xxx 2014-12-29 00:12:16 |
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>桐崎
(なんとか辿り着いた自室、此処までどうやって歩いてきたかも記憶は曖昧で扉を閉ざした瞬間ズルズルと座り込み頭を抱える。
未だに身体は震えるも思いの外恐怖が小さいのは相手が何度も泣きそうな顔で優しく“大丈夫”と声を掛けてくれたからか。
去り際相手が見せた悲痛に満ちた表情に思わず“化物なんて思ってない。気色悪くなどない”と本心を言いかけ、相手の頬に伸ばそうとした手をグッと握っては行き場を失った感情を叩きつけるように床を殴りつけて。
相手は何故こんなにも酷い事をした自分に謝罪などしたのか…、何故あんなにも辛そうだったのか今となっては考えても無駄なことを取り留めなく考えては後味の悪さに唇を噛む。
しかし此れでもう相手が自分に近付くことはない。
此れで良かったのだと鞄の中にある相手の写真をビリビリに破り捨てて。
(翌日、重たい瞳を開けては直ぐに思い浮かぶのは相手や少年のこと。
踏ん切りのつかない自分に苛立っては授業もないしもう一眠りしようと寝返りを打つ。
が、其れを邪魔するかの如くメール着信音がなってはまさかまた男だろうかと恐る恐る日見ると大学教授からで。
“至急。高等学校のテスト対策特別授業の講師が不足しているためすぐ来るように”と。
無理…、と思うが世話になっている教授からの頼み。元々真面目な性格故断ることは出来ず、おずおずと就活用のスーツに着替えては首筋の鬱血が見えないか確認してから相手と会わないことを願い高校の校舎に向かい。
(教室に向かう途中、教授と会ってはいつも通りの笑顔を勤めて会話をし歩みを進めていると中庭のほうから怒声が聞こえフと目をやれば相手が大学生に絡まれるのが目に入り思わず目を逸らす。
『うわ……また彼奴等高校生イビってるのか。よし露木、行くぞ』
(声も上げる間もなく手を引かれては中庭まで連れて来られ、なんか前もこんなことあったなんて呑気に考えるうち学生達は教授が来たことで慌てて逃げていき。
『君、大丈夫だったかい?いやぁ彼等、僕の学科生なんだけどね、いつもあんなで困ってるんだよ。………って、君高校生だよね?授業はどうしたの?今日から必須のテスト対策授業がある筈だけど』
(ん?と首をかしげる教授は少々抜けているのか煙草には気付いておらず相手の肩に手を置き『今日はねこの露木君が講師をしてくれるんだけど、まだまだひよっこだから君が授業ってのがどんなか教えてやって欲しいんだ』と陽気に笑い相手の手を引いて『じゃあ教室行こうか』と。
その間、相手をなるべく見ずに“深く関わってはいけない”と考え過ぎるあまり避けるように先を歩いて。それが相手にとって“化物”を避ける行為にとれてしまうとは気の焦りから気付かずに。
>露木
( 助け出されのは運が良いのか悪いのか相手と教授のお陰となり大人しく後に続いてはどこか鈍感な教授が『君もいずれは隣の大学に来るんだろう??楽しみにしてるからね』と優しい言葉を掛けて来る。
先を行く相手のスーツ姿に一瞬見惚れ、こんな格好をしてたら女子生徒の餌食だろとなぜか文句を言いたくなってしまって。
“近寄りたくない”とでも言われてるかの様な距離感に納得してしまう自分も居ては“化物”だもんな、と。
( 教室にて、相手の登場に黄色い声が立つ中自分の席へと着けば直ぐにイヤホンを着け眠りに入る。
しかし隣の席の女子が『ねぇ、一緒に入って来たって事は桐崎君の知り合いなの??アドレス欲しいって伝えてよ』と。
「煩い」と一言返しては直ぐにまた眠りにつくも教室に響く相手の声に無意識に耳が行きなかなか眠る事が出来ない。
いつもの如く立ち上がればさっさと教室のドアへと向かい授業を抜け出しては屋上へと向かって。
( 鞄を枕に頭の後ろで腕を組んでは寝そべり空を見上げる。
決して目を合わさず距離を取る相手の様子を見ては自分は相手を怯えさせる嫌な存在でしかない。
大学生によく指摘されるこの髪も好きでこんな風にした訳じゃない。
よくよく考えればいつだって自分は“人”にはなりきれてなかった様に思えて来て。
結局相手の事もよく分からず、分かるつもりもないままに瞳を閉じては浅い眠りについて。
( その頃、教室では先程の大学教授が困った様に眉を下げては『実に困ったな。必修授業だと言うのに』と呟いて。
生徒に迎えに行かせようとも授業中席を五分間離れたら履修不取得のなる学校のシステム故にそれも出来ず。
『露木君、悪いが桐崎君の事を………』
『私行きます、学級委員だし』
( 教授の言葉を遮り学級委員の女生徒が言うも教授は困った様な表情を変えずに『しかし…探すとなると五分は過ぎてしまうし…』と。
( 迷惑を掛けてる事すら露知らず呑気に屋上にて寝息を立てていては寝返りを打った際に僅かにシャツが乱れる。
おぞましい跡を隠して来たが睡眠中までが気が付かずそのまま眠ってれば寒さに僅かに身体を丸めて。
>桐崎
(高校での授業、相手を気にしないよう真面目に授業を進めるが途中退席する相手を反射的に目で追う。
不真面目…と思うが生徒記帳を見る限り成績は優秀。
いったい多忙なバイトの中いつ勉強してるのか。よく分からない奴だと思っていると教授の困った声。
今は相手と会わないほうが良いが女生徒に迷惑を掛ける訳はいかないと「俺、行きますよ」と何食わぬ顔で述べ教室を出て。
(サボりの定番といえば保健室か屋上だろうと、はじめに屋上へ行くと果たして相手は其処に居て、寝ている様子にこんな寒い中で風邪を引くぞとやや呆れ気味に近付く。
スヤスヤと丸まって眠る相手はあどけなく普段の鋭い雰囲気は感じられない。
昨夜相手が見せた切なげな表情が重なり相手はいったい何を背負っているのだと眉を下げる。
静かにしゃがみ相手の頬に微かに残る自分がつけた引っかき傷を手の甲でそっと撫でては身を揺すって起こそうとするもフとシャツの隙間から見えた痛々しい傷痕が目に止まり手を止めて。
誰にされたのか、そんなこと相手を侮辱した自分が聞く権利はない。
まして、相手は自分の顔も見たくないだろう。
そう思えば身を丸める身体に自分のジャケットをそっとかけると銀髪を優しく撫で「ごめんな」と一言残しその場を立ち去って。
(教室に戻り教授に相手とジャケットの事を問われるが“体調悪くて保健室に居て寒そうだったから貸した”と適当に述べ「出席の代わりにレポート書かせればいいんじゃないですか?」とそれとなく提案した後、「ジャケットは研究室に放かっておくよう伝えておいてください」と続け授業を再開し、終わりのチャイムと共にさっさと寮へと戻り。
(其の頃、麻薬漬けの男はいまだ相手に見当違いな恨みを持つと共に相手の能力に興味を持っていて、男子学生を金で雇うと相手が能力を解放した時の写真を渡して。
『此れを化物に見せて“露木から聞いた”と言うんだ。“露木がそこらじゅうで言いふらしてる”ってね。そしてもし孤児にバラされたくなかったら一人で此処に来いって伝えて』
(男は相手の経歴が記された用紙に目を通しながら学生に倉庫までの地図を渡して。
男は此れで相手が完全に自分を嫌うと見込み、更には相手を手懐け金儲けしようと目論んでいて。
>露木
( 目が覚めては自分に掛かってたジャケットに首を傾げるも何となく感じ取った相手の匂いに相手の物だと理解は出来たがこんな事をした意味は分からず。
寮に戻る所、教授に言われた言葉にやはり自分に会いたくないのだなと思っては“礼を言っておいて欲しい”と伝えてバイトに向かうべく着替えを済ませ街に向かおうと。
( 寮の玄関口にて、こちらを気味悪そうに見詰める男子生徒数人に気付いては何事かと眉を顰める。
金で雇われたとは言えあんな物を見せられては本当に恐ろしい様でこちらにゆっくりと近付いて来てはどこか距離を置きながらも写真を見せて来て。
それは確かに相手の手に合った物、なぜ男子生徒達が持ってるんだと冷汗を感じながら口を開く。
「なんで…それを」
『触んなよ!!!気持ち悪りぃな…』
『お前人間じゃ無ぇんだろ??化物の分際で女擦っかける様な仕事しやがって…』
「答えろ、なんであんた達がそれを持ってる」
『露木先輩だよ、俺達以外にも写真持ってる奴いるぜ??』
「……………は??」
『今日ここに来なければお前が世話してる孤児の餓鬼共にもバラすとよ』
( 汚れものに触れる様に自分から距離を取ってはそのままバタバタと逃げて言って。
男子生徒の言葉が頭の中で木霊しては不意に過去の記憶が沸き上がる。
もうあんな思いはしたく無いし子供達に迷惑を掛けたく無い。
( 断れる筈も無く足を運んだのは地図に書いてある倉庫、相手が居るものだと思ってたがそこに居たのは男の姿で追い詰められた様に睨み付ける。
『わざわざ来て貰って悪いね』
「…あんたが写真を露木に渡したんだろ」
『いやぁ、君に付き纏われて困ってるって言ってたから護身用にと貸しただけだよ。なのに菊ったら直ぐに言いふらすんだから君も災難だね』
「……………」
『もう学校には行けないんじゃない??…なら働くしかないよね、でもあんな写真バラまかれたから君に構ってくれる女性も居ないんじゃ無いかな』
「………何が言いたいんだ」
『君のお仕事紹介してあげようかなって』
( 嫌な笑みを浮かべながら自分に駆け寄るとどこから仕入れたのか寮の玄関口で自分が相手を無理矢理押し付けてる写真を見せて来て。
『人のに手を出すとか…躾がなってないんだよ』
( 腹部を蹴り上げられグッと睨み付けるも全ては男の手の内の中。
「手を出すだと??要らねぇよ、こっちから願い下げだ。人の弱味勝手にバラ巻く様な最低な男…まぁあんたには似合いだな」
『それはどうも、でも君は逆らえないって事よく覚えておいてね』
( 強制的に携帯に男の連絡先を入れられてはぼんやりとそれを見詰める。
出来れば相手をぶん殴ってやりたい所だが顔も合わせたく無い。
『俺これから菊とデートだからさ、そこまで着いて来てよ。“俺のペット”って紹介してあげる。顔合わせ終わったら君は直ぐに仕事に向かってね。ちゃんと“金になる”仕事だから』
( 相手の顔など見たくも無いが男には逆らえない、唇を噛み締め俯きながら男に無理矢理腕を引かれては再び街へと出て。
>桐崎
(寮に戻り着替えを済ますも気持ちが落ち着かず意味もなく大学内をブラついてはジャケットを手にした教授が近付いて来て。
『露木、さっきは助かったよ。はい、これ桐崎君から。礼を言って欲しいって。彼、とても良い子だね』
(ニコリと笑いジャケットを渡して去って行く教授の後ろ姿にやや疑いの目を向けつつ、“まさか相手が礼なんて…”と思う。
どうせ教授に対す社交辞令だろうと何処か相手を避けるため“不良”と思い込むようにしてはそろそろ寮に戻ろうとするも男からメールが届き無意識に身体が震える。
しかし直ぐに気を強く持ち震えを止めると一度寮に戻って指定された場所へ向かい。
(夕方、人通りの少ない道を抜け指定の喫茶店に到着しては扉を開け敷居が有る奥の席へと向かう。
すると其処には何故か相手の姿があり驚きで男を見ると“俺に合わせて”と目だけで伝えてきて。
『菊、良く来たね。紹介するよ。前に話してた“俺のペット”だよ。俺達のためにたっぷり稼いでくれるから此れからはもっと良い事して遊べるよ』
「……は?そんな話聞いて………」ないと言おうとするが逆らえば母や妹が危ない。
かと言って相手を売るような真似はしたくない。
汚い男のやり方に腸が煮えたぎるも自分にとっては大事なのは母と妹。
天秤に掛けるなど最低な行為だが男の支配力には勝てず相手を見下すような笑みを浮かべ。
「…へぇ。まあこれだけ顔が良ければ何させても良い稼ぎになりそうだもんな」
(相手の過去も此れから何をされるかも分からないのに最低な言葉を浴びせるも脳裏に相手の身体の傷痕が過っては一瞬演技が崩れて瞳が揺れる。
それでもすぐに冷たい目にしては「……ペットだったら大事に扱わないとな」と皮肉にしかならない言葉を残し心の中で何度も相手に謝りながら男と店を出て。
(相手を残した喫茶店、直ぐに男の仲間が相手を取り押さえては車に無理矢理乗せて、裏で見世物をしている高級バーの裏部屋に連れて行き手錠で拘束して。
『御前、前にも似たような仕事したことあんだろ?』
『大人しくしてりゃ可愛がってやるよ。はむかったらどうなるかわかるよなぁ?』
(男達は“能力者”に慣れた口ぶりで言うと相手を舐めるように見て『此奴は上物だ』と厭な笑みを浮かべながら相手の古傷を指でなぞり恐怖を煽るように煙草や鞭をちらつかせ。
『後で御前の“ご主人様たち”が働きっぷりを見に来る。しっかり尻尾振っていい顔しろよ』と続け。
>露木
( 俯いてた為に相手の表情など伺えずに居たがその口振りにまんまと騙されやはり相手は自分を嵌めるつもりでしか無かったのだと落胆する。
しかし感傷に浸る暇など無く訪れた男達に別の場所へと連れられてはぐったりと下を向いたまま拘束され。
嫌でも鞭を振るう音が耳に入っては無意識にも恐怖が襲い掛かりビクリと身体が震える。
カチカチと時計の音が響き、暫く経てば男に身体を起こされフロアへと出されると見るからに金持ちと言った輩が珍しい物でも見る様な視線を向けて来る。
昔の感覚を思い出しガタガタと身が震えるも男達はそれさえも材料とし咥えてた煙草を自分の首筋に当てて来て。
フロア内に絶叫が響きそれと共に歓声が沸き上がっては振るわれる鞭と暴力に感情を殺しては漸く深夜、拘束を解かれ帰る事を許され。
一人の男が携帯のムービーを見せ付け先程の見世物を改めて見せて来れば『口外したらお前の学校と孤児院に送り付けるからな』と。
『…ま、どちらにしろ裏に売り飛ばされるのは確実だけどな』
『この類のDVDは物好きに売れるんだよ』
( 男達の言葉を聞かない様にしながらまだ僅かに震える手先でボタンを締め着替えては男に渡す様にと手渡された報酬を受け取っては夜に待ち合わせをしてた場所へと向かう。
所々傷だらけ故に人目を集めてしまい、取り敢えずコンビニにて絆創膏を購入するもそれではやはり間に合わずに。
明日の予定も早速入れられ、今日能力を全開しなかったのは今日来た客を明日に引き延ばす為だという事を思い出しては憂鬱な気分になって。
( 待ち合わせ場所にて馴れ馴れしく相手の腕を掴み歩く二人を思い切り睨み付けるも男は勝ち誇った様な表情で『随分ボロボロだね』と。
怒りに拳を強く握り締めながらも大金の入った封筒を手渡してはさっさと去ろうとするも男に腕を掴まれては俯き加減に振り返って。
『良く出来た犬にはご褒美をやらないとかな』
「笑わせるな、逃がしてでもくれんのか」
『そんな訳無いでしょ、ほら。これ上げるよ』
( 手渡されたのは痛みを麻痺させる麻薬、見た瞬間眉を顰めるも大人しくそれを懐にしまっては手を振り解き逃げる様に場を去って。
( 自分が去った後、男は相手の頬を嫌らしく撫でると『演技頑張ってくれたみたいだけど…ちょっと表情崩したでしょ??それにはお仕置きが必要かな』と。
相手と共に寮の近くに来ては数人の男を引き連れ相手へと詰め寄る。
『良い男じゃん、好きにして良いの??』
『良い訳無いでしょ、俺のなんだから。今日はちょっとした前戯だよ』
『うっわ、我慢出来っかな』
( 下卑た笑みを浮かべながら相手を壁に抑えつけては無理矢理唇を奪おうとして。
>桐崎
(深夜、待ち合わせ場所に現れた相手の姿を見て絶句する。
相手の身に何が起きたかなど自分の経験では計り知れずただ酷い暴力を振るわれたことだけは分かり表情が強張るが心配の言葉も麻薬に手を出すなとも言えずに。
(相手が去った後、見知らぬ男に迫られ恐怖で身が竦んでは逃れようと男の唇を思いっ切り噛む。
苛立った男に殴られそうになるも拳が当たる前に主格の男によって止められ男達は用済みだと帰されて。
『次はこんなもんじゃ済まないよ』
「………あいつに、何をさせたんだ。あんな大金、どうやって……」
『君が知る必要はないよ。君には刺激が強すぎるからね』
「だいたいっ!!…彼奴を脅せば彼奴や孤児からは手を引く約束だっただろ?!」
『約束?そんなの君が一方的に言ってきただけで知らないよ。それに被害者面してるけど君だって彼を売り物にすることに賛同したじゃないか』
(男の言葉は確かなもので、自分は相手を天秤にかけ見捨てた。
其のことが相手の過去を抉りどれほど傷つけているかも知らずに俯いては「……口外だけは……子供には知れないようにしてやって欲しい」と頼み、聞き入れてもらうため自ら口付けて。
(翌日、結局男から相手に何をさせているのか詳細を聞き出せぬままフラフラと街を歩き孤児院まで来る。
そして金の入った何も書かれていない封筒をポストに投函しては誰かに気付かれる前にその場を立ち去り。
こんなことで罪が償えると思っていないが何もかも男の言いなりになるのはやるせなく。
相手がもっと悪い奴だったら良かったのにと身勝手なことを思い寮へと足を向けようとするも横道から男達の嫌な声が聞こえてきて。
『なあ昨日あのバーに行ったんだけどよ。久々に良い物が見れたぜ。今日はもっと良い物が見れるらしいからお前も来いよ』
『噂には聞いたぜ、銀髪の化物だろ?…DVDデータ盗んでネットで売れば金になるだろうな』
(下劣な笑いを零し話す内容に背筋が冷えては“まさか…”と思う。
昨夜男を口止めしたが、ネットに流されては孤児どころの騒ぎではない。
相手を見捨てて置いてあまりにも身勝手だが情報の漏洩だけは防がねばと男達をつけることにして。
>露木
( 寮に戻るももしかしたらこの高校の殆どがあの写真を目にしてるのでは無いかと思うと居ても立っても居られず深夜の街に出てはフラフラと彷徨う。
明日もまたあの仕事をしなければならないのか、子供の頃に感じてた生きた心地を無くすと言うのはまさにこの事だろうと。
相手の優しさなど知らずに顔を思い出す度に激しい怒りが湧き上がるも怒りのやり場など無く表情を消しては宛も無く歩を進める。
しかしふと腕を取られては三人組の男達に路地へと引かれ何事かと眉を顰める。
『この髪で直ぐに分かったわ、お前あの化物だろ??明日は何してくれんの??』
「……………は??」
『今日俺バーに居たじゃん。やっぱ主役は観客なんかに目を通してらんねぇか、煙草の焼跡大丈夫‐??めっちゃ絶叫してたけど』
( 男の言葉にサッと青褪めるも相手が様子を伺ってるなど知らずにどう逃げようかと思考を巡らせる。
ゲラゲラと笑いながら髪をグッと掴んで来る男達を睨んでは咄嗟に掴み掛り解放されそうになる能力を必死に耐える。
『怖っ、お前マジ気持ち悪りぃわ』
( 残りの二人に無理矢理身を離され壁に投げ付けられては先日の頭の傷がズキリと痛む。
ズルズルと座り込み去って行く男達が目論んでる事さえ知らずにぼんやりとしたまま見送ればその体制のまま真っ暗な空を見上げる。
相手にさえ関わらなければこんな事にはならなかった、しかし時偶に見せる相手の不可解に辛そうな表情を思い出しては拳をコンクリートの床に叩き付ける。
今の自分に残るのは子供達しか居ない、ならば子供達を守る為にも耐えなければならない。
何が何でも両親の元には戻りたくない。
軋む身体を引き摺り立ち上がっては軽く服を叩き土を落として。
( 丁度その頃、兄も裏での仕事に手を染めてる為に麻薬の調達を行っては本格的にこちらへ移住する手続きを終えて。
兄も自分同様家を抜け出しては居たが仕事での信用を得る為にもやはり“大学生”と言う肩書きは合った方が良い事に変わりはない。
明日から相手の隣の部屋になると言う事は本人さえまだ分からず。
( / 一応なのですが兄とも初対面と言う形で宜しかったでしょうか??
いつもぶっ飛んだ展開で申し訳無いです…;
不備が有ればなんなりと聞いて下さいませ!!!
あとあと、年齢などは大丈夫菊君と同じくらいで大丈夫です(´∀`)
一応漢字を変えまして“綸(りん)”でよろしくお願い致します…。
相変わらず菊君べったりの鬱陶しい兄になりそうですが是非よろしくお願いします(笑)
>桐崎
(男達をつけて来ると相手をいたぶる男達の言葉に耳を疑う。
それはまるで相手が暴力を振るわれていたところを楽しんで見ていた口ぶりで。
未だ信じられないながら男達が去った後も悲痛に満ちた表情をする相手に駆け寄りそうになるのをグッと堪えその場を離れる。
その足で男達の後を追い上手いこと話しかけてはバーの場所を聞き出すと上辺だけの礼を言って寮へと戻り。
(翌日、自室にて連日の疲れからか昼間まで眠っていると突然扉が叩かれ、いったい誰だと髪の毛もボサボサのまま眠たい目をこすりながら扉を開ける。
コンタクトも眼鏡もしていないためかなり視界が不明瞭だが、最近よく見知った顔付きに高身長が写れば“一人の人物”しか思い浮かばず、髪色が違うことにも気が付かずに動揺で狼狽えて。
「な、何の用だよ。…近付くなって言っただろ!!」
(それが兄とも知らずキッと睨みつけ『ちょ、ちょっとまってよ!!』と言われるが耳に入らず一方的に扉を閉ざしては内鍵をかけて。
いったい何故“相手”が来たのか。しかし寝起きとはいえ自分の態度は横暴過ぎたと反省するもどうせ嫌われてるからいいかと深く考えないようにして。
(夜、結局隣室に誰かが来たことさえ知らぬまま男達の行動を阻止するためバーの裏口に向かう。
上手く中に入っては物陰に身を潜め男達がデータを盗みに来るのを待つ。
数分後、舞台で何か始まったのか騒音が鳴り始め、同時に男達が部屋に入ってきて机やパソコンを探り始め。
『おい、あったぞ。此れでたんまり金が稼げる』
(不敵に笑む男達にギリッと奥歯を噛み締めては、物陰から飛び出しデータの入ったUSBを持つ男に体当たりし、怯んだ隙にUSBを奪って逃げようとするもすぐに身体を取り押さえられ。
『御前、昨日の餓鬼だな?…さっさと返せ!』
(怒鳴りつけられるが此処まで来て失敗するわけには行かないと咄嗟に口の中にUSBを入れ、多少無理はするが小型の物であったため“いける”と思えばそのまま飲み込もうとし。
(/本体抜けてました;
はい、初対面設定で大丈夫です!!あと名前の件も了解です!!
そして何やらおかしな出会いになってしまいましたが出会って不味かったら真ん中のロル省いてください;;
こちらこそめちゃくちゃな展開にお付き合い頂き本当に感謝です;
いつも、こんなで大丈夫か?いや…絶対迷惑だろって思いながら回してます←
>露木
( 翌日、早い時間からバーへと足を運び男の言いなりのままに能力を使おうとした所、最初こそ狂った歓声にかき消されてた物の不意に聞こえた相手の声にピクリと反応しては裏口を見詰める。
“早くしろ”と観客達からブーイングが来る中、聞き間違いかと一度は気を逸らすも二度目ははっきりと聞こえジッとしてられずに手首の縄を噛み切っては裏へと走り出し。
隣の部屋にて目に入ったのは相手を組み伏せる数人の男達、何をしてるのかは全く分からなかったが僅かに抵抗さえ見える相手の行動にそれとなく適当な判断をしては男達を蹴り飛ばして。
まさに化物の如く、鋭い牙で噛み付いては何とか男達を蹴散らし追手が来る前にと相手を外に連れ出しては町外れの倉庫の陰へと一気に走り抜けて。
掴んでた相手の腕にハッとし突き放す様に離しては「化物に触れられんのは汚らわしいもんな」と皮肉めいた言い方をしてしまって。
見世物の途中だった為に乱れたシャツを直しながら相手を見下ろし「何してたんだよ」と低く問う。
相手の目線まで屈んでは相手の背後の壁に手を付き「俺の無様な醜態でも笑いに来た??」と。
冷たく見下ろし最初から相手なんかに関わらなければ良かったのだと勝手に後悔しては相手の首筋に残る鬱血の跡を指でなぞる。
「これ、あの恋人にやられたの??」
( まだ僅かに一瞬怯えが見えたのを見逃さず相手の腕を壁に抑え付けては首筋に顔を埋め「俺、あんたが大ッ嫌いなんだ」と。
今回の件だって相手が動いたのは自分の所為、しかしそんな事も気付かないままに「あの男はあんたをどんな風に扱ってんの??」と相手にしてみれば恐怖を煽る様な質問をして。
相手のシャツに手を掛け「割と男ってのも悪くないな、…また化物に襲われるんだぜ??笑えるな、あんた隙が多いんじゃねぇの」と言い行為を進めようとした所、自分達を追い掛けて来た男達の声がしては咄嗟に声を殺しては相手の首筋に手刀を落としては軽々と背負い寮へと向かって。
( 前回の記憶を頼りに相手の部屋の前に来ては相手のポケットからカードキーを抜き取る。
部屋に入ろうとしたその刹那、隣の部屋の扉がガチャリと開いては自分と同じ顔の兄が驚きを見せながら立って居て。
『…え、ちょっと何でここに居るの』
「………それは、…こっちの台詞なんだが………」
『何でそんな傷だらけなの。何で隣人の人背負ってるの』
「一気に聞くな、………てか手伝えよ」
( 相手を部屋へと運びベッドへと寝かせては冷たい瞳で相手を見下ろす。
兄は呑気にも相手を見詰め『昨日挨拶に言ったら締め出されちゃってさ‐。でもなんかすんごい綺麗な人だったから気になってね。ってゆ‐か今までどうやって生活してたの??』と。
兄の質問攻めを綺麗に無視しては相手の瞼が一瞬ピクリと動いたのに気が付き部屋を出ようとする。
『え、何どこ行くの。友達じゃないの??』
「んな訳無いだろ。…俺………店戻んないとだから」
( 先程の店に戻る事を考えては憂鬱になるものの相手に取っても自分に取っても顔を合わせたくないと言う事に変わりは無いのだろう。
兄が一瞬眉を寄せては『なんの仕事??馬鹿げた仕事は止めてよ。……………もう父さん達の言いなりじゃないんだから』と。
しかしそれさえ無視しては一瞬相手に目を向けるも直ぐにまた部屋を後にして。
兄は相手の髪をくるくると弄んでは目を覚ますまで額のタオルを変えてやったりと世話を焼いていて。
( / いえいえ、全然大丈夫ですよ!!!
寧ろ素敵です(´∀`)
めめめ迷惑だなんてとんでもな!!!
ニヤニヤしながら画面見詰めてます(ry
自分は相変わらずの駄文が続いてしまいますがお付き合い頂けると泣いてよろこびまs
ではでは本体失礼しました‐(`∀´)
>桐崎
(相手が去ってから数十分後、ぼんやり目を覚ますと見慣れた天井が有り何故此処にと考えていると相手そっくりの顔に覗き込まれ一気に目が覚め身を起こして。
先刻の記憶が脳裏を駆け巡り微かに身体が震えるが、それより目の前の男は誰だと混乱気味に見詰め。
「あ、あんた誰?」
『酷いなぁ昼間会ったのに。俺は今日から入寮した桐崎綸だよ。…もしかして繿と見間違えてた?』
「…桐崎…?………双子?」
『よく言われるけど年違い。じゃなきゃ俺ここ(大学寮)に居ないし。………繿が此処まで運んできてくれたんだよ。……ねえ、…えっと、露木君?繿とはどういう関係なの?ていうか二人して何してるの?繿は傷だらけだし、君も…、普通ではないよね?』
「…………」
『君もだんまりかぁ。まあ俺とは会ったばかりだし仕方ないよね』
(ニッコリ笑う兄は相手と顔は瓜二つなのに印象が全く違う、というより相手にも兄弟が居たのかと。
そう言えば相手のことは人伝に聞いた名前くらいで殆ど何も知らない。
兄がどのような人物でどんな兄弟関係かも。何にしても“この事”は誰にも言えないと。
『……大丈夫?』
(突如心配そうに伸びてきた手に先刻相手に言われた言葉の数々が重なり、恐怖が湧き上がればバシッと音を立て振り払い兄を睨みつけて。
「触るなっ!!……っ、隣人だからって余計なお世話なんだよ。もう出てけ!!これ以上俺に関わるな!!」
(もう誰も巻き込みたくない。初会から謝罪も礼も無しに理不尽を言えば誰だって自分を遠ざける筈と兄を掴み上げ「彼奴の兄弟なら最低な野郎なんだろうな」と態と嫌われるよう吐き捨て無理矢理室外に放り出して。
扉を閉ざし内鍵をかけては『開けてよ』と声を掛けてくる兄を無視して目をつむる。
相手は何故男達から自分を助けて、あんな辛辣な言葉を浴びせてきたのか。
そのくせ、怪我をしてるのに此処まで運んできてくれて……、訳がわからない。
ギュッと拳を握るも、今、相手はどうしているのかと考え冷や汗が流れる。
最後に見た時、立っていられるのが不思議なほどボロボロだった。
……部屋で休んでいる。そうとも考えられたが、嫌な予感は拭い切れず兄が隣室に入るのを確認すると考えもなしにただ感情的に寮を飛び出し店に向かおうとして。
(其の頃、店裏ではデータと盗もうとした男達が全部自分のせいにして被害者面しては店員達に『“泥棒”を捕まえようとしたらお前等が飼ってる化物に襲われた』と怪我を大袈裟に痛がっていて。
そこへ相手がやってきては男達の言葉を鵜呑みにした店員が有無を言わさず相手の首根っこを掴み狭い部屋に放り投げて。
『客放ったらかして何処行ってやがった。しかもデータを盗んだ“泥棒”を助けるとは……。下手にデータを売られでもしてみろ。孤児にすぐバレてお前の人生破滅だぞ?』
(店員は相手の髪を掴み上げ無理矢理顔を上げさせてはニタリと笑み。
『まあお前の人生なんてどうでもいいがな。…それよりも今回の損害は大きい。たっぷり仕置してやらなきゃなぁ?』
(卑劣な笑みを浮かべ相手の身体を拘束すると暴力に飽きたのか相手の顎を撫で上げ『男は初めてか?』とほくそ笑みシャツに手をかけて。
>露木
( 戻りたくも無い店へと戻って来たにも関わらず相手に伸し掛ってた男達は被害者面をしながらこちらを睨み付けて居て。
別室に無理矢理放り投げられては拘束される手にヒヤリとした汗を感じるも何とか切り抜けなければと。
「逃げたりしねぇからさ、これ外してくれねぇか」
『ふざけた事を抜かすな。信じられると思うか??それにこれは仕置だからな』
「分かってる。でも俺割と経験有るよ、どうせならあんたも尽くされた方が良いだろ」
( 挑発的に男を見詰めては『逃げたら殺すからな』と言われ拘束を外される。
ここで逃げる事も出来たがそれでは子供達が危ないだろうと考えては自ら男に寄り掛かり無理矢理笑みを繕ってシャツに手を掛ける。
大丈夫だ、と自分に言い聞かせ相手に乱暴した時の事を思い出すもやはり目前の男とは重ならず僅かに指先が震えるも手慣れた様子で男の首筋に顔を埋めて。
( 客達には時間変更だと伝えそろそろ夕方になるという頃、店主から相手の泥棒行為を聞き付けた男は相手の寮に向かうと人の良い笑顔で通して貰い相手の部屋へと訪れて。
ちょうど相手も出掛けようとしてたのか、玄関口でばったりと出会してはニッコリと微笑み相手の腕を掴むと『何してくれてんのかな』と。
逆らうなと言う様に相手に携帯の写真を見せ付けながら額に口付けを落とし『そんなに気になるなら見に行こうか??…でも勝手な行動したら家族がどうなるか考えてね』と。
( シャツのボタンを止めながら男が自分の髪を掴みそろそろ舞台が始まる事を告げる。
もうどうにでもなれ、と半場諦め気味になりながら自分も服の乱れを直そうとするもそんな暇さえ与えられずに後ろ手に手錠を掛けられては舞台に放り出されて。
暫く嬲られた後、振るわれる鞭に恐れをなし漸く能力を全解放しては一人の男に飛び掛る。
悲鳴と歓喜が飛び交うバーの中、無様な狼の姿で店主にも飛び掛ろうとした所、久し振りに全解放した途端の疲れから人姿に戻ってしまってはバタリと倒れて。
>桐崎
(男に逆らえぬまま訪れた店、目の前で相手が痛め付けられ我慢ならず身を乗り出したところ、狂った歓喜を裂くかのように現れた美しい銀毛の狼に目を奪われる。
汚れた空間の中、その狼だけが輝いて見え一瞬時が止まったかのような感覚さえして。
しかしバタンッと相手が倒れる音と共に現実に引き戻されては、男の手を振り払い誰よりもはやく相手の元へ駆け寄りその身体を抱き起こし。
『おい、離れろ!!まだ見世物の途中だ』
「これ以上させたら此奴の身体がもたない!!見ればわかるだろ!!」
『菊、勝手な行動は駄目だって言ったよね?』
(憤る店主を後ろに下がらせ暗い笑みを浮かべてくる男に圧されるも直ぐに静かな瞳で見上げ「…俺は……あんたのペットが壊れないように忠告してるだけだ。……あんたの為に」とさも男を想うように述べ。
男は見透かしたように笑むも『まあ今回は此れで終わりにして上げるよ』と店主に客達を帰すように命じては意識のない相手を見下し『後で覚えておいてよ』と言い残しその場を立ち去って。
(男が去った後、横たわる相手を背負って店の裏口から出たところニッコリ微笑む兄と出会し目を見開く。
どう言い訳するか思考を巡らせていると兄が自分に背負われる相手の頬をツンツン突いて。
『あーあー、やっぱり変な仕事してんじゃん。無茶しちゃって』
「………あんた…」
『御免、君のあと付けてきて色々見させて貰っちゃった。話はあとね。とりあえす繿は俺が運ぶよ』
(淡々と話され相手を抱える兄に戸惑うもまだ店内に残っているデータのことを思い出し店に戻ろうとするが腕を掴まれ。
『待って。データなら俺の知り合いがハックして消したから大丈夫。監視カメラの映像もね』
「……は?」
(話について行けず混乱していると腕を引かれ半ば強引に車に乗せられては兄の運転で寮まで連れられる。
未だ整理がつかない中、相手の部屋まで連れて行かれそうになるが流石にそれは不味いと腕を払い「…其奴、俺のこと嫌いだから俺が傍にいると傷の治りが遅くなる」と適当に言って自室へ逃げるように足を向け。
兄は困ったように眉を下げた後、相手の部屋に入り相手をベッドに寝かせ「ほんと無茶し過ぎ……何してんだか」とぼやきながら相手の治療をして目覚めるまで見守っていて。
(/アカ君、勝手に知り合いとしてフラグだけですが登場させました。天才ハッカー(PCオタ)というカオス設定にして味方っぽい感じにしてしまいましたが宜しかったでしょうか。そしてアカ君も繿君にべた惚れです。病的に←
>露木
( 目覚めたのは自室、兄が隣で呑気に缶コーヒーを飲んでるのが目に入っては「何してんの」と問い掛ける。
兄は無言で額の包帯を巻き直し『後で露木…だったかな、お礼しときなよ』と。
改めてここまでの出来事を兄に聞いては相手が助けてくれたと言う事に内心驚くも“大事な見世物商品”が無くなったら困るのだろうなと。
布団に寝そべりながら「あいつ、意味分かんねぇ」と小さく呟き布団に突っ伏して。
( 大学生寮へと向かった兄は真っ先に相手の部屋に来ると勝手にドアを開けへらへらとした笑顔で相手に駆け寄ると『迷惑掛けてごめんね』と。
それだけ告げに来ただけなのだがクルリと相手に向き直っては『なんか合ったら言ってね、俺は普通の人間だけど守ってあげるから』と。
本人にしてみればそれなりの口説き文句だったのだがこの状況からそうとは取れないという事など気付かずに自室に戻っては携帯を開く。
メールを開いては手伝ってくれた“ハッカー”からのメールが来ており苦笑いで開く。
《ただでやってあげたんじゃ無いからご褒美を待ってるね。あとムービーに写ってたあの子綸と顔似すぎじゃない??身内??》
( 面倒臭がりつつ返信は明日で良いかと考えてはふあ、と欠伸をしながら浴室へと向かって。
( 翌日、平静を装いつつ学校へと向かうが特に変わった事は無く何とか落ち着く。
教室へ向かおうかと迷ったが暫く孤児院にも顔を出して無い。
かと言って孤児院に行くのもどこか気を使ってしまい結局はサボる事にして共同スペースである部屋へと入ってはソファーにて居眠りをして。
肩を叩く感覚に目を覚ましては担任の教師が『桐崎、今日は転校生が来るんだから教室に来ないか』と。
“後で行きます”と適当な返事をしては邪魔が入らぬ様にイヤホンをしては居眠りを続ける。
昨日のバーの店主に付けられた鬱血の後も居眠中故に気付けず、しかしその場所に沢山の引っ掻き跡がある事から自分にして見れば良い物では無く。
夢の中、なぜか登場して来たのは相手の姿。
以前抵抗されながらも相手を組み伏せた時の怯えた表情が浮かんでは無理に微笑みながらも自分の首に腕を回す。
相手が“繿”と自分の名を呼んだ所で目が覚めてはサッと冷たい汗を感じる。
何で大嫌いな相手の夢を見たのか、思春期故の事なのかなんて人事に考えつつそれでもイライラとしては頭をガシガシと掻く。
相変わらずの無愛想で次こそは良い夢を見ようと瞳を閉じた所、何気無く相手の名前は何だったろうかと。
確か同じクラスの女生徒達が騒いでいた、暫く頭を悩ませた後思い出した様に「………露木……菊……………」と。
ふつふつと思い浮かぶのは相手が自分を見下し侮辱する姿、やはり相手の事など考えるべきでは無いのだと言い聞かせるも先程の夢の事がありなかなか頭から離れてくれない。
「……………化物、か」
( ボソリと呟き自嘲に笑えば本当に無様な物だなと。
人並みの恋愛など出来る訳無いしこうして人間と馴れ合いながら暮らしてるのもギリギリの所。
顔を隠す様に足を組み寝そべったまま両手で顔を覆った所、ガラリと扉が開いてはゆっくりとそちらに視線をやって。
( / 天才ハッカー君了解しました!!!
全然大丈夫ですよ‐、寧ろおいしい設定です(^q^)
今回も訳分からんロル申し訳無いです、文の最後に教室に入って来たのは誰でもOKです←
これから綸のしっつこいラブコールが煩くなると思われますが是非よろしくお願いします(笑)
>桐崎
(“転校生”は扉を開いて相手の姿を見るなりニッと口角上げ馴れ馴れしく相手に近付きジーと相手の顔を見詰めたあとイヤホンを勝手に外し。
『やっと見つけた。綸とそっくりな銀髪の兄さん。探したんだよ』
(ニコリと人懐っこい笑みを浮かべ相手の銀髪をいじっては『わぁ本物だ』とはしゃぎつつ、自身が相手のクラスに転校してきた事を明かして『折角、兄さんに会えると思って楽しみにして来たのに教室にいないんだもん。抜けだして来ちゃった』テヘッと態とらしく惚けては俄に妖艶な笑み浮かべグッと顔を近づけて。
『俺、兄さんの秘密いっぱい知ってるよ。……狼の姿、かっこよかったなぁ』
(クスッと笑うもすぐに人良さ気な笑みに戻しては鬱血を隠すように乱れた相手の服を整えて『あまりだらしなくしてると襲われちゃうよ』と続け、変わらぬ馴れ馴れしさで転校してきたばかりだから学内を案内して欲しいと頼んで。
(其の頃、自分は中庭のベンチにて何をするでもなくぼんやりとするも頭の中の大半は相手をしめており、昨夜からずっとあの狼の姿が離れずにいて。
「………綺麗だったな」
(ポツリを零しては演技とはいえ今まで散々相手を侮辱したことを悔やむ。
薄汚い部屋の中で相手が痛め付けられる姿が浮かんでは自分は取り返しの付かないことをしてしまったのだと。
相手のことは嫌いで相手にされたことを思いだすだけで寒気がするが、“このまま”でいい筈がない。
何故嫌いな相手のことをここまで考え執着してしまうのか自分でも分からないが兎に角今の状況が気に入らなく。
この状況を変えるには自分があの男の言いなりになっても男を言い包めるしかないと思えばすっとベンチから立ち上がり男の家へ足を向けようと。
(/最後の教室の件了解です。そして入ってきたのはアカ君にしました。
悪絡みしていますが繿君のこと大好きです。多分繿君のPCハックするくらい←←
いつも行き当たりばったり先行き真っ暗のロルですみません;;
ではでは本体失礼します(^_^*)
>露木
( 突如現れた赤髪の青年に驚きつつも昨夜兄の口から聞いた知り合いのハッカーとは目前のこの青年だったという事を理解しては馴れ馴れしい態度に表情を歪めつつも学校案内を受ける。
案内出来る程学校には詳しく無いしあまり学校にはいないがそれでも実は真面目な性格故か知ってる限りの場所は案内して。
赤髪と銀髪、非常に悪目立ちしてしまうがそれを気にしてたらやってられないし青年も自分の能力を知りながら隣に居る。
そこでハッとしてはこの青年は怖がったりしないのだろうかと。
「………あんたよく俺の隣に居れるな。知ってんだろ、化物だってこと」
( ボソリと一人言の様に言うも青年は一瞬きょとんとしただけで『知ってるけど…それと兄さんと一緒にいる事がどう関係あるのかな。それに兄さんは人間でしょ』と。
何となく人間として認めて貰えた様な感情になってはフイと視線を逸らし高校を後にして。
街へでも向かおうかと考えてた所、大学生寮にて教科書を片手に持つ兄と出会しては肩をガッと掴まれる。
『露木!!!露木見なかった??………折角授業も全部同じの組み入れたのに!!!』
「俺が知る訳無ぇだろ、あんたも暇なんだな」
『………はぁ、居ないんだったら俺も授業サボるわ』
( げんなりとする兄がなぜそこ迄相手に付き纏うのかなど知らずにさっさと学校を出て。
( 相手の訪問に男は一瞬驚くも部屋に招き入れては相手の髪に馴れ馴れしく触れる。
『菊から来てくれるなんて驚いたよ。でも前のお仕置きが終わってないからね、お仕置きをしてあげようと思ったんだけどわざわざ菊から来てくれるなんて今日は機嫌が良いから後にしてあげる』
( どこか思い詰めた様な表情をする相手に眉を寄せては相手のトラウマでもある写真を見せ付けて。
『前にあるホストの男が麻薬で女取ってたの分かるかな??…彼、あの化物のいた所で働いてたんだってね。なんで仕事止めたか分かる??まぁ正式に言えば“止めた”じゃ無くて“消えた”んだけど。麻薬の取引がバレた代償だよ』
( コツコツと歩を進めては相手をベッドに押し倒し『何が言いたいか理解出来る??菊が逆らえば俺の命令一つで人を殺せるんだよ』と。
笑みを深めながら『また色んな男達に好き勝手されたく無いもんね??』と。
幾つもの鬱血の跡を残し、その中に明らかに自分が付けた物ではない物を見付けては眉を寄せる。
それは以前自分がつけた物で既に薄くなってるそれに指を這わせては冷たい冷酷な笑顔で『誰にやられたの??』と。
>桐崎
(男の絶対的な権力と支配力をまざまざと見せつけられてはゾッと背筋が冷える。
押し倒され鬱血のことを問われては冷や汗が伝うも平静を裝い「……それ、多分ダニ…。この前しまってあった毛布を洗わずに使ったから」と苦し紛れの嘘を吐き。
そして間を置かず男に抱き着いては首筋に顔を埋め「…俺、あんたの物になるよ。あんたの言うことちゃんと聞く。……だから彼奴のこと解放して?他の“ペット”に構わないで欲しんだ。……俺だけを見て欲しい」と男をまっすぐ見詰めどこか甘えたような声で述べては沸き立つ悪寒を押し殺しながら男の唇を奪い。
男はやや渋った顔をするが仕方ないと頷き『でも少しでも逆らったら…彼、もっと酷い目見るからね?』と脅してきては、相手に《もう君は用済み。来なくていいよ。でももし口外することがあれば子供であろうと容赦しないからね》とメールを送りつけ。
(其の頃、街では相手と青年が目立つ髪色に加え美形ということもあり待ちゆく女達の視線を集め『あ、あの此れからお時間ありますか?』『連絡先だけでも教えてください!!』と何度も声を掛けられては逆ナンされていて。
其の数が軽く二桁を越えようとしたところ青年が痺れを切らしたかのように相手の腕に絡みつきべったり恋人同士のように張り付いて。
周囲がヒソヒソとざわめくが青年は気にせず上機嫌に鼻歌を歌い『此れでゆっくり歩けるね』と。
(丁度その時男と自分も二人並んで街を歩いており前方に連れ添う二人の姿を見付けては小さく目を見開く。
青年とは面識がないため一体誰だと思っていると男に手を引かれ二人の前まで来て。
『あれ、君達ずいぶんと仲が良いんだね。まあ、俺達の愛には叶わないけどね』
(好き勝手いう男を張り倒したくなるのを堪えていると男がいきなり相手の腕を掴み上げ『菊、悪いようにはしないからちょっと待っててね』と言い残し相手を少し離れた路地裏に引きずり込んで。
そして“悪いようにしない”と言った矢先から相手を壁に押さえつけ暗い瞳で見据え。
『ねえ、菊の鬱血の痕、あれ君がつけたんでしょ?…菊が“化物”につけられたって怖がってるんだけど』
(更に強く壁に押さえつけながら出鱈目を言っては相手の首筋についた鬱血を見てニタリと笑み『こんなに引っ掻いちゃって。そんなに嫌だったの?……菊も同じ気持ちなんだよ』と一層低く囁いては相手の首筋に顔を埋め痛いほどの鬱血を残して。
続けざまにポケットから煙草を取り出して火を付けては相手の首筋に近づけ『こっちのが聞き分けよくなるかな?』と恐怖を煽るように不気味に笑んで。
>露木
( 相手に残した鬱血の痕を咎められてはグッと押黙るも首筋に顔を埋めて来る男を突き飛ばそうと。
しかし目前に突き出された煙草に思考が停止しては過去の両親の姿と重なり恐ろしい物を見るかの様な表情で男を見詰める。
後少しで煙草が押し付けられるという所、青年が変わらない笑顔で路地裏に入って来て。
『兄さん遅いよ‐…あっ、何浮気してるの』
( この状況からどう浮気と取ったのかは知らないが遠ざかった煙草に安堵の息を漏らす。
まだ僅かにカタカタと震える身体を静めようとする中で青年に続き入って来た相手に無意識に目が行く。
化物に触れられて怖がるのは当たり前の事、相手は何も悪くない。
視線を落とし立ち上がろうとした所、青年が相手を抱き寄せると男に顔だけを向けたまま顎を軽く持ち上げ『俺も君の大切な恋人に手出しちゃおうかな、こっちだけされるのは不愉快』と。
男は流石にそれは気に入らなかった様で『分かったよ、ごめんって。だから菊には触らないで』と。
( 男達と別れ何とか気を落ち着かせるも頭に浮かぶのは男に甘えるような仕草を見せる相手の姿。
自分という存在がそうさせてる事など知らずになぜこんなにも気になるのかと眉を寄せる。
『兄さん兄さん、あそこの喫茶店に入ろうよ』
( 先程の事など無かったかの様にはしゃぐ青年に一瞬呆れるも気を紛らわせる為にも了承して。
( その頃、男は相手がすっかり懐いてくれてる物だと気分を良くしては相手の腕を自身に絡めさせ『そう拗ねないでよ。ちょっと悪戯しただけだし俺は菊だけだから』と。
相手の目線に合わせ唇を奪うと『でもね菊、嘘は良くないからね』と言い既に消えかかってる鬱血の痕にトン、と指先を当てて。
男は自分が相手に気があるものだと考えては相手が誰のものなのかを知らしめるが為にわざと距離を縮める様な事をして来て。
『今日は寮まで送ってくから』
( ニヤリと笑みを浮かべると再び歩き出し『さっきの赤髪の奴、菊に馴れ馴れしく触れてさ。気色の悪い髪色しやがって…化物同士似合いだよ』と。
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