xxx 2014-12-29 00:12:16 |
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>桐崎
(相手と青年と別れて訪れた自室、男が相手に抱かせた恐怖など知らずに努めて男に従い寄り添うも、先刻路地裏で見た相手の様子は明らかにおかしく表情も強張っていたように思えて。
それにあの親しげな青年は誰なのか…。考えても仕方ないことを思いつつも男の口から“化物同士”と罵りを聞くのは気分が良くなく「……他の奴の話しないで」と妬く振りをして。
その時、男が自分の机の上に置かれた一枚の紙を見付けては其れを手に取り『此れ何?』と。
その紙は数日後に控えた“高校大学合同教育強化合宿”について記された物。
合同学校ならではのもので数日間少し離れた山の中で学生と生徒が交流し、山登り等をして自然と戯れつつ一緒に勉強しようというもの。
故にグループも部屋割りも高校大学混合。そう言えばそんなのあったな、すっかり忘れてたとぼんやり思いつつ嫌々ながらテキトーに男に説明して。
(その少し先刻の喫茶店、青年も相手に同じ話題を振っており“何処で仕入れて来たのか”まだ未公開の部屋割りとグループ割を得意気に相手に見せていて。
『ねえ聞いてよ。兄さんと俺、旅館で同じ部屋なんだよ。まあ綸とあの露木って人も一緒なんだけどね。しかもびっくりなのが山登り二人組なんだけど兄さん、露木と一緒なんだよ。すごい偶然だよね。あーあ、俺が変わりたいよー。俺なんて綸と一緒だよ』
(ブーブーとごねつつも相手と部屋が一緒だったのは相当嬉しいのか『俺が兄さんの隣で寝るね』『温泉一緒に入ろうね』と笑顔で。
しかし最後には少し真面目な顔をして『合宿中はあの男もいないし仕事からも離れられる。だから少し肩の力抜けるね。……大丈夫だよ』と微笑み相手の銀髪をポンと撫でて。
(数日後合宿初日、共同バスで揺られること数時間、合宿現地に辿り着いてはその山々に囲まれた澄んだ空気に目を細める。
相手とグループも部屋割りも一緒ということがかなり気がかりだが、それより今の自分にとって数日間でも男から解放されるのが心の負担を軽くしており。
その時、少し離れた場所から黄色い歓声が聞こえそちらに目を向けるとバスから下りた相手の周りに女子達が集まり『荷物持ち手伝うよ!』『部屋こっそり遊びに行って良い?』と誘われているのが目に止まり。
相手は男目から見ても格好いい。性格は少々あれだが…子供には優しいし………。
一瞬相手の悲しげな表情が脳裏をかすめては無意識に相手につけられた薄れた鬱血の部分に触れていて、はっとなると小さくかぶりを振って数日間寝泊まりすることとなる畳部屋に向かい。
>露木
( 青年に言われるまで気付かなかった合同合宿、やはり学校には行くべきだなと反省しつつ到着した旅館にて荷物を持ち直す。
言い寄って来る女生徒の中には『ねぇ、露木先生一緒の部屋なんでしょ??誘い出して欲しいんだけど…』と言ってくる生徒もおり、なぜかムッとしては「無理、先生に見付かってどやされんの嫌だし」と。
相変わらずの無愛想で切り抜け尚も相手を誘い出してくれとせがむ女子達を無視しては部屋へと向かって。
( 旅館の部屋の中、相手と兄とも合流し荷物の整理をしながら“あいつも俺と居るのは嫌なんだろうな”と考えてしまって。
高校指定のジャージに着替えては合宿のしおりに目を通して居て。
『兄さん兄さん、今日のレクリエーションは森の中でなんだってよ』
「へぇ」
『楽しみだね!!俺割と自然好きなんだよね、兄さんも好きでしょ??』
( 明るく話す青年の言葉に“野生の狼だからだとでも思ってるのか”と嫌な考え方をしてしまい視線を逸しつつ「別に」と返しては集合場所へと向かって。
( 合宿の目的の中には“人との関わり合いと判断力を高める”という事もあり基本的に集会は少ない。
短い話をされた後、それぞれの場所に戻ってはひとまず渡されたプリントを埋めるべく川へ向かって。
『ねぇ露木、俺生物とか理科系苦手だからさ。色々教えてね』
( 兄がべったりと相手にくっつくのになぜか不満を感じては視線を逸らしプリントの問題を見詰める。
こんなの小学生の野外活動と同じじゃ無いかと悪態付きながら川付近の植物に目を向ける。
『こんなの検索しちゃえば分かるじゃん』
『こら赤城、真面目にやりなさい』
( 兄が青年に軽々しく注意をするのを見ては青年に駆け寄り「一応…ちゃんとやれよ」と。
根は真面目な事もあり何気しっかりと解いてるプリントを青年に見せ「残りの問題さっさと埋めるぞ」と。
兄が相手に引っ付きながらも『あ、俺にも見せて』と言って来てはプリントを取られて。
写すのならば検索するのと同じじゃないかと思うも残りはちゃんとやれよ、と言っては『繿字読みにくい、これ何て書いてるの??』と文句をぶつけてくる兄を軽く睨み付けて。
不意に相手と何気無く視線が合ってしまっては逸らすのもおかしいかと暫し悩むも微笑むなどと自分には出来ない行為、嫌いな奴に微笑まれても気分は良くないだろうしかと言って無視されても苛立つだろう。
暫くわなわなとしては微妙な表情で青年の元へ行き誤魔化しては続きの問題を全員で取り掛かって。
>桐崎
(山の中、学校指定のジャージまで着こなしてしまう相手に流石だなと思いつつ青年とああだこうだ言いながら真面目に問題に取り組む姿が頬やましく見え、ああいう顔もするんだなと。
相手が自分に怒りを向け押し倒してきたことが無かったことのようにすら思える。
やっぱり相手のことはよく分からない…。まあ自分は嫌われているから冷たくされて当然かと。
自分から嫌われるよう仕向けたくせに今更もやもやし始めては考えないよう兄と話して。
(夕方、まだ少し明るいうちにレクリエーションを終え一度旅館に戻っては大広間にて食事を取る。
普段あまりお目にかかれない料理に舌鼓をうちつつ、部屋の前方で教師が風呂の入る順番を確認するのを聞いては、まずいと思う。
昨夜は男が寮に押しかけてきて数日間離れるからと新たに鬱血を付けられたばかり。
他の学生の目を誤魔化すには時間をずらすしか…と考えフと相手を見る。
そう言えば相手の身体には至る所、古傷があった。考えたくないが虐待によるもの。
相手は風呂どうするんだろうなんて考えていると相手に一人の女学生が近付いてきて一枚の紙を渡すのが見え、何を言っているのかは聞こえないがきっと告白か何かだろうと気にしないようにして食事を再開し。
(その女学生、実は相手に逆恨みする男子学生の彼女で、彼氏に頼まれ相手をはめようとしていて。
『あ、あの桐崎君、あとで一人で此処に来て欲しいの』
(演技とはいえ相手の容姿に惚れているのか頬を赤く染めて紙を渡しては『来るまで待ってるから』と。
紙には旅館裏からほど近くのキャンプ場が記されており、勿論そこには男子学生たちがひそんでいて。
>露木
( 渡された小さな紙を開きどうしようかと眉を寄せるもずっと待たせるのも申し訳無い。
適当にあしらい帰れば良いかと判断しては風呂へと向かう生徒達の後姿を見送る。
さて、どうしようかと考えつつ一般客を装い遅めの入浴にしようと考えては時計を見詰め生徒達が入浴を終える大体の時刻を見込んで。
( 食事を終え最後の班が入浴に向かう頃、紙に書かれた場所に大人しく向かっては数人の男子生徒達が居り何となく状況を理解しては溜息をつく。
『お前…気に入らねぇんだよ、調子に乗りやがって』
『少し痛め付けてやろうと思ってな』
( 青筋を立てながら胸倉を掴んで来る生徒を見下ろしては“人間”に“化物”が倒せるのかと。
飛んで来た拳が頬に命中するも切れた口端を軽く拭っては「もう良いのか」と。
怒りを顕にする生徒達に何とか抵抗し一人の首筋に手刀を落としては残りの生徒達に「そろそろ先生が見回りに来るぞ」と。
気絶した生徒を背負い部屋の前に来た所で背負ってた生徒を押し付ける。
嫌な事に巻き込まれたものだなと呑気に考えながら生徒達が入浴を終えた事を確認しては着替えを持ち浴場へと向かう。
今さっきの傷、絶対滲みるよな、なんて考えながら扉を開けた所、遅めの入浴に来てた相手とばったり出会しては驚きから一瞬体制を崩して。
既に皆眠りに付く様な時刻、なぜこの時間を選んだのかは分からなかったが嫌ってる奴と入浴をするのなんて互いに嫌だし気色の悪い傷を見せるのも見せられるのも嫌だろうと。
俯きながら何とか平然を装い「悪い、…誰もいないと思ってた。………俺出るから」と。
僅かに乱れてたジャージの胸元をグッと掴んではさっさと浴室を後にしようとする。
しかし不意に男の言葉が浮かんでは一瞬硬直し俯き加減に相手に向き直るも言葉が出て来る事は無く。
自分が相手の立場だったら化物なんて近寄りたくもないものだろう。
「なんでもない、ごめん。…今出る」
( ぎこちなく言っては再び浴室の扉に手を掛け外に出ようと。
>桐崎
(誰もいない脱衣所にて服を脱ごうとしたところ現れた相手の姿に小さく目を見開く。
相手の頬は何故か腫れていて、切なげな表情で謝り出ていこうとする相手に考えるよりも先に身体が動き腕を取って止めていて。
相手は自分を嫌っていて、互いのためにもこのまま距離を置かねばならない。
分かってはいるのに相手の悲しげな表情を見るのは耐え難く。
掴んでいた腕をグッと握っては此方に振り向かせ、そっと頬の傷に触れて。
「……誰にやられた?」
(眉を下げ問い掛けては、はっとなり目を逸らして「…あんたが謝る意味が分からない。………この時間逃したらここも施錠されるから今入れよ。……俺とは嫌だろうけど」と冷たさを裝い相手に背を向けさっさと服を脱いでは腰布を巻いて鬱血が見られる前に浴場に入る。
別に相手には何度も見られているしむしろ付けられているから隠す必要もないがやはり見る方も嫌だろうと。
(向かい合うように両壁に列を成すシャワー。
此れなら背を向け合いながら入れるだろうと片側の壁に向かい風呂椅子に座ってシャワーを浴びる。
数分後、相手が入ってきて背後の並びのシャワーを使う気配を感じてはなるべく意識しないようにして。
しかしどうしても相手の悲しげな表情や自らを“化物”と蔑む言葉が頭から離れない。
………一体何なんだ…。気に入らない…!! 一度溢れた感情は抑えようがなくシャワーを流した状態のまま立ち上がるとゆっくりと相手の背後に近付き、すっとしゃがんで首筋にある火傷の痕にぴとりと触れ。
…………俺、“多分”あんたのこと嫌いだ。………でも、身体のこととか別に何とも思ってないから。
(静かに独り言のように話しては肩から腰にかけてみみず腫れになっている部分を指でそっとなぞり「……前にあんたのこと“化物”って言ったの謝る。本当はそんなこと思ってなかった」と静かに続け。
そこで出しっぱなしだったシャワーが自動で止まってはしんと静寂に包まれる。
暫く沈黙していたが小さく息を吸うと「…ごめんな」と一言謝り濡れた銀髪をぽんと撫でこれ以上一線を超えないために先に脱衣所に向かって。
>露木
( 突如触れられた頬に驚き僅かにビクリと身を震わすも相手の言葉に甘えどこか遠慮がちに浴室に入る。
それから特に会話を交える事は無く相手の背後のシャワーを流し軽く髪と身体を流す。
やっぱり滲みるな、なんて考えながら全身を洗い終え流しっ放しのシャワーを浴びてればふと首筋に感じた感覚に俯いてた顔をバッと上げて。
“嫌いだ”という相手の言葉にやっぱりか、となぜか沈む気持ちを無視し、しかしそれと共に思いも寄らない言葉に戸惑いを隠せず謝罪の言葉を述べた相手の後姿を見詰めて。
( それからあまり時間が経たない内に自分も脱衣所に戻っては既に着替えを終わらせてる相手を気にしない様にしながら自分も着替える。
ジャージのズボンを履き髪にタオルを被ったまま上のシャツを探してた所、無意識に相手に目が行っては咄嗟に逸らすのを繰り返して。
先に出て行こうとする相手に「…お、おい」と声を掛け服を着るのも忘れたまま駆け寄るも床の水に見事に滑っては相手に伸し掛る様に倒れてしまって。
何をしてるんだとサッと表情が青褪めるも衣服の隙間から僅かに見えた鬱血の痕に眉を寄せる。
ポタリポタリと自分の髪から落ちる雫になど気にも掛けずにジッと見下ろしては頬に触れて。
なぜだか分からないが気に入らない、僅かに相手を襟元を乱し顔を埋めると既に消え掛かってる以前残した痕の上から更にまた痕を残して。
「これ、あんたの恋人に付けて貰ったんだ」
( 無意識にも冷たい声色になりつつ自分が付けたものではない鬱血の痕に指を這わした所でハッとしては勢い良く相手から離れる。
上半身裸で人を押し倒すなんて変態行為じゃないか、沸々と羞恥が込み上げては取り敢えずパーカーを着てチャックを閉める。
「ごめん…何やってんだ俺…。嫌なもん見せたし、…出来れば、…忘れろ。ってゆ‐か痕、…合宿中に消さないと恋人に誤解される」
( 慌てながら片言な言葉を並べつつ恋人だと思い込んでる男の事を思い出せばどうしようかと。
正直あの男は自分に取っては害でしか無いが相手の事をあんなにも考えている辺りはやはり互いに愛し合ってるのだろうと。
相手に手を出したなんて知れたらあの男は黙ってない、頭をガシガシと掻いては俯いて。
>桐崎
(脱衣所にて服を着替えながら、相手から離れなければならないのに何をしているのだと自分を責める。
その時丁度相手が出てきて早く濡れた髪を拭いて荷物をまとめで出ていこうとしたところ、声を掛けられると共に視界が反転して。
背中に走る痛みに眉を寄せ薄く目を開いては、すぐ近くに相手の顔があり“あー水も滴るいい男”ってこういう事なんだなとどこか呑気に思う。
しかし次の瞬間襟元を乱されチクリとした痛みが走っては驚くも何故か前ほど嫌ではなく恐怖も感じない。
ぼんやり相手を見上げ頬に手を伸ばそうとするが、勢い良く離れた相手が発した言葉に身が縮こまり一瞬にして蒼白になれば悪寒と“死”という支配力が一気に襲い全身が小刻みに震え出す。
止めたくても止まらない震えが惨めで情けなくて唇を噛み締めてはフラリと立ち上がり「あ、…あんたのせいじゃ…ない、から」と言い残しなんとか震えを止めて逃げるように脱衣所を出て。
(足早に脱衣所を出るもまっすぐ部屋に戻る気にはなれず、見回りの教師の目を掻い潜って外に出ては少し歩いたところに置いてあったベンチに腰掛ける。
空を仰げば星々の中に一際綺麗に輝く月が見え、何故か相手の狼姿が重なって。
不思議と恐怖が浄化されていけば、ふぅと白い息を吐きつつ気持ちが落ち着くまで月を見上げていて。
(其の頃、旅館のとある一室にて先程相手を襲った生徒達が相手に恐怖を抱きつつも尚も逆恨みを続けており。
『俺、あの露木ってやつも外面だけ良い感じで気に入らないんだよな』
『明日山登りだろ?……二人にだけ違う地図渡すようにして困らせようぜ』
(ケタケタ笑う生徒の中には合宿実行員長もおり前々から計画していたのか、パッと見は分からない程度にルートを出鱈目に書いた地図を用意していて。
>露木
( 去ってしまった相手の背中を見送り先程の以上なまでの怯えを思い出しては僅かな疑問が生まれる。
最初こそ怖がらせてしまった自分の所為だと思ってたが男の話を切り出した途端に様子が変わった、嫉妬深い恋人なのだろうかと無理矢理頭の中を完結させては部屋へと戻り枕を抱き締めて眠る青年の隣の布団に入ればようやく寝息を立てて。
( 翌日、兄が寝惚けて相手に抱き着いてるのが目に入ればその頭をバコッと叩いてやる。
『え、なんで繿に怒られなきゃいけないの』
( 涙目で抗議してくる兄を軽く睨んでは身支度を済ませ集会場所に行っては地図を受け取って。
二人ずつのペア、ずっと無言で居るのは気不味いが話を切り出せる様な性格ではなく。
そう言えば今朝も女生徒達が相手に黄色い声を上げてたなと思い出しては「あんたさ、あんなに女子達が寄って来んのに一人一人変わらない表情で接してるけど………気付いてない訳じゃないんだよな」と。
女子達の表情を見るなり相手に気があるのは一目瞭然、なぜかそれが不満な自分もいたが“相手が嫌い”と決め付けてしまってる事もありその感情には気付けずに居て。
まさか女子達が言い寄って来る理由を知らずに笑顔を向けてるのだとしたら女子達も流石に哀れだよな、なんて考えながら再び地図に目を向ける。
地図を見る限りはまだまだ半分も到達してない。
ふと汗を拭う相手が目に入ってはこういうのを“美形”と言うんだろうなと考えつつ、言葉にして見ればまさに当てはまるその容姿に僅かに見惚れる。
辺りに全く人が居ないのが僅かに気に掛かり携帯を取り出すも勿論圏外。
端に鉢合わない様になってるのか、と思い込んでは再び登り始めるも昔両親からの暴行に耐えられず狼の姿で一時期は山で暮らした事もあるので特に珍しい風景という事もなく。
ただ疲れるだけのこの状況が怠く感じては「疲れた、山なんか登ってどうするんだか」とぼやいて。
( そろそろ半分くらいまで来たんでは無いかと地図を開くもぐにゃぐにゃとしたそのルートに眉を寄せては辺りを見回す。
すん、と鼻を鳴らすも“人の匂い”は無く生徒達が近くにいない事は明確で。
「迷った…とかじゃ無いよな」
( ボソリと不安が出るも取り敢えず目的地にさえ着いてしまえば良いのだと自分に言い聞かせては再び登り始める、しかし進めば進むほど道や足場は無くなり不安感を募らせるだけで。
相手に地図を手渡しては「間違ってないよな」と。
ルートは間違ってない筈、足場とは言えない道を見詰めては改めて地図を見直して。
>桐崎
(翌日、気持ちは幾分落ち着いたもののやはり男のことを考えると気が気でなく表面上は笑顔で接しつつもほとんどの会話が耳に入っておらずそのまま相手と共に山に登り。
相手が話題のことで悩んでくれているとも知らず不意に話しかけられては「何?」という顔もするも数秒後会話の内容を理解すると難しい顔をして。
正直あまり深く考えたことがなく相手に言われて初めて言わんとすることに気付くも相手に気付かされたというのが気に入らなく目を逸し「…気、付いてないわけないだろ。……だいたいあんなの媚び売ってるか自分の立場守るために周りに合わせてるだけだ」とぶっきらぼうに答え。
だいたい女子が周りに寄ってきているのは相手の方。
いつも、いつも……、そこまで考えて自分は“いつも”相手を見ているのかと焦る。
きっと相手が嫌いすぎるのだと無理矢理言い聞かせつつ、周囲を見回しては“やけに道がけわしい”なと。
絶対におかしいと眉を潜めた時、相手に地図を渡されては嫌な予感がし“やられた”と額を押さえ。
「………悪い。多分俺のせいだ。…今朝この地図渡してきた奴、俺のことよく思ってないって噂でさ。……わざわざ渡しに来たからおかしいと思ったんだ。………御免、“また”あんたのこと巻き込んだ」
(どうしてこうも相手を巻き込んでしまうのか、自分の失態を悔み奥歯をグッと噛み締めては「…すぐ戻ろう」と来た道を戻ろうとする。
瞬間、ポツリと水滴が頭上から落ちてきたかと思えば一気にそれは強まりスコールのごとく降ってきて、慌てて相手の手を引き近くの大木の下に雨宿りし。
雨足は弱まることなく止みそうにない。この分だと途中通った川も氾濫して今日中に帰れるかどうか危ぶまれ、何故こうも悪いことばかり続くのだと俯き。
「……ほんと悪い。…………寒くないか?」
(再度謝りフと横を見ると相手の髪やジャージは雨でぐっしょり濡れており風邪を引いてしまわないか心配で。
殆ど無意識のうち手を伸ばしては濡れて額に張り付く銀髪をよけると頬の傷を指でなぞって。
そこで相手に以前“汚れてる”と言われた事を思い出しハッとなっては手を引っ込め「御免」と何度目か分からない謝罪を零し。
気まずい沈黙が流れるも“相手から離れないと”と意識が働いては、ゴソゴソと鞄の中を探り万が一のために持ってきていたレインコートを取り出して相手に被せ、班に1つで渡されていた熱い御茶が入った水筒を相手に押し付け。
「……ちょっと先に行って川が渡れるか見てくる。…人ももしかしたら居るかもしれないし。……あんたは此処で休んでて」
(相手とは不仲、だが今は状況が状況だし自分は年上。しっかりせねばと荷物を相手に預けると大木から出て川へ向かおうとして。
>露木
( 何度も何度も謝罪の言葉を述べられ手際良く雨具や飲物を渡されるも人を探して来ると言い去って行こうとする相手の腕を咄嗟に掴んではグイッと引き寄せ「一人で行くなよ」と。
我ながら何を言ってるんだかと呆れたがこの雨を見る限り川に向かうのは危険、しかし戻り道となるとやはり川を通らなければならない。
咄嗟に引いてしまった腕、雨に濡れる相手に改めて向き直ればその妖艶さに一瞬見惚れるも二人分の荷物を片手に少し先を歩いては小さな洞窟を見付けて。
「助け呼びに行くとか言ってあんたに事故られたら夢見が悪いからな。雨が止むまで待つぞ、山で雨は足場が滑るし危ないから」
( 鞄の中に合ったタオルを取っては相手へ近寄り無理矢理髪を拭き始める。
続いて濡れた上着を脱ぎ薄手のシャツになってはどうやらそれは濡れてなかった様で。
胡座をかき頬杖を付いたまま確か相手も濡れてしまってたなと身を起こせば相手の前に屈んで。
「上脱げよ、濡れたの着てると風邪引くぞ」
( 予備にと持って来てたシャツを相手に放り投げては暫し止みそうに無い雨に溜息を漏らす。
冷える気温に自分は寒さに慣れてるものの相手は大丈夫かと心配になれば僅かに震える身体に手を伸ばす。
指先が触れただけでビクッとした相手に眉を寄せては「………あんた、何か合っただろ」と無意識にそんな事を言っていて。
無理矢理聞き出す事もせず「今は、俺だから。…ってゆうか体温冷やさない様にするだけだから我慢しろ」と良いゆっくり相手を抱き締めては目元に手をやる。
耳元で「気色悪いかもしんないけど………この寒さじゃやってらんねぇから」と言いつつゆっくり能力を解放しては相手を抱き締めたままで。
雨が早く止むのを願い外を見ていたが相手のぬくもりが伝わりこちらまでうとうととしてしまって。
>桐崎
(足場が悪いと言われそれもそうだと反省し大人しく洞窟までついてきては、投げ渡されたシャツに相手は大丈夫なのかと思うも厚意に甘えて袖を通し、やはり余ってしまう丈に無駄に大きいやつ…と悪態付く。
結局年下の相手に気を使わせている自分を情けなく思っていると不意に“何か合っただろ”と言われ、答えられる筈のない問いに口を結び。
次の瞬間相手のぬくもりを感じては始め抵抗しようとするも、その不器用ながら優しい声色に心落ち着き“気色悪くない”と言うように身を寄せては現れた狼の首元に顔を埋め。
心地よい毛触りや獣の匂いはどこか懐かしく、初めて触れたはずなのにずっとずっと前から知っていた不思議な感覚に陥れば知らず知らずに抱きしめ返し自然と眠りに落ちていて。
(日の匂いと虫の鳴く声に目を覚ましては目の前に狼の顔があり声を上げそうになるも直ぐ相手だと思いだしホッと息を吐く。
その可愛らしい…とは違うがあどけない寝顔に知らないうちに微笑みを零してはそっと手を伸ばし頭や耳の裏を撫でて。
暫くその毛触りを楽しんでいたが今自分達が洞窟にいた事を思い出し呑気にしている場合ではないと相手を揺すり起こす。
「外、もう晴れてる。多分、川も大丈夫だろうし急いで戻れば暗くなる前には戻れるよ」
(雲行きを見ながら目をこする相手に荷物を渡しては、まだ濡れている上着を着て自分のリュックを背負うと足場に注意を払いながら山を下りる。
合宿初日から思っていたが相手はどこか山に慣れている。なぜだろうと思うもまさか暮らしたことがあるとは思わず会話少なく梺までくれば兄と青年が待っており自分達の姿を見るなり駆け寄ってきて。
『二人とも無事だったんだね!心配したよ。…山だからGPSも通じないし…、もっと性能良いやつにすれば良かったかな……って菊、それ繿のシャツ?…なんで?………まあ別にいいけどさ、もうすぐ夕飯の時間だから着替えて来なよ』
(一気にしゃべる兄からあらぬ言葉が聞こえた気がしたが聞き流すことにし小さく頷いては青年と話す相手に元へ行きトンと肩を叩いては目を逸し「…シャツ、洗って返すから。……暖かかった。ありがとう」と小声で呟き目を合わせないまま着替えるため部屋に向かい。
青年はそれを不思議そうに見つつも直ぐに相手に腕を絡めて抱きつき。
『兄さん、ほんと心配したんだからね。……シャツなんか渡しちゃってさ。自分だって寒いくせに無茶しないでよ』
(ムッと頬を膨らませては相手の頭を撫でその隙に相手の鞄の紐に銀で出来た棒状のキーホルダーをつけ。勿論ただのキーホルダーではなく高性能なGPS搭載で。
『これで兄さんがどこにいても俺が見付けてあげるね』
(笑顔で言ったのも束の間少し怪しい笑みを浮かべては『兄さんを貶めた奴は俺達がしばいといたから大丈夫だよ』と。
>露木
( 木々の間から日が差し込む様子と揺さぶられる感覚に目を擦っては雨が上がった様子の空を見詰めて。
梺にて兄と青年に出会しては僅かな安心感が生まれ遠慮がちに礼を言う相手から視線を逸らし照れ臭さを隠しては自分も部屋に向かおうと。
しかし青年に腕を絡められ鞄に何か付けたのを感じては緩く首を傾げる。
その言葉にも理解出来ないままに汚れた衣服を変えるべく館内へと入って。
( 人がいないのを良い事に軽くシャワーを浴びては着替え部屋に戻る。
勿論同室の兄と青年と相手も居り、兄が呑気に『浴場人いなかったの??良かったじゃん』と言うのに小さく頷いては携帯を取り出して。
数十件と埋まったメールは仕事でのものなど、数日後にはバイトに戻るとメールを打っては兄が相手にしつこくアドレスを聞くのをジトリと見詰めて居て。
『どうせならメールとかしたいじゃん、そうしたらおはようからお休みまで話出来るし』
『え、綸なんか変態っぽい。…あ、そうだ。どうせなら俺にも兄さんのアドレス教えてよ』
( 特に断る理由も無く青年に自分の携帯を渡しては「適当にやっといて」と。
明日は何が合っただろうかとしおりを見た所、どうやら明日は一日キャンプ体験。
翌日にはまた旅館に戻ると言うのに意味が有るのか、なんて考えながらしおりをしまって。
( 丁度その頃、大学生と高校生の混ざった女子部屋にて一人の女生徒が相手への告白を考えて居て。
『…でもなぁ、年上だし見向きなんてされないかも』
( 悩む仕草を見せる女生徒に一人の女子大生が微妙な顔をしては心の中で失敗する事を願ったりして。
『ねぇハナ、確かあんたも…』
『ち…ちょっと外出て来る!!!』
( 逃げる様に去って行った女子大生___相手の幼馴染みを見送る友人は微妙な苦笑を浮かべて。
( そろそろ夕飯の時刻だという頃、会場へ向かう準備をしながらずっと気掛かりだった事を相手に問い掛けるタイミングを測る。
青年と兄が先に出たのを確認しては相手の腕を掴み「………あんた、誰に何されたんだよ。今だって俺が腕掴んだだけで若干震えてたじゃん。………それともただ俺が化物だから気色悪いだけ??」
( 相手が口を開く前に青年が扉からひょこっと顔を出し『行くよ‐、早く早く』と呼び掛けるのに慌てて腕を離しては何も無かったかの様に部屋を出て。
( / 勝手にハナちゃん出しちゃいました…、同じ大学と言う事で大丈夫でしたか??
不備や変更があれはなんなりと言って下さいね!!
それからそれからハナちゃんの菊君に対しての呼び方はどうしましょうか??
ナギ、でも裏がある感じでおいしいしそのままでも素敵だし…(^q^)
>桐崎
(部屋にて兄と青年が相手と自分の携帯を手にアドレスを交換し合うのを見て自分も相手のアドレスを知りたいと思う。
普段仕事と家族以外で滅多にメールしないのになぜこんな事を思ったのか分からなく、兄に携帯を返され当たり前だが相手のアドレスが登録されてないことに少し落胆して。
夕飯の時間になり部屋を出ようとしたところ、腕を掴まれ言われた言葉に目を伏せる。
しかし気色悪いなんてことは断じてなく其れを言おうとするも丁度青年が来ては結局言えず仕舞いで夕飯を食べに大広間に向かって。
(夕飯を食べ終え四人で部屋に戻る途中、突如肩を叩かれ振り向くと幼馴染がいて。
幼馴染とは遠く離れた地から一緒に移り住んできて(正確には後から勝手についてきた)、互いの過去事情も色々知っている仲。
そう言えば最近会ってなかったなと、無意識だが他の女子に見せる笑顔とは違う自然の微笑みを向け「どうした?」と。
『どうしたじゃないわよ。菊、また勝手にアドレス変えたでしょ!』
「…あー、ああ…そう言えば」
『変えたら教えて欲しいって言ってるじゃない』
「御免。でも別に避けてたわけじゃないって。…忘れてただけ」
(苦笑を漏らしつつ幼馴染にアドレスを赤外線で送信してはまだ何か用が有る様子に首を傾げ。
『…その様子だと絶対分かってないわね。明日のキャンプ体験、男女混合でやるんだけど私の班と菊の班一緒だからね!』
(幼馴染は少しふくれっ面で言うも相手を見ては目を丸くし『菊と同じ班の子?もしかして桐崎繿君?女子達が格好いいって騒いでたから直ぐ分かったわ。本当にイケメン君なのね。私、西園ハナ。明日はよろしくね』と微笑み青年と兄にも挨拶して、何か言いたげな顔をするもその場から去っていき。
嵐のように去っていく幼馴染に相変わらずだなと呆れては無意識に微笑むも、夕食前に相手に言われた事を思い出しては兄と青年が先を行くのを見計らって相手の腕を掴んで「……さっきの話…。別に何にもないから。……あんたのこと気色悪いとか思ってないから」と語尾を強めて言っては腕を離しては相手の頬の傷を見詰め「……また呼び出された時は気をつけろよ」とぶっきらぼうに告げ部屋へ戻ろうと。
(/全然大丈夫です! 同じ大学の幼馴染設定でOKですよ!!
ただ現代だと苗字あると便利かと思い勝手に西園(にしぞの)とさせて頂きました!
そして呼び方は菊のままにしようと思います。
いろいろ偽名とか設定考えましたが結果ややこしいことになると思ったので(笑)
あと前ロルでつい癖で兄に菊の事を名前で呼ばせてしまいましたが“露木”に差し替えておいてくだいませ<(_ _)>
いつもながら美味しいロル有難うございます(^q^)
>露木
( 自分やそこらの人間には見せない穏やかな笑顔を向けていたあの女子大生は何者かと思うもその馴染み易さから何となく良い人なんだろうなと。
部屋への戻り道、相手からのぶっきらぼうだがどこか優しさを含む言葉に自然と表情が穏やかになっては部屋に戻ろうとする相手の腕を掴み廊下の端にある簡易喫煙所のソファーに相手を座らせて。
「あの、さ………まず、あの時は本当に悪かった」
( 相手に恋人が居るのを知りながら無理矢理に襲ってしまった事を改めて謝っては相手の首筋の鬱血の痕に軽く触れる。
人の恋路の邪魔をしたい訳では無いのにあの男のものだと言うのがなぜか気に入らなく。
視線を逸らし相手に触れてた手を離しては徐に携帯を取り出し相手にも携帯を出すように催促したりして。
「別に、…この合宿中連絡先知ってた方が楽だって思っただけだから。………それだけ、勘違いすんなよ」
( ただ純粋に相手の連絡を知りたかっただけなのだが性格上素直に言う事が出来ず、相手の携帯を奪う様に取れば勝手に連絡先を追加して。
確認用に空白メールを送っては届いたかと確認し押し付ける様に携帯を返す。
「戻るぞ、いい加減怪しまれるし」
( 自分から連れ出した癖に人事の様な上記を言っては兄達の待つ部屋へと戻って。
( 部屋に入るなり兄が相手に抱き着くのをさも興味無さそうにしては青年の鞄の隣に置いてある自分の鞄の前に腰を下ろす。
『兄さんってさ、寝相悪いよね』
『全くだよ!!昨日なんかいきなり抱き着かれるし…弟に抱き着かれるとか気持ち悪いんだって』
「…うるせぇな」
『も‐兄さん俺に抱き着いてくれても良いのに』
( 相手の前で繰り広げられる会話に気恥ずかしさを感じては無視し続けるも人の気を知らない青年と兄は会話を続けて居て。
( その頃、女子部屋にて幼馴染みが不満気な表情をしては告白の相談を続ける女生徒を見詰めて。
『…ちょっとハナ、辛気臭い顔しないでよね』
『………別に…そんなんじゃ………。そ、それに菊が受け入れる筈ないもの』
『ならそんな顔止めなさい』
( 軽く鼻先を弾かれ友人をジロリと見詰めるもやはり不安なものは不安で。
おずおずと携帯を取り出しては女生徒に嫌がらせをするつもりではないが“明日は絶対皆で行動するからね!!!離れないでよね”とメールを送って。
唐突な文過ぎて理解出来ないのは当然だが幼馴染みにしてみれば少しでも不安を取り除きたくて。
( その頃、布団に横になりつつ携帯を弄ってた所、兄が携帯を奪い取っては『ちょっと、せっかく皆でお泊まりなんだからいい加減携帯止めてくれない』と。
遊びに来てる訳じゃないんだぞ、と内心呆れるが携帯をしまい相手に張り付く兄をジロリと見詰めて。
布団の並びが左から兄、相手、自分、青年と言う並びになってしまい寝相を気にしてる事もありどこかそわそわとしていて。
深夜まで話し込み夜更かしをしてしまいようやく就寝につく頃、最初こそ青年の方に身体を向けていたがやはり寝相の悪さから無意識に相手を抱き締めてしまっていて。
どこか懐かしい様な相手の香りにすっかり落ち着いてしまい、そのまま寝息を立ててしまって。
( / 了解しました!!!
可愛いハナちゃんたっぷり出しちゃいます(笑)
そしてそしていきなり意味の分からん繿を投入して失礼しました…、もうもやもやしてて行動もよく分からん(笑)
では本体失礼しました‐(´∀`)
>桐崎
(深い理由は分からないが相手からアドレスを得ることができ嬉しさのあまりその不自然な態度も全く気にならず上機嫌なまま部屋に戻る。
幼馴染が悩んでいるとは知らずに、相手や兄達が話す様子は見てはその掛け合いが楽しく自分でも気付かないうちに表情は柔らかなものになっていて。
しかし布団に入って皆が寝静まるとふと不安になる。
鬱血の痕もそうだが自分は相手に謝られる必要がないくらい散々酷いことをしておいて心を許しすぎではないかと。
男から本当に解放された訳じゃないのに浮かれ過ぎていたのかもと思うも一度相手に許してしまった心は戻せそうになく。
どうしようと悩んでいるうちに眠りに落ち、夢の中で懐かしいぬくもりを感じては導かれるようにその“ぬくもり”を抱き締め返して。
(翌朝、日の光とカシャと何かを撮る音に目を薄く開いては間近にある相手の顔に一気に覚醒し思わず突き放すように飛び起きる。
状況が分からず狼狽えていると自分と相手のメールの着信音が同時に鳴り恐る恐る開いてみると青年から相手と抱き合う様が写る写真が送られてきていて。
『動かぬ証拠!って……全然嬉しくないけどね。ねぇねえ今日は兄さんと露木を両端にして俺が兄さんの隣で寝るね!そうすれば俺しか抱きつく人いないよ!』
(青年は寝起きの相手に背中からのしかかり抱きつくようにして言い『着替え手伝ってあげるー』といつもの調子で相手に絡み始めて。
その様子をぼんやり、どこか羨ましげに眺めていると兄に肩を叩かれ『ちょっと菊、そんな不吉な写真消しておいてよ!』と言われ男のことが浮かんでは見られたら本気で危ないと思い迷わずメールを削除して。
この時、携帯の自動保存機能を知らずにデータフォルダには其の写真がそのままであることには気付けずに。
(旅館で朝食を食べ終え一通りキャンプ体験の説明を聞き終えると女の班と合流しキャンプ会場に向かう。
会場は男女混合ということもあり何処か色めき立っていて、あちらこちらで男女がひっつく中、何故か他の班の女子が『桐崎君、こっち向いて!』なんて話しかけ覗きに来ていて。
相変わらず人気だなと思っていると幼馴染と同班の女生徒が近寄ってきて『薪集め一緒に行きませんか?』と。
別に断る理由も無かったためその女子がメールを無視して抜け駆けしているとは知らず「いいよ」と小さく微笑み頷けばテントを張っている相手や兄達に声を掛け、女生徒と二人で眼と鼻の先の森へと入り。
その時、同班のもう一人の女生徒がやたら相手にくっつき『同い年だし繿君でいいよね?』なんて話しかけているのが気になるも其れがなぜだかは分からずに。
(/必要ないかと思いましたが何となくモブPF投下してみました。一応だいたいのイメージや設定が統一されていたほうがいいかなと思いまして;
容姿と性格は適当です。あくまで自分が勝手に思い描いているモブ君達の印象なので、どこか相違点や設定の付け足しがあればじゃんじゃん訂正・追加してください。
役柄:繿の兄
名前:桐崎 綸
身長:185.5㎝
性別:男
年齢:21(大学4年)
容姿:黒髪。弟の繿にそっくり。
性格:基本笑顔、腹の内は不明←/ あまり表に出さないけど誰よりも周りを見ていて弟思い/ 病的に菊にぞっこん←/ 裏との関わり有
役柄:繿の同級生(同じクラス)
名前:赤城
身長:175㎝
性別:男
年齢:19(高校3年)
容姿:赤髪。人懐っこい印象。年より子供っぽく見える。
性格:人懐っこく態と子供っぽい態度を取る/ 前世の遺伝子レベルで繿にぞっこん←/ 親からの虐待と友人からの虐めで一時期引きこもりになり気付けばハッカーに/
役柄:菊の幼馴染
名前:西園 ハナ
身長:165㎝
性別:女
年齢:22(大学4年)
容姿:茶染め長髪。明るく誰にでも好かれる印象。
性格:明るくおしゃべり/ 菊に片思い/ 大手企業の令嬢で海外との関わりが深く情報通/ 高校時、菊とは一年遅れでこの学校に来た / 寮部屋もマンションにも部屋有
>露木
( 翌朝、相手に突き飛ばされた衝撃で目を擦りながら起き上がるも相手に抱き着いてた事など知らずにチカチカと点灯する携帯を取ってはメールを開く。
目前に写し出された写真に一気に覚醒しては送り主の青年を見詰めわなわなと震えて。
兄が怒りに染まりつつ自分をキッと睨んで来るのが目に入っては重たい溜息を漏らし自分を寝相の悪さを心做しか呪ったりして。
( キャンプ場にて、引っ付く女子に目もくれないままテントを張り終えると相手の幼馴染みが半泣きでこちらに来ては自分の腕を引き大木の下に連れて来て。
「な…ちょっとあんたどうしたんだよ、…何泣いてんの」
( 慌ててジャージの袖で涙を拭ってやるも幼馴染みはついにぼろぼろと泣き出してしまって。
『きっ………菊が……たぶらかされ…って、あ、…あの』
( しゃくり上げ言葉にならない様子に溜息を漏らしては軽く背中を摩ってやり「露木がどうしたんだよ」と声色を和らげて問い掛ける。
どうしてそんな事を自分に相談して来たかは分からずともこんなに泣かれていては自分が疑われる。
ようやく落ち着きを取り戻した幼馴染みが目に涙を溜めながら『き…菊が…高校生の女の子に連れてかれて。………でも菊ったら笑顔で接してて』と。
「あんなん作り笑顔じゃねぇの??…てか何で俺に相談したの。綸とか赤城とかの方が…」
『綸はライバルだもの!!それに赤城君は話に乗ってくれなさそうじゃない』
「兎に角心配は要らないと思うけど」
『だ…駄目よ!!だってあんな笑顔で居るんだものあの女の子勘違いしちゃう!!』
( “ならばどうしろと”と言いたい気持ちを押し耐えては取り敢えず同じ班なのだからと幼馴染みと共に水汲みに向かう。
まだ泣きそうな様子に溜息を漏らし流石に女に重たい水を持たせるのはどうかと二人分の水を持ってはテントへと向かう。
「しかしまぁ…モテる男は大変だな、あいつ何で言い寄られてるか分かってんのかな」
『え、ちょっと………繿君の周りの女の子が言い寄って来る理由知らない訳じゃ無いのよね』
「あいつらは皆露木目当てだろ」
『………どうして??』
「え、だって何で話した事もない俺の所来んだよ。露木とか赤城に構って貰いたいからだろ」
( 頭を抱える幼馴染みに疑問の目を向けながらテントに到着すると不意に幼馴染みが『繿君はさ、繿君の好きな人が他の人の所で笑ってたら…どんな気持ち??』と唐突に聞いてきて。
幼馴染みの辛さがなぜか分かってしまう自分に疑問が浮かぶも不意に浮かんだのはあの男に寄り添う相手の姿。
「腹立たしいな、めちゃくちゃにしたくなる」
( 無意識に相手に視線が行ってしまうのに気付いては慌てて視線を逸らし薪集めから帰って来た相手が女生徒に取られる前に幼馴染みを相手の前に押し出す。
「ナンパされてたぜ、あんたしっかり見てろよ。そんな女でもナンパしてくれる男はいんだから」
『なっ、…失礼ね!!私これでも大学のミスコンだって選ばれた事あるんだから!!』
「へー、兎に角もう用事は無いだろ」
( 幼馴染みが口の動きで“ありがとね”と言うのが目に入っては僅かに微笑みを浮かべると共になぜか羨ましく思ってる自分も居て。
幼馴染みと居ても相手に言い寄ってくる生徒や学生達を見詰めては色男は忙しいな、と。
青年と共に夕飯の支度をするもやはり無意識に相手を目で追ってしまって。
このままじゃ相手と顔を合わせる隙すら無さそうだなと考えては携帯を取り出し“夕飯の片付けの係あんただろ??俺も手伝うけど”と送って。
我ながら何をしてるのかと呆れるが『露木先輩、夕飯の片付けの当番でしたよね。私手伝います』『わ、私も先輩のお手伝いしたいです!!』と言う声が耳に入っては要らない事をしてしまったかと軽い羞恥を感じたりして。
( / うおおお分かり易いpf感謝です!!!
これでがっつりイメージが定まりました(笑)
もう訂正する場所がないくらい完璧なので逆に感激です←
思い描いてたのが同じだった事にも本体様との運命かんじまs((殴
相変わらずモブばっかのロルで申し訳無いです…。
これからもモブが増えたりするかもしれないですが是非お付き合い頂けると嬉しいです!!
素敵なロルと展開いつもニヤニヤしてます!!!←
>桐崎
(女生徒と薪を集める間、何かと話しかけられ此れでは二人で来た意味がないではないかと若干苛々しつつも女生徒は“年下の子供”、山の中ではしゃいでるのだろうと笑顔で接して。
(幼馴染が相手に泣きの相談をしていたとも知らず帰ってきた途端ナンパがどうのと言われ引き合わされては訝しげに眉を寄せるもその後はなんとなく幼馴染と一緒に行動をし二人並んで座り火起こしをしていて。
『ねえねえ、菊。なにかあったら私に何でも相談してね?』
「…ああ、うん。でもなんで?悩んでるように見えたか?」
『……ちょっとだけ沈んでるかなって。……って余計なお世話よね!』
(眉を下げて笑う幼馴染に昔から此奴にだけは叶わないなと思い首を軽く横に振っては「ありがとな」と昔やっていたようにポフリと頭を撫でて。
その後、飯盒炊飯を済ませたところで相手のメールに気付いては相手の元に行こうとするも何故か寄ってくる女子達に困惑しつつ「自分の班の片付けがまだでしょ?他の子に迷惑掛かるし、片付けは炭とか触って汚れるといけないから」と礼の言葉を交えつつ適当に流して相手の元へ向かい。
(相手とは不仲でなければいけない。分かってはいるが気持ちは止まらず何か作業する相手の背後からそっと近付いては炭バサミで挟んだ冷たくなった炭を相手の頬にちょこんとつけて。
「……手伝ってくれるんだろ。ぼーっとしてないでさっさと付いてこい」
(ボソッとした口調で横暴な言葉を述べつつ炭をポリ袋にしまっては、相手の前に回りこんでしゃがみ今自分がつけたばかりの炭の汚れを指で拭って。
訳の分からない行動を取っているのは自分でも分かり目をそらしては相手の腕をやや乱暴に掴み「ほら行くぞ」と引っ張っては鍋や鉄板を持って片付けるために倉庫に向かい。
(埃っぽい倉庫の中、他に人はいなく二人きりになれば朝のこともあり変に意識してしまう自分がいて鍋等を元あった位置に戻しつつ相手をチラと見て。
…手伝ってくれて助かった。………あとさ、朝のこと…別に何とも思ってないから。逆に気持ち悪かっただろ?俺みたいな男に抱きつかれてさ。…男同士なんて普通あり得ないもんな。…あんたは女にもてるし好きな奴もいるだろうから変な噂は立たないようにするから安心しろ。
(静かな声色で苦笑を浮かべつつ何でもないように述べるも、こうして普通に話していられるのも合宿中だけなのかと思うと無性に切なくなり無意識のうちに表情を曇らせる。
“男同士なんて…”自分で言った言葉が重く伸し掛り男のことを鮮明に思い出しては微かに拒絶反応が出て相手に気付かれる前に倉庫の扉に手をかけ。
>露木
( 僅かに距離が縮まったかと感じたのも一瞬、いつだって自分が何をしても相手は“何とも思ってない”のだと思い知ればなぜか胸が締め付けられる。
突き放されてる様な感覚さえ感じてはまだ自分の気持ちを理解出来ないまま相手を見詰め「………俺が女だったら抱き着かれても気持ち悪く無かったか??」なんて意味の分からない事を問い掛ける。
慌てて表情を戻しめずらしくへらりと微笑めば「悪い、何でもない」と返しテントへと戻って。
( テントは女子男子と別れてる為幼馴染み達と顔を合わせる事は無いが相手とは嫌でも顔を合わせる。
相手がテントに入って来るのに気付いた兄が『お帰り‐!!!』と抱き着くのを見詰めては自分もこれくらい素直だったから良かったな、と柄にも無い事を考えてしまって。
しかしそこでハッとしては髪をぐしゃりと掴む、これでは自分が相手を好きみたいではないか。
そんな筈は無いと言い聞かせさっさと眠りに付くべく横になっては寝息を立てて。
その頃、兄は自分が寝息を立てた事に気付くと相手に小声で『起きてる??』と。
『今朝はびっくりしたでしょ。ごめんね、繿寝相が悪いっていうのもあるんだけど…昔からの癖なんだよね。ほら、うち両親とあまり仲良く無かったから…だから子供の頃は人形抱いて寝てたりしたんだよ??見えないでしょ。…一人で寝るのとか割と怖がってたりしたんだよ、まだ癖が残ってるのかな』
( 兄が苦笑いで謝罪してはいつもの笑顔に戻り『あ、大丈夫。露木は俺が抱き締めて上げるからね』と意味の分からない事を言って。
( 翌朝、目を覚ましては目前にある赤髪に驚くもまたやってしまったと羞恥に駆られて。
『兄さんおはよう!!!』
「あ………あぁ」
( 枕を抱く癖は合ったが隣に人がいるとなるとどうしてもそちらに走ってしまう。
抱き締めてた青年を突き飛ばし微妙な挨拶をしては相手と視線があい気まずそうに「おはよ」と挨拶をして。
何となく距離を取られてるのは分かるしその理由となりそうなふしなら沢山ありすぎて思い浮かばない。
なるべく相手を気にしない様にしなければなと考えつつ着替えを取り出す。
『兄さん兄さん、俺上着一着忘れちゃった』
「ふぅん」
『冷たいな‐、貸してよ‐』
( 面倒臭そうに青年にパーカーを投げ渡しては再び携帯を開き孤児院の院主からのメールを開く。
嬉しそうにランドセルを背負う子供達の写真と共に“寂しがってますよ、お暇があったらまたいらしてね”と言う文に僅かに胸が痛んでは携帯をしまう。
まだ“悪影響になるんではないか”なんて考えてしまっては自分の髪に触れ、黒かったらな…なんて考えて。
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