xxx 2014-12-29 00:12:16 |
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>露木
( 相手を探し街を走り回ってた所、ふと女カップルと出会しては咄嗟に腕を掴まれ『警察に貴方が脅されてた証拠を送り付けてやったわ、これで何とか助かった。………でも貴方のお兄さんと恋人さんの連絡先までは私も知らなくて………。きっとまだ誤解してるわ』と。
自分で誤解を解かなければならない事は分かってた、コクリと頷いては再び相手を探し始める。
汗をグイッと拭い警察署の前を通り掛かった所でばったりと相手に出会しては呼吸を整えつつ駆け寄る。
「……………ごめ、………どっから……話せば良いのか………」
( 眉を寄せやっと呼吸が整った所で相手を見詰め気不味そうに口を開く。
しかしその刹那、相手を追って出て来た兄が自分を見るなり目の色を変え相手から突き放す様に自分の肩をドンッと押して来て。
体制を崩し尻餅を付いては今更何を話せば良いのかと頭を悩ませる。
『何しに来た訳』
「……………話が…したくて」
『今更話す事なんてないから』
( 強い瞳でこちらを見下ろす兄と顔を合わせられずに居れば兄が捲し立てる様に怒りをぶつける。
『…第一さ、女遊びする為にこっちに来たんじゃないんだけど。どうせ菊の事も遊びだったんでしょ??…本当発情期の犬だよ。遊ばれてた女の人達もまさか相手した男が人間じゃないなんて………』
( 兄の表情が“しまった”という色に染まったのに気付いては冷たい汗が流れ顔を俯かせる。
兄にしてみれば本心では無くちょっとした嫌味をぶつけてやるつもりだっただけ。
“そんな酷い行為は人間のする事じゃない”という例えを別の言い方でしてしまった事に後悔しつつ『………ごめん、今のは………』と小さく呟く。
しかしそんな物は耳に入らず兄にさえも自分を否定されたのだと思い込んでは逃げる様に走り出して。
>桐崎
(警察署を出たところで相手と出会し切羽詰まった様子に話をちゃんと聞かねばと思うも兄に間に入られてしまえば押し黙るしかなく。
しかし兄の辛辣な言葉により走りだしてしまった相手に胸が痛んではこのままではいけないと後を追おうとするも一度兄に向き直り「きっとちゃんと話せば大丈夫だ。あんたの気持ち分かってくれるよ。……此処まで来てくれてありがとな」と言い残し相手の後を追って。
(夜の街、怠い身体に鞭を打って相手を探しまわり漸く相手の背中を見つけては駆け寄ろうとするも其の前に突如後ろの身体を引かれ路地裏に引きずり込まれ。
身体を羽交い締めにされ手で視界を覆われては突如耳元で何か囁かれて。
次の瞬間頭がぼーっとしては自分の中から相手を愛しいと想う気持ちが消えて行き徐々に深い恨みへと変わっていって。
気付けば自分一人で今起きたことすら覚えておらず、ただ相手を追わねばと足を動かす。
この時、自分を羽交い締めにしたのが能力者で、主犯格の男が捕まる腹いせで自分と相手の仲を裂くため手配したものだとは知らずに。
(深い催眠状態のまま再び相手を探し歩いては、前方に相手を見つけるなり後ろからその腕を掴んで振り向かせ暗く冷たい瞳で相手を見据えて。
「…人を散々裏切って説明もなしに逃げるんだな。……ほんと全部綸の言うとおりだよ。見境なくした発情期の犬だ。あんたみたいなのに惚れてた自分が恨めしいよ」
(冷ややかな声色で冷徹に述べては心の奥底でこんなことは言いたくないと拒絶するのに、あるはずのない憎悪は止まらず暗い瞳のまま相手を捉え。
「…昼間“愛してる”って言ったの、取り消すよ。…あーそうだ。ついでにあんたが“人間だ”って言ったのもなしにする。だって…あんたどこから見ても“化物”だし」
(薄気味悪く笑んでは相手の髪を軽く撫で上げ「嫌な色」と蔑み“本当人間離れしてる”と耳元で囁いては相手の肩を突き放すように押して。
「もう俺に気安く近づくな。別に構わないだろ?あんたに言い寄ってくる奴等はいくらでもいるし。俺もあんたより人間の綸のが気が合うしさ」
(心にもないことを並べ胸が軋むように痛むも能力には逆らえず嘲笑を零してはポケットから最後に相手した男に渡されたクラブの名刺を相手に投げ渡し「そこで遊んで貰えば?尻尾振れば可愛がって貰えるから。…あー、でも発情して本当に尻尾とか耳出さないようにしないとな。一発で避けられるから」と鼻で笑い、能力に抗えぬまま冷ややかに相手を見据えその場を去ろうと。
>露木
( 兄の言葉がグルグルと頭の中を周りやや放心状態でひたすら走ってた所、不意に背後から腕を掴まれては振り返る。
相手の姿に“追って来てくれたのだろうか”だなんて甘えた考えが浮かぶもその冷たい目線と言葉にそんな考えは打ち消されてしまって。
あんなに酷い事をしたのだ、相手が自分を嫌っていても仕方が無いのは百も承知。
しかし未練がましく去ろうとする相手の腕を掴んでしまっては震える唇を噛む。
「ごめん。…あんたを裏切った事に変わりは無い、………でも…そうしないとあんたが危険な目に合うって。………意味分からないよな、………でも俺はあんたを愛してるよ。信じて貰えなくても良い、本心だ」
( 真っ直ぐに見詰めどこから説明すれば良いのかの整理も付かず一番伝えたかった事だけを話す。
それが相手に掛けられた能力だという事も知らずにこれ以上相手から拒絶の言葉を聞くのが嫌で逃げ出す様に場を後にして。
( パーカーのフードをすっぽりと被り実はコンプレックスだった髪の色を隠しては町外れの治安の悪い地域のとあるホテルへと向かい一室借りる。
特にする事も無く、しかし一人でいるのも何となく嫌で青年へと電話を掛ける。
『兄さん!!!今どこに居るの??』
「……………ごめん、兎に角謝りたいから…今から街角のカフェ入るからそこ来てくれるか」
『うん、直ぐに行くから』
( 切れた音と共にホテルを後にし真っ直ぐにカフェへと向かっては青年にだけでも話をしようと。
( 真赤な髪を揺らして走って来る青年をぼんやりと見詰めては何気無くその赤髪に触れる。
『兄さんどうしてフード被ってるの??』なんて呑気に言うのをさり気なく流しては改めて今回の一件の話をし深く謝罪して。
『気にしないで、俺ちゃんと理解してたから。…それよりも露木と綸に説明しなきゃ』
「…あ-…それは大丈夫。赤城が分かってくれたなら…それで良いよ。後悪いけど赤城は綸と露木と先に帰ってくれるか??俺その次の便で帰るから」
『………どうして??まだなんかあるの??』
「無いよ、全部終わった。………綸と露木と顔合わせらんなくてさ、だからって赤城も俺といたらあいつら心配するだろ??」
『……………でも露木は、』
「もう良いから」
( 自嘲気味な笑みを浮かべては青年と別れ再び町外れのホテルへと戻る。
もうこの際兄の様な黒髪になれたらな、と考え染めてみようかと思うも生え際が銀なのは可笑しいかと。
部屋のベッドへ横たわり天井を見詰めては相手の艶のある髪や妖艶で切れ長の瞳を思い出す。
全て自分とは掛け離れた物。
___兄と並べば良く似合う二人、情けないなと考えつつ欠伸を漏らしては深く考えない様にして。
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