xxx 2014-12-29 00:12:16 |
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>桐崎
(居酒屋にて相手と話さねばと思うも父親2人の前でする話でもないため口を閉ざしていたが、明らかに苛々した様子で苦手なものを皿に移してくる相手に“なんであんたが不機嫌なんだよ”とむかついてしまい皿に乗せられたものを相手の皿に返却していき。
『こら、菊。行儀悪いからやめなさい』
「…此奴が先にのせて来たんだし」
『子供みたいなこと言って。それに友達を此奴呼ばわりしたら駄目だろう』
「…………」
(相手の前で父から叱られ情けなさと恥ずかしさで更に機嫌を損ねるもここで空気を悪くするわけにはいかないため素直に謝り相手の父親に笑顔でお酌しては適当に世間話をして場を繋ぎ。
結局相手とまともに会話をしないまま食事が終盤にさしかかり店員が『予約のサービスです』とデザートを持ってきてどこか聞き覚えのある声に顔を上げると目を丸くする男子生徒が立っていて。
『先輩!…と桐崎。え、…あ、じゃあもしかして露木先輩のお父様ですか!わあ初めまして、俺先輩に世話になってる磯貝(イソガイ)っていいます。よろしくっす』
『磯貝?磯貝君ってもしかして今回お金の工面をしてくれた?』
「…父さんその話は…」
(借金の話は相手には話していないこと。出来れば知られたくないと父を制そうとするも既に遅く、父はヘコヘコと男子生徒に頭を下げて『僕はてっきり繿君に相談したと思ってたんだけど菊が昨日話してくれてね。いやー、君みたいな子が菊の傍にいてくれて嬉しいよ』と笑っていて。
それから暫く男子生徒と父が笑顔で会話し話の区切りがついたところで思い出したように此方を見て。
『あ、先輩。言っておきますけどバイトは親と学校公認の社会勉強なんで校則は違反してませんから。っていうかもう卒業だから校則とか関係ないっすから…じゃあ俺はこれで。明日も待ってますね』
(ニカッと笑顔で仕事に戻っていく男子生徒に父が『本当にいい子だねー』と呑気に笑うのに、自分は居たたまれなさから相手の顔が見れず、今日聞こうと思っていたことも忘れて相手を遠ざけるように目をずっと逸らしていて。
>露木
( 現れた男子生徒と相手の父との会話に以前相手の父が自分に連絡を寄越した内容が漸く理解出来ては自分には全然相談も無かったのに男子生徒には言えたのかと身勝手な苛立ちが込み上げて。
此方を見ない相手に小さな舌打ちを漏らしては欠伸をする父を見詰めて。
『あ??辛気臭ぇツラでこっち見んじゃねぇ』
「息子に向かって言う言葉かよ」
( ブスッとしながらデザートを平らげ暫く話した後に店の外に出ては自分の父と相手の父がまた会おうと話してるのを横目に携帯を見詰めていて。
『じゃあ僕はホテルに泊まるから此処で。縺さんは自宅に戻るんだよね、なら途中まで道は同じだね。じゃあね菊、繿君も今日はありがとう』
( ニッコリと微笑む相手の父にペコリと頭を下げては重たい空気の中何時もより早足で帰路を辿る。
アパートと寮の別れ道迄もう少しと言う所で遂に我慢が出来なくなっては相手に向き直りグッと顔を近付けては一番問い掛けたい事も聞けず「ムカつく」と呟き。
「こっち見ろよ」と言うも見事にフイと逸らされては相手の耳に軽く噛み付き「こっち見ないと噛み契るぞ」なんて子供地味た脅迫をして。
「………磯貝とすっげぇ仲良さそうだったな、あんたの父さんもすっごい気に入ったし」
( 不機嫌をあからさまに上記を言えば尚も機嫌の悪そうな顔で自分の巻いた種にももはや気付けずにいて。
>桐崎
(重たい空気の中、突如“ムカつく”と言われカチンと来るも居た堪れなさが先立っては相手の鋭い視線から逃げるように目を逸らす。
しかし耳を噛まれ言われた言葉についに苛々が我慢できなくなっては相手をキッと睨み付け。
「は?何であんたがんなこと気にするわけ?俺と磯貝が仲良くしたらあんたにとって都合良いんだろ?」
(相手が“応援してる”とまだ確認してもいないのに怒りをぶつけては何で俺が悪いみたいに言うんだと舌打ちして。
「てかあんた、さっきからずっと苛々して空気悪いんだよ。好き嫌いとか餓鬼か。ムカついてるのはこっちなんだよ」
(子供の喧嘩のように罵声を浴びせてはハァとわざとらしく溜息を吐き「……あーそうだよ。磯貝と仲良いよ。彼奴はいい奴だしあんたみたくいきなりキレたり噛み付いたりしないしな。それに勉強熱心だし人も良いしそりゃ父さんも気に入るよ。あんたも俺と磯貝のこと応援してくれるんだろ?きっと喜ぶだろうな、うちの父さんは」といやみったらしく述べて。
本当は相手が誰よりも優しくて、バイトや授業の合間の短い時間に一人勉強に励んでいることを知っていたのに、今は気が回せず相手を睨みつけて「今日あんたのとこ行こうと思ったけど辞める。どうせ苛々するだけだし、俺は邪魔だろうから」と“応援する”ということは他に気になる人がいるのだろうと勝手に思い込んでは冷静になれないままその場をさろうと。
>露木
( 男子生徒にしっかりと真実を言えずうやむやにして誤解を生んでる事にも気付けずに相手の言葉に“本当にあの男子生徒に相手を取られるのでは無いか”と言う焦燥感が湧いて。
わなわなと震えながら相手の肩をグイッと掴むも性格上やはり素直になれず「な…なら勝手に磯貝の所でも行けば良いだろうが。別に俺は止めたりしねぇから」なんて生意気極まり無い事を言っては相手に背を向け大股で寮へと戻って行って。
( 自室に来るなり今日の自分の行いに深く後悔しては相手の言葉を一つ一つ思い出す。
まずは勝手にキレた事と噛み付いた事を謝らなければと携帯を取るも文字を打った所で送信する事が出来ず結局消去して。
勉強熱心と聞けば別にあの男子生徒は相手との勉強会だから頑張ってるだけだろなんてまた黒い感情が生まれるも最近は自分も成績が落ちて来ていて。
以前相手に勉強を教えて貰おうとも思ったが丁度家庭教師のバイトを受け持ったと聞いて諦めて。
あの男子生徒の様な人懐っこい笑顔を向けるなんて無理だしこれでは適わないと大きな溜息を付いて。
ベッドに横になったまま寝息を付いては夢の中でも相手の事ばかり考えていて。
( 翌日、朝食に行こうと迎えに来た青年を見詰めては身支度を済ませどうせなら外のファミレスに向かおうと。
頭の中ではあの男子生徒の印象がグルグルと駆け巡っており少しでも笑顔を作れたら良いのになと。
『わ、俺パンケーキにしようかな。兄さんは??』
「トーストで良い」
『分かった、店員さ-ん』
( ニコニコと笑顔で注文する青年を見詰めては小さく溜息を付き。
>桐崎
(翌朝アパートにて目を覚ますも眠れたはずなのにすこぶる目覚めは悪く、その原因は明らかで昨夜相手が最後に残した言葉からやはり本当に自分と男子生徒の仲を応援したのかと疑っていて。
相手からのメールはなく何度も自分から送ろうとするが言葉が見つからず結局なにも送れずに溜息を吐き今日は家庭教師のバイトしかないしそれまでアパートでゆっくりしようと思うもSNSの通知音が鳴っては《おはよっす。今から一緒に朝飯食いに行きませんか?》と。
男子生徒の想いを知ってしまったためこれ以上近づきたくないと思うもそれを見計らったように《友達としてで良いっすよ》と続けざまにメッセージが送られてきて。
正直面倒だったが相手とのことで意地になっていたこともあり、どうにでもなれと投げやりになっては《分かった。今から支度する》と短文を送って。
(訪れたのは相手と青年もいるファミレス、しかし敷居などがあったため気付かず入り口付近の席に案内されてはサラダやスープを注文して。
「…金持ちはこーいうところこないのかと思ってた」
『嫌だな、それは偏見っすよ。それに先輩もこっちのが落ち着くでしょ?』
(人懐っこく笑い朝からがっつり厚切りベーコンを食す男子生徒に流石元野球部と感心しつつ、食堂で相手から貰っていたヨーグルトを恋しく想い、昨夜相手の苦手な物を食べて上げればよかったとウジウジ後悔して。
『話聞いてます?この後、俺の実家来ません??先輩の好きな星とか自然の図鑑沢山あるんで。あ、自家用プラネタリウムもありますよ。あと望遠鏡も。折角だから今日の家庭教師は俺の実家でやりましょうよ』
「…あー…、いやでも…」
『あ、今俺に襲われるかもって思いました?心配しないでください。俺そーいうところは紳士っすから』
「は?…だれかそんな心配するかよ。………ただ桐崎と…」
(会いたいと言おうとする自分に気付いては喧嘩してるのに何考えてるんだと焦ってしまい『わー、図星っすか?意外と変態っすね』とからかわれたのも相まって顔を赤くして。
>露木
( 朝食を終え青年と共に会計へと来た所で目に入ったのはあの男子生徒と向き合い頬を赤らめて何かを話してる相手の姿で。
分かり易く不機嫌をあからさまに表情に出しては激しい嫉妬に駆られわなわなと震えて。
その刹那、相手とばっちり目が合うも咄嗟の事にビクリとしフンと顔を背けては青年と共にファミレスを後にして。
( それから春休み故に特にする事も無く青年と街をブラブラ彷徨っては最近成績が落ちてる事を何気無く青年に相談してみたりして。
『俺も勉強嫌いだからな-、留年生だし』
「いや俺も嫌いだよ。でも俺寮賃親が出してる訳じゃ無くて少し事務の先生に媚ってるからさ、流石に成績落ちると追い出されかねねぇんだよ」
『え-、寮賃かぁ。確かお父さん何とかしてくれるって言って無かったっけ??』
「言われた、…けど俺が断ったの」
『何でよ-』
「母さん肺弱らせてるらしくてさ。病院通えば治るらしいしあんまり世話かけらんねぇなって」
『そっかぁ…』
( 相手とは喧嘩をしてるし頼める筈無いと頭を悩ませつつそれでも青年が話を明るくしようとしてくれてるのは分かり軽く微笑んで。
( その頃、男子生徒は相手を豪邸に招きその一室のプラネタリウムに案内しては真っ暗な部屋の中相手の手をさり気なく取って。
『あ、す…すみません。俺鳥目なんすよね』
( 困り笑顔でそのまま装置の前まで向かえば漸く手を離し慣れた手付きで操作をして。
『凄くないっすか??たま-に無料で子供達とか招待してるんすよ。その辺と意地悪な金持ちと一緒にしないで下さいね』とあの人懐っこい笑顔で。
>桐崎
(男子生徒の家に招かれ自家用の域を越しているプラネタリウムに圧巻するも、相手のことが頭から離れず今朝ファミレスで顔を背けられたことを自分が顔を赤らめたからとも知らず気にしていて。
『先輩どうっすか?気に入ったならいつでもまた来てくださいね』
「…あ?…ああ。………陸と遙花にも見せてやりたいな」
『誰っすか?』
「ああ…孤児院の子どもでさ。桐崎によく懐いてるんだ」
『……また桐崎っすか。先輩さっきから口を開けば桐崎桐崎って…』
「………」
『あ!いやいいっすよ。今度その子供達連れてきてくださいよ。珍しいフランス菓子も用意しますんで』
「いやでも桐崎居ないと難しいかな…。俺だけじゃ子供達連れ出せないし」
(今は喧嘩してるから頼めないと眉を下げては機械が天井に映し出す空をぼんやり見つめていて。
その後夕食までご馳走になっては男子生徒の部屋で授業を終えて今度は本物の星空を見ようと誘われるも小さく首を横に振って。
「それはやめとく。…桐崎と見る約束して…、まだ見てないから」
『……でも喧嘩してるんすよね?』
「…悪い、もう帰る。長居したら家の人にも迷惑かかるしさ。…今日はありがとな。楽しかった」
(小さく微笑んでは男子生徒の家族に挨拶して邸宅を後にして家路を歩く。
相手のことがむかついていたのにこんなにも相手を想ってしまう自分に嫌気がさすも相手を忘れられないことくらい分かっていた気がして着信のない携帯を見ては小さく溜息を吐き、自分から男子生徒に相談したことだけでも謝ったほうがいいのだろうかと相手のアドレスを開いて。
暫く散々迷うも此れまで何度もちゃんと話しあえずすれ違って来たことを思い出しては《話がしたい。時間あるときでいいから会わないか?》とメールを送り。
(その頃、男子生徒は相手にライバルとして今日のことを報告しようとSNSで自分としたことを自慢し《俺のがポイント高いかもな♪》 なんて送りつつ自分が相手のことばかり話していたことは伏せていて。
>露木
( 自室にて結局青年と駄弁って居たが青年がふと時計を見上げては『あ、バイトの時間だ』と零して。
バイトなんてやってたのかと疑問が浮かび問い掛ければ『かなり高収入だよ。ネットでうま-くバイトしてるの』と微笑みさっさと自室に戻って行って。
何のバイトしてんだよ、なんて考えつつ携帯を手に取っては相手からのメールに気付きバッと起き上がるもそれと共に男子生徒からのメッセージが入っては眉を寄せる。
絵文字を乱用しまくってる様子から相当な上機嫌が伺えイライラとしては《何なら俺も彼奴泊まりに誘っちゃおうかな》なんて嫌味な返信を送って。
男子生徒からの返事は早く《巫山戯んなよなヽ(`Д´)ノ…って言うか桐崎が泊まりに誘うって言うとあっちのイメージしか沸かないんだけど》と失礼極まりない内容に再び苛立って。
《何、俺はそういうイメージが定着してんだ》
《いや…そんなんじゃ無いけどお前自分の噂少しは気にしろよな》
( 長く続きそうなメッセージに小さく溜息を付いては相手のメールを開き返信を作成する。
…が、やはり素直にはなれず会おうという誘いに凄く嬉しい筈なのに《仕方無ぇな、面倒だけど時間作ってやっても良いよ》と生意気な返信をしてから後悔しベッドにボフリと身体を預けては本当に自分は馬鹿だなと唇を噛んで。
>桐崎
(アパートに戻っては相手のメールに気付きその冷たいように見える内容にズキリと胸が痛むも此処で負けてたまるかと《御免、有難う。時間わかったらまた連絡して。待ってるから。おやすみ》とメールし、次会うときは絶対冷静でいようと心に決め、たとえ本当に“応援してた”ことが真実でも受け入れようと。
ただの思い違いとも知らず勝手に靄々してはその日は疲れていたためそのまま眠りについて。
(その頃、相手の部屋には若頭と兄が怪しい大きめの水晶球を手に押しかけていて先程テレビでやっていた怪奇現象の番組について話していて。
『本当凄かったんだって!!男の人が呪文みたいなの唱えたら人がスゥと水晶球に吸い込まれて消えちゃったの』
『まああんなの編集だよね。絶対。信じてるの木ノ宮くらいだよ』
『えええ。絶対本当だって。それでねそれでね。また呪文を唱えたら消えた人がパッと現れて過去にタイムスリップしてきたって言うんだよ。びっくりじゃない?』
『……まあ嘘だよね。木ノ宮も信じてない癖にその乗りやめなよ』
『…綸はノリ悪いなぁ。繿は僕の話乗ってくれるよね?僕昔っから魔法とかちょっと憧れてたんだ。念を送れば一般の人でも出来るらしいから繿、ちょっと実験台になってよ。そのために多額はたいてこの水晶球即取り寄せたんだから』
『……俺はとめたよ』
(流石の兄もこの若頭のテンションにはついていけないのか呆れ顔をしており、勿論若頭も本当に信じているわけではなく盛り上げてしまったテンションを引くに引けなくなっているだけで。
『ささ、繿。ちょっと僕の遊びに付き合ってよ』
(相手の気も知らずに酒でも入ってるのかというくらいハイなノリで相手に絡んでは相手の手を無理やり水晶球に乗せて。
(/本体失礼します。そして申し訳ありませんw
今回もお馬鹿な本体がやらかしましt((←
繿君江戸へタイムスリップ(身体ごと)の巻です☆(殴蹴)
ちょっと雰囲気変えたくて(露草で繿君を愛でたかっt)やらかしただけなので
え、ないだろって思ったらスルーしてください<(__)>
設定的にらん君が二人いるとややこいので爛君は現代で菊とワイワイしてて貰おうかなと←
それで爛君と露草も喧嘩してて気まずくなってますとかだったらいいな←←
本トピの江戸での設定・矛盾はスルーでOKです(笑)
毎度、本体暴走してすみません(深々)
そして例のごとく何も考えておりまs((
とりあえず舞台は江戸で露草と繿君と絡みが出来たらいいなという自分の我が儘でございます(^q^)
>露木
( 若頭のテンションの高さに呆れつつ、それでもタイムスリップなんてある訳無いしと仕方無くその遊びに付き合ってやろうと手を翳しては突如その水晶球に吸い込まれる様な感覚になり慌てて助けを求める。
…が、時既に遅く地面に身体を打ち付けられる感覚に眉を寄せては着物に身を包んだ少年少女達が『爛兄ちゃん??』と自分を覗き込むのを最後に意識を手放し。
( 現代の自室、現代の自分と引き換えに飛び出して来たのは真黒な着物に身を包み白鞘の刀を持つ自分と瓜二つの青年(爛)の姿。
以前自分に憑依した事は合ったが生身の自分自身で呼び込まれたのは初めてな為無表情で辺りを見回しては冷静な様子で兄の顔を見詰める。
『………ちょっと木ノ宮、俺知らないからね』
『ま、待ってよ!!綸だって面白がってたじゃん!!』
( ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人に溜息を付き「どういう事だ。あんた等の遊びで俺は呼び出されたのか」と。
『いや、え-っと』
『木ノ宮が巫山戯てたからでしょ』
『違う!!!何で僕だけの所為児しようとするのさ-』
( 目に涙を溜め頭を悩ませてる様子の若頭に“困るくらいなら何で呼んだんだ”と飽きれるも兄が渋々と立ち上がっては現代の自分の衣服を手渡して来て。
『取り敢えず…着物じゃ不便だと思うんだよね。…それから刀も銃刀法に関わるし』
「随分生易しい時代になったもんだな。あんた達は仲間と見なして良いと言う事か??」
『……仲間…と言うか家族だしね、大丈夫大丈夫』
( 困り笑顔の兄に強引に着替えをさせられては出来る事ならさっさと江戸に戻りたいと思うも念じるだけで戻れるなんて事は有り得ずに。
( そして此方江戸時代にて、ゆっくり目を覚まし直ぐに目に入ったのは柔らかそうな赤髪。
着物を身に纏い満面の笑顔を向けては『良かったぁ-、兄さんやっと起きた。俺の事分かる??』と。
「赤城…だよな」
『へへ-、違うよ。俺は“アカ”ね』
「はぁ??」
『うん、まぁまだ困惑状態だよね』
( 緩く首を傾げる青年に“訳が分からない”と言う表情を向けては何故か黒い着物を渡され取り敢えず着替えろと言われて。
( / またまた何時もながらの素敵な展開に興奮しております(*゚∀゚)
今回自分のロルではタイムスリップ後の取り敢えずの状況把握、みたいな感じになってしまいました
舞台は江戸と言う事なので次ロルから繿と露草くんの絡みにさせて頂きますね
楽しみ過ぎてテンション上がってます←
>桐崎
(時は江戸、寺子屋にて子供達が勉学に励むのを見守りつつ窓から見えるどんよりとした雲行きを見て今朝の相手との喧嘩を思い出し何度目か分からない溜息を吐く。
__原因は些細なことだった。そして明らかに非は自分。今朝は互いに依頼続きで数週間ぶりの顔合わせ。甘い時間を過ごす筈だったが飛脚から相手へ新しい依頼が届き結局時間を共に出来なくなっては一気に気分が滅入り、相手は我慢してくれていたのに自分は長々と日頃の不平不満をぶつけ「どうせ仕事って言っても女と酒飲みだろ?」と相手の疲労も考えず責め続けてはついに相手を怒らせてしまいそれからは売り言葉に買い言葉で……。
昼過ぎには相手は依頼に出かけてしまう。そうなればまた数日は会えない。
このままでは駄目だと他の者に寺子屋を任せては孤児荘に足を向けて。
(孤児荘に着くと何故か子供達がいつもより騒がしく荘内から『らん兄ちゃん、この服変わってるね』『この“けーたい”は何に使うの?』とはしゃぐ声が聞こえ、なんだ?と首を傾げるも特に気にせず、一度小さく吸ってから相手の部屋の襖を開き。
そこにはいつもと変わりない…いやどこか違う気がするが相手の姿がありまだ依頼に出てなかったと安堵しては青年や子供達がいるのも気にせず相手の前に座りすぐに今朝のことを謝り。
「今朝はすまない。…あんたと過ごすのを楽しみにしていたから八つ当たりをして」と素直に言葉を並べていたところ青年と子供達が部屋に隅で必死に笑いを堪えるのが目に止まり眉間に皺を寄せるも、先程から感じる妙な違和感。その原因がなんなのか、目の前の相手に視線を移してはじーと紅い瞳を見詰め「…爛?」と呼びかける。
なぜだろうか。いつもより幼く見え、凛と研ぎ澄まされた気迫がない気がする。
「ちょっと立ってみろ」と相手を立たせては「……あんたまた背が伸びたか?」と。
まさかタイムスリップなんて想像もしないため、目の前の相手が“桐崎”だとは思わず、この短時間にやけ酒でもして気が抜けたのかと相手に顔を寄せて口元の匂いをかいで。
(/本当に自分の我が儘聞いて下さり有難うございますm(__)m
自分の超乱暴なパスを綺麗にまとめてくださり感謝です。
なんで爛君と露草がひっついてるかは疑問だらけですが…そこは置いときます(←)
今後露草が繿君を全力で可愛がりますのでよろしくお願いします!!
>露木
( 見慣れない衣服の相手の姿に相手もこの時代に飛ばされたのかと勘違いしては取り敢えず知ってる人に会えて良かったと安堵するも現代の相手はこんなに長髪では無い事に直ぐに気付いて。
状況も掴めないままに相手の言う事に首を傾げるも漸く相手の名前を思い出し「…思い出した、あんた…“菊露木”だろ??」と。
しかし相手の存在を思い出したからと言って不安が取り除けた訳でも無くガシガシと髪を掻き乱しては溜息を漏らし「…木ノ宮と綸…巫山戯やがって」と。
子供達から携帯を受け取り取れる筈無いと理解しながらも連絡を試みる。
しかし分かっては居たが県外、頭を抱えしゃがみ込んでは見慣れた顔立ちの姉弟が抱き着いて来て。
「…遙花、…と陸??」
『??…違うよ-??私は小遙(コハル)だよ??』
『僕は陸太(リクタ)だよ-』
( そっくりの顔立ちに一緒心が和むもやはりジッとはしてられず相手の肩を掴んでは状況を話して。
頓に信じられない話だが縋る思いで話終えては「ほら…この時代って物騒だろ」と。
『大丈夫だよ-兄さん、俺が添い寝して上げる』
「いや別にいらない」
『安心してよ、ちゃんと傍に居るしこっちでの過ごし方は何でも教えて上げるよ』
( やはり見慣れない街に一人で居るのは不安、現代とあまり変わりの伺えない様子で抱き着いて来る青年に何処と無くホッとしては「悪い、頼む」と相手が何かを言掛ける前に青年に返事をして。
それがまた擦れ違いになるなんて考え今は無く青年の好意に甘える事にしては子供達の元に駆け寄り。
>桐崎
(孤児荘の入り口に座り相手が子供達を遊ぶ様子をぼーっと眺めては本当に相手の生き写しだなと。
青年とのほうが親しげなのは気に入らないがあくまで自分は“他人”なのだから仕方ないかと溜息を吐きつつ、相手のお陰でいまの相手(爛)とよりを戻せた恩もあるため相手のことは自分が絶対に守ろうと決めては暫く相手の様子を頬やましげに見守っていて。
(夜、孤児荘にて共に食事を終えては『兄さんのそばにいたいけどお仕事あるから』と何度も振り返りながら依頼に向かう青年を見送り、相手と二人っきりになってはとりあえず風呂に入るかとどこか他人行儀で使い勝手を説明しては、風呂から出てきた相手の着物を見ておもむろに近づいて。
「帯、それだとすぐ解ける」
(小さく呟いては帯を直すため相手の腰に手を回し、必然的に抱き付く形になるも気にせず綺麗に整えては満足気に微笑み「やっぱり爛より腰細いな。ちゃんと食べてるか?」と軽くからかっては一緒に相手の部屋に行き青年が話し切れなかったことを伏せる所は伏せつつ丁寧に話して。
「…とりあえずあんたが無事帰れるまでは俺も此処で寝泊まりするよ。……あと一人では昼間でも絶対に一人で出歩くなよ。特にあんたの場合…いや爛は色々いわれがあるから」
(いわれで言えば自分も負けてないがと内心苦笑を漏らしつつ、少し真剣な表情をして相手の前に自分の脇差を差し出して。
「護身用だ。抜かせるつもりはない。…だが、万が一のときに」
(多くは語らず述べ、空気が重たくなるのを感じては相手の髪をワシャワシャと撫で「大丈夫だ。凛もアカもいる。みんな頼りになるから」と微笑むもどうしても爛が重なってしまいスッと目を逸らして。
爛は無事だろうかと愛しい相手を思うもふと自分の生まれ変わりともいえる存在を思い出しては「そう言えば露木だっけか。…彼奴とはあれからどうだ?」と。
そう問い掛けつつ内心、爛がいない依頼の埋め合わせをどうするか考え下手したら組織の連中が相手の不在を騒ぎかねないなと懸念していて。
>露木
( 相手で合って相手で無い事は理解してるのだがそれでもやはり胸は騒ぎ他愛も無い事で羞恥が沸いてはそれを隠す様に顔を逸らす。
“自分”の部屋だと言われ連れられた場所は何処と無く落ち着きを感じデザインや形こそ違うが持ってる物や趣味などは殆ど変わらない様子で。
渡された脇差にも“…本物か??”と刀という物に驚いた様にそれを見詰めるも相手の言葉に深く頷いては迷惑はなるだけ掛からない様にしようと自分に言い聞かせるも逸らされた視線に最近現代で喧嘩をしてしまった相手が重なり俯いて。
現代での相手の事を言われては普段の無表情に僅かに眉間皺を刻ませ口を吃らせる。
「………露木と、喧嘩したんだ。…彼奴の事好きな奴が居てさ…俺の事ライバル…じゃなくて恋敵みたいに思ってるみたいなんだよな。………そりゃあ俺も餓鬼みたいな態度取っちまったけど…彼奴だって…。その恋敵の家に上がってんだぜ??可笑しいだろ」
( 深い状況も知らない癖に不満を次々と口にしては漸くハッとし「…ごめん」と小さく謝って。
朝起きたら戻ってると良いな、なんて甘い考えを持ちながら布団に入っては寝息を立てて。
( 翌日、孤児荘とやらの年長の少女に起こされては態々起こしに来てくれた事に礼を言うも驚いた様に目をぱちくりとされて。
慣れない着物に袖を通し相手のお手製の朝食に舌づつみしては現代の相手同様自分好みの味付けに僅かに表情を緩めては“美味い”と率直な感想を述べ。
『………なんかこっちの兄さんは凄く素直だね』
『本当!!!今朝なんか起こしに来た事に御礼なんて言われちゃったのよ??何時もなら起きないか面倒そうに起き上がって欠伸してるのに』
( 現代でもそんな素直な方では無いし、だからこそ今回相手と喧嘩をしてるのにと思うも口には出さず「こっちの俺は随分な生意気みたいだな」と。
『そう言えば兄さん手拭い巻かないの??』
「あ-手拭いは巻き慣れて無い。いつも着けてないかヘアバンドだったし」
『ヘアバンド??』
「そ、一々結ばなくてもゴムで出来てるから楽なんだよ。……………それにあの黒い手拭い、こっちの俺の宝物みたいだったから勝手に触ったらどやされそうだし」
( 悪戯っぽく微笑んではまだぎこちなくも何処か落ち着いた様に。
>桐崎
(翌朝、子供達が目を輝かせながら相手にいくつも質問する様子を頬やましげに見詰めつつ、今日は夜までこっちに戻ってこれそうに無いため少々落ち着けずにいて。
寺子屋へ行く時間入り口まで相手に見送って貰っては一度向き直ってしっかりと見詰め。
「アカもいるけど一応凛も呼んでるから…、なんか言われるかもだけど頼ってやってな。喜ぶから」
(微笑を向け普段より子供に見えてしまうせいか相手の頭を撫で撫でし「夜には戻る。その時にまた露木の話し聞かせろよ」とトンと額を突いて孤児荘を後にして。
(途中、兄と鉢合わせては文で伝えていた相手の話題になり兄も昨日の夜戻し方を調べてくれたらしいがそう簡単にわかるものでないと。
「…だよな。…なるべく事が大きくなる前に。……彼奴に血は見せたくない」
『……心配してるところ悪いけど、既に爛いないって組織の連中が騒いでる』
「……」
『まあもしもの時は俺が変装して何とかするよ』
「……能力は、どうにもならないだろ」
(江戸の外気は能力を高めやすい。相手の身体に負担を掛けないためにも早く平成へ帰してやらねばと表情を険しくしては、とりあえず今は兄に相手を託し寺子屋に向かい。
(夜の簡単な密売を終え孤児荘への道を行くところ、街で買った相手への手拭いを見ては喜んでくれるだろうかと。
もしかしたら今夜平成に帰れて不要になるかもしれないのに何となく相手に持っていて欲しくて。
何やってんだかと自身に呆れつつ孤児荘の前まで来るも突如背後から相手の飲み仲間である浪士が絡んできて。
『よー、勿!!なあなあ霧ヶ暮いるか?昨日彼奴、宴会をすっぽかしやがってさ。折角いい女紹介して貰おうと思ってたのによー』
「知るか。……彼奴は長期依頼に行ってていない。諦めろ」
『そんな筈ない。暫くこっちにいると行ってたぞ』
「急だったんだ。…もういいだろ。忙しいんだ」
(しつこく絡んでくる男にうんざりするも悪いやつではないし相手の組織の仲間のため無碍には扱えず、外に響く大きな声で話してくるのを男の気が収まるまで聞こうとするも中々離れてくれずに。
>露木
( この時代の兄と対面し、しかし何処か他人行儀な様子に堅苦しくなっては視線を流して。
外に出るなと言う言い付けを胸に過去の自分の自室での暇を弄んで居ては溜息を漏らして。
夜、子供達も漸く寝静まった頃外から聞こえる声に気付いては戸口から外を覗き込む。
相手と並び何か話してる様子の男に過去の自分の知り合いだろうかなんて考えるも兄と相手の言い付けを思い出しては大人しく自室に戻ろうと。
しかしその時、一人の少女が目を擦りながら抱き着いて来ては『怖い夢見たの、お兄ちゃんどうして此処に立ってるの??』と。
静けさの中に少女の声が響き渡りまずいと思った時には時既に遅く、此方に気が付いた男が駆け寄って来ては自分の手を掴み宴会に出なかった事を咎めて来て。
『霧ヶ暮!!!お前なぁに居留守を使ってるんだ、昨日の宴会もどういうつもりだ』
「あ??……………え、………」
『…まぁ構わん。それより約束覚えてるよな??』
「約束??」
『忘れたとは言わせない、次の宴会は来いよ。仕方無いから引き伸ばしにしてやる』
( 笑みを深め去って行く男が言う“女を紹介する”だなんて約束自分が知る筈も無く隣できょとんとする少女を抱き抱えては近寄って来た相手に「…ごめん。挙動言動共に不信だったよな」と。
腕の中で少女がうとうとと眠りに付くのを微笑ましげに見詰めては取り敢えず子供達の寝室の少女の布団に少女を寝かせ相手と共に自室に戻って。
>桐崎
(相手の部屋にて相手が謝ってくるのに対し首を横に振っては謝罪するのは此方だと苦笑を零して「宴会には出なくていい。なんとかなるから」と心配を抱かせぬよう軽く述べて早々に話題を変え、自分も今爛と喧嘩中だと笑って。
「まあ今回は痴話喧嘩かな。……でも彼奴、俺が嫉妬むき出しで話てるのに表情一つ変えないんだ。少しくらい照れたっていいだろ?…そりゃ彼奴がどんな顔してようと好いてるのは変わりないが俺の前くらい……、って何言ってんだろうな」
(これでは愚痴と惚気ではないかと苦笑いしてはなぜか相手の前だと爛に言えない事を言えてしまうなと不思議な気持ちになりつつ「…露木も素直じゃないからな。あんたも苦労しそうだ」と小さく笑って。
その後、暫く雑談して相手が眠りについたのを確認しては別室にいる兄の元へ行き「明日、爛に変装して宴会に出て欲しい」と頼み、相手の自室の前に座って万が一に備えて見守っていて。
(翌朝、相手が作ってくれた朝食を皆で食べ『いつものお兄ちゃんのより美味しい!!』とさり気なく毒を吐く少女に思わず吹きそうになるのを堪えつつ「俺はどっちの味付けも好きだな」と微笑んでは、食事を終えたところで相手の背後にまわり昨日買っておいた手拭いを丁寧に巻いてやり。
「前髪、邪魔そうだったから。…不要なら捨ててくれていい」
(照れたように述べつつ手拭いをした相手の顔を見ては一層爛に近づいたなと感じ「今日は一日一緒にいれるから」と恋人に言うような台詞を吐いて片付けをする子供達の元へ行き。
(昼過ぎ、そろそろ兄が相手に変装をするため此方に来る頃合い。
そんな時にあの男が孤児荘にズカズカと上がり込んで来ては相手を見つけるなり相手の腕を掴んで『よう霧ヶ暮。今日はとんずらされねぇように迎えにきてやったぜ』と。
咄嗟に相手との間に割ってはいり腕を離させてはもう少し待つよう頼むも逃げられると懸念してるのか聞き入れてくれず。
「どうしても今から連れていくと言うのなら俺も同行する」
『は?野郎が増えてもうれしかねーよ』
「じゃあ宴会は諦めるんだな」
(かなり強引だが男が引かぬなら一度聞き入れるふりをして隙を見て変装した兄と入れ替わるしかないかと。
「…悪い。少しの間だけ付き合ってくれ」
(ほんの数刻だけ、宴会だから大丈夫だと言い聞かせては相手の様子を窺い。
>露木
( まさかこの時代の自分達も喧嘩してたとは知らず互いに打ち明けられる事を打ち明けた所為か落ち着きを持ち眠りに付く事が出来て。
( 翌日、慣れない勝手場にて何度も味見をしながら朝食を作り子供達や相手と食卓を囲む。
ふと背後から手拭いを巻かれては僅かに驚いた様に振り返り何気無くそれに触れて。
質の良い物だと自分でも分かりこの時代の相手の言葉に不覚にも胸が高鳴っては子供達の元へと向かう相手の後姿を見詰めていて。
そして昼過ぎ、相手と共に自室へと向かい廊下を歩いてた所いきなり先日の男が現れては腕を掴まれて。
咄嗟に相手が入ってくれたが男は諦める様子は無く、相手の耳打ちにコクリと頷いては男に同行し。
( まだ明るいにも関わらず連れて来られたのは遊郭街の奥の宿屋街の中の一つ。
宿屋の一番奥、広い宴会間へと通されては見事に相手と離され相手から二人程挟まれた席に座らされ。
相手に視線でどうしようかと訴えるも兎に角此処は演技を続けるしか無いかと項垂れて。
この頃の自分の性格など知らないが敢えて繕わない方が良いかと判断し言葉遣いのみに気を使って。
『霧ヶ暮、お前が紹介してくれると言った女はどういった身元の奴だ??…まぁ貧相な女でも顔が良ければ良しとしてやるから』
「………さぁな、女には余り興味がねぇから。大体身分を晒してどうするつもりだ、お前の身分が上だからと女に無理強いでもさせるつもりか??」
『はっ、相変わらず手厳しいね。本当にお前は詰まらねぇ男だよ』
( ゲラゲラと笑う男を溜息気味に見詰めてはそろそろ兄と入れ替わる時刻だろうかと相手と視線を交わす。
雰囲気を伺いながら「…ちょっと厠に…」と言掛けるも男に手を取られては『逃げるつもりか??』と。
何を変な勘違いしてるんだと眉間に皺を寄せるも兎に角席を外さなければと。
「おいおい、何疑ってんだ。逃げるつもりなら此処まで来ねぇよ」
『…どうだろうな。信用出来ん』
( 首を横に振る男に舌打ちしては苦虫を噛み潰した様に相手を見詰めて。
>桐崎
(宴会場にて上手く演技をする相手に爛ではないと分かっていても爛に見えてしまい中々やるではないかと感心しつつ、しつこく相手を引き止める男の腕を取って。
「俺が見張りとしてついてく。それで構わないだろ?」
『お前は霧ヶ暮と仲が良いだろ。共犯なんじゃないか?』
「なんの共犯だ。……疑り深い男は嫌われるぞ」
(呆れたように述べ一括しては男が押し黙るうちに相手の手を引き厠まで来て女を連れて身を潜めていた変装済みの兄と落合って。
『この子(女)には事情話してあるから大丈夫。今のうちに外に行きな。アカが待ってるから』
「助かった。…俺は外まで此奴を送る」
『はいはい。先に行ってるよ。………君もお疲れ様』
(兄は相手にニコリと微笑みかけるとさっさと女を連れて男の元へ向かい、其れを見送る間もなく相手の頭に頭巾をすっぽり被せては「外にでるぞ」と声を掛け宿屋の階段を降り。
あと一階降りれば入口のある階というところ今度は自分と相手を良く知る浪士、しかも悪仲の男に出会しては咄嗟に相手を自分の背後にやり。
『勿じゃねぇか。なんだ霧ヶ暮に構って貰えず女遊びか?…ん?その頭巾の男は誰だ』
「…仕事仲間だ。…先を急いでる。通してくれ」
『なんだよ。今日はやけに下手だな。……それで通せか?嫌だね。俺はお前に賞金首横取りされて鬱憤が溜まってんだ。今すぐ表に出ろ』
(乱暴な言い分に何とか言い包めようと考えるも男の背後から男の仲間が加勢してくるのが見えては小さく舌打ちし、こうなったら逃げるが勝ちだと相手の手を引き逆走しては宿屋の階段を駆け上がって空き室に入り押入れに相手を押し込んでは自分も其れに続きピシャリと戸を閉じて相手が声を上げないよう片手で軽く口を塞いで。
張り詰めた空気、男達の怒号が遠ざかるのが聞こえては小さく息を吐き相手の口元から手を離すも未だ余談は出来ないため「…暫く我慢してくれ」と。
押入れの中は大人二人が身を縮めてやっと入れる広さ。
今の状況は布団の上に相手、そして自分が覆い被さる形でしかも殆ど密着状態。
顔に至っては互いの息が触れ合うほど近く、急に羞恥が込み上げては顔を逸し。
だが逸らした所で相手の吐息が首筋にかかり逆効果で、目の前の相手は爛じゃないと何度も言い聞かせるも数週間爛に会っていないせいか欲は止まらず、相手を熱っぽく見詰めては艶めかしく唇を奪って。
>露木
( 兄と入れ替わり宿屋を出口を目指し相手と足を急がせる最中、見知らぬ男達に囲まれては人数的にも状況的にも厳しく逃げ足を取って。
狭い押入れの中、塞がれた口から声を漏らさぬ様に息を殺すも至近距離の目前に有るのは誰よりも愛しく思ってる相手と同じ顔立ち。
何とか自我を保ち乗り切ろうとするも相手の視線に気付き唇を奪われては僅かに潜持った声を漏らして。
最初こそ狭いながらも相手の肩を押すも次第に抵抗は薄れ相手の髪に指を絡めては求める様に応えて。
耳に掛かる相手の吐息にビクリと身を震わせては相手の首筋に顔を埋める。
___その刹那、僅かな物音がしてはピタリと動きを止め再び息を殺して。
『…確かこの辺りから物音が聞こえたんだがな』
『そうか??俺には何も聞こえなかったぞ』
『可能性はあるだろ、しっかり見て回れ』
( 抱き合った体制のまま相手の肩に頭を乗せ足音が遠ざかるのを待っては漸く音が消えて。
恐る恐る麩を開け人気が無い事を確信しては相手と共に屋根へと上がり路地から地に降りて。
特に意味も無く相手の手を強く握っては急いで孤児荘へと走りながら「………やっぱ、あんたの事を好きになるのは決まってた事だったんだな。例え時代が変わろうとも…」と小さく呟いて。
相手であって相手では無い、しかしこんなにも愛しく思えるのは自分でも予想出来てた事で。
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