもなく何度も失敗しては客や先輩に頭を下げ、不甲斐ない自分に更に気分が落ち込むもそんな時に何故かVIP席から指名が入り。
いったい誰がと行ってみるとソファに腰掛け笑顔で手を振る男子生徒が居て思わず後退るも『先輩、俺客っすよ?』と軽く脅されては恐る恐る隣に座って。
「…桐崎には…」
『言ってないっすよ。あ、先輩が何でこの店にいるかも俺全部知ってますから』
「…え?」
『だって俺此処のオーナーになったっすから。今さっき』
「は?」
『此処の店の権限を買収したって言ってんすよ。だから俺が此処で何をどうしようと自由。…先輩を辞めさせるのも簡単っす』
(そう言われるなり腕を強く引かれては悔しそうに表情を歪める支配人の横を通りすぎ店を出て人気のない空き地まで来て。
「おい、いいのかよ。あの支配人、怒って何かしてくるんじゃ…」
『あそこは木ノ宮グループのテリトリー。でも権限は磯貝グループにある。流石にあの人も2つの組織を敵に回すなんて無謀な考えはしないっすよ。……そんなことより先輩』
(突如声を低くする男子生徒に顔を寄せられ『桐崎と何かあったんすか?』と見透かすように言われ耐えられず目を逸し。
今は相手のことを思い出すだけでも辛い。何もかも自分の独占欲が強すぎたせい。
苦しい_胸が痛い、そう感じた瞬間また能力が微かに解放され髪が揺れて『…先輩?』と訝しげに問われては自分の中で何かがプツンと切れて“もうどうでもいいや”と最低なことを思えば男子生徒の腕を取り、以前“客”を取っていたときのようなあざとい目をして「磯貝、俺と寝るか?」と。
その後、返事を聞かずに手を引いては一件のホテルに入っていくも自分の手が震えていることに全く気付かず。
同刻、その様子を支配人が隠し撮りしており抜かりなく相手に写真を送っては《あなたの恋人、とんだ遊び人みたいね》と店を買収された腹いせに嫌がらせをして。

  • No.789 by 桐崎 繿  2015-04-20 13:19:31 




>露木

( 何本目かも分からない煙草を灰皿に押し付けた所で頭をガシガシと掻き乱しシャワーを浴びては居酒屋のバイトへと向かおうと準備を始める。
その刹那、携帯が鳴り響き支配人からのメールに気付けばその内容の眉を顰めて。
やはり自分は相手の中で特別だった訳では無かったのかと激しく落胆しては取り敢えずバイトへと向かい全てを忘れ仕事に打ち込もうと。

( その頃、ホテルにて震えながら男子生徒の上に乗る相手の髪に指を絡めては『先輩、俺の事からかってる??』と何時に無く真剣な眼差しで見詰めて。
『俺先輩の事好きなんすよ??こんな事されたら…ほんとに自分抑えられなくなるじゃないすか』
( 眉間に皺を寄せ相手を押し倒し唇を奪うも相手の瞳が僅かに揺らいだのに気付きゆっくり顔を離し。
『……………これで我慢してやっても良いっすよ、でもまださっきみたいな事言うなら俺我慢しない』
( 相手に跨ったまま上記を言えば相手の頬を優しく撫でて。

( バイトの休憩時間、裏口から外へ出て煙草を咥えていれば何時ぞやの能力者の男(槙島)が此方に気付き歩み寄って来るのに気付いて。
前より幾分表情は穏やかで緩く微笑んでは『君、俺の事警察に言わなかったの??』と。
「何で俺が言わなきゃなんだよ」
『いや…許されない事したからさ。それより露木とは…』
「悪いけど、…彼奴の名前聞きたくない」
( 意味が分からないと言う表情で見つめて来る能力者の男に小さな溜息を漏らしては視線を逸らすも『煙草、一口頂戴』と言われては咥えてた煙草を取られ。
「吸えたんだ」
『んー、…でも美味しくは無いね』
「なら返せ」
『はいはい。……………露木はさ、頑固なんだよ。ちょっとやそっとで恋人を裏切る様な奴じゃないし』
「……………」
『分かるんだ。俺、…多分今回も誤解があるんじゃないかなって』
「……………そんなんじゃねえよ」
『ま、俺の能力頼りたくなったら言って。桐崎君には沢山迷惑掛けたし。…子供になると素直になれるよ』
「良い、どうせ直ぐバレる」
( サラリと言い返し煙草を灰皿に捨てては一瞬何か言いかけるも言葉にする事は無くバックルームへと戻って。

  • No.790 by 露木 菊  2015-04-20 17:17:50 


>桐崎

(男子生徒から口付けられ激しい後悔と罪悪感に苛まれては自分がどうしても相手を愛おしく離れられないことを自覚してしまい瞳を揺るがせる。
それでも相手は自分の元には戻らない__自分が心が狭くて我が儘で重たいから。
たとえ相手が自分を許しても、きっとまた相手を困らせて、嫉妬と束縛で相手を傷付ける。
それならばいっそ__と頬に優しく触れる手に自分の手を重ねては「我慢、しなくて良い」と切なげに微笑み男子生徒の首に両手を引っ掛けてそっと唇を重ね腰に腕を回し抱き寄せて。
「……繿を忘れさせて。俺から繿を消して…」
『…先、輩?』
(戸惑った声が耳元で聞こえるもすぐに抱き締め返されては身体が震え出すも「やめるな」と此方からせまりその後殆ど声を上げることなく行為をすすめて。
不思議とその時だけはトラウマが支配して相手のことを忘れられた気がしたが終わった途端再び後悔が押し寄せる。
_でも後戻りなんて出来ない。と頑なになっては男子生徒に背を向けるようにして眠り。

(翌朝、男子生徒に起こされて昨夜のことは夢ではなかったんだと表情を曇らせシャワーを浴びてはルームサービスのコーヒーを飲む男子生徒の元へ行き。
「昨日は悪かった。磯貝…女好きになってホスト始めたばかりなのに…」
『ブッ、…先輩それ本気で言ってるんすか?…昨日の俺の話聞いてました?』
「俺に…合わせてくれたんだろ?」
『………先輩そりゃないっすよ』
(吹き出したコーヒーを拭いながら項垂れる男子生徒を今は訝しむ余裕もなく「…悪い、用事あるから先、出るな。…これ、ホテル代」と昨夜払って貰った代金より多めに置いて行くと返事も待たずに勝手に出ていき。

(そのすぐ後、兄を喫茶店に呼び出しては驚くほどはやく来た兄と向き合うように座り、どうしたのか聞かれる前に合鍵を差し出して。
「俺、昨日磯貝と寝た」
『え?…はい?!…ちょっと俺が目を離した隙に何があったのさ』
「…ネックレスもペアリングも捨てて良いって言っておいてくれ。あと御免って」
『直接言えば?』
「…会ったら抑えがきかない」
『………はぁ…もう分かったよ。振り回されるのには慣れっこだから』
(兄はそう言って合鍵を受け取ると店の隅に行き何やら電話をして『あ、槙島くん?…俺、綸だけど。…そうそう繿の兄の。ちょっと君にお願いがあってさ』と能力者の槙島に連絡を入れては相手を子供にしてくれないかと頼んでいて。

  • No.791 by 桐崎 繿  2015-04-20 22:58:11 




>露木

( 翌日、寮に訪ねて来た兄と能力者に何事かと思うも兄に合鍵を手渡され相手からの伝言を言われては自分から壊した関係なのに本当に終わってしまったと。
鍵を受け取り用事は済んだだろうと部屋の扉を閉めようとするも兄にそれを防がれ能力者が強引に入って来ては床に倒されて。
直ぐに兄に抑え付けられ“何をするんだ”なんて問い掛ける余裕すら無く額に手を翳されて。
目眩に眉を寄せ次に目を開いた時には全てがやけに大きく見え状況が理解出来ず辺りを見回す。
『これ、服ね。サイズもぴったりだと思う』
「…は??」
『うっわ流石だね。子供になっても生意気な顔ー』
( 段々と纏まった思考と共に能力者に掴み掛かろうとするも兄に軽々と持ち上げられては適わず。
子供用のジーンズとシャツを着せられすっぽりとキャップを被されては『さて、行きますか』と言う兄に訳も分からず抱き抱えられて。

( その頃兄は全てを測っての行動なのか予め相手を昨日の喫茶店に呼び出して置いては能力者と別れ子供の自分を連れ喫茶店へと訪れて。
『孤児院の子なんだけどさ、今日出掛ける予定だったの忘れてて。同伴しても良い??』
( サラリと嘘を並べる兄をギロリと睨み「…お、俺帰る」と言うも無理矢理首根っこを掴まれては強引に膝に乗せられてしまい。
『あ、菊伝言伝えといたよ。鍵も渡しておいた』
( 兄の言葉にピクリと反応しては動きを止め、深く被ったキャップの下からさり気なく相手を見詰めて。

  • No.792 by 露木 菊  2015-04-21 02:45:33 


>桐崎

(翌日、一切眠れず目を覚ますと兄からの呼び出しがあり外に出る気など起きなかったが支度をして。
ふといつものように相手と揃いのピアスとペアリングをしようとして手を止めては、相手には捨てて良いと言った癖に自分は手放せる筈がなくストラップと一緒に大切に引き出しの奥にしまっては指定された喫茶店へ向かって。

(喫茶店につくと程なくして兄と見知らぬ少年(相手)が訪れて、どことなく雰囲気が相手に似ている少年をまじまじと見てしまうも兄の言葉にピクリと反応して分かりやすく表情を曇らせ。
「…何か言ってたか?」
『特に何もー』
「そっか……」
『ねえ、磯貝君と寝たって本当なの?』
「おいッ、子供の前だぞ!」
『いいよ。どうせ分からないし。で、どうなの?』
「…………忘れたかったんだ。…でも、後悔が増しただけだった」
『だろうね。……それでこの子、暫くお願いしてもいいかな?俺の部屋は駄目だから菊のアパートで。どうせ“あのバイト”辞めて暇でしょ?』
(何で知ってるんだという突っ込みはもうせずに小さく頷いてはキャップの下に隠れる顔を覗き見ようと首を傾けるも顔を逸らされてしまい「恥ずかしがり屋なんだな」と小さく微笑み。

(その後、やけに懐かない少年(相手)と少しの間一緒にいるという兄と共にアパートに来ては可愛らしい少年に心なごませつつ洗面台の下に踏台を置いて後ろに立ち手を洗うのを手伝っては途中で買ったオレンジジュースを渡して。
「それでいつまで見てればいいんだ?」
『ん?暫く?』
「……そんなテキトーな」
(呆れたように言いつつ未だにキャップを深く被る少年に目を写しては手を伸ばしキャップを少しだけ上げて目を合わせ。
相手と同じ綺麗な紅い瞳と銀髪に目を見張るもまさかなと思い「綺麗な瞳だな」と微笑んでは相手の柔らかな頬を軽くむにっとするように撫で目元を撫で「どこか行きたい場所ある?それともお腹空いてる?」と優しく尋ね。

  • No.793 by 桐崎 繿  2015-04-21 12:02:09 




>露木

( 兄の問い掛けに答える相手をまともに見られず俯いては唇を噛むも顔を覗き込まれそうになれば慌てて視線を逸らして。
無愛想極まりない可愛くも無い子供なのは自分でも分かってたがバレてしまうんじゃないかと言う恐れがそうさせてしまっていて。

( 相手のアパートにて、渡されたオレンジジュースに小さく頭を下げては兄の言葉にハッとし慌てて兄の服の裾を掴み“寮に帰せ”と視線で訴えて。
『こら、離してー』
「つ…連れてけよ!!!」
『年上に向かって何ですかその口の聞き方は』
「黙れって、ほんと巫山戯んな!!!」
( ピシッと額を弾かれてはさっさと出て行く兄の後姿を悔しそうに見詰めおずおずと端に腰を下ろす。
不意に近付いて来た相手にキャップを持ち上げられては僅かにビクリとするも優しい微笑みと言葉に愛しさと落ち着きを感じ俯いて。
暫くだんまりを決め込んでたが子供姿だけありそわそわとしてしまい「…ちょっと、コンビニ行きたい」なんて可笑しな事を言っては相手と共に近くのコンビニへと訪れて。

( 相手との待ち合わせ時間などにいつも来ていたコンビニ、適当に見て回る振りをしつつ相手の死角で携帯を取り出しては兄に連絡をして。
「お前マジ巫山戯んな、さっさと迎えに来い」
『だーめ、後で行くから。後で』
( 軽くあしらう様な兄の態度に腹を立てつつ相手が此方に来るのが見えては携帯をしまい相手の隣へと戻って。
その刹那、スイーツコーナーにホステスと新人の姿が見えては慌てて相手の後ろに隠れるも愛想の良いホステスは相手に気付き笑顔で駆け寄って来て。
それに続き新人も来ては相手の背後で落ち着きなくしていて。

  • No.794 by 露木 菊  2015-04-21 21:57:22 


>桐崎

(訪れたコンビニ、店内の奥に行く少年(相手)を横目で見つつ本当に似てるなと流石に怪しみ以前自分の身に起きた災難を思い出してはまさかと能力者、槙島のSNSを見てみたところTLに《韓国旅行中》と写真付きであり勿論自分が怪しむのを見込んだ嘘なのだが、見事に騙されては旅行中なら相手を幼児化するのは無理かと思い目の前の少年は相手とは別人だと信じこみ。
その時、相手が寄ってきたかと思うとホステスと新人が近づいてきて軽く挨拶すると二人が少年(相手)を見て『『可愛い!!』』と声を揃えて頬を綻ばせ。
「孤児院の子でちょっと預かってて」
『へぇ、繿にそっくりねー』
『私も思いました。お名前は?』
(ニコニコと相手に接する二人を頬やましげに見ていると新人がおどおどしだし言いにくそうに自分に顔を向けて。
『あ、あの…実はずっと前に間違え電話だと思うんですが…繿君から露木さんを誘う留守録が残ってて……その、まだ誤解してるみたいだったので一応…』
(御免なさいと謝る新人に「…いや、話してくれてありがとう」と笑顔を向けつつこれ以上期待させて相手を思い出させないでくれと心に影を落とし。
_相手はこういう二、三歩後ろに下がった清楚で可愛らしい女が好きなんだなと勝手に思ってはコンビニをホステスと共に出て行く新人を無意識に嫉妬の目で見てはハッとなって相手に向き「何にするか選んだか?」と。
それから何となく“相手”の一番好きな種類のプリンを買っては小さな手を繋いで近くの公園に行きベンチに並んで座ってプリンを食べ。
「こっちも食べてみる?これね俺の好きな人…_いや、兎に角美味しいから食べてみて」
(“好きな人のお気に入り”と言おうとして相手を忘れたいのに何やってんだかと自分に呆れ、気を取り直して相手の小さな口にスプーンを持って行き「美味しい?」と微笑んで。
その時SNSの通知がなっては男子生徒からで《今日の夜アパート行っていいっすか?》と。
《悪い、今子供預かってるからまたにして欲しい》とすぐ返信しては食べ終わった相手に向いて「ちょっと身体動かそうか」と完全に相手を子供として扱い滑り台やブランコをして遊んで。
相手を子供用ブランコに乗せてユラユラと揺らすころ、ボールを持った数人の子供達が近づいてきて『一緒にドッジボールしよう。人数足りないんだ!』と相手を誘ってきて。
恐らく相手より年上の子供達、相手が怪我したらと懸念しつつ「どうする?やってみる?」とブランコに座る相手の目線の高さに屈んで尋ねてみて。

  • No.795 by 桐崎 繿  2015-04-22 02:53:05 




>露木

( 相手と共に訪れた公園にて、内心穏やかで無かったが自分だと気付かず優しく接してくれる相手に流され遊具で遊んで居れば数人の小学生に囲まれて。
流石に小学生の中に混ざるのは嫌だと断ろうとするも一人の少年に手を引かれては渋々そちらへと向かい。
ドッヂボールなんて何年ぶりだろうかと思うも中学時代の一年はバスケをしてた事もありボールには慣れてるつもりで。
1試合のみをし直ぐに相手の元へと戻れば「勝った」と無愛想に告げキャップを深く下げて。

( 再び帰り道を行く途中、兄からの連絡はまだかとそわそわするも相手の前で自分の携帯を取り出せる筈も無く何とか機会を伺って。
相手の部屋に居れて貰いそこで初めて帽子を取っては子供の足で歩いたからかうとうととして。
人の部屋にも関わらず居眠りをしては夢の中でも相手をひたすらに追い続けていて。

( 自分が呑気に寝息を立ててる間、強引に男子生徒が訪ねて来ては自分に気付かず相手に菓子やジュースやらの入った袋を手渡しては『ねぇ先輩、居れて』と人懐っこく頼み込み部屋へと入って。
『あれ、どうしたんすかこの子…ってうわ、桐崎の親戚か何かっすか??』
( 部屋の端に寝転ぶ自分に分かり易い反応をしつつ小さなテーブルに相手と向かい合う様に座っては『はい、先輩を辞めさせる為の契約書類』と相手に1枚の紙を手渡し。
丸で先日の事など無かったかの様に接する男子生徒は一呼吸置き真剣な眼差しを相手に向け『それで、忘れられたんすか』と。
『言っときますけど俺の気持ちは変わらないんで』
( サラリと告げ買って来た菓子の袋を開けつつポッキーを相手の口にやっては男子生徒も一本食べて。
『おーい、お菓子食べない??』
( 軽く自分の肩を揺すっては様子を伺うも起きる気配は無く、代わりにパーカーの下に着てるシャツの隙間からペアリングの付けられたネックレスが見えてはピクリと眉を寄せ無言でそれを衣服の下にしまって。

  • No.796 by 露木 菊  2015-04-22 05:59:40 


>桐崎

(幼児とは思えない運動神経に自分だけでなく小学生たちも驚いていて、ませた態度で勝利を告げる少年(相手)が不思議と愛おしく思えては「お疲れ様」とキャップの上から頭を撫でて、どことなく落ち着かない様子を不思議に思いつつアパートに戻り。

(兄からの連絡はなく夕方になれば寝息を立てる少年(相手)の可愛らしい寝顔に頬を緩ませこっそり写真を取っていたところ、男子生徒が訪れ帰す訳にもいかず中に入れ。
差し出された契約書類に目を通しつつ問い掛けに胸を痛め俯いては男子生徒が相手のネックレスを隠したことに気付かず「…此れサインしといた。色々迷惑かけたな」と書類を渡し、以前のこともあり帰れとも言えずに「夕飯、食べてくか?」と逃げるように台所に向かい。
と言ってもワンルーム。姿は見えるため男子生徒の視線を感じつつ三人分の食事を作りお菓子を片付けようとしたところ、突如男子生徒に腕を引かれて部屋の隅に連れられては相手の眠る場所を隔てる敷居のカーテンを閉められて。
『先輩、あの子供ほんとうにただの子供っすか?』
「は?何言ってるんだよ。ただの子供以外に何があるんだ」
「……まあいいっすけど」
(神妙な顔をする男子生徒を見詰めてはホテルでのことを思い出しちゃんと謝ろうと口を開くも『謝ったら駄目っすよ。気持ち変わらないって言ったすよね』と遮られ。
その真剣な眼差しに一瞬心が揺らいではまた一時でも相手を想う苦しみから解放されたくなって最低と分かっていながら男子生徒の唇を奪い。
互いの舌を絡ませ深く口付けるも以前のようにトラウマは支配してくれず相手を裏切った罪悪感が胸を締め付けるだけで「もういい」と身勝手に離れようとし。
『今更。先輩から誘ったんすよ?』
「…子供が起きる」
『大丈夫っすよ。ぐっすり眠ってましたし。…………本当に嫌になったら辞めますから』
(最後の呟きを聞き取る前に再び口付けられては男子生徒の肩を押して抵抗するもビクともせず、自分から口付けたくせに今になって恐怖が芽生え「…繿ッ」と知らずに助けを求めるような声を漏らし。

  • No.797 by 桐崎 繿  2015-04-23 03:27:14 




>露木

( 深い眠りの中で相手と過ごした日々が蘇れば“まだこんなに好きなんじゃないか”と確信するも時既に遅い事も理解していて。
段々と夢の中から意識が戻り僅かに聞こえる物音に瞳を閉じたまま身動ぐも助けを求めるかの様に自分の名を呼ぶ声が聞こえては子供の姿なのもすっかり忘れ「露木!!!」とガバッと起き上がって。
自分の声に気付いた男子生徒はピクリと反応しカーテンを開けては此方を見詰め歩を進めて来て。
無意識に後退り相変わらず可愛くない無愛想な様子で男子生徒から視線を逸らすも頬を軽く引かれてしまえば逸らす事も適わず。
『このお兄ちゃんの名字なんで知ってんのかな』
「…う、うるせ………」
『君色々と怪しい。ちゃんと答えて』
「は…離せ!!!」
( キッと睨み付け男子生徒の手を振り払ってはさっさと逃げようと試みるもやはり抑え付けられて。
持ち前の力を加減しながら発揮する男子生徒の手がポケットのネックレスに伸ばされるのを察しその手に思い切り噛み付けば距離を取って。
「か…帰る」
( 冷汗を流し上記を言いキャップを深く被り直し逃げる様に相手の部屋を出ては兄に連絡し近くのコンビニで合流してはそそくさと寮へと戻り。

( その頃、男子生徒は眉を寄せた難しい表情のまま相手に向き直り。
『怪しいっすよ流石に。何であんな警戒してんすか??………それに』
( ペアリングの事を言おうか迷ったが相手を困惑させては駄目だと首を振っては相手の髪に触れて。
『良いんすよ、俺先輩の事好きだから。怖くなったら御預けされて上げます。………でもさっきのは無理矢理感あったかなー…思春期の男子って怖いんすから。俺意外と野獣っすからね??無防備だと食べちゃうかもしんないっすよ』
( 笑顔でさり気なく相手を気遣いつつ冗談を混ぜては本当は相手と過ごしたかったが怖がらせてしまうかと配慮し『…帰りますか』と小さく息を着いて。

  • No.798 by 露木 菊  2015-04-23 09:35:29 


>桐崎

(不自然な態度の少年(相手)が駆け出していくのを見ては相手の姿と重なり妙な気持ちになるもあんな小さな子供を一人出歩かせる訳にはいかないと出掛ける準備をしながら念の為兄に連絡をいれては『大丈夫だよー』と呑気に返事されて呆気に取られつつ安堵して。
次ぐ男子生徒の気遣いの言葉に自分に非があるだけに居た堪れない気持ちになっては謝罪をして「これ、いらないだろうけど」と先程作った夕飯のおかずをタッパーにつめて渡しアパートの下まで見送って。

(静かになった室内、最近はずっと相手の部屋に居座り一緒に寝ていたせいか酷く寂しく感じて、なぜだか先程の少年が無性に気に掛かっては携帯を取って兄に電話して。
「…綸?……さっきの子だけど俺、なんか気に障ることしたいみたいで…様子が変だったからさ。気になって…」
『それがさぁ、熱出ちゃったみたいで今俺の部屋にいるんだけど子供用の風邪薬ないんだよね。悪いけど菊さ、今から薬局寄ってこっち来てくれない?』
(兄の言葉にそれが嘘とも知らず直ぐに頷いては電話を切って早々にアパートを出て。
一方、兄は電話を切ると部屋から相手を出すまいとしっかりと見張って。
『ってことで君は熱あるってことになってるから。大人しくしててね』
(ニコッと悪気なく笑っては相手の頬をプニプニとして遊び『それにしても、いくら中身が大人だからって一人で出歩いたら危ないでしょ。何かあったらお兄ちゃん泣いちゃうよ』と冗談めかしながら言い『ほら病人なんだからベッドに横になって』とどこか楽しげに言って。

(その数分後、兄の部屋に到着しては走ってきたため僅かに上がった息を整えつつ子供用の薬やら熱冷しシートを兄に渡しベッドに横になる少年(相手)に駆け寄り。
「…大丈夫?さっきは御免ね。…体調悪いって気が付かなくて」
(眉を下げ謝り思ってたほど顔色がいいことにほっとしては柔らかな髪を撫でて、背後で兄がクスクスと笑いを堪えてるのも知らずスポーツドリンクをコップに移し「飲める?」と少年(相手)に差し出して。

  • No.799 by 桐崎 繿  2015-04-25 00:56:30 




>露木

( 自室へ戻れる筈も無く兄の部屋に入れられては相手からの連絡に嘘を連ねる兄に目を見開いて。
どうしてこうも相手と引き合わせ様とするのかを疑問に持ちつつ逃げ出そうともそれを防がれてはベッドへとやられてしまい。
数分後に相手が訪れては相変わらずの優しい様子でコップを手渡して来るのにぎこちなく頭を下げてはそれを受け取り横目で兄を睨み付けて。
熱なんて無いし相手を騙してる事に気が引けたがバレてしまえば更に相手を突き放す事になると。
ベッドの上で胡座を掻き不機嫌極まりない表情をしてれば不意に部屋の扉が勢い良く開き青年が現れて。
どうやら能力者が韓国に行ってる様に仕組んだのは青年の様で良く出来たコラージュ写真を相手に見せては『あー俺も行きたいなぁ』と態とらしく言って。
抵抗虚しく青年に抱き抱えられては丸で台本を読むかの様に兄が『そう言えば繿は??』と。
『兄さんね、最近別のバイト始めたみたいだよ。だから暫く寮には帰れないって』
『何、女の人絡みの仕事??』
『違うもーん。そんな事しないって言ってた』
( フイと顔を背ける青年を呆れた様に見詰めつつ抱き抱えられるのは子供扱いされてる様で不満に感じ抜け出そうと試みて。
しかし青年が許す筈も無く自分を抱えたまま相手に向き直り。
『兄さんとそっくりでしょー、この子』
「お、下ろせ」
『何で似てるか分かる??親戚らしいよ』
( クスクスと笑いながら青年が擽って来るのに耐えられず身を捩らせてはその際に相手と揃いのペアリングが付けられたネックレスが落ちて。
一瞬の静寂と共に兄が『あ、…それ君が預かってたんだ!!!よ、良かったー』と咄嗟な嘘を付いて。
気付いて欲しい様な気付かないで欲しい様な微妙な感覚に捕らわれては青年の腕から逃れて。

  • No.800 by 露木 菊  2015-04-25 11:15:58 


>桐崎

(青年が持ってきた写真に目の前の少年が相手でないとすっかり騙され続けては兄の放った“繿は?”という問い掛けに小さく肩を揺らして耳を塞ぎたい気持ちになりながらもしっかりと耳をそばだてて。
その内容に新人と付き合い始めたからだろうかと悲観的になっては相手からの連絡のない携帯を見て小さく息を吐き。
そんな時、青年が少年(相手)を擽った拍子にネックレスが落ちるのを見ては目を見開き、青年の腕から逃れた少年(相手)をすっぽり後ろから包むように捉えるとベッドの上に座らせ。
「熱あるのにはしゃがせすぎだ。悪化したらどうするんだよ」
(青年を軽く注意しつつ少年(相手)に向き直っては、どんな風にネックレスを相手から渡されたのか聞きたい気持ちを堪え柔らかな銀髪を撫でて。

(その後、青年が去り相手を無理矢理ベッドに横にさせ寝かしつけるようにしては目を閉じる姿に睫毛長いなと目を細め。
『ねえ、繿とは連絡取ってないの?』
「っ、いきなりなんだよ。……取るはずないだろ。…忘れたいのに彼奴の話しするなよ」
『それで忘れられるの?……他の男とまで寝て』
「………忘れないと駄目だろ。それに分かったんだ。俺じゃ彼奴に負担をかけるって」
『…そうかな』
「そうだよ。…俺さ、彼奴が俺を想うより俺が彼奴を想う気持ちのが強いって自信があった。それくらい彼奴を愛してたし、それで良いと思ってた。でも…相手より想いが強いって要するに重たいってことだろ?実際、それで彼奴を傷つけたし」
『…………』
「俺には磯貝みたいな好きでいてくれる奴のが丁度良いんだ」
(自分自身に言い聞かせるように身勝手な言葉を並べるも、そう簡単に割り切れる筈もなく表情を曇らせて。
『ふーん。…まあいいけど。……あ、俺シャワー浴びてくる。折角だから泊まって行きなよ。その子も菊が居たほうがいいだろうし』
(なんで?と問う前にさっさと浴室に入っていく兄を見送りつつ、此方に背を向けるようにして横になる少年(相手)の布団をかけ直そうとしたところ首筋に相手と同じ火傷の痕や耳にピアスホールがあるのを見て手を止めて。
僅かに動揺しながらゆっくりと首筋に触れてはそっと傷をなぞり、小さな肩に手を置いて恐る恐る仰向けにさせては「…繿?」と半信半疑に声を漏らし顔を近づけ少年(相手)の頬に触れて。

  • No.801 by 桐崎 繿  2015-04-26 13:31:02 




>露木

( ネックレスに対しての兄の下手糞な言葉も今は助けになり何かを抑える様な切ない表情をする相手を見詰めては唇を軽く噛んで。
真実を言えない歯痒さを感じながら視線を下にやっては気不味そうにして。

( 青年も帰りまだ熱があると思われてる為ベッドにて寝かし付けられては子供姿の為かなり労力を使う所為か直ぐに寝入ってしまって。
寝ても覚めてもそこに有るのは相手の姿、ぼんやりと追い求めるかの様に眉を寄せるも首筋のなぞられる擽ったい感覚に目を捩らせる。
ボソリと聞こえた自分の名前にゆっくり目を開けては相手を見詰めるも漸く思考がはっきりしてはガバッと起き上がり距離を取ろうとして。
しかし何時までもこうしてられない、ピアスホールや傷痕を見られたとも知らずに子供のフリを続けてはネックレスを取り出して。
「預かってろって言われたんだ。……………あ、あんたは………捨てたのか??…いや、なんか揃いのって言ってたからさ、………」
( しどろもどろと言っては流石に怪し過ぎただろうかと不安になるもどうしても相手の気持ちが知りたくて言い訳を作って。
さも第三者であるかの様に言うのを務めるが段々と本音が漏れて来てしまい。
「………他の男が良いって、………ほんと??………べ、別に俺本人に言ったりしないけどさ。………でも…あんたが他の男と仲良くしてたら………絶対嫌だ。………と思う」
( 小さな声で上記を言い終えては溜息を漏らしネックレスを再びポケットにしまいこんで。

  • No.802 by 露木 菊  2015-04-26 19:46:16 


>桐崎

(勢いよく起き上がり自分と距離を取る少年(相手)。その少し挙動不審な態度が相手の仕草にそっくりで更に疑惑が深まりネックレスを手にポツリポツリと言葉を紡ぐ少年(相手)をじっと見詰める。
_相手、なのだろうか。しかし能力者の槙島は韓国に行ってるはず…。
何処か浮かない表情の少年(相手)に視線を落としては相手の姿が重なって胸が痛むも何故か相手か確かめるより問いに答えたほうがいい気がしてゆっくり口を開き。
「他の男が良いはずないよ。ペアリングもピアスもストラップも全部取ってあるんだ。…彼奴じゃないと身体が震えるし…」
(子供相手に何言ってるんだろうとネックレスがしまわれる小さなポケットに視線をやっては相手と過ごしてきた日々が脳裏を過り息を詰まらせて。
「…、彼奴は…本当に俺が他の男とどうにかなって嫌なんて思うかな。…重たい奴から解放されて良かったって思ってるかもしれない」
(相手が支配人や従業員の悪巧みとはいえ自分が他の男と一緒にいる写真を送られ苦しんでいるなんて未だに知らず、ただ自分が相手を束縛して傷付けたばかりに嫌われたのだと落ち込んでは唇を噛み締め。
が、本音を零しすぎたと我に返っては慌てて笑顔を取り繕い相手の髪をぽふりと撫で。
「なんて、ちょっと話し過ぎたかな。このこと繿には内緒ね。これ以上重たいって思われたくないし」
(態と明るく述べるもふと先程の傷跡やピアスホールのことを思い出しては真面目な表情をして「とか言って君が繿だったりしてね」と紅い瞳をジトリと見詰め耳に掛かる髪を撫で上げて。
「その年でピアス開けるなんて珍しいよね」
(ジッと相手から視線を外さず耳朶を軽く触れる程度に摘んではその手をそっと首筋の傷痕に通わせ様子を窺うも、相手だったとしてどうするんだと自分から吹っ掛けたくせに怖気づき「なんてね。冗談だよ。君がいやに大人っぽいからからかっただけ」とはぐらかして。
それでも目の前の少年は見ればみるほど相手そっくりで抑えが利かなくなってはその小さな体をぎゅっと抱き締め、馬鹿で惨めになるだけだと分かっていながら相手のぬくもりを求めて。

  • No.803 by 桐崎 繿  2015-04-28 03:04:02 




>露木

( 切な気な表情で言葉を紡ぐ相手に胸が痛み真実を打ち明けたい衝動に駆られるもまだ相手の優しさを欲してる欲張りな自分自身が居て。
まだ自分を思ってくれてるのか、ならばどうして他の男に触れ求めたのか。
混乱と困惑が渦巻く思考はまともである事を忘れ包み込む様に抱き締める相手の肩を押しては自分の携帯を取り出し相手(男)から送られて来た写真を見せて。
感情を制御出来ず取り乱す様に唇を噛み「…っ、あんたが!!!……………他の男なんかと居るから………」と。
本当なら相手を閉じ込めてしまいたいくらいに束縛したい、しかしそれを言い出せずそれでも他の男を見る相手との付き合いなど耐えられる筈も無く。
泣き出したいと言う普段なら無い衝動に駆られ強く唇を噛み締めては丁度シャワーを終えた兄が小さな溜息を付き自分の携帯をやんわりと奪って。
『こらこら、繿兄ちゃんの事好きだからってさも自分の事みたいな言い方しないの』
「…な、」
『さてそろそろ寝ないと明日きついよー??』
( 兄は相手が何か言い掛ける前に再び自分をベッドへと誘導しては相手にも口を開かせない勢いで寝る準備を初めて。

( 翌朝、目を覚ましてはキッチンにて相手と肩を並べて料理してる兄が見えてはのそのそと起き上がり。
流石にバレてるだろうと思っていても相手の優しさに甘えたいと言う惨めな自分も居て兄の袖を引っ張っては「………腹減ったんだけど」と可愛気無く言って。
『はいはい、今作ってるから』
「…ん」
( ベッドへと戻りテレビをぼんやりと見るフリをしつつ相手を盗み見ては小さく溜息を付いたりして。
そんな時、兄の携帯が鳴り響いては兄に目をやるも『今手離せないから見といて』と。
人の携帯を見るなんてと気が引けたがメールを開いてはどうやら相手は能力者の男の様で。
《そろそろ戻しても良い頃かな??桐崎くんと露木の誤解は解けた??》
( 相手の事をはっきり分かった訳では無いが気持ちが離れた訳じゃ無いのならばと《そろそろかもね。今日連れてくから何処に向かえば良い??》と兄のメール文に偽造して送り。
駅前のデパートには大きな休憩所が完備されてるらしく人目も少ないのでそこで落ち合おうと言う返事をしっかりと見詰めては兄にうまく話付けようと。

  • No.804 by 露木 菊  2015-04-28 20:51:46 


>桐崎

(朝、結局昨夜から少年(相手)と話せず話そうとしても兄に上手く遮られており。
昨夜の少年の様子、何故か持っていた相手の携帯、そして送った覚えのない写真。
普通に考えれば少年は相手。でもあの写真は何なのか。
考えようとして何か期待する自分に気付いては“相手を売って磯貝と寝たじゃないか”と自分を戒め調理に集中すると出来上がった食事をテーブルに並べ。
食事中、少年(相手)と話す機会はあったもののどう切り出せば良いか分からず結局話せずじまいで、兄が少年(相手)を連れて何処かへ行くというので一緒に部屋を出ては別れ道に来た所で少年(相手)に向き膝を曲げて目線を合わせ。
「昨日俺と男のこと怒ってくれて嬉しかった。…ありがとう。ごめんね」
(眉を下げ小さく微笑み銀髪を撫でては何か言いかけるも口にすることはなくアパートへ足を向けて。

(自分が去った後、兄は携帯のメール画面を相手に見せて『“見といて”とは言ったけど“返事しといて”とは言ってないよ?』と相手の額を小突き『まぁ、槙島くん待たせる訳にはいかないからね。さっさと行くよ』そう言うなりお仕置きといわんばかりに相手の嫌がる抱っこを強行しては『かわいいねぇ』とわざとらしく声をかけながら足を進め。

(到着したデパート、すぐに待ち合わせの休憩所へと向かおうとしたところなんという偶然か相手の父親(縺)と自分の父(草一)に出会し、幼い頃の相手を知っている二人は驚き特に自分の父は目をパチクリさせ兄の腕の中にいる相手に顔を近付け。
『繿くん…?』
『いや、ちょっと色々訳ありでして』
『また面倒事か。たく、手前ら兄弟は』
『ちょっと待ってよ、父さん。俺はいい子でしょ?』
(相手の父親は兄の言葉を聞き流し少年(相手)を見ては過去の負い目を感じたのか目を逸らし。
『いやぁ今日はね。縺さんに株を教えて貰おうと思ってさ。縺さん喧嘩だけじゃなく頭も強いんだ。すごいよねー。…あ、良かったらこのデパートの喫茶店行かない?そこに美味しいプリンがあるんだ。繿くん好きでしょ?』
(態となのかそうでないのか相手が子供の理由を追求する訳でもなくのほほんと呑気に述べては『かわいいなぁ。ほら、縺さんも』と相手の頭を撫でながら悪気なく相手の父親を誘い。

  • No.805 by 桐崎 繿  2015-04-30 00:51:19 




>露木

( 相手と別れ能力者の男に会えば戻れると内心胸を踊らせ兄に無理矢理抱き抱えられては待ち合わせ先のデパートで相手と自分の父に出会してしまい。
断る様に兄に頼もうとも兄は父に構って貰える様になったのが余程嬉しいのか断る素振りは無く能力者に《ごめんちょっと用事出来たから数時間遅れる》とメールを送ってるのをジトリと見詰めて。
「…おい、んなの戻ってからでも…」
『えーそしたら待たせちゃうじゃんか。露木さんもああ言ってくれてるんだしさー』
「……………」
( 不機嫌な表情のまま喫茶店へと着くも相手の父の優しい対応に表情が少し和らいでは兄と相手の父の小難しい話をぼんやりと聞いていて。
父とは一切目が合わずに気不味そうにスプーンを咥えては伏せ目がちに盗み見て。
『それにしても繿君のその姿は8年ぶりくらいかな。本当久し振りだね』
「……………はぁ」
『分かってる、能力だよね。でも驚いたな、凄い能力の持ち主だね』
『露木さん露木さん、何なら菊もちっちゃく出来るんですよー??』
「おい、中身はそのままなんだぞ。………感情とかがちょっと変わるくらいで…」
( 相手の子供姿の話題に照れ臭そうに微笑む相手の父に和やかな気持ちになりつつそこでふと自分の父と視線が合えば僅かに驚いて。
『……………何目丸くしてやがる』
「い、や………別に」
『ちっせぇな。糞餓鬼が』
「……………なんなんだよ、仕方無ぇだろ」
( 小さな言い合いをしつつそれでも晴れやかな気持ちになれば自然と表情も緩んでいて。

( その頃、時間延長を言い渡された能力者は適当に時間を潰そうとデパート最上階の小さな漫画喫茶へと入店し携帯を見詰めていて。
相手と自分の誤解は解けたのだろうか、元々陰ながら御人好しな性格故に放って置けずそわそわとして。
一度は壊そうとした二人なだけに無視は出来ないと相手に連絡を入れては辿たどしく挨拶をして。
『…あ、露木??うん、俺だよ。久し振り』
( ぎこちなく上記を言っては暫く他愛の無い話をするも本題を出さなければと。
『あのさ、…桐崎君と何か合っただろ』
( 唐突に言い短い沈黙が襲い掛かるもここで引く訳には行かないと思い『話した方が良いと思って。…夜噴水の前に桐崎君向かわせるから。………それまでにちゃんと元に戻すつもりだし…ってごめん。これはこっちの話』と。
上手く切り上げ電話を切ってはこれで二人は話せるだろうと意気込み、続いて兄の携帯に『夜に露木と桐崎君鉢合わせるから』と予定を話した留守電を入れて。

  • No.806 by 露木 菊  2015-04-30 07:49:24 


>桐崎

(アパートにて特に用事もなくベッドに寝そべり少年(相手)と相手のことについて出口のない洞窟を彷徨うようずっと考えていては突如鳴り響く着信にビクッとし番号も確認せずに出ては懐かしい声とその内容に暫し固まり。
無機質な機械音が耳に入りとっくの前に通話が終わっている事に気付いてはプツリと電話を切りダラリと腕を下ろして。
なんで槙島が日本にいるのか。やっぱり少年は相手だったのかと様々な考えが頭の中を巡るもやはり一番は“相手に会えるかも”ということで。
しかし“あんたには会わない”と合鍵まで返すよう言ってきたのに今更何を…と相手から会ってくれると言い出したと勘違いして淡い期待を抱くもそれと同時に酷く胸が痛んで。

(一方、喫茶店では自分の父が終止相手を可愛いと褒めて別れ際に何か聞きたげな表情をするも何も問わず『じゃあまた食事でも』と席を立ち、相手の父もそれに続き一瞬相手を見て『いつまでも“餓鬼”やってんじゃねぇぞ』と何か見透かしたように素直でない言葉を残しては伝票を持ち去り四人分の会計をさっさと済ますと姿を消して。
『久々に父さんといっぱい話しちゃった』
(兄は上機嫌に頬を緩ませ相手の手を引いて喫茶店を出ては『早く大人になろうね』と携帯の留守電を聞きながら意味深な笑みを浮かべて。

(そして能力者との待ち合わせ場所、能力者は相手を連れて人気のない休憩所のレストルームに来ては兄から受け取った相手の服を渡し小さな体を大きなタオルですっぽり包んでは『…痛むから我慢しなくていいよ』と声をかけ自身の手を握るよう促すと相手の額に手をあて元の姿に戻して。
『…やっぱり桐崎君ってかっこいいよね』
(着替えを済ませた相手を見て小さく微笑んでは兄がやってきて元に戻ったばかりの相手の肩に腕を回し『ねえ繿、噴水興味あるよね?』とニコリと笑い。

(約束の時間の少し前、散々悩みに悩み噴水へ来ては未だない相手の姿にそわそわとし何度も携帯を見て不安に押しつぶされそうな胸をどうにか落ち着かせようとしていて。

  • No.807 by 桐崎 繿  2015-05-02 01:53:13 




>露木

( 兄の意味不明な問い掛けに「はぁ??」と首を傾げるも意味有りげな笑みで流されてしまい。
別に噴水に興味が有るなんて言った覚え無いぞ、なんて疑問を浮かべながら兄に無理矢理噴水のある場所へと連れられては背中をドンっと押されて。
文句を言ってやろうと顔を上げるも兄はへらへらと笑みを浮かべ後ろへと歩を進め、その代わりに不安気な様子で噴水の前でそわそわとしてる相手が目に入れば仕組まれた事だと理解して。
足を返そうとも背後には何時から居たのか能力者までもがおり兄と共に自分を帰さない様に立ちはだかっては相手の方を首でしゃくり“行け”と。
伏せ目がちに目を向けては丁度相手と目が合い直ぐに逸らすも此処まで来て無視する事は出来ずズカズカとそちらへと向かっては相手と向き直り。
こうして向かい合ったのは久し振り、少し前までの相手は自分より身長も高くいつも目線は上だった。
「……………仕組まれたみてぇだな」
( 能力者と兄を指差し溜息を着くように上記を言えば一瞬気不味い雰囲気が流れるもここまで話したのならと抑えを外して。
「…お前さ、何なの。あんな写真メール送って来たり、…なのに“別れるとか言うな”って。お前こそ俺と別れたいんじゃねぇの??………餓鬼だと思って相手してなかったんだろ」
( 責め立てる様な言い方になってしまうも溜め込んでた感情が爆発し、相手の肩をグッと掴んでは片手でポケットの携帯を取り出して。
SNSの相手から送られた写真(ホストに組み敷かれ相手が腕を掛けてる写真)を相手の目前に突き出しては「何、俺より良かった??」と。
こんなの惨めなだけだと分かってるのに行動は納まらず相手の顎をグイッと持ち上げては唇を強引に奪おうとして。

  • No.808 by 露木 菊  2015-05-02 22:29:17 


>桐崎

(久々の相手との顔合わせ、相変わらず端正な顔立ちに見惚れてしまうも続く言葉に少年が相手だったと確信すると共に相手の意思で此処に来たわけではないのかと気落ちしては、見せられた写真と問い掛けに目を逸らし。
が、突如口付けられそうになっては驚きで咄嗟に相手を突き飛ばして困惑気味に瞳を揺らして。
「な、んで…俺のこと嫌いになったんじゃないのか?…こんなことされたら_、」
(期待してしまうと口を噤んではこんなんだから重たいと思われるんだと拳を握り。
「ごめん…、何でもない。………でもその写真は身に覚えないし俺は送ってない。多分…一緒に写ってる奴の嫌がらせ…。それにその店に行ったのも…」
(あんたに嫌な思いをさせた責任を感じてと言おうして此れではただ言い訳だとまた口を閉ざし御免と謝って。
「俺、あんたに嫌な思いさせてばっかりだった。自分のことだけ考えて浮気を端から疑って。……重たいって思われて当然だと思う。そう思ったから合鍵返せなんて言ったんだろ?」
(ずれた考えをしてるとも知らず相手をどこか切なげに見詰めてはスッと視線を横に流し。
「でも…だったらさ。なんで俺が他の男と仲良くしてたら絶対嫌だなんて言ったんだ?」
(相手が少年時に言った言葉。そんなものに期待して縋り付こうとする自分に気付いては自嘲気味な笑みを零し本日何度目になるかわからない“ごめん”を零して。
「あんたのこと忘れないといけないのに何聞いてんだろうな。…………俺、本気であんたを愛してる。だから、忘れるの時間掛かると思うけど努力するよ。揃いのものも処分するから。…それに今磯貝といい感じなんだ。だからあんたも“重たいお荷物”おろしたと思って羽伸ばしていいよ」
(強がりと勝手な言葉を無理に微笑み述べては相手をこれ以上束縛して負担をかけさせないためには此れがいいんだと言い聞かせ。

  • No.809 by 露木 菊  2015-05-04 01:59:01 


(/突然失礼します。菊本体です!
いつも拙いロルにお相手感謝です。今回は相談というか独白というか…思っていること、そして謝罪を述べさせて頂きたく参上しました。
無駄に長いです。すみません汗

えっと…、何かといいますとこのままナリキリにお付き合い頂いてていいのかな、という心配です。
本体様との絡みに文句は一切ありません。逆に毎回こちらが滅茶苦茶なロルで振り回してしまい申し訳ないくらいで…。
本体様との絡みは今でも本当に楽しいです。ここまで続いて気が合ったお相手様ははじめてで他の方とナリをしても物足りないだろうなと感じるくらい。
ただ、「現状」を思うに本体様と大切な方に申し訳ないなと思ったんです。
たかがナリでも一応愛を囁きあってるわけですし…。
こんなナリくらいで本体様と大切な方の絆や想いが揺らぐなんて思っていませんが本体さまは優しい方なので無理に気を遣わせて負担をかけていないか心配で…。
一番良いのは自分が此処で身を引くことなのでしょうが、その前に本体様のお気持ちをお聞かせ頂けたら幸いです。
本当はもうすぐで本体様とナリキリをはじめてから一年でもう少し言うのを待とうとかと悩みましたが、このままあやふやに続けて本体様の負担になるようでは駄目だと思い今回此方でお話をさせて頂きました。
自分の考えすぎだったらすみません。今の菊君じゃないですが重たかったら元も子もないですね(^_^;)

長々とすみません汗 でもあと一つ謝罪させてください←
実はその少し前に「雨」というお名前を見かけしました。
はじめは「あれ?」って引っかかる程度だったのですが拝見させて頂くうちもしかしたらという思いが強くなりました。
何度も声を掛けてみようと思いました。
ですが私がでしゃばることで嫌な思いをさせて吐き出せる場所を奪ってしまわないかと気が引けてしまい声をかけられませんでした…。
ですから名前を変えて絡ませて頂いたのですが今思えばなんで自分の名前で絡まなかったのかとすごく後悔してます。
この一年近くお忙しい中、疲れて辛いこともあったと思います。
それでも毎日のように絡んでくれて…。
本体さまが辛いとき無理をさせて支えられなくて本当に御免なさい。薄情だったと痛感してます。
でも今は本体様に心強い味方がついてくれて本当に良かったと心から安心し嬉しく思います。
じゃあ今更出てきて何だって話ですが…。遅すぎるかもしれませんが私で良ければ何でも話してくれると嬉しいなと…。
こんな話、上でナリをやめるかやめないか話してて持ち出すのはおかしいかもですがお節介なのでやっぱり放おっておけませんでした。すみません。
って、もし雨さんじゃなかったら申し訳ありません;何の話だこのやろーって聞き流してください汗

ここまで本当に読んで下さり感謝です。言いたいことがありすぎて伝えきれず本当意味不明になってると思います;
そしてこういう場で私情を持ち出すのもどうかと思ったのですがどうしても気持ちを伝えたく勝手に形容したこと謝ります。
なんか重たくて堅苦しくって色々気持ち悪いことになってますね…。
私が一人突っ走てご気分を害してしまってたらすみません。
自分の勝手ではありますがゆっくりでいいのでお返事いただけると幸いです。

  • No.810 by 桐崎 繿  2015-05-05 09:18:50 




>露木

( 相手の“重たい御荷物”と言う言葉に反論しようともあの男子生徒と良い感じになってると聞かされては行動に移せずに暫し放心状態になり。
無理に作られた微笑みも僅かに震える声色も気付いてたのに結局去り行く相手の背中を見詰めてはそのまま唇を噛み締め俯いて。

( 翌日、自室にて目を覚ましては悪い気分を拭い去るかの如くシャワーを浴びるもこの感情までは流してくれずに小さく項垂れて。
髪も濡れたままボフリとベッドに横になっては天井を見詰め携帯に目をやるも当然相手からの連絡は無く。
そろそろGWも明けてしまうしと干しっ放しの制服に目をやり。
今日は特にバイトも入ってない、しかし特にする事も無く細身のジーンズと適当なパーカーに着替えては近くのコンビニへと向かって。

( その頃、男子生徒は相手に一方的なデートを申し込み寮にて待ち合わせをしては漸く訪れた相手に犬の様に擦り寄って。
『先輩朝飯まだっすよね、今日自然公園行こうと思ってたんすけどどうせならコンビニで買ってきません??』
( 財布片手に“奢りますよ”と続けては金持ちとは思えない様な様子でコンビニのパンやら菓子類やらを手に取って見てはふと向こうに自分の姿を見付けて。
雑誌の立ち読みをする自分を暫し見詰めてはズカズカと歩み寄り『よ、桐崎』と声を掛けて来て。
男子生徒の声に気付き振り返るも男子生徒の隣にいる相手の存在に気付いては顔を逸らして。
『何してんの』
「別に、…今日バイト休みだから、」
『そか、………お、俺達これからデート』
「……………あっそ、良かったじゃん」
( 素っ気無い態度を取る様に心掛けさっさと出ようと相手の横を通り過ぎては適当な飲み物を取り早く会計に向かおうとして。

  • No.811 by 桐崎 繿  2015-05-05 09:38:12 




( / お久し振りでございますー(´∀`)
そしてお返事かなり遅れて申し訳無い…
お仕事が変わる事になりましてここ数日立て込んでおりました

そしてそしてやはり一年もお付き合い頂いただけに気付いてくれたんだな、と泣きそうになりました
改めまして、“rain”と言う名前で部屋を立ち上げさせて頂きました
住んでる場所が田舎の為“子供は学校へ行くのが常識”という古い考えが定着してるのか結構冷たい人が多いんですよね…
打ち明けられる人は未だにおりませんしこうして気付いてくれたのも本体様だけです
実は繿は私の理想の存在を作った訳ですよ←
何にも動じなくて子供達の為に働く、そんな人になれたら良いなと←
本体様との一年、ほんとに幸せで幸せで…
ナリ如きで、と思われるかもしれませんが毎日毎日これが楽しみになってます
本体様の文が綺麗過ぎて何回もメモ帳アプリに書いて誤字とか漢字とかかなり確認してるくらいですwww

色々ありがとうございます
そして一年、早いですね(;´Д`)
こんな駄文にお付き合い頂いて泣きますもうほんと←
もしよろしければ遅レスになる事もありますがこれからもお付き合い頂けると嬉しいです

  • No.812 by 露木 菊  2015-05-06 05:15:47 


>桐崎

(浮かない気分まま男子生徒とコンビニに訪れては相手と鉢合わせ素っ気ない態度に昨日ので完全に引かれたんだなと思い込むと相手を避けるように男子生徒の腕を掴んでコンビニの奥へと進み相手が出て行くのを待って。

(その後、自然公園のベンチにて買ったパンなどを口にしては落ち込んでばかりでは男子生徒に悪いと笑顔で振る舞うも脳裏にはつねに相手がちらつき。
そして男子生徒が食べる野菜スティックの中に一つだけプチトマトが入ってるのを見ては思わず手を伸ばして。
『先輩プチトマト好きなんすか?』
「…え、いや。…別に」
(相手が苦手だから無意識になんて笑えないと口内に広がる甘酸っぱい果肉を飲み込んでは視線を地面に落とし。
『…俺、正直もう先輩諦めなきゃいけないかなって思ってたんすよね』
「…え?」
『いや、なんとなくっすよ』
(男子生徒が少年を相手だと疑っていたとも知らず神妙な顔しては『あ、そう言えばバイト辞める契約書受理しといたんでもう何も気負いすることないっすよ』と話を変えられ。
「ああ、悪い。ありがとう。…なんか世話になってばかりだな」
(申し訳なく微笑みながら迷惑を掛け合い助け合ってきた相手の隣の居心地の良さを想っては「たまには俺にも世話やかせろよ」と小さく笑い、少し離れた散歩道を楽しげに歩くカップルをぼんやり見詰めて。

(その頃、相手の元に兄から《ねえ昨日のどういうこと?菊とはどうなったの?子供にした意味ないじゃん》と不満のメールが届いていて。
その数分後、街を歩く相手の背後に忍び寄る影があり相手の肩をトントンと叩いてはニッと黄ばんだ歯を見せて笑い『やあ僕のこと覚えてる?』と。
その男は相手が支配人の店で働いていた時の客。中年の小太り眼鏡で相手が店を抜けたことを自分にしつこくごねていたうちの一人で。
『なんか寂しそうだから声掛けちゃった。相談乗るよ?』
(馴れ馴れしく相手の腰に汗ばんだ手を回し胡散臭い笑みを浮かべては『そこの喫茶店行こうか』と相手の腰を引いて。

  • No.813 by 露木 菊  2015-05-06 05:16:18 



(/いえいえ!お返事いただけるだけで嬉しいです!
私も仕事変わったところで返事遅くなると思うので気にしないでくださいな。

お名前紹介頂き有難うございます。お分かりかと思いますが“たま”という名前で絡ませて頂いておりました…。
学歴関係ないなんて言われるようになってきたけど世間の目は厳しいですよね…。
そういう冷たい態度が他人を傷つけてるって気付かないのかな。
そしてその理想素敵だと思います。きっと本体様に支えられた子供は本体様みたく人の為になりたいって思うんだろうな(。・・。)
今までずっと辛いことあったと思います。辛いことに向き合うのってほんと体力使う…。
出来ればないほうがいいんだけど辛いことって振り返ると為になってることが多かったりするんだよね。
だからって訳ではないけど今の本体様の頑張りは絶対に理想と繋がってると思います。
私の場合、兄が暴力的だったり母の介護があったりでめげることも多かったけどそんなこんなでちょっとはタフな性格になれたからまあよかったかなって笑。チキンだけど←
と、月並みなことしか言えませんが消化しきれないものがある時は何でも言ってください。
あと上から目線っぽかったらすみません…。イラッ☆ってしたら言ってください。喜びまs((

私も本体様とナリ出来て幸せです。なんど励まされたことか。
あわわ、そこまでして頂いてるなんて嬉しい。
私ワードで打ってる癖に誤字るんでどうしようない←
“を”と“と”をよく間違えてるって自覚あります…笑

本当に一年あっと言う間…。
私なんて就活終わってバイトもそこそこにダラダラ過ごしてたからな…。
本体様に頭が上がらない。
レスいつでもOKです。むしろ今までハイペース過ぎたと思えば笑
ナリそっちのけで愚痴ってもb 
あとタメでもいいよ。知っての通りただの変態チキンだから敬語なんて使う必要ない←
精神年齢私のがかなり下だな思うしw
あ、こちらの返信は適当に切っていいし無視で大丈夫です。

  • No.814 by 桐崎 繿  2015-05-08 01:59:51 




>露木

( 兄からのメールに溜息を付き《頼んだ覚えは無い》と生意気なメールを返そうとしたが文字を打つより早くに肩を叩かれては一瞬固まって。
出来ればこの様な類の男には会いたくなかったと逃げ足を取ろうとするもそれを防がれてしまってはどうしようものかと苦虫を噛み潰し。
咄嗟に突き飛ばそうとするも『繿君の外見で手を出そうとなんてしたら直ぐに周りの人が寄って来るんじゃないかな』と下らない脅しを掛けられ口惜しそうに唇を噛んでは喫茶店へと同伴して。
金には困ってないのか奢ると言われ適当な飲み物を頼んでは手を取られビクリとして。
『で、何か合ったのかな。僕で良ければ慰めるよ』
「………べ…別に………」
( 流す様に視線を逸らしては運ばれて来た飲み物を受け取り乾いた喉を潤しては男と視線を合わせる事も無く早く時間が過ぎるのを待つ事にして。

( その頃、自然公園を後にし街を見て回ってた所で隣で歩いてた相手の手が男子生徒の手に辺り。
男子生徒は暫し迷った様な表情をするも思い切った様な表情で相手の手を握って。
『……………あ、えと…すみません。………じゃなくて!!!………良いっすよね……その、嫌なら離しますけど』
( しどろもどろと言いつつ離さないままに街を見て歩いては『あれなんか先輩に似合いそうっすね』なんて他愛も無い話をして。

( 男に解放して貰えたのは夕方、どう解釈したのか『デート代ね』と万札数枚を渡されてはこれでは援助交際みたいではないかと。
ベタベタとスキンシップの多さが肌に残り気持ち悪さと苛立ちを感じてた中、寮の玄関口で相手と男子生徒に出会しては今日は悪運だなと。
『………あ、桐崎』
「……………んだよ。邪魔、通る」
『わり、今退く』
( 八つ当たりをするかの如く横を通り過ぎ、相手はこれから男子生徒の部屋にでも向かうのだろうかと苛立ちを隠せずに居た所で何を思ったのか男子生徒に腕を掴まれては反動と共に振り向かされ。
その際に男の連絡先が書かれたメモと折りたたまれた万札数枚がポケットから落ちては無言でそれを拾い。
『桐崎、………それ何だよ』
「金」
『お前何してんの』
「別に」
( 困惑を隠せずにいる男子生徒を静かに見詰めては『は、今夜はお楽しみ??』と子供地味た嫌味を述べさっさと場を後にしようと裾を翻し。


( / 本体様も色々大変だったのに相談乗っててくれたんだ………なんか申し訳無い。
それなのに人を安心させて包み込んでくれるその性格ほんと憧れる、お互い名前は変えてたけどあの部屋で何回救われた事か…。
本体様も何かあったら言ってね、こんな餓鬼に言う事なんか無いかもだけど言葉にするだけで少しでも楽になるって教えて貰ったので←

実は来月からコンビニのバイト辞めて葬儀屋スタッフの仕事に変わるんだよね(´・ω・`)
ほんとはコンビニ続けたいけど学歴も何も無いし就職も出来ないだろうし………。
時給もそっちのが高いから弟が中学卒業する時に定時制でも通信制でも行ける様にお金貯めなきゃ。
最近行く様になったんだけどこんな状況だからかちょいグレて髪染めちゃって別教室に戻されちゃって。
後は本人の問題だから頑張って貰うしかなぁ…。

今回も菊くんの一途さに泣いた←
って言うか菊くんとの絡み泣ける←
この微妙な距離感とぎくしゃくした感じ涙無しでは見れないね((落ち着け

タメで失礼しましたーw
なんか年上さんでほんと立派な大人だなって思ってたけどタメの方が親近感合って友達っぽいよね(´∀`)
改めてこれからもよろしくね・:*+.\(( °ω° ))/.:+

  • No.815 by 露木 菊  2015-05-09 22:53:57 


>桐崎

(男子生徒から手を握られ戸惑うも相手を忘れるために必要なことなんだと言い聞かせては振り払わずにいて。
そんな時、寮の前で相手と出会しては思わず握られた手を引っ込めようとするも相手のポケットから落ちたメモと万札に目を引かれ。
相手が元は自分が蒔いた種で被害にあっているとは知らず、どこか疲れた表情に心配になっては去ろうとする相手の腕をまだ男子生徒に握られた温もりが残る手で掴んで。
「また危ないことしてるのか?」
(眉を下げて問うも自分に聞く資格はなかったと手を離し「…悪い。でも何かあるならちゃんと綸とか赤城に相談しろよ」と目を逸らしながら述べ「あと…今日は勉強教えに来ただけだから」と意味がないと分かりつつ言い訳じみた言葉を零して。

(相手と別れて訪れた男子生徒の部屋、下の階に相手がいると思うと落ち着かず椅子に座りそわそわしてては男子生徒に御茶を差し出され。
『勉強教えてもらう約束なんてしてましたっけ?』
「……してない、けど」
『まあ良いっすけどね。…先輩、明日バイト夜からっすよね?それまでカラオケ行きません?歌うとすっきりしますよ』
「…そうだな」
『じゃあ決まり。あ、先輩に朝食べてほしいチーズ味のパンケーキあるから今日泊まっててくださいね』
「え、いや悪いし。着替え持ってきてないから」
(やんわり断ろうとするも男子生徒の押しの強さの中に気遣いを感じては断りきれずに泊まることにするもずっと相手のことが頭から離れずにいて。

(その頃、相手のもとに昼間の男が気をよくしたのか相手に《明日も会ってくれるよね?お金受け取ったでしょ?》とメールを送っていて。

  • No.816 by 露木 菊  2015-05-09 22:54:18 


(/いやいや、私なんて本体様の大変さに比べたら全然大したことない。
それに相談してくれたり乗ったりすると辛いの分散されるっていうか和らぐからむしろありがたい。
本体様は餓鬼なんかじゃないよー。大人すぎて心配になるくらい大人だと思う。
なんだろう。明るくても無理してないかなって心配になる時あるもの…。
現実無理しないとやってけないことばっかだし弱いところは誰にも見せたくないしで息詰まっちゃうよね。
うん、だからここでは私もお言葉に甘えて何かあったら遠慮なく愚痴ります←

そっか…、コンビニ人手不足で迷惑かけちゃうかもって気にしてたもんね…。
新しいところはやっていけそう?心配なこととか辛いことはない?
就職か…、私が言うと「就職してるから言えるんだよ」って思っちゃうかもだけどまだまだ希望持てるよ!
私の友達でね、中卒で3年間家にずっと引きこもりだったけどそれから2年バイトして美容の専門学校行ってる子もいるし、同じく中卒で今私と同い年でずっとバイトしてたけど今就活頑張ってる子もいる。
こんなこと言っても不安は拭えないだろうし、すぐには将来のこと考える余裕もないかもだけど就職は可能性あるよ。
でもお金の問題とか家庭の事情とか色々考え過ぎちゃうと辛いだろうから少しずつ、少しずつでいいと思う。
私が16,7の時は家庭の事とかでどうせ碌な仕事つけんだろうなって投げやりになってて、やりたいことも曖昧だったけどなんだかんだここまで来ちゃったし、正直今でも今の仕事が正しいのか迷ってるしね(^_^;)
何も就職だけじゃないし。ってなんか長々とずれたことを語ってごめんよ…。
はーい、バッサーンと切ってくれていいからねb

私も繿君の不器用だけど誰よりも心優しいところとか簡単には内面を見いせない男らしさに泣かされてる。
なんだこの子、超イケメンでかわいい(^q^)って←
これからもぎくしゃくカップルでのらりくらりとやっていきましょー。

立派とかやめてww
ほんとアニメ好きの変態なだけだからw
そしてよくぽわーんってしてて急にビシって動くから不思議ちゃん呼ばわりされてる。
こちらこそよろしくー(。・ω・。)
そして向こうで名前に迷ったやつ←

  • No.817 by 桐崎 繿  2015-05-15 13:41:19 




>露木

( 男からのメールにも気付かずに眠りに着いた翌朝、点滅する携帯のランプに気付きメールを開くも相手からで無い事と男からである事に激しく落胆して。
シャワーを浴び私服に着替え断れる筈も無い男の元へと向かおうとロビーへと来ては丁度相手を送り出そうとする男子学生と鉢合ってしまい。
『…あ、桐崎…おはよ』
「ん」
『何処行くの』
「バイト」
『嘘だろ、桐崎今日休みじゃん。俺桐崎がバイトしてる店の本店舗の取締役だし知ってる』
「別のバイト」
『……………なぁ、なんのバイトしてんの』
( 男子学生の問い掛けにも答えず男子学生の隣にいる相手に目を向けては「何、結局泊まってった訳」と嫌味な言い方をしてしまい。
いたたまれなくなりさっさとその場を後にしては学校を後にし待ち合わせ場所へと向かって。

( 待ち合わせの定番の時計台にて、相変わらずのスーツに身を包み汗臭い様子で自分を待っていた男の前に来ては無表情で見下ろして。
『取り敢えず何処か入ろうか』と言われ駅前のカフェへと連れられてはアイスコーヒーを二つ注文され。
『さて、今日は何処に行こうか。行きたい所とかあるかな』
「別に」
『欲しい物はある??』
「特に」
( 素っ気無い返事をしズズッと音を立ててアイスコーヒーを飲み干してはテーブルの上に万札を数枚置かれ思わずそれを見詰めて。
『これはデート代ね、そうだなぁ…なんなら久し振りにカラオケでも行こうか』
「何処でも良いっす」
『よし、じゃあタクシー呼ぼうか』
( 何も直ぐ近くじゃないか、

  • No.818 by 桐崎 繿  2015-05-15 13:48:29 




>露木

( 男からのメールにも気付かずに眠りに着いた翌朝、点滅する携帯のランプに気付きメールを開くも相手からで無い事と男からである事に激しく落胆して。
シャワーを浴び私服に着替え断れる筈も無い男の元へと向かおうとロビーへと来ては丁度相手を送り出そうとする男子学生と鉢合ってしまい。
『…あ、桐崎…おはよ』
「ん」
『何処行くの』
「バイト」
『嘘だろ、桐崎今日休みじゃん。俺桐崎がバイトしてる店の本店舗の取締役だし知ってる』
「別のバイト」
『……………なぁ、なんのバイトしてんの』
( 男子学生の問い掛けにも答えず男子学生の隣にいる相手に目を向けては「何、結局泊まってった訳」と嫌味な言い方をしてしまい。
いたたまれなくなりさっさとその場を後にしては学校を後にし待ち合わせ場所へと向かって。

( 待ち合わせの定番の時計台にて、相変わらずのスーツに身を包み汗臭い様子で自分を待っていた男の前に来ては無表情で見下ろして。
『取り敢えず何処か入ろうか』と言われ駅前のカフェへと連れられてはアイスコーヒーを二つ注文され。
『さて、今日は何処に行こうか。行きたい所とかあるかな』
「別に」
『欲しい物はある??』
「特に」
( 素っ気無い返事をしズズッと音を立ててアイスコーヒーを飲み干してはテーブルの上に万札を数枚置かれ思わずそれを見詰めて。
『これはデート代ね、そうだなぁ…なんなら久し振りにカラオケでも行こうか』
「何処でも良いっす」
『よし、じゃあタクシー呼ぼうか』
( 何も直ぐ近くじゃないか、と内心悪態を付きつつ相手と男子学生が居るとも知らずにカラオケ店へと向かえばずっと携帯を見詰めていて。

( / うわあああ連投稿してしまった馬鹿あああ←
そしてそして相変わらず遅れてごめんなさい
葬儀屋さんの研修ちょいちょい始まったので頑張るぞーって感じなんだけど宗派全部覚えなきゃで…
毎回の如く菊君可愛い、繿じゃなくて私が菊君といちゃらぶしたい((黙
そして菊君もろとも本体様といちゃらぶした((殴

就職ねー、難しいとは思うけど取り敢えず弟高校入って一番下の子が小学校上がるまでは受け入れてくれる仕事場に縋り付こうかなーとか思ってる
中卒ってだけで社会は冷たいからなぁwww
ほんと本体様立派としか言い様が無いんだけど(真顔)
なんでそんな他人を安心させる事が出来るの←
というかもう本体様癒やし効果有り過ぎて…
身近に居たら毎日見てるだけで癒されてたな((
Twitterとかで絡んでてもほんと癒される

  • No.819 by 露木 菊  2015-05-17 00:19:03 


>桐崎

(男子生徒と訪れたカラオケ店、今朝相手に鉢合わせたこともあり相手のことばかり考えてしまい忘れようとすればするほど相手で頭がいっぱいになってはデン○クばかりイジっていて。
『先輩、歌わないんすか?さっきから俺ばっか歌ってますけど』
「あー御免、ぼーっとしてた」
『……。あ、先輩、俺もそのアーティスト聞きますよ。でも先輩がその曲聞くなんて意外っす』
(そう言われデ○モクの表示を見ると以前相手と趣味を共有したくて借りたCDのアーティストの項目が開かれており、無意識とはいえ相手との思い出に縋る自分に気付いては自嘲の笑みが溢れ。
_こんなんではこのアーティストの曲がテレビなどで流れる度に相手を想ってしまうと表情が崩れそうになっては「…飲み物取ってくる」とコップを持ち部屋を出て。

(浮かない気分でドリンクバーに向かう途中、丁度相手と男が部屋に入るところに出会しては思わぬ事態に足を止め。
『あれ、もしかして菊君?偶然だね。この前店で会って以来かな』
「なんで桐崎とあんたが…」
『客をあんた呼ばわりなんて流石接客が下手なだけあるね』
(男の嫌味に店で働いていたことが相手に知れてしまうと焦るより、男と相手が一緒にいることに嫌な感じがしては眉を下げて相手を見て。
「まさかバイトってこのことか?…こんなのあんたが一番嫌ってたことじゃないか」
『酷いなぁ。合意の上に決まってるでしょ。ねぇ繿君?』
(男が馴れ馴れしく相手の腰に手を回しさっさと部屋に入ろうとする様子に耐え切れなくなっては開きかけた扉をバンッと押さえ開けさせないようにし。
『ちょっと何?邪魔しないでくれるかな。君、繿君のなんなの?』
「……分からない。…でもこういうの世間では援交って言うんです。こいつまだ学生なんでオジさん下手したら罪に問われますよ」
(我ながら身勝手で陳腐な脅しだなと内心苦笑しつつ強気な態度で男を見据えては相手にこんなことは辞めて欲しいと目で訴えて。


(/連投どんまいです←
宗派を全部覚える…お仕事とはいえ想像するだけでゾゾッする…。
アニメとかメイクのことはいくらでも覚えられるのに…。
睡眠学習とか本当にあったらいいのにね(´・ω・`)
いちゃらぶ歓迎(蹴)勿論私がリードするけど。身長167.7㎝(いらない情報)
というか普通に服とか買い物したい。そして本体様に着せて遊ぶ((
そして恋愛相談とかしたりね。年齢の割に恋愛経験値低いけどw
変人ばっかだったし(爆)
あーほんと本体様みたいな妹欲しい。シスコンになれる自信ある←

仕方ないこと…どうにもならないことなのかもだけどやっぱり本体様いい子すぎるよ(TT)
私なんて本体様の苦労のほんの少ししか知らないだろうに偽善っぽいことしか言えない…。
離れてるってあれだね、もどかしさ倍増しちゃうね…。
癒やし効果なんてそんな!こっちこそいつも元気貰ってる。
仕事中とかふと本体様も頑張ってるんだろうなぁ、私も頑張ろ!ってなってるもの。
Twitter時々ものすごく落ちる時あるけど生暖かい目で流してやってね笑

  • No.820 by 桐﨑 繿  2015-06-03 23:33:47 




>露木

( 部屋に足を踏み入れようとした所、何と言うタイミングか相手とばったり出会しては目を見開くも直ぐに罰が悪そうに目を逸らして。
まさか相手が居るだなんて想像にも無かった、此処を出たい衝動に駆られるもそんな事出来る筈も無く相手の視線を感じつつも俯いて。
『ほら繿君、君からも言ってやってよ』
「……………」
『どうしたんだい??』
「………すんません、俺今日…体調悪くて。今日の事は別の日でも空けとくんで………」
『えぇ??此処まで来て…』
「次は丸一日空けときます」
( 適当に逃れる為の言葉を並べ漸く男が先に出て行くのを見送っては相手に向き直り。
蔑んだだろうか、馬鹿馬鹿しいと思ってるのだろうかと思いながらも相手に一歩詰め寄り壁に追いやっては「…何、今日はデート??」と皮肉地味た事を言って。
相手があの男子生徒と距離を詰めようとしてる事に身勝手にも腹が立ちグッと顔を近付けては唇が触れる寸前の所でピタリと止めて。
丁度その場に帰りの遅い相手を気にした男子生徒が相手を迎えに来ては自分と相手のその状況に一瞬ばかり硬直するも直ぐ自分に掴み掛って来て。
『桐﨑!!!!!お前…っ……………』
( 無表情で男子生徒の手を振り払っては相手に再び向き直り何か言い掛けるも自分でも何が言いたいのか分からず口を噤んで。
視線を逸らしスタスタとその場を去っては徐に携帯を取り出し取り敢えず一人になるのが嫌で適当に誰か当たろうとしていて。

( / 規制も解けて久々のレス返にダラダラと長い文ごめんなさい((
ほんと久し振りで嬉しくて嬉しくてにやにやしてる←
菊君と本体様のお陰で今日のお仕事の疲れぶっ飛んでる( ^ω^)
そして睡眠学習に吹いた←

ほんと一年の絡みって長いよね、こんなに仲良くなれると思わなかったから嬉しいのなんのって
え、本体様がお姉さんとかこっちこそシスコンになれる自信がある←
自信どころか確信さえ持てr((
待って身長167.7とか憧れる(真顔)
身長高い女の人ってスラッとしててほんと綺麗だよね
私もせめて160にはなりたいんだよな←

Twitterでもいつもいつもありがとおおお
もう何度元気を貰った事か…
いつもいつも通知欄に本体様からってくるとにやぁってしてる変人←

規制解けたからこれからも菊君愛でまくれるって事でかなりテンション上がってまs
ほんと変なテンションで申し訳無いwww

  • No.821 by 露木 菊  2015-06-05 20:55:13 


>桐崎

(相手が去った後、男子生徒と共に部屋に戻るも歌にも男子生徒の話にも集中出来ず、結局男子生徒と別れた後に向かったバイト先でも相手のことばかり考えて。
夜、バイトからの帰り道、男子生徒のSNSから《そろそろ終わりの時間っすよね?お疲れ様っす!!》と通知が来ており、ついこの前まで相手が送ってくれていたのにと相手のSNSを開いては《昼間に会った男と本気でまた会う気か?》と送ろうとするも躊躇っていたところに丁度兄が現れて未送信のまま携帯をポケットにしまい。
『あ、菊もバイト帰り?今日はこのままアパート?』
「そのつもり」
『…で、繿とはどうなの?…って聞くまでもないか』
「…………なぁ」
『ん?』
「…あいつ、また何か困ってるみたいなんだ。さり気なくフォローしてやってくれないか」
『自分ですれば?』
「俺は駄目だよ。あいつ…俺のこと嫌いだし」
(昼間カラオケで顔を近付けてきたのも睨まれただけなんだと勘違いしては「じゃあ…頼む」と相手と瓜二つな兄とは居辛くて足早にその場を去り兄の呆れた表情にも気付かずに。

(兄と別れた後、まっすぐアパートに向かう気にもなれず意味もなく夜の街をぶらつきCDショップに向かっては相手のことを考えないように男子生徒の好きそうな曲をヘッドフォンで試聴するも音は全く入ってこずにぼんやりしていて。


(/いやいやいや、ほんと貴重な制限使ってくれて感謝だよ。
私もロル久々でグダグダだ…。あ、いやグダってるのは私だけだけど(ここ重要←
ほんと繿くんと本体様の存在だけで疲れなくなるから不思議('ω')

いやでも私の場合、高いだけだからね。
太ってはない…筈だけど知っての通り絶壁だから←
上司(男)には「垂れる心配ないn(( 」って言われるしorz
これからの時期だとかわいい水着いいよなぁって。着れないけど…。
もうこの歳だと水着とかタイムリミットが←
小さいの可愛いよ!ふわっした服似合うしヒール脱いだ時のギャップ萌えが(黙)
というか本体様だったら何でも可愛い!!

こちらこそいつもありがとね。
菊が浮気に走り続けていますが多分しばらく続くと思われw
とか言いつつ考えはなにもなi(
テンションのおかしさなら負ける気がしないからじゃんじゃん来ていいよ笑

  • No.822 by 桐﨑 繿  2015-06-13 00:34:22 




>露木

( カラオケ店を出てからも何処か空虚な気持ちは晴れずぼんやりとして居ては丁度前方に目立つ赤髪が見え足を止め、此方に走って来る青年に目をやり。
街中にも関わらずぶんぶんと手を振る青年に若干呆れつつ手に持ってた携帯を仕舞って。
『兄さん1人??何してるの??』
「別に何も。…お前は何してんの」
『いや、借りてたレンタルCD返すの忘れててさー…。これから返しに行くところ。兄さんも一緒に行こうよ!!!』
「戻り道なんだけど」
『えー良いじゃん、兄さん行かないなら俺も行くの止めような。その所為で延滞金取られちゃうけど』
「は、人の所為にすんな」
( 口ではそう言いつつも特に行く宛も無かった為渋々青年に付き添う事にしては道を戻って。

( 訪れたCDショップ、青年がカウンターレジに向かうのを尻目に好きなアーティストのCDを手に取ったりとしていて。
不意に相手の顔が浮かび“彼奴はどんなの聴くのかな”なんて考えるもそれと共に男子生徒が頭を過ぎれば溜息を漏らし。
青年がレンタルフロアへと向かうのが見え借りるつもりは無いが自分も其方へ向かおうとした時、ヘッドフォンで視聴してた人と肩がぶつかってしまい謝ろうと振り返って。
案の定それは相手、こうも運命的にばったりと会う事に気を向ける余裕すら無く一瞬動揺するも「…悪い、ぶつかった」とぶっきらぼうに謝罪して。
青年が自分と相手の姿に気付き此方に駆け寄って来ては『あれ、露木も来てたんだ』と何も知らない普段通りの様子で言って。
到堪れずに「………行こ、」と青年の肩を押しては再び店の奥へと行こうとして。

( / えええ身長高いのほんと憧れる、なんかもう綺麗だよね((
お、男の人に言われるとあれだよね←
私も『なんか…可哀想だな』って真面目に言われた☆
あああもう本体様素敵過ぎてヾ(⌒(ノシ ^q^)ノシ
なんかこう…癒し効果半端無いんですが((

大丈夫大丈夫、そんな菊くんも可愛過ぎ俺得((
どうも深夜だとテンション可笑しくなる←
そして相変わらずの菊くんと本体様に元気貰っちゃった、明日もお仕事頑張れるううう_( っ`ω´)っ

  • No.823 by 露木 菊  2015-06-14 15:09:03 


>桐崎

(肩に当たった衝撃に振り返るとそれは相手で気まずい空気に目を逸らすも相手が青年と奥に行こうとするのを見ては反射的に相手に手を伸ばそうとし。
しかし丁度その時『先輩!!』と声を掛けられそちらを見ると笑顔の男子生徒が近づいてきて。
『先輩バイト終わったならSNS返してくださいよ。迎えに行こうと思ってたんすから』
「ごめん。でも態々いいのに…」
『もう来ちゃったんで、いいっすよね?って先輩そのCD…。…あ!!桐崎と赤城じゃん』
(忙しない男子生徒についていけず手を引かれ相手の前まで連れていかれてしまっては再びやってきた気まずさに視線を床に落として。
『お前らも来てたんだ。それより聞けよ。先輩が態々バイト帰りに俺の好きなアーティストのCD聞いててくれたんだよ。ね、先輩?』
「え…、ああ。まあ…」
(態々ではないけど…と思いつつも相手を忘れようと試聴していたのに違いないため曖昧な返事をしては息の詰まりそうな空気から逃げるように男子生徒の手を取り、店を出る際『今日先輩の家に泊まっていいっすか?』と問われ背中で相手の反応を気にしつつ黙って小さく頷いて。

(アパート、ベッドに座り男子生徒のシャワーを待つ間も相手のことを考えてしまっては、今夜は青年も一緒だし変な輩に絡み絡まれることはないだろうと。
兄はちゃんと相手を支えてくれるだろうかと苦悩していたところ男子生徒がシャワーから上がってきて髪を拭きながら隣に座ってきて。
『さっき良いこと思いついたんすけど。…蛍見に行きません??俺、人が少ない穴場知ってるんすよ。先輩、自然好きっすよね?』
「好きだけど…、蛍って虫だろ…?」
『ま、まあそうすっけど…。なんか違うじゃないすか』
(“虫嫌いっすか?”“本当に行かないっすか?”とどこか必死な男子生徒に申し訳なく、どこか可愛く感じては「…じゃあ行くか」と苦笑を零し。
_これは浮気ではないんだから後ろめたさを感じるのは可笑しいと言い聞かせながらシャワーに向かうも頭の中では今頃相手は青年と一緒なのだろうかとやはり相手を想っていて。

(/あれだね、ネタにして開き直るしかないよね。
着物が映えるってのがいいくらいだわw

こちらこそいつも繿くんと本体様に元気貰ってるよ。そして悶えr(ry
自分に画力さえあれば絵とか描きたいんけどね。
遺伝子レベルで御免なさいな感じだからww 
それはさておき、あんまりここで話してると大変だろうから返事は蹴っていいよ。
楽しくてつい長々としてしまうけど←

  • No.824 by 桐﨑 繿  2015-06-25 03:43:21 




>露木

( 男子生徒の言葉に相手の気持ちが男子生徒に向いて行ってる事を確信しつつ身勝手にも悔しさを感じては勝手に苛立ちを覚えて。
青年と共に軽く店内を見回った後、寮への道を辿りつつ夜の商店街を通ればふと店横の壁に夏祭りの宣伝ポスターが見えて。
『兄さん見て見て!!!夏祭りだってよ、行こうよ!』
「バイトあるかもだし」
『えー行こうよ、ね、浴衣見に行こ』
( ぎゃあぎゃあと騒ぐ青年を尻目にどうせ相手はあの男子生徒と行くのだろうかと思えば若干自暴自棄になってしまい二つ返事で了承して。
どうもあの男子生徒が気に入らない、苛々を押し殺し明日青年と浴衣を見に行く約束をしては互いの部屋に戻るべく廊下で別れて。

( 翌日、一人で食堂へと訪れてはばったりと兄に出会しスマホを片手に此方へと歩み寄って来て。
画面を此方へと向けられそこに合ったのはどうやらSNSのトークルームで。
『あのさ、なんだっけあの子。菊の事狙ってる…』
「なんで名前も知らねぇのに追加してんだよ」
『木ノ宮に聞いたの。昨日菊の家に泊まったってTL流れて来たんだよ!!!!!そんで個人行ったの』
( 画面に写し出されるトーク履歴を上から順に見て行き、その会話の内容に思わず溜息を漏らす。
《兄:ちょっと、菊の家にお泊り??》
《男子生徒:はい!!!二人で蛍見に行っちゃいました(´∀`)》
《兄:幸せアピールとかいらないから》
《男子生徒:あ、もしかしてヤキモチっすか??兄弟ってタイプも同じなんすね》
《兄:喧嘩売ってる??(#^ω^)》
《男子生徒:冗談っすよwwwww》
( スマホを戻し画面を閉じる兄から視線を流しトレーを片手に席については兄が目の前に腰を下ろして。
トーストを齧りつつ自分も携帯に目を向けた所で兄が数人の女子に目前で何かを渡されていて。
女子達が去って行った後、「何それ」と無愛想に聞けばどうやら連絡先の様で。
「へー、忙しいな」
『連絡しないよ??興味無いし』
「お前昔からヘラヘラしてるから勘違いさせてんじゃねぇの??うっわあの子かわいそ」
『そういう言い方やめてって』
( あいも変わらずヘラヘラとしてる兄を冷めた様に見てやりコーヒーを喉に流しては自分もSNSを開き相手のトークルームで指を止めるも再びホーム画面へと戻ったりを繰り返していて。

  • No.825 by 露木 菊  2015-06-27 18:54:19 


>桐崎

(朝、男子生徒と共に朝食を取るも相手の事を考えすぎてよく眠れなかったせいか頭はぼーっとしておりベラベラと話す男子生徒の話の内容をよく聞きもせず「ああ…」と相槌を打って。
『まじっすか?!じゃあ決まり!!』
「何が?」
『何がって夏祭りっすよ。浴衣は俺が特注で用意するんで心配無用っす』
(何も特注じゃなくてもと言おうとするが当人が楽しそうだったためまあいいかとコーヒーを啜り、テーブルの上に置いてある通知の来ないスマホを静かに見つめていて。

(祭り当日、さほど大規模でないにも関わらず人で賑わう屋台通りを慣れない浴衣でゆっくり歩きつつ、あれもこれもと色々勧めてくる男子生徒に苦笑を零し。
「楽しそうだな」
『先輩は楽しくないんすか?』
(そんなことないよと差し出された冷やしパインを受け取って一口齧ったところ遠くから黄色い歓声が聞こえ何気なくそちらに目をやっては女子に囲まれる浴衣姿の兄がいて。
『あそこにいるの綸さんっすよね。さすが兄弟揃ってモテモテっすね。弟とはタイプ全然違うっすけど』
「…そうか?」
(適当に返事しながら兄がいるなら…と相手の姿を探すも銀髪が見えた気がした瞬間『先輩。』と声を掛けられ我に返り。
男子生徒の視線の先が冷やしパインに向いてることに気付いては「…食べるか?」と口元へ持っていきパクつく姿に目を細めつつ再び人混みに目をやっては気のせいかと息を吐いて。

(それから暫く二人でたこ焼きなどを摘みながら立ち並ぶ屋台通りをぶらつくも無意識に相手の姿を探していたせいかいつの間にか男子生徒とはぐれてしまい。
仕方なしに袂に手を入れるもあるはずのスマホがなくアパートに置き忘れたことに気付いては、なんてベタな…と頭を抱えとりあえず人が少ない横道にそれて。
こんな人集りから男子生徒を見つけるのは困難。落ち合う場所くらい決めておけば良かったと後悔しつつ道行く浴衣姿の人々を見ては、何故かいつか会った江戸の相手のことを思い出し、何で江戸での仲は上手くいってるのに現代では駄目なんだと自分から相手をふったようなものなのに身勝手に気落ちしては視線を地面に落として。

  • No.826 by 桐﨑 繿  2015-07-16 03:12:24 





>露木

( 祭り当日、慣れない浴衣ではしゃぐ青年と共に屋台を見回ってた所兄とも見事に合流し適当に空いた席に腰を下ろして。
花火まではまだまだ時間があり、かき氷を頬張る青年を尻目に携帯を取り出してはやはり当たり前か相手からの連絡は無く。
溜息を付きそうになるのを寸の所で抑えては向こうから浴衣姿の女子達の黄色い声が聞こえて来て。
「 うるせ…、何、こんな所に有名人でも来てんの 」
『 すごいね-…サインでも貰って来よっかな 』
( ケタケタと笑う青年に軽く笑いそちらに目を向けた所、女子達の間から一瞬相手が見えた様な気がしたが気の所為だと自分に言い聞かせ視線を逸らして。

( 暫く屋台を見回った後、兄や青年達が声を掛けられるのを尻目にそっと輪を抜けては少し外れた場所にて煙草に火を着けて居て。
煙を吐き出し満月を見上げてた所、丘の上でのこの場所に来たのは初めてなのに何故か懐かしく感じ。
その刹那、僅かに先に相手の姿が見え暫く様子を伺ってた物の何故か男子生徒の姿は無く。
数人の女子達に“ 一緒に回りませんか ”と誘われてる様子の相手を見てる内に放って置けずそちらへと小走りで向かってはさも一緒に来たかの様に「 お前何はぐれてんの?? 」なんて声を掛けて。
それとなく女子達を追い払っては急いで来たからか僅かに乱れた浴衣を直し、凛とした相手の浴衣姿に見惚れるもパッと視線を流して。
「 お前一人で居たら普通に考えて絡まれんだろ、…あいつ( 男子生徒 )は?? 」
( 無愛想に問い掛け相手の顔を見れないままに辺りを軽く見回しては小さな溜息を漏らして。

  • No.827 by 露木 菊  2015-07-19 00:27:48 


>桐崎

(女子達からの誘いに困っていたところ相手が現れ上手く立ち回ってくれたことに驚きつつ、愛想なく聞こえる問いかけには素直に男子生徒とはぐれてスマホを忘れてしまったことを告げて。
まさか相手の姿を探していたからはぐれた…なんて言えずに視線を賑わう屋台通りへとやるも慣れ親しんだ煙草の残香が微かに香っては隣をほんの少し見て。
「浴衣、似合ってるな。…それにこの場所、なんか懐かしい感じがする」
(前方の人並みに視線を戻しながらしみじみと零すもハッとなって「何言ってるんだろな」と苦笑を零し。
「赤城たちと来てるんだろ?花火も始まるだろうしあいつらのところ戻れよ。磯貝とは、まあ…最悪祭りが終わってから会えれば……いい、し…」
(本当は相手といたい、でも今更一緒にはいられないと心の中で葛藤しながら余所余所しい笑顔で言うも相手の顔を見た瞬間言葉を詰まらせ俄に真剣な表情になり。
「少し、じっとしてろ」
(声を落として相手の正面に回っては左肩をグッと掴んで顔を近づけるようにして紅い瞳を見詰め、そのままゆっくり相手の頬へと手を伸ばし触れる寸でのところで相手の頬を指でピンッと弾いて。
直後、相手の頬から小さな黒い影が羽音を立てて飛んでいき。
「蚊、止まってた」
(一言ボソリと呟いては袂から何故か持っていた虫さされの薬を取り出し僅かに赤くなった相手の頬につけようとして。

  • No.828 by 桐﨑 繿  2015-08-10 23:17:54 




>露木

( 男子生徒とはぐれた挙句、スマホを忘れたなどと聞けば“本当に此奴は…”なんて零したくなったが浴衣の事を褒められては照れ臭さから目線を逸らして。
“お前も良く似合ってる”なんて気の利いた事を言えれば良いのだが口下手な自分の性格上その言葉は口から出る事は無く心に留まっていて。
青年達の元へ戻る様に促されるも相手を一人放って置ける筈も無く何か言おうとするも“磯貝とは祭りが終わってから会えれば良い”との言葉にこの後も二人で過ごすのだろうかと解釈してはどことなく悔しさに塗れ不機嫌な表情が漏れてしまい。
顔を横に向けたまま相手の言葉が止まるのに気付き改めて視線を交じわせば掴まれた肩と共に胸の鼓動が煩く騒ぐのを感じて。
伸ばされた手に僅かに身構え目を細めるも頬に軽い衝撃を感じては呆気に取られた表情で相手を見詰め。
羽音と共に蚊の存在に気付かされては期待したみたいじゃないか、と羞恥が込み上げ髪をグシャリと掴んでは再び頬に手を伸ばす相手の手首を掴み。
「 あー……………くそ、馬鹿みてぇ 」
( 僅かに赤くなった表情を隠すべくがっくしと下を向いては花火が打ち上がる音に気付きそちらを向いて。
手首を掴んだままな事もすっかり忘れ暫く立派に打ち上がる花火を見ていては向こうからこちらを呼ぶ声に気付き。
こちらに向かって来てるのはどうやら相手を探してた男子生徒の様で慌てて相手の手を離せば「 …行けば 」と小さく言って。

  • No.829 by 露木 菊  2015-08-16 02:48:49 


>桐崎

(手首を掴まれやや驚くも項垂れる相手を見てはその心情が掴めず体調でも悪いのかと声を掛けようとして。
丁度その時花火が上がっては色付く夜空に目を向けるも同じように花火を見上げる相手に気付きそっとそちらに目を移し。
端正な顔立ちに羨む程の高身長…そして綺麗な銀髪が多様な光で彩られるのに見惚れては掴まれる手首がじわりと熱くなるのを感じて。
このまま時間が止まればいいのにと切に願った時、自分の名を呼ぶ男子生徒の声と共に相手の手が離れては酷く寂しく思え、“行けば”と言われてもすぐに動けずに。
_これで最後にしたくない、なんて我が儘な感情が先立っては相手の手を掴み返しグッと自分の方へ引き寄せ耳元で「明日の昼、時計台で待ってる」と一方的な約束を囁いて。
一息置いて少し離れては掴んだ相手の手に塗り損ねた虫刺されの薬を押し付け「まだ暫くいるんだろ?使えよ。…それじゃあな」“繿”と去り際に花火の音でかき消されるくらいの声で名を呼んで男子生徒の元へ行き。
『先輩どこ行ってたんすか。てかぼーっとしてたら駄目っすよ』
(男子生徒のお叱りに平謝りしつつ相手のぬくもりが残る手を繋がれるのが嫌で袖に手を通し腕を組んでは我ながら“馬鹿みたいだ”と。
瞬間、相手が先程零した“馬鹿みてぇ”の言葉が重なり、もしかして相手は何か期待してくれたのかと振り返ろうとして寸でのところでやめては『静かに花火が見えるところがある』という男子生徒についていき。

  • No.830 by 桐﨑 繿  2015-10-21 13:05:30 





( / おおおおお久し振り過ぎて…っ!
そしてそしてずっと来たかっただけに胸の高鳴りが五月蝿いんですけど((殴
時間開きすぎたので取り敢えず季節は冬、繿は菊君とぎくしゃく曖昧になったまま暫く街を離れてたと言う事にしてました…不備とかこうした方が良くない?とかあったら言ってね!
年齢迷ったけど暫くは永遠の18歳((殴
サザエさん方式で行きまs←
ほんとにほんとにありがとう、また宜しくお願いします!



( 駅前の時計台下、この時計台も思い出深かったななんて1人思い出しては学校へ向かう道へと進み。
バイト先には全部連絡を済ませ復帰を許して貰ってる為その辺りの心配はなく、時間が出来たら孤児院の子供達にもまた会いに行かなくてはと。
ふと鳴り響いた携帯を取り出し兄からの着信に出ては今居る場所を告げて。
『やっとこっち帰るんだ、もう…いきなり居なくなったと思えば“明日帰る”って連絡だし。本当自分勝手だし物事浅読みし過ぎ』
「悪かったよ、とにかくそろそろ寮着くから」
( あっさりと素っ気無く謝り、あれ以来連絡を取ってなかった相手の連絡先を開いては僅かな期待と共に会いたい気持ちと会いたくない気持ちが交差して。
本当はあの日、時計台の元へ行きたかった。
しかし運悪く、以前相手を戒めてた取り巻きが相手が1人で居ると言うのを良い事にそちらに向かってるという情報が青年から入り時計台に向かうか取り巻き達の元へ向かうか苦渋の選択が下された。
結局時計台には迎えず、それでも相手が無事ならいいでは無いかと己に言い聞かせ、その気まずさから逃げる様にここを離れたのだ。
今更ながら本当に情けないと軽く眉を寄せては少ない荷物を片手に寮の前にてキーカードを翳して。

( 高校生男子寮の入口、腕を組み昇降口に持たれてる兄を見付けては変わらない無表情で横を過ぎて。
『え、ちょ、久し振りに会った兄弟にその態度?』
「ん、ただいま」
『え、あ、お帰り』
( 呆れた様に溜息を着く兄と共に自室へと向かう途中、向こうから走って来る赤髪に気付いてはそのまま勢いよく胸倉を掴まれて。
『兄さん!!!いきなり居なくなったと思えば!!!高校では兄さんが女の子と駆け落ちしたって噂になるし!!!!!結婚するから離れたらしいとか訳分かんない噂あるし!!!!!』
( ぎゃあぎゃあ騒ぐ青年を尻目に噂とは怖いもんだなと呑気に考えてはさっさと自室に入り制服を来て。
職員室に向かわなければと青年と兄に告げてはまだ生徒が行き交う廊下へと出て。

  • No.831 by 露木 菊  2015-10-22 01:00:14 



(わわわ、もう口角緩みっぱなし!!
そして素敵な設定ありがとう。サザエさん方式了解!
正直過去の細かい設定曖昧で矛盾出てくるかもだけどその時は訂正していいから。
菊君はあれから拗ねて、アパートにて男子生徒(磯貝君)とちゃんと好きとも付き合うとも言わずだらだら半同棲生活続けてます。恋愛感情ありません(最低)
そしてそして久々のロルで読みづらい上に全く絡んでない(_ _)ペコ
あと嬉しくて一日でロル返しちゃったけど、返信は気が向いた時ゆっくりで大丈夫だよ!



>桐崎

(アパートの自室、外から聞こえるバイクの騒音で目を覚ましてはベッドの上で一度寝返りを打ち、もぞもぞとスマホを手探りで掴んで時間を確認して。
時刻は正午前。今朝は夜勤バイトの朝帰りで同室で眠る男子生徒の弁当だけ準備して寝た。
今朝方、男子生徒が『行ってきます』とか言ってたようなとボサボサの髪を掻きつつ洗面台に向かい。
ふと目についたピアスの痕。そっと触れては相手はどうしているだろうと。
一方的に取り付けた時計台の約束を振られてから相手を想わない日はなかった。
あの日、もう一度だけ自分の気持ちを告げ今度は逃げずに相手の気持ちを聞くつもりだった。が、結果相手は来ず連絡もなしに姿を消した。加えて後に聞く“噂”は耳が痛いものばかり。
要するにそれが“答え”なのだろうと、相手が自分を守ってくれた事実は兄や青年との連絡の行き違いで知ることはなく、悲観的な解釈をしては此方から連絡することもなく男子生徒の好意を利用して行き場のない感情をやり過ごしていて_。
出来ればもう相手のことは考えたくないな_と思考を今晩の献立に無理矢理移行しては冷蔵庫を開くも見事に空っぽで。
今日は大学の講義も入れていなく予定はない。買い出しに行くかと軽装かつ眼鏡という抜けた恰好で肌寒さを感じつつ近所のスーパーに向かい。

  • No.832 by 桐﨑 繿  2015-10-22 23:36:57 





( 教師などへと挨拶をさらりと済ませ今日の夜からバイトへ出れるという事をバイト先の居酒屋へ連絡を入れては1度自室へと戻り。
流石に長期空けてただけに食べ物や飲み物は一切無く、面倒臭そうにブレザーの中にパーカーを着込みフードを出しては珍しくヘアバンドも髪のセットもしないまま以前より僅かに伸びた前髪を下ろしていて。
欠伸を漏らしながら寮を後にし、ここから一番近いスーパーへと向かってはカゴを取りミネラルウォーターを数本カゴへと放り投げて。
ふと鳴り響いた着信音、以前相手にCDを貸した事もある例のアーティストの曲。
肩で携帯を支え片手にカゴを持ち、暫くは料理もしないだろうとインスタント食品コーナーにて物色しては電話先のバイト先の店長の話に耳を向けていて。
『仕事内容とかは覚えてるよね、今日明日って休みの所多いじゃん?文化祭の振休でさ』
「あー、確かそうみたいっすね」
『繿君も戻ったばっかで疲れてるでしょ。今日夕方頑張ってくれたら明日はお休みあげるから』
「や、別にー…」
『良いから良いから、君くらい若い子なら彼女くらい居るんでしょ?ご飯でも行ってきなよ』
( お節介というか人が良いのか、店長の言葉に甘える事にしてはカップラーメンを適当にカゴに投げ入れては会計へと向かおうとしていて。

  • No.833 by 露木 菊  2015-10-23 20:53:26 



(訪れたスーパー、野菜を物色していると背後の商品棚を隔てて聞き覚えのある曲が耳に入っては嫌でも相手を思い出すも、まさか当人がいるとは思わずに買い物を続け。
必要な物をカゴに入れレジに向かうところ、今度は自分のスマホに着信が入り出てみると男子生徒からで。
『あ、先輩。今日も泊まりいいっすか?』
「あれ…寮空けすぎると寮長に怒られるから今日は寮って言ってなかったか?」
(相変わらず声がでかいと内心げんなりしつつレジにカゴを持って行くも視線を上げた瞬間、一列前のレジに見間違えようのない銀髪の後ろ姿を見つけては思考が停止して。
『…先輩?』
「……あっ、いやなんでもない。いいよ、来て。」
(何事もなかったように返事をしては通話をしたまま会計を済ませて店員に申し訳ないと軽く目配せし、袋詰の台に行くと同じく会計を済ませた相手とそこで初めて目が合って。
「ん、じゃあ待ってる。」
(ピッと通話を切りスマホをポケットにしまっては相手を見つめ直し、ほんの間をおいてにっこりと微笑んで。
「偶然。てか帰ってたんだな。…またそんなものばっかり食べて。」
(時計台でのことや今までのことなど素知らぬ顔でよく他人に向ける笑顔を向けつつ、相手のカゴの中を見ては態とらしく呆れてみせ。
_前髪、伸びたな…なんてちょっとした相手の変化に気付く自分に嫌気がするも表情には出さずもくもくと商品を持参した袋に詰めては「それじゃ。」と軽く手を振りその場を去ろうと。

  • No.834 by 桐﨑 繿  2015-10-31 16:27:38 





( 会計を済ませビニール袋を片手に袋詰の台へと訪れた際、真正面から相手とばったり出会して。
電話口の相手に言ったのであろう“待ってる”と言う単語がやけに鮮明に聞こえては視線を斜め下へと流し無意識に軽く唇を噛んでいて。
以前と変わらない、それなのにどこか空っぽにも感じ取れるその笑顔も何故か気に食わず立ち去ろうとする相手の手を咄嗟に掴んでしまってははっとして。
会話を生み出せる様なたちでは無く暫く頭を巡らせた後に思い出した様にバイト先のチラシを取り出しては相手に押し付ける様に渡して。
「今日ハロウィンのイベントなんだよ、それ持ってくと安くなるから。ノルマ達成しなきゃだし暇だったら…」
( “さっきの電話の相手とでも来れば”なんて嫉妬丸出しの言葉を言い掛けそうになったところでぐっと堪えては大股で相手の横を通り過ぎて。

( 夕方、制服に軽い仮装を混ぜるスタッフ達と共に料理の仕込みを済ませてはハロウィン仕様の店内をぼんやりと見ていて。
『桐崎、見てみこれ。今日だけのブラッドオレンジ』
『わ!真っ赤!血みたい!』
( はしゃぐバイト仲間に軽く笑みを零しては綺麗に施されたいつもと違うメイクに触れてみたりして。
『お前もやれよ、ほら、蜘蛛の巣描いてやるから』
『うんうん!私は目尻に蝶々描いて貰ったの、先輩意外と上手だよ!』
( いらないと断ろうとするもしつこい押しに負けてしまい困った様に描いて貰った後改めて先輩にまじまじと顔を見られては『この髪自毛…だよな、眉毛も髪も根元から銀髪だし。そんでもって割と色白いからお前ほんとに吸血鬼だったりして』なんて冗談混じりのからかいを受けては苦笑いを漏らして。
いよいよ開店時間、それなりに若者層に人気の居酒屋だった為に入口には既に列が出来ており、順番に席に案内しては本日限定のジュースやら酒やらを忙しなく運んで。

  • No.835 by 露木 菊  2015-11-02 21:32:06 


(アパートの自室、ベッドに仰向けに寝そべり先程相手に押し渡されたチラシをぼんやり眺めていると再び着信音が鳴り、今度は木ノ宮(若頭)からで。
『ねえ聞いて!繿が帰ってきたんだよ!』
「知ってる。さっき会った。」
『なーんだ。まあいいや。でね、繿のバイト先でイベントがあって僕、魔女の仮装して行こうと思うんだけど一緒に行こうよ!というか磯貝君にはもう話つけてあるから!!』
(拒否権ないし、と内心毒吐きつつ待ち合わせの時間を決めて、その時間になると着替えるのも面倒だったため服装も眼鏡もそのままに街へと出て。

(居酒屋に来ると行列最後尾に何故か人集りが出来ていてよく見るとその中心に完璧な魔女っ娘に仮装した若頭がおり、こちらに気付くと人をかき分け駆け寄ってきてクルッと一回りし。
『どう?可愛いでしょ!僕の手作りだよ!…って菊、何その冴えない格好。』
『先輩遅いっすよ。木ノ宮さんと二人でいるの辛いんすよ。…目立つし。』
『それ本人の前で言うかなあ。それと今は優ちゃんね!』
(ぎゃーぎゃー騒ぐうち順番が回ってきては仮装した女店員にテーブル席にへ通され、自分は壁際に、その隣に男子生徒、正面に若頭という形で座って各々ドリンクを注文し、自分は何となく飲みたい気分だったため比較的アルコールが弱い梅酒水割りを頼んで。
『あ、見てみて。さっすが繿。逆ナンされてるよ。やっぱモテモテだね。また変なのに難癖つけられないといいけど。』
(若頭の言葉に横目でそちらを見ると酔った女性客に『吸血鬼の繿くんも格好いい!』『血吸われたーい』などとしつこく絡まれ、その様子を他の男性客が恨めしそうに見る見慣れた光景に冷めた心で視線を外して。
『先輩、何食べますか?限定メニューもあるみたいっすよ。』
「どれ?」
(無意識の嫉妬か、相手への当て付けか見られているかも分からないのに男子生徒に身体を密着させるとメニューを覗きこむようにして。

  • No.836 by 桐﨑 繿  2015-11-07 04:33:13 





( 想像通りと言った所か、やはり忙しい様子の店内を忙しなく動き回る際に向こうの席に相手と何時ぞやの男子生徒、若頭の姿が見えては息を飲む。
自分が誘った癖にも関わらず仲良さ気に男子生徒との近しい距離に身勝手に苛付いてはガツガツと靴音を慣らし厨房へと入りオーダーを告げて。
女性店員数人が相手グループの容姿の端麗さに黄色い声を上げる中、やはり気に食わない様子で小さく舌打ちしては呼び出し音に気付き早足でテーブルに向かって。

( 運の悪い事に相手グループの近くの席、女子会とでも言うやつだろうか。
大学生と思われる人が数人、次々とドリンクやおつまみやらを頼むのを聞いてたが相手グループの事をチラチラと見ては何やら“格好良い”だの“声掛けてみようか”だのと聞こえて来て。
こっちはオーダーを取りに来ただけ、しかし何故か自分のものでもない相手を取られてしまう様な身勝手な焦燥感に駆り立てられては椅子に座る客の目線に合わせしゃがみ込み以前のバイト( ホスト )の時の悪い癖を持ち出してしまって。
「 御注文は以上ですか?本日限定のパンプキンパイもお勧めです、実はこれ俺が考えたんですよ 」
( 普段無表情の癖して何とも胡散臭い笑顔を貼り付けては相手グループからの視線を外させる様に自分が考えた訳でもない料理を勧めて。
快く注文してくれた客に「 ありがとうございます 」と笑顔を向けては振り返りざま直ぐ無表情に戻り客席から見えるドリンクカウンターにてドリンクを作り。
ここの居酒屋は料理やおつまみは厨房で作るがちょっとしたバーの雰囲気を用いれてかドリンクだけはカウンターにてスタッフが作る事になっている。
ドリンクを掻き混ぜながらもやはり気になるのは相手と男子生徒、気にしない様にするも無意識にそちらに目が行ってはイライラとして。
それに気付いたのは若頭のみ。
態とらしく溜息を付いては相手に『あぁもう、わんわんが怖い顔してぐるぐる言ってるよ』なんて意味深な事を言い頬杖を付いていて。

  • No.837 by 露木 菊  2015-11-08 21:12:33 



(メニューの中からつまみなどを選んでいると、近くの席から黄色い歓声が聞こえ視線を上げてみれば丁度相手が女の前で跪き注文を取るところで。
赤面する女性客達は明らかに相手に酔いしれている。相手が何故そんな行動を取ったかなど知る由もなく、無性に腹が立っては運ばれてきた梅酒をグイッと流し込んで。
その為、その後の相手の苛立った様子など気付くはずもなく、若頭の言葉に再び視線を相手にやっては「気に入りの女を落とせなかったんじゃないのか。」と刺々しく言い捨てて。

(相手を視界から除外しつつ食事を進め、それも終わりがけのころ、手洗いへ行き席に戻ろうとすると見知らぬ年上らしきケバイ女性に声をかけられて。
『ねえ、今から時間ある?』
「…は?」
『ちょっと私と抜け出さない?これからクラブ行こうと思うんだけど一人じゃつまらないの』
「いえ、連れがいますので。」
『いいでしょ?お姉さんがおごるから。』
(あー酔ってるんだなと面倒に思うがフと目に入ったのは笑顔で女性に接客する相手の姿。
仕事をしているのだから笑顔なんて当たり前。だが時計台でのことや突然姿を消したことが頭を過り急速に心が荒めば、微笑を女性に向けていて。
「じゃあ、付いて行っちゃおうかな。」
(柔らかい微笑みのまま女性の手を取っては一度、席の前まで行き「ちょっと用事出来たから。」と数千円金を置くと『ちょ、先輩?!』と慌てる男子生徒を無視して、最低だと分かっていながら店先に出て。

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