xxx 2014-12-29 00:12:16 |
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>桐崎
(相手の言葉がジワジワと胸に滲みてはどこまでも男前で包容力のある相手に心底惚れ直して甘い口付けを期待するも、突如帰ってきた母に冷や汗を流す。
久々に感じる母の眼差しに涙が溢れそうなのを堪えては台所に向かう母の背中を見詰めながら相手の手を床の上でそっと握って「…あんたが……父さんと話すきっかけをくれたおかげだよ。ありがとな」と小さく微笑んで。
その後暫くして妹と幼馴染が雑貨屋から帰ってきては母が作ったチーズケーキを皆で食べ穏やかな時間を過ごすも『ん、そう言えば菊はお母さんとお父さんに繿君とのこと話したの?』と唐突に切り出した幼馴染の言葉に口に含んだばかりの紅茶を吹き出しそうになって。
『やだー、汚い。もしかしてまだ言ってないの?』
『…繿君とのこと?何かあるの…?』
「……な…、なんでもないよ。母さん。……いや、追々話すから」
(流石に療養中の母に“男と付き合ってる”なんて言えない。
至極繊細で何気に孫を期待してる母のこと、三日間くらい寝込んでしまうかもと話をはぐらかしては当り障りのない話題に変えて。
(その後、もう少し相手と二人きりで話したいことがあったため自室に来るよう誘っては幼馴染に『お昼から上でうるさくしないでね』とからかってくるのに軽く眉を寄せつつ三階へ上がり相手を自室のベッドに座らせて「たく、…ハナのやつ」と小さくぼやいて。
それからすぐ相手に向き直り柔らかな銀髪に指を絡めては「…母さんにはいつか俺達のことちゃんと言うから。…ていうか言ってもいいか?」と先程の会話を気にして問い掛けて。
それから相手の髪を愛おしげに触れ続けては「そう言えばさ、…今ふと思ったんだけど。公園でチンピラ蹴散らしたのって…もしかしてあんただった?黒髪で顔も良く見えなかったけど……」と続け相手の反応を伺っては何となく相手だったと察して、助けられてばっかだなと苦笑を漏らして。
「…あの時のあんた、格好良かった。黒髪だからとかじゃなくあんただったからそう思ったんだろうな。…………さっきさ、傍から見たらどうとか、俺がどう思われるとか気にしてたけど俺は全然気にしないよ。周りがどう思おうと俺はあんたといたいし…、てかあんたの良さが分かるのは俺だけで良いと思ってる。変な風に思われてるくらいがさ、邪魔も寄り付かないし丁度いいだろ?まああんたを貶す奴が現れたら俺がしばくけどな」
(冗談っぽく笑いつつ半ば本気で述べては相手の髪に口付けて「この髪に触れていいのも愛していいのも俺だけ……他の奴には触らせたくない」と独占欲に満ちた瞳で相手を見詰め抱き締めては“愛してる”と耳元で囁いて。
そして少し身を離しては至近距離のまま相手を見詰め「………あのさ、今度二人だけでどこか出かけたい。……結局旅行中に星見れなかったし…水族館もあんたと行けなかったから」自分のせいだけどと言う言葉は飲み込み相手の返答を待って。
>露木
( 相手の自室にて他愛も無い話をしながら髪に触れられては擽ったい気持ちになる。
変装をしてた時の事を問われるが変装までして付き纏ってたのだなんて流石に重いかと口を噤む。
しかし何となく察したのか笑顔の相手に向き直ってはその独占欲さえ嬉しく抱き締め返しては頬に軽く口付けを落として。
誘いの言葉にも直ぐに頷いては「…俺もあんたと出掛けたいって思ってた」と緩く微笑んで。
それから穏やかな時間を過ごしてたが相手の傍という安心感もあり眠気が襲い掛かって来て。
相手を抱き締めたままうとうととしては軽く居眠りをしてしまい。
( それから数時間経ちパッと目を覚ましては隣に居てくれた相手に「ごめ………気使わせたよな」と。
明日には一度かえらなきゃだしたなと相手家族に頭を下げては「お邪魔しました」と。
玄関口、相手と二人だけになっては相手を抱き締め口付けを交わす。
「……………俺の部屋、あんたが泊まりに来てた時のまんまだからいつでも泊まりに来いよ」
( 別れを惜しむ様に相手の頭を軽く撫でてはホテルへと戻り。
丁度フロントで相手の父親と出会しては笑顔でこちらへと駆け寄り頭を撫でられて。
『妻とも…息子とも娘とも話が出来たよ。ありがとう、…皆大きくなってて………こんな日が来るなんて思っても無かった』
「良かったですね、…安心しました」
( 子供の頃に相手の父親から与えられた温もりの恩返しをする事が出来ただろうかと綻ばせてはチェックアウトを済ませた父親を見送って。
>桐崎
(相手が去った後、浮かれた気分のまま自室に戻ってはまだ相手の匂いが残るベッドに寝転ぶ。
相手と分かり合え金融会社も昨夜から音沙汰はない。相手がバイトを詰めすぎているのが気になるがとりあえず自分のバイトが少し落ち着いたら大学へ戻ろうと決めて、身を起こしては店の手伝いなどをして。
(数日後、アパートの大家の厚意でそのままだった部屋に戻っては荷物を置いて相手に《今から寮に行く》とメールを送り部屋を出るも道中、師範と出会し“話がある”と近くの喫茶店に連れ込まれ。
『突然、すまない。菊が帰ってくると大家さんに聞いて慌てて来たんだ』
「…そんな急ぎなんですか?」
(尋ねると師範は持っていた紙袋から“意味深な物”を差し出して来て、すぐそれが何か分かると思わず「は?」と声を出してしまいすぐに突き返して「見合いなんて…俺、結婚願望全然ないですよ」と。
____“意味深な物”とは所謂見合い写真で、話を聞くに親族と仕事の付き合いでどうしても縁談を取り持たなければならず頼めるのが自分しかいないらしく。
「…でも俺、付き合ってる人いますし、気もないのにその女性に失礼になるので。…申し訳ないんですが…」
『そこを何とか。形だけでもいいんだ。相手方の女性も了承済みだから』
(それでも…と渋るが何度も懇願されては断り切れなくなり小さく頷いては、用があるからとせかせか店を出て行く師範を見送り、残った“意味深な物”に大きな溜息を吐いて。
(その後、寮へと訪れてはまっすぐ相手の元へ行きたいのを堪えて兄の部屋に向かう。
重たい空気の中、部屋に招き入れられては今まで迷惑を掛けたことを深く頭を下げ謝罪して。
『…いいよー、正直辛い所あるけど何となく菊が本気じゃないって分かってたからさぁ』
「……ごめん」
『いいって。俺も菊に酷いことしたし。正確には俺じゃないけど』
「………?」
『あーいいのいいの。…ところでその紙袋なに?』
(見合い写真の入った紙袋を指さされてはギクリとするも黙っておくと面倒なため先ほどの事情をおずおずと話して。
『また面倒引き受けたね……、ちゃんと繿に話なよ』
「……そうする。…彼奴、まだバイト漬けなの?」
『あー、なんか子供たちの卒業と入学の費用がどうのって言ってたからなぁ。まだ頑張ってると思う。…俺も支援するかな。なんかこのままほっとくとぶっ倒れそうだし』
(兄の言葉に自分も出来ることなら支援したいと思うも先日百万が飛んで余裕がなく力になれないことを情けなく思いつつ、今は早く相手の顔が見たいと腰を上げて。
「……じゃあ俺、繿のところ行くから」
『ん?さっき繿に《菊が俺の部屋にまっすぐ来てくれたよ♡繿も混ざる?》って送ったから来ると思うよ』
(ケロッと送信画面を見せてくる兄に何勝手に…と溜息を零すも相手が来る保証はないため紙袋を手に兄の部屋を出ようとして。
>露木
( 居酒屋でのバイトを終わらせ寮へと戻る中、少し前に来てた相手からのメールに頬を綻ばせる。
…が、次に来た兄からのメールに気付いては兄に何されるか分からないと全力で走り出し兄の部屋へと駆け込んだ所で丁度扉に手を掛けてた相手と衝突しそうになり。
ニヤニヤと笑みを浮かべる兄が『あれ-、そんなに汗かいて走って来たんだ-』とからかう様に言うのをキッと睨み付けては相手の腕を取って。
「綸だったら変な事するかもしんねぇだろうが!」
『良く分かってる-。俺何時だって菊の事狙ってるからね、繿に遠慮なんてするつもり無いし』
「誰がやるか!」
( 何とも子供地味た喧嘩をしてるという事など自分でも気付いておらず相手の腕を引き自室へと来た所で漸く落ち着きを取り戻し。
風呂を沸かしながらキッチンの棚を開けたら所で買い溜めてたカップメンが音を立てて雪崩を起こし面倒臭そうに拾いながら奥に合ったコーヒーと紅茶を取る。
相手に「先に風呂行って良いよ、今日ゆっくりしたいからもう炊いといた」と告げ流石に相手にカップメンを振る舞う訳にも行かずにそれなりにある食材を手に取る。
食材はあるのに料理が苦手な事もあり食生活は最悪、そろそろ気を付けなければなと。
相手にバスタオルを手渡し「終わったら…飯、一緒に作ろうぜ。………俺料理とか苦手だし」と。
相手を風呂に送り出した後、散らかってたCDやら雑誌やらを棚に戻してた所でふと相手の鞄からはみ出てる見合い写真に目が行く。
“まさか”と思いながら触れない様にそれを確認しては動きを止め考えて込んで。
まさか今日自分の部屋に来たのは別れを切り出す為だったのか………、嫌な考えが浮かぶもぶんぶんと首を横に振ってはそわそわとしながら相手の風呂上りを待って。
>桐崎
(雪崩落ちるカップ麺に苦笑を漏らしつつお言葉に甘え先風呂を済ませてはまだ湿った髪を首に掛けたタオルで拭きつつ台所にいる相手の隣に並ぶ。
見合いの事は入浴中に相手に合った栄養の摂れる食事考えるうちに忘れてしまい相手の心中など知らずに調理を始めテキトウに作ると小さなテーブルに並べ相手が作った料理から口に運んで。
「料理苦手って言うけど俺はあんたの料理好きだけどな。…普通に美味しいし」
(良く味わいながら感想を零してはカップ麺がしまわれる棚を何気なく見て「でも作る時間ないよな」と呟き相手に視線を戻して「…作りおきでいいなら俺、作るよ。というか作らせろ。……一人分って作るとき微妙な量だし二人分のが作りやすいんだよ。それにあんたに食べてもらったほうが作り甲斐あるし」と気恥ずかしげに述べては相手の髪に触れ。
「成長期なんだしさ、栄養のあるもの食べないと。…ってそれ以上でかくなられても何か癪だけどな」
(冗談交じりに笑いさり気なく相手高身長を妬んではワシャワシャと相手の髪を撫で回すもどこか落ち着かない様子に気付いては微かに首を傾け相手の顔を覗き「どうかしたか?」と。
そこで相手の視線の先が一瞬鞄から覗く見合い写真に向けられたのに気付いてはハッとなり慌てて「ち、違う。これは…」と師範との事を話して弁解して。
「…御免…師範には世話になってるし断りきれなくてさ………。ちゃんとあんたのことは愛してるよ。でも…あんたが駄目だっていうなら今からでも見合い断る」
(相手とはもうすれ違いたくない一心でまっすぐに相手を見詰めては気持ちの高ぶりから相手の手を握り。
この時、まだ見合い写真と名前すら見ておらずその女性が中学時代能力と記憶が不安定だった時付き合っていた自分の“元カノ”だとはまだ知らずに。
>露木
( 入浴を終え食卓を囲みながらまたこうして相手と居られるのが幸せな筈なのに見合い写真の事が脳裏をチラ付いては無意識に表情がぎこちなくなっていて。
しかし相手の言葉一つ一つにしっかり反応しては照れ臭そうにするも「それは…助かる。あんたの飯凄い旨いし、…バイトも頑張れる」と小さく答える。
そわそわとしながら相手の問い掛けに無意識に相手の鞄に目が行ってしまい内心“しまった”と思うも時既に遅く慌てて話し出す相手を見詰めて。
相手の話を聞いた所で勝手に誤解してた自分が恥ずかしくなり“駄目だと言うなら断る”と言った相手の頭を軽く撫でては首を横に振り。
「…いや、良いよ。ちゃんと信じてるし、…俺もあんたの事愛してるから」
( 相手の気持ちと自分の気持ちはちゃんと繋がってるという安心感から緩く微笑んではまだしっとりと濡れる相手の髪をわしゃわしゃと掻き回し「………あんた無意識の間にモテてんだから…あんま妬かせんなよな」と。
( 翌朝、気持ち良く目を覚ましてはまだ寝息を立てる相手の髪を弄びその寝顔にニヤけたりして。
ふと目に入った見合い写真、いけない事とは分かってるのに“ちょっとだけなら…”と悪い考えが浮かんでは見合い写真を抜き取り少しだけ開いて。
直ぐに元通りに戻しもぞもぞと相手の隣に戻っては相手の頬に触れたりしながら「……………結構な美人だった、よな…」と小さく呟いて。
そこで相手が寝返りを打ったのに相手が着てる自分のTシャツの袖が長く、いわゆる萌え袖という物になってるのに目が行っては相手の額に口付け「…かわい、」と無意識に呟いてしまっていて。
( その頃、見合い相手の女性(元カノ)はやっと巡り会えた相手との見合いに不安と期待を抱いており。
師範が送り届けたのは以前相手が就職にと買ったスーツを試着した時の写真の為“見合い写真”とは言えなかったがそれを大切そうに見詰めては見合いの日時が書かれたカレンダーを見詰める。
『……………菊、…覚えてるかな』
( ボソリと呟いては再び写真に目を写し頑張ろうと言い聞かせながら大学へ向かう支度をして。
(/毎回毎回煩い本体失礼します←
今回勝手に菊君の元カノを出してしまいました…!!!
イメージとか違かったらバンバン言って下さい!!!
繿結構嫉妬すると思われます←
今回の素敵展開にもニヤニヤが止まりません(*´艸`*)
>桐崎
(翌朝、額のあたりに擽ったさを感じて目を薄っすら開いては間近に愛しい相手の顔があり、寝ぼけていたため呟きも聞こえず相手の額を自分の胸に押し当てるようにして抱き寄せては起きた傍から相手の首筋や髪に口付けたりとじゃれついて。
(その後、身支度を済ませ相手の部屋にて二人穏やかに朝食を取るも突如騒がしく兄と青年が乱入してきては『兄さんのかじりかけのトースト俺がもらーい!』と抜かりなく青年が相手に寄り添い相手のトーストをかじって。
『…結局何だかんだこのノリが落ち着くよねー』
「…なんか言ったか?」
『別にー。それより見合いの話はどうなったの?』
『見合い?!露木が?え、この時代に見合いとかするんだね』
「…ああ。…でもそんな昔みたく形式張ったものじゃないらしいから」
『ていうか菊って女扱えるの?…“女”の匂い“は”全くしないんだけど』
「…………どういう意味だ、それ」
『露木は女知らなさそうだもんねー。まあ俺も生まれる前から兄さん一筋だけだけど』
「……………」
『え、マジでその歳で女とは付き合ったことないの?』
「…う、煩いな。歳とか関係ないし。昔の話はいいだろ。……今俺には桐崎だけだから」
(正直相手の前で過去の恋愛話をしたくなくはぐらかすように相手を抱き寄せ軽く頬に口付けてはもくもくと朝食を食べて。
(朝食を終えて相手と二人になり、少しでも一緒にいたく相手をバイト先まで送ると言って学内の敷地を出たところ、突如女がぶつかってきてよろめかれては慌てて女を支えて。
互いに謝り女が顔を上げて視線が交わってはその忘れもしない顔立ちに目を見開く。
もう6年近く経つだろうか__、顔付きも背丈も随分変わったがその澄んだ瞳は全く変わっておらず…。
「…奈緒?」
(小さく彼女の名を呼ぶと女はどこか切なげに『…覚えててくれたんだね』と微笑み相手を見て軽く頭を下げ。
この時未だ自分は見合い写真を見ていなくただ偶然“元カノ”に会ったと思っては変な別れ方をしたこともあり「…久しぶり」とぎこちなく微笑み。
『う、うん。これから出かけるの?……あの次会う前に話したいことあるから連絡先教えて貰っていいかな』
(“次会う”の言葉が引っかかったが真剣な表情に断れず互いの連絡先を交換しては『じゃあまた今度ね』と学内に入って行く女の姿を見送り、チラと相手を見て。
“元カノ”と告げたほうがいいのかと迷うがもう数年前…しかも中高時代の話。
話すだけ相手を不安にさせる…聞かれなければいいかと考えてしまい「ごめん待たせたな、行こっか」と相手の手を引いて。
この時相手が見合い写真を見ていたなど知らずに。
(/本体様、大歓迎です!!(抱きつ/殴←
そして元カノ登場有難うございます!名前は“奈緒”にさせて頂きました。
イメージなどは後付けなのでどんどん盛り込んでいってくださいませ!
一応設定としては中三から高一くらいまで付き合っていて菊の家庭事情と彼女が菊の能力を受け止めきれず別れた感じです、テキトーです←
今度も菊がかなり我が儘で周囲を振り回すと思いますがよろしくお願いします笑
>露木
( バイト先に到着し先程からモヤモヤと感じる不安を拭い切れずに相手の服を軽く引いては触れるだけの口付けをしジッと見詰めては「…終わったら、…電話する」と。
バックルームで着替えをしながら先程の相手と“見合い相手”の余所余所しい雰囲気に何処と無く知り合いだと言うのは察して。
見合い相手が相手を見上げた時の切な気な視線に未だ考え込むも仕事に集中する様にして。
( その頃、見合い相手である元カノは勇気を振り絞り相手の携帯に電話を掛けては応答と共に聞こえた相手の声にほっとした様に微笑んで。
『…あ、あのね。………ほら、今週じゃない??…引き受けてくれたって事は…私期待しても良いの??』
( 遠慮がちに見合いの事を問い掛けるも恥ずかしさが込み上げたのか『ご…ごめん、変な事聞いちゃった。………もし良ければ今度二人でご飯食べに行かない??………こうして折角会えたんだから』と。
照れ臭そうな声で『…話したい事もあるの』と告げては『わ、私そろそろバイトあるから切るね!!!…もし良ければ菊も偶に電話頂戴??』と言い電話を切って。
( 漸くバイトも終え相手に電話を入れようとした所で向かいのコンビニから出て来た見合い相手の女性に気付けばさっさとその場を去ろうとする。
しかし夜でも目立つこの髪、『あの、…昼間…菊と一緒に居た…』と声を掛けられては無視する訳には行かずに渋々振り返る。
「……………どうも」
『此処でバイトしてたんですね、…菊とは…大学のお友達か何かなんですか??』
「………あぁ、…露木は先輩です。俺高校なんで」
『そうだったの??………ふふ、ちょっとびっくりしちゃった。菊後輩にも人気でしょ??私と居た時も凄かったんだから』
「………は??」
『一時期、…菊の追っ掛けの女の子達に虐められた事もあったの、でも菊のお陰で助けられちゃった。………久し振りに会ったのに何も変わらないのね、前よりも格好良くなっちゃって』
「………あの、露木とは」
『ごめんなさい、私ばっかり勝手に喋っちゃって。私そろそろ家だから帰るね。菊ってばいつも他人に気を掛けて自分の事後回しにしちゃったりするから…良かったらこれからも支えて上げてね』
( 一人になった帰り道、やはり相手の事を知ってる………___否、それ以上の関係だった事を思わせる様な口振りに変な焦燥感と不安が生まれては無意識に相手の連絡先に連絡を入れ「…今どこにいんの」と何処と無く低い声で問い掛けて。
( / 奈緒ちゃんとの設定了解致しました-(´∀`)
もう奈緒ちゃん謙虚で可愛いっ((
だが私はナツちゃん推し←
嫉妬するとかなり無愛想になり拗ねまくる面倒臭い繿ですが宜しくお願いします(笑)
心にも無い事言ったりして後から後悔する学習能力ない馬鹿狼です(笑)
>桐崎
(元カノからの電話、その内容に流石に違和感を覚えては電話を切ったところで漸く見合い写真を見て話の合点が行きその話のややこしさに頭を抱える。
しかし見合いをする前に少し話して置きたいのは確かだったため後で電話しようと思い。
(夜、勝手に相手の部屋で寛いでは相手のバイトが終わる時間を見計らって外へと出る。
もう少しで相手のバイト先というところ相手からの着信に慌てて出てはその低声にん?と思うも疲れてるのかなと勘違いして「…今は……あ、いた」と電話を切り前方に居る相手に小走りで駆け寄っては後ろから抱き締めて「あんたの後ろ」と悪戯に微笑んで。
相手を此方に向かせ「バイトお疲れ。飯、作ってあるから早く帰ろう」と軽く頭を撫でて手を引いたまま相手の部屋に上がり込み「風呂と飯、どっち先にする?」とベタな質問を可愛げなくしながら相手の上着をハンガーにかけて。
(相手が風呂に入る間、相手の部屋にある自分は普段あまり振れないジャンルの雑誌やCDを見たり聞いたりしては趣味を共有したいし今度CD借りて聞こうかななんて考えていて。
ふと元カノへの電話がまだだったことを思い出しては流石に相手の部屋で電話はと一度は渋るが入浴中だしいいかと軽く考え元カノへと電話をかけて。
『あ、菊?電話してくれたんだ』
「ん、遅い時間に御免。…見合いまで後少しだろ?会えるの明日くらいしか無くてさ」
『明日会ってくれるの?分かったじゃあ明日の夜、レストラン予約しとくね』
「…あー、なんか任せて悪い」
『………』
「…ん?」
『あ、ごめん。なんかすっごく声変わったなぁと思って』
「…当たり前だろ。あれから大分経つし。……奈緒も大人っぽくなったよ」
『それって良い風に捉えていいのかな。………なんか普通に話してくれて安心した。じゃ、じゃあ私そろそろ寝るね。またメールするから!おやすみ!!』
(プツンと一方的に切れた電話に、最後涙声だった気がして眉を寄せるも“普通に話してくれた”とはこっちの台詞だと相手のベッドにドサリと身を沈める。
あの頃は自分の能力がクラスに知れて“いいなぁ勉強しなくても記憶操作すればなんでも出来るもんな”“お前、実は本当の友達いないんじゃね?”と散々言われ、そんな中彼女だけが周りからのいじめに臆さず自分の傍にいてくれた。
迷惑かけるからと何度も拒絶しても味方でいてくれて、しかしついに彼女がいじめに耐え切れず不登校になった時、“こんなの耐えられない。なんで菊の傍にいるんだろ。菊が私の記憶、操作してるんじゃないの?”と言われ、馬鹿だった自分は彼女を遠ざけるため「そうだよ」と答え、彼女がクラスの輪の中に戻っていくのを確認して転校をした。
もう6年も前の話しだ。あの頃は記憶が戻りきっておらずもっと卑屈で餓鬼だった。
正直、時間の経過が傷を癒やして未練も今はない。…何より今は相手がいる。
何があっても相手を一番に考えよう、そう決めては相手が風呂から上がってくるのを待ち。
>露木
( バイトからの帰り道に相手と鉢会い、いざ相手を目前にすればその穏やかな雰囲気に流されてしまいそれでもまだぎこちない表情で寮へと戻る。
先に風呂を済ませようとまだモヤモヤした心境でシャワーを浴びいつもより早目に風呂を終えるが自分の上の服を持って来るのを忘れた事に気付いて。
「露木、棚の中から俺のTシャツ………___」
( 相手に取って貰おうとも僅かに聞こえた相手の声に疑問に思っては取り敢えずジャージを履き、盗み聞きなんて最低だと分かって居ながら聞き耳を立てて。
“奈緒”と言う名前にふと浮かんだのは今朝の見合い写真、確か記入されてた名前は“奈緒”だったなと思い出してはまた嫉妬心に駆られて。
随分と仲良さそうじゃないかと眉間に皺を刻み相手の電話が終わってからも暫くぼんやりとしていて。
髪からポタリと肩に落ちた雫の冷たさにハッとしてはタオルで頭を拭きながらズカズカと部屋に戻りTシャツを取り。
相手にバスタオルと自分のシャツを手渡しては今度は相手が風呂を上がるのを待ちながらTVの電源を入れて。
( 相手の風呂上り、ほんのりと香るシャンプーの香りは自分と同じ物で僅かに大きめの服の袖を捲る相手に目が行っては邪魔だと分かってながら「…捲んなよ」と意味の分からない事を言って。
濡れた髪を拭く相手に後ろから抱き着きわしゃわしゃと髪を掻き回しては何処と無く拗ねた様な態度で。
「…腹減った、あんたの飯楽しみにしてたんだからさっさと飯にしよ」
( さり気なく恥ずかしい事を言ってるのも自分では気付いておらず温めては食卓に並べられる食事に食欲をそそられて。
食事を抜く事が増えてた以前と比べ、相手が来てからはそんな日も無くなりつつあり調子も良く。
「………なぁ、明日とか暇??俺バイト休み」
( 先程の電話で聞こえてたのは一部、明日約束がある事など知らずに問い掛けては相手に向ける。
その刹那、なんと言うタイミングか相手の携帯に元カノからのメールが入っては《明日のレストランもうネット予約しちゃったんだけど…ここ素敵じゃない??》とレストランの画像も添付されて。
>桐崎
(電話の内容を一部聞かれていたとは知らずどこか甘えてくるような相手に可愛いなぁと呑気に思いながら御飯を口に運ぶ相手を頬やましげに見詰め。
相手からの誘いに嬉しくなるも先程の電話と経った今来たメールを見てはウッと言葉を詰まらせる。
午前中ならといいたいところだが運悪く教授に大学の入学直前説明会の手伝いを頼まれていて。
「……御免、明日は一日予定が埋まってて。その…遅い時間なら来れるんだけど」
(言いにくそうに述べては「今度予定合う時絶対二人で過ごすようにするから」と夜元カノと会うことは切り出せずに食事と片付けを済ませて。
その後他愛のない話の中「そうだこのCD借りて良い?あんたが聞く曲知っておきたい」と束縛じみたことを言っては明日会えない分甘えさせてやろうと相手を抱き締め頭を撫でたり頬や唇に軽く口付けたりして。
それでもまだ一線を超えるのは恐怖心があり心地よい時間に甘えてはベッドの中で相手の背中を撫でながら眠って。
(翌朝、早めに起きて夜まで会えないからと相手に弁当を作っては「用事済んだらメールする」と額に口付けて相手の部屋を後にして。
(そしてあっという間に元カノとの約束の時間、早めに指定された場所に行くとすでに彼女は其処に居て「早かったな」と駆け寄っては一緒に予約したレストランに入って大きなガラス張りになっている隅の席に座って。
『ここ大人っぽくていいでしょ?中学の頃はカラオケとかファミレスばっかだったよね』
「…そうだな」
『……うん。……菊、あのね。……私、あの時のこと謝りたくて…、菊のこと疑ってどうかしてた』
「……奈緒は何も悪くないよ。奈緒が一番辛い時に突き放したのは俺だから」
(フルフルと首を横に振って謝る彼女の頭を軽く撫でてやっては過去の話はいいからと話題を切り替えて他愛のない話をして。
『え!?じゃあ菊…見合い相手私って知らずにOKしたの?しかも付き合ってる人いるんだ…』
「まあ…。見合い相手…奈緒も“形だけ”で良いって話だったから」
『……そ、そうだよね。うん“形だけ”。…………あ、それって私の好きなアーティストのCDだ。菊も聞くの?』
「…あー、これからな。付き合ってる奴から借りたんだ」
『へ、へぇ。…じゃあもうすぐやるそのアーティストのライブも行ったりする?』
「予定はないけど…あるならチケット取って誘おうかな」
『………』
(どこか拗ねる元カノにそんなにチケットの競争率高いのかなと馬鹿な勘違いをしつつ、食事の会計を済ませて外へ出ては、薄着の服で寒そうにする元カノの肩に自分の上着をかぶせてやり「なんでそんな薄着なんだよ。風邪ひくぞ」とからかい「家、送るよ」と夜女性一人を歩かせては危ないと軽い気持ちで言って。
>露木
( 翌日、寝惚けたままに相手を見送っては内心相手と過ごせない事に気落ちしつつ、それでも珍しく休みを取れたのだからと青年と遊ぶ事にしては特に何をするへぎでも無く街を歩く。
ふと立ち寄ったCDショップの大きなスクリーンテレビに自分の好きなアーティストが写ってるのに気付いては足を止め“ライブやるのか”と呑気に見ていて。
それと共に昨夜相手がCDを借りてった時に言った言葉を思い出しては頬が緩みそうになるのを耐えて。
『兄さんこのアーティスト好きなんだ-、じゃあ俺もCD買っちゃおうかな』
「は??あんま知らないのに買うの??…俺この人達のCD結構持ってるから貸すし聴いて良かったら買えば良いじゃん」
『本当??やった、じゃあ明日借りに行くね』
「俺バイトで居ないと思うからさ、前に合鍵渡したので勝手に入って良いから。…明日だけだからな、それ以外で勝手に入ったらしばくから」
『わ、冷たいなぁ』
( ケラケラと笑う青年と適当な店を回ったりして最後は時間潰しにとカラオケへと入り時間を過ごして。
( 夜、変わらない相手の優しさに頬を微かに赤らめた元カノはレストランを出て少しの所で僅かに背の高い相手を見上げ何処か切なそうに微笑んで。
相手の首に手を回し相手の顔を近付け後少しで唇が触れるという所、元カノは一瞬悲しそうな表情をし相手の額にコツンと自分の額を当てて。
『ふふ、悪戯しちゃった。キス…されるかと思った??』
( 柔らかい微笑みでクスクスと笑っては『………お見合い、ちゃんと来てよね』と真剣な表情で言って。
再び歩き出そうとしたその時、靴を擦った様な物音と共に元カノが振り向けば青年と共に自分が居て。
青年と自分の立ち位置的に先程の元カノの“悪戯”は完璧にキスしてた様に伺え目を見開き相手を見詰める。
「………………………露木、」
( ボソリと呟くも俯き唇を噛んでは居た堪れなくなり「先に帰る」と小さく言っては早足で寮へと戻り。
困った様におろおろとする青年は相手の元に駆け寄りピシッと額を弾いては『………露木の彼女なの??』と首を傾げるも頬を赤らめ慌てる元カノと咄嗟的に否定する相手を見比べては困った様な表情をして。
『兎に角戻るね』
( パタパタと青年も走り出した後、二人っきりになっては元カノもまさか男同士で付き合ってるなどと想像にも無いのか『ど…どうしたのかな』と。
>桐崎
(どこか切なげに走り去る相手に、何で?と眉を寄せるも青年の問いに“勘違いされた”と気付いてはすぐ後を追おうとするも元カノを一人おいていくわけにも行かず取り敢えず元カノを家まで送り直ぐに相手に《さっきのこと話したいから今からそっち行く》とメールして寮へ走ろうとする。
が、突如家に入ったはずの元カノに腕を掴まれては『今、家一人なの。…最近誰かに覗かれてるみたいで怖いから一緒にいてくれない?』と泣きそうな顔で懇願され。
流石に夜二人では…と思うも此処で駄目だと断れる性格でもなく「…わかった」と頷いては彼女の家に上がって、先程相手に行くとメールしたばかりなのに《ごめん行けなくなった。一緒に居た子とのこと気にしてるならなんでもないから。明日会ってちゃんと話したい》とメールして。
この時、元カノの家にあがるところを何者かに写メられていたことは気付かずに。
(翌日、元カノの部屋のソファで目を覚ましては軽く話した後、自分は一度アパートに戻ってシャワーや着替えを済ませて相手の部屋へと向かう。
扉は開いていて相手かと思えば其処に居たのは青年であからさまに落胆気味に肩を落として。
『露木分かりやすっ!…てか昨日の夜あの後どこ行ってたのさぁ』
「……ちょっと」
『ちょっとねぇ?』
「…………あんたは何しに来たの?」
『兄さんのCD借りに来たんだよ。兄さんのことは全部知っておきたいからね。曲覚えて兄さんと語るんだぁ。あとライブも誘おうと思って昨日チケット手に入れた!しかも一番良い席』
「…え、もう?なんか倍率高いって聞いたけど」
『ふふふ、俺を誰だと思ってるのかな?』
「…ズル。……俺が誘おうと思ってたのに…」
『早いもの勝ちだよー。どこぞの女といちゃついてるからいけないんだって』
「イチャついてなんか…」
(ムッと青年を睨むも相手とライブに行けないかもと思うとショックで追い打ちをかけるよう『兄さん今日バイトだから夜まで戻らないよ』と言われては小さく溜息を吐いて。
青年が出て行ってから暫く相手の部屋に無駄に居座ってはCDをかけたまま相手の香りが心地よく夕方近くまで寝てしまい、慌てて晩飯を作りおいては“お疲れ様”と可愛さの一欠片もないメモ書きを残しすれ違いで深夜バイトに出かけて
>露木
( 相手が自室を出て数十分後、漸くバイトから戻ってはテーブルの上に晩飯と共に置かれたメモを拾い上げる。
やはり相手はあの見合い相手の元に行ってしまうのだろうかと不安に駆られあんな美人には適わないかと。
昨夜のあの光景___見合い相手の女性の背丈に合わせる様に首を屈め口付けをしてる様子が脳裏に焼き付いては頭をガシガシと掻き回して。
テーブルの前に腰を下ろし、何時もの如く自分好みの美味しい食事に舌づつみしてはそれでも何処か寂しく連絡の無い携帯を見詰めては溜息を付き。
( 翌日、そのまま眠りに付いてしまってた為食器を洗いシャワーを浴びては今日は夕方からのバイトなのでそれまで休もうかと。
特にする事も無く一人でぼんやりとしてた所で玄関口の簡易ポストにストンと何かが入れられた音がしてはのそのそと立ち上がり玄関を開ける。
しかし行動が遅かった事もあり既に誰も居らず、代わりにポストに入れられた封筒を取っては宛先も差出人も何も書かれて無い為に不審に思って。
首を傾げながら封筒をビリビリと破いた所で数枚の写真が落ちては何なのかと。
しかし写真の中の“それ”に気付いた途端思考が止まりゆっくり拾い上げてはギリ、と歯を食い縛り。
疑いは確信に変わりゴミ箱にそれを投げ捨ててはまだ少し早いがバイト先へと向かって。
( モヤモヤや苛立ちとの葛藤の中、さっさとバイトを終わらせるも相手には連絡を入れずに早足で寮へと戻る。
よくよく考えれば青年に合鍵を渡しておいて何故相手には渡してなかったのだろうかと思うも今この状況を見る限り渡さなくて良かったと。
鍵を開けっ放しにしてる事すらすっかりと忘れシャワーを浴びカップメンでの夕食を済ませては深夜漸く布団へと入る。
「……………んだよ、………あの女が良いってんなら言えば良いじゃねぇか」
( ボソリと呟いた所でいきなりに玄関の開く音がしては寝間着姿の青年が『兄さん開けっ放しは駄目でしょ-』と勝手に入って来て。
「何入って来てんだよ」
『や、眠れなくて』
「帰れっての」
『や-だね』
( ケロリとした表情で言う青年に呆れた様に溜息を付いてはまだ期待してるのか鍵を開けたままにしていて。
それを青年が『危ないよ-??』と咎めて来たが無視し「寒いだろうが、隣入れば」と無愛想に言っては飛び込んで来る青年に背を向けて。
>桐崎
(翌日朝方にアパートへ戻っては睡魔に負けてそのまま眠ってしまい目を覚ますと昼過ぎで、掃除や洗濯を済ませては相手にメールをと携帯を取り出すも丁度バイト先から電話がかかってきてすぐ来て欲しいと言われては相手にメールしたつもりでそのままアパートを出て。
(夜、相手に元カノとの写真が送りつけられているとも知らず早く相手と話したい一心で相手の部屋向かい、何故か開いている扉に疑問を抱きつつそっと中を覗く。
すでに部屋は暗く中が見えにくかったがベッドの上で青年を抱きしめる相手の姿を見て愕然とする。
よくよく考えればそれは相手の癖、しかし一緒に寝ているのが許せなくどうせ青年と仲良くライブに行くんだろと我が儘にも拗ねては相手の不安も知らずにアパートに引き返して。
(翌日見合いの日、形式張ってないとは聞いていたが指定された場所に来てみれば其処は料亭などではなくただのカフェで親も介さない驚くほど軽いもので、はじめ元カノの親の仕事関係者と思わしき人と師範が数分話をしただけで直ぐに二人きりにされて。
これじゃあただのデートと変わらないなんて呑気に構えつつ何故か緊張している様子の元カノを見ては「肩に力はいりすぎ」とからかうように笑って。
『ねえ、菊。このあとの見合いの段取りが終わったら一緒にデパート行かない?そこにあるCDショップのイベントでこの前菊が持ってたアーティストの限定グッズ販売がやってるの。一部の人にしか知られてないからきっと菊の彼女さんも知らないし買ってたら喜ぶんじゃないかなーって』
「……彼女…、……、あ、…行く。教えてくれてありがとな」
『ううん。…菊と一緒に行きたいと思ってたからいいよ』
(寂しげに笑う元カノにやっぱり昔のことで自分に苦手意識でもあるのかなと思いつつ、頭の中は既に相手のことで青年とのことは気になるがグッズ喜んでくれるかなと相手の笑顔を想像し綻びそうになるのを必死で堪えていて。
(一方、相手に写真を送りつけた人物、元カノの覗き魔こと中学時のクラスメートは元カノは絶対自身に振り返らないと確信しても尚ドを超えた執着心で彼女に付き纏って新しく出来る“彼氏”の選別をしていて。
そして最近傍にいる自分のことを徹底的に調べ上げ相手と付き合ってることを突き止めてはなんとしても別れさせて元カノとくっつけさせ、あわよくば彼女の良き友になるという何とも可哀想な計画を立てていて。
しかし彼(覗き魔)は本気で、持ち前の人の良さで相手や自分の近辺の人達と接触し、連絡先などを手に入れ数ある携帯の一つから相手の携帯に《露木と一緒にいる女は露木の元カノ》とメールを送りご丁寧に中高と付き合っていたころの写真を添付して送りつけて。
その後も見合い時の楽しげな写真などを嫌がらせのように送りつけ。
>露木
( バイトから帰り何時もの如く気怠気な様子で部屋のベッドへと横たわってはバイト中しつこく来てたメールや留守電やらを確認する。
そこで目にしたのは相手と見合い相手の楽しそうな様子や二人の過去の写真。
やはり本当によりを戻すのかと思えば自分ばかりが相手を思ってる物だと勘違いし悔しくなって。
どうせ相手は今日もあの元カノと一緒に過ごすのだし自分の所には来ないだろうなと勝手に考えては眉間に皺を寄せたまま受信されたあの写真を次々と消す。
明日のバイトは午前中に終われるがその事を相手に報告するつもりも無くそのまま居眠りをして。
( 数時間の居眠りの中、話し声に眉を寄せては漸く目を覚まし勝手に自分の部屋の中にいる若頭と青年に「………何してんの」と。
『まぁた色々面倒な事になってるんだろ-なって。まぁ僕的には仲悪くなってくれた方が嬉しいんだけどさ、菊の事がっつり貰えるし』
『でね、単刀直入なんだけど…修羅場にしちゃおうって話になったの』
「はぁ??」
『だから、折角の木ノ宮の能力を活かして!!!菊を修羅場に巻き込んじゃおうって話』
「無理、女になっても碌な事無かった」
『じゃあこのままで良いの??…ま、僕はどっちでも良いんだけどね』
( 自分も何処と無く嫉妬を抱いており相手がその気なのならこっちもやってやろうじゃ無いかと「…直ぐ戻せよ」と小さく言っては大人しくして。
( そして青年と街へと向かうが意味深なメールが来てたのは自分がバイトの時の時刻。
まさかまだ一緒に居る訳無いだろう………___と思った矢先、仲良さそうに至近距離で話す二人がデパートから出て来ては唇を噛み締めて。
『ほら兄さん、“ちょっと!!!その女誰よ!!!”とか言って来なよ』
「……………良い」
『へ??…何で??』
( 向かい合う青年の後ろの相手と不意に目が合ってはキッと睨み付け青年の腕に絡み付き「………そんな事しても馬鹿みたいだろ。もう帰る」お。
『え、ちょっといきなりどうしたの??………っていうか兄さんちっちゃ………』
「黙れ、良いから俺に合わせてろ馬鹿」
( 苛立ちを顕にムスッとしてはそのまま青年と手を繋ぎさっさと去ろうと。
>桐崎
(デパートのCDショップにて無事限定グッズ(ハンドタオル)を購入してはそのアーティストの良さについて語る元カノの話を相手も好きだからと言う理由で真剣に耳を傾ける。
がデパートを出た所で何故か女姿の相手と青年と出会しては、小さく目を瞬かせ唖然とするも相手が青年の手を引き去るのに気付いては一瞬元カノの存在を忘れて慌てて追い掛け相手の細い腕を掴んで。
「…なんで、その格好してるの?…もしかしてまた面倒事?なんかあったの?」
(相手の気も知らずまた何か厄介な事件に巻き込まれたのかと心配するもどうやらそうではないらしく、昨夜の相手の部屋で二人が抱き合う光景が浮かんではまさかと眉を寄せ。
「……あんた達付き合ってるとか?……“元のまま”だと周囲の目が気になるからそんな格好してるのか?」
(身勝手に嫉妬して思わず相手の細い腕を掴んでいた手に力が篭もるも相手が僅かに眉を顰めたのに気付いては「ご、ごめん…」と慌てて手を離し目線の低くなった相手を見下げて。
滅多に見られない相手の女姿、こんな状況でも可愛い、抱き締めたいと思う自分は相当参ってると自重しつつ少しだけ身を屈めて相手と視線を交え「……なあ、女にまでなって此奴を一緒にいたいのか?……赤城のこと好きなわけ?」と眉を下げて相手の柔らかな髪に触れようとする。
が、暫く少し離れたところで見守っていた元カノが痺れを切らしたのか銀髪に伸ばしかけた手を後ろに引かれてしまい。
『は、初めまして。私、今日菊とお見合いした奈緒っていうの。菊とは昔付き合ってて偶然でびっくりって感じで。……二人は付き合ってるの?二人ともモデルさんみたいに綺麗なのね、すごくお似合いよ』
(テンパリ気味に早口に述べる元カノはまさか目の前の相手と二度会ったことがあると思わず相手と青年と恋仲なのかと勘違いしては二人を褒めて。
「…いや…此奴は………」
『私達もね、音楽の趣味が合って今もグッズ一緒に買って来たの。久々に会ったのに菊が私の好きなアーティストのCD持ってて、もしかしたら前に付き合ってた時の私の趣味覚えててくれて聞いててくれたのかなって。……あ、って私になにのろけ話してるんだろ』
(急にひとりでにペラペラ話しだす元カノには?と思い「いや、前に話しただろ。CD持ってたのは…」と弁解しようとするも『明日も一緒に遊ぶもんね』と腕を絡みつけられて。
「…そんな約束…」まだしてないと言おうとするも変に積極的な元カノは止まらずに『これから私の家来る?』なんて言い出して。
>露木
( 元カノの言葉にじわじわと悔しさが沁みては段々と潤む瞳を見られまいと顔を俯かせる。
いつも“女は直ぐに泣いて面倒だな”とは思ってたのは女になって初めて心の弱さに気付き。
“泣いてる”訳じゃ無くて勝手に“泣けて来てしまう”のかと女性のか弱さに気付くのと共にボロリと落ちた涙にハッとしてはゴシゴシを目を擦る。
あくまでも心は男な為に人前で泣くなんて事許せず僅かに背の高い相手を見詰めては口を開く。
「………お前、…すっごいムカつく………」
( ボソリと呟き相手の服を掴んでは自分の背丈まで引き寄せ無理矢理唇を奪おうとするも僅かなプライドがそれを許さず寸の所で相手の額に頭突きをかます。
しかし男女の差もありこっちが大きくダメージを受けては額を抑え涙を堪えながら相手を見上げる。
『ちょっと見せ付けてくれないでよね-。俺達“付き合ってる”んでしょ??“大好きな彼氏が他の女の所ばっかりで寂しいから俺にする”って言ってたじゃん』
「は??」
『可哀想に、俺がた-っぷり慰めて上げるからね』
「………さっきから何言ってんだよ、…」
『さ、今日は俺の部屋行こっか。折角そんな格好してるんだしさ』
「は、離せって!」
( 青年の力にも対抗出来ず慌てて相手の腕に縋ろうとするも元カノがやんわりと相手に絡み付いては悲しそうに相手を見上げ。
普段なら絶対有り得ないのに軽々と青年に抱えられては慣れない事故に落とされるのではという変な恐怖から硬直したまましがみつき。
>桐崎
(早く誤解を解かねばと口を開きかけるも相手の涙を見た瞬間思考が停止し頭突きをされた額を軽く押さえつつ、不謹慎にも大きな瞳を潤ませ見上げる相手の姿に見惚れる。
これは反則だろと赤くなった相手の額に手を伸ばしかけるも青年から発せられた言葉にピタリと手を止めて信じられないように相手を見る。
どういうことだと問う前に青年が相手を横抱きして連れ去ってはまるで青年を信頼するかのようにしがみつく様子に醜い嫉妬を抱き「……信じてくれるって言ったじゃないか」と元カノだとちゃんと告げず説明不足にも関わらず身勝手に毒吐いて。
『……菊?』
「なんであんな勘違いされるようなこと言っ………、御免」
(ついキツイ口調で述べてしまい途中で謝っては、どうしてこんなことにと溜息を吐き。
『ご、御免なさい…、私…つい…、自分でもなんであんなこと言ったのか分からなくて…。でも…あの子は彼女さんでは、ないんだよね?』
「…………あの子だよ。…俺と付き合ってるの」
『…え?…でも赤い髪の子が……、あ…もしかして“大好きな彼氏”って菊のこと?』
「…さあ。今は違うみたいだけどな」
(苛立ちを隠し冷めた口調で述べては「家まで送るよ。まだ誰かにつけられてんだろ?」とどうせ相手には青年がいるんだからと思い込んでは元カノを家まで送って。
(その頃、青年は部屋まで相手を運ぶとベッドに座らせ優しく目元を拭ってやり。
『兄さんの涙目上目遣い超可愛かったな。俺だったら我慢できずギュッとしちゃう』
(ガバッと相手を抱き締めては髪の毛などをいじり可愛いを連呼して『あ、今日は兄さんが俺の服来てね』と何食わぬ顔で自身の服を渡して。
丁度その時若頭がひょっこり顔を出しては状況からしてうまく行かなかったことをすぐ悟り。
『まあ何となく分かってたけどね。あ、言っておくけど今回はつよーーく能力かけて上げたから暫くは戻らないし想い合ったキスしないと解けないから、よろしくー』
(軽いノリで言いつつ内心“まあ僕なら直ぐに解けないこともないけど”とほくそ笑むも口にだすことはなく、それを聞いた青年がすかさず相手を見詰め『女の兄さんも捨てがたいけど俺達の愛を確認するなら今だよねー』と不意をつくように相手の柔らかな唇を奪おうとして。
>露木
( 青年の部屋に戻って来ても不安は拭い切れず“直ぐに戻してくれると言う約束だろうが”と悪態付きながら擦り寄って来る青年の頭を抑える。
「どうせあんたとしても戻らないだろうし無駄だろ」なんて言っては胡座をかき女性らしさの微塵も無い様子でどうしようかと考えていて。
相手が自分と青年の仲を誤解してるとも知らずに、こちらはこちらで勝手に相手と元カノを勘違いしていて。
『兄さん泊まってくでしょ??』
「巫山戯んな、自室に戻る」
『ここ男子寮だよ??フラフラ出来ないでしょ』
「なら送ってって」
『や-だね。兄さんだって女の子の格好で怖い思いしたんだから分かるでしょ??』
( 嫌々言いつつも今は青年の力にも敵わず大人しく従わなければならない状況になってはかなりの距離を取るようにしながらベッドで寝息を立てて。
( 翌日、若頭に適当な衣服を貸され大学エリアへと向かえば昨日の事を謝ろうと相手を待っていて。
通り掛かった生徒に相手の事を問い掛けては先程研究室に居たとの事なので昇降口に居れば会えるかと。
そわそわとしながら相手を待ち続けてた所で漸く相手の姿が見えてはおずおずと近寄る。
「……………おはよ。あのさ…昨日、…頭突き…ごめん。………俺…なんかカッとしてたのかもしれない。…それでさ、」
( 改めて掛けられた能力の事を相談しようとするも昨日の元カノが自分の後ろから来ては相手の腕に抱き着き自分にペコリと頭を下げるのをぼんやりと見詰めてはこちらも遠慮がちに頭を下げて。
『あ、あのね菊。………さっき《今から大学行くから遊びに行こう》ってメールしたの気付いてくれたかな??…ごめん、迎えに来ちゃった』
( 可愛らしい元カノの微笑みを何処と無く悔しそうに見詰めては相手の服を軽く掴み“行くな”と言い掛けそうになるのを押し堪える。
元カノが『お話中だった、よね。…ごめんなさい』と自分に謝るのに慌てて首を横に振っては相手を見詰め口を開くも「………露木、………その……」とまともな言葉にはなってくれずに。
「後で………電話するから、出てくれると………嬉しい」
( ポツリと小さく告げては相手と元カノを二人にしたくない衝動に駆られるが自分の入る隙は無く。
寂しそうな表情を隠す様にその場を去っては『…あんな子居たっけ??』『………転校生とか??』と言う声に知らない振りをして。
( 自分が去った後、元カノは相手の手を取っては『…ごめん。こんな事言うの最低だし勝手だって分かってる。………でも、…二人でいる時だけは電話とかメールとか…しないで欲しいの。私と居る時だけで良いから』と。
微妙な雰囲気になってしまった事に気付き、慌てて何時もの微笑みを浮かべては『久し振りに会えたから嬉しいのかな。…ずっと、会いたかったから。もっと一緒にいたいなって』とはにかみながら言って。
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