_時代を越えて_(非募)

_時代を越えて_(非募)

xxx  2014-12-29 00:12:16 
通報



_____巡り巡った先の時代でのお話。



▽個人用に作ったトピなので非募集です、関係者様以外は書き込みを控えて下さいませ。
▽荒らし厳禁、なりすまし厳禁です。



コメントを投稿する

  • No.521 by 露木 菊  2015-03-01 23:33:28 


>桐崎

(身体の自由と視界を奪われ痛みと恐怖で涙が溢れそうになるのを必死で堪えては、数時間後漸く解放されて重たい身体を引き摺り宿泊先のホテルへ向かう。
時刻は深夜、みんな寝ているだろうしホテルの24時間使える共同の浴室を使おうとするも待ち伏せていた兄に捕まって。
『こんな時間までどこ行ってたの?……その手首の傷は?』
「…別に、何でもない。……繿は?」
『今日も帰らないって。どうせまた遊んでるんでしょ』
「………本当に、遊んでると思うのか?…あんたは彼奴の兄だろ?信じようとか…『信じる?何を?……菊さ、もう繿を信じるのやめな。傷が深くなるだけだよ』
(珍しく怒りを含んだ兄の冷たい視線に何も言えなくなっては身体を洗うため逃げるようその場を去ろうとするも突如兄に抱き締められて。
『ねえ…、俺にしなよ。俺なら菊を不安にさせないよ』
(耳元で甘く囁かれ先刻の恐怖が蘇っては兄の肩を押すもビクともせず唇に口付けられる。
必死で抵抗するも段々相手に見放された虚しさが心を支配しては所詮自分は“身売り”でしかないのだと兄の腰に腕を回して。
一部始終を男の部下に撮られているとも知らず兄の胸に額を預けて暫くそのままでいて。

(その頃、軍人である大男達は店に訪れた相手を席に手招きしては相手の両隣に店のNo.1と2の女を座らせ高級なシャンパンを用意させて。
『ほら飲め。ありがたく思えよ』
(日本語を喋れる一人が命令しては其れが合図だったように女達が相手の頬や首筋、股の間に艶めかしく触れて。
『坊や可愛いのね。ねえお姉さんとキスしない?』
『折角だから写真取りましょうよ。ほら私達に腕絡めて』
(流暢な日本語でほぼ強引に相手の動きを支配しては好き勝手相手に触れて男達に写真を撮らせる。
女達は相手が相当気に入ったのか相手から離れず『ねえこの後別の場所に行ってもっと楽しいことしましょ』と豊満な胸を押し付けながら甘い吐息を相手の耳元に吹きかけ。
『おいおい、嬢さん達。遊ぶのは良いが俺たちが楽しんだ後にしてくれよ。其奴は俺らが先に目をつけたんだからよ。“だいたい嬢さんたちは其奴と写真を撮るようあの男(主犯格)に言われただけだろ?”』と最後だけ豪特有の訛りのきつい英語で述べては相手に厭らしい目を向け。
『さてと、とりあえずお楽しみの前にたっぷり酒飲んどけ。いい気分になれるからよ』
(男は女達を退かさせ相手の隣に座ると相手のグラスに並々とシャンパンを注ぎ楽しげに相手を見て。

  • No.522 by 桐崎 繿  2015-03-02 01:24:49 




>露木

( 絡み付く女達をうざったそうに避けるも見事なアングルで写真を撮られてる事等知らず。
早くあの男から手を引く策を探さなければならない、それを終えたなら心から相手に向き直り誤解を解こうと自分に言い聞かせる。
どうせ今日もあの気持ちの悪い行為が始まるのだと思えば酒を煽り思考を酔わせようとするも元々酔わないタイプ故に酔えずにいて。
思考ははっきりとしたまま頭痛が襲い掛かれば軍人に立たせられ直ぐ隣の部屋へと放り入れられる。
「………っ、触るな。…俺は…今日は薬を届ける様に言われただけで………」
『騒ぐな、写真バラ撒かれたいか』
( 片言な日本語で声色静かに言われてはグッと押黙る。
兄や青年、そして誰よりも相手に迷惑を掛けたくは無いと表情を殺しては心を殺す様に努めて。
「……………早くしろよ」
『まぁそう急かすな。お前に良い物を見せてやる』
( ふと軍人の男がポケットからスマートフォンを取り出しては画面に映し出された写真を見せられる。
兄に抱き締められるそれに応える様に抱き着く相手の姿に言葉を無くすも直ぐに目を逸らす。
「そんなの…違う。………俺が酷い事言ったから…慰めて貰ってるだけだ………そうだろ??」
『どうだろうな、だがこれが真実だよ』
( “これを乗り切れば…”と自分を保ってた壁がガラガラと崩れるのを感じては抵抗を無くした手をパタリと下ろし蒼白に一点を見詰めていて。

( その頃、隣室の女達は自分の携帯のSNS(LI〇E)のタイムラインに先程の写真を投稿していて。
元々SNS自体には相手や兄、青年くらいで職場などの人は殆ど登録されておらず。
クスクスと笑みを浮かべては携帯を机に置いて。



  • No.523 by 露木 菊  2015-03-02 02:55:18 


>桐崎

(真実を知らないとは言え自分の浅はかな行動が相手を傷付けているとも知らず一人勝手に傷心しては兄に身を寄せてしまうも、シャワーを浴び少し冷静さを取り戻すと抱きついてくる兄をやんわり拒絶して。
「………ごめん、やっぱり彼奴をもう少し信じたい」
『…此れ見ても同じこと言える?』
(そう言って見せられたタイムラインの写真にすぐさま絶望に引き戻され絶句しては現実が受け止めきれず小さく首を横に振るも、やや冷静さを欠いた兄は其れを無理矢理見せてきて。
『繿は菊を裏切ったんだよ』
「…違ッ…きっと“運び”のことで脅されて……」
『菊、もう辞めな』
(冷たい視線が突き刺さり息をのむも次の瞬間優しく抱き締められては、どっと無力感と疲労感が襲いそのまま兄の腕の中で眠りにつき、夢の中で相手の残像を追い求めるようにして兄を抱きしめていて。

(翌日、目を覚ましては兄に口付けられるも抵抗せずに受け入れノロノロと朝の身支度をする。
いつもの癖で相手と揃いのピアスをつけそうになるも相手に見放されたと勘違いしたままでいてはピアスをケースに戻し鞄にしまって。
それでもストラップは外さずに未練がましく触れては青年がしきりに相手に電話やメールをするのをぼんやり見詰め。
『兄さん…電話もメールも音沙汰なしだよ。……本当に俺達のこと嫌いになったのかな』
「…………」
『そうなんじゃない?脅されてるなら何かしらサインくれる筈だし。………もう放っといて観光しようよ』
『そんな気分じゃない。俺…、ホテルで兄さんのこと待ってる』
『あっそ。……じゃあ菊、行くよ』
「…………」
(心此処にあらずで窓の外を見詰めていては兄がやや苛立ったように自分の手を引き部屋を出て街に連れ出されて。

(街の中、兄が腕を絡めてくるのを無意識に相手と重ね身を寄せていては前方から相手が歩いてくるのが見え一瞬身体がピクリと震えるもすぐに暗い瞳に戻って。
『…繿…。なんでそんな疲れた顔……、……』
(やや青ざめたようにも見える相手の表情に兄は唇を噛むも怒りが先立っては突如自分の肩を抱き『そうだ、俺達付き合うことになったから。ね、菊?』と。
訳が分からず戸惑うもどうせ相手は女好きで自分など都合の良い道具とかしか思ってないと最低な勘違いをしては小さく頷き「……綸は俺だけを愛してくれるから」と何も写さない真っ暗な瞳で無機質に呟いては兄の頬に冷たい口付けを落とし。

(一方で男達は相手を手放す筈もなく、薬の運びを続けさせると共にしつこく夜来るよう命じては《日本に帰れると思うなよ》と脅していて。

  • No.524 by 桐崎 繿  2015-03-02 03:27:31 




>露木

( 鉛の様に重たく感じる身体に鞭打ち街中を歩いてた所正面から相手と兄に出会しては思わず足を止める。
昨日軍人の男に見せられた写真が脳裏を過り、それでも尚嘘だと信じようとして。
しかし突き付けられた兄と相手の関係に思考が停止し焦りを混ぜた表情で相手の肩を掴む。
あの男との関係を早く終わらせて誤解を解いて………それから相手に本心の愛を告げるつもりだった。
「………な、…んで………。何で綸と付き合うなんて言うんだよ!!!」
( こんな事を言ってしまえばそれは矛盾に過ぎないのに一瞬我を失っては上記を叫んでいて。
直ぐに兄に突き飛ばされてはフラリと体制を崩すと共に頭痛が襲い髪をぐしゃりと掴む。
『繿が菊の事弄んだんでしょ??俺は菊だけを愛するし浮気したりしないから』
「…………………………」
『何今更菊を恋人みたいに言ってんの??…どうせ昨日もお楽しみだったんでしょ』
( 黙り込んだまま地面を見詰めてたがここで本音を言った所で相手の為にはならないし麻薬運びの手伝いをさせられたなどと知れれば皆の迷惑になる。
演技を続けなければと必死に言い聞かせてはクックッと喉を慣らし蔑む様に兄と相手を見詰めて。
「良いんじゃねぇの??お似合いだよ、…てか直ぐに乗り換えられるとかお前マジで流石だな」
( “身売り”というそれに相手が激しいトラウマを感じてる事を知ってたが神経を無くし麻痺した頭では判断が効かずにいて。
兄の平手打ちが頬に当たり口内が僅かに切れたが再び兄に目を向けては『綸も物好きだな』と言い残し逃げる様に去って行って。

( 相手が自分の写真をタネに脅されてる事にも気付けないままホテルへと戻ればどこか不安そうな表情をする青年に迎えられるも無視して。
出来る事なら皆には早く日本に帰って貰いたい。
危険が降り掛かる前にと焦りと焦燥を感じては自分の腕を掴んで来た青年を冷ややかに見下ろす。
『お…お帰り。待ってたんだよ、俺』
「待っててくれなんて頼んでねぇから」
『………だ、だよね。ごめん………あのさ、兄さんもし良ければこれから………』
「見て分かんない??疲れてんだけど」
( 態とらしい溜息を付いては悲しそうな青年の表情に一瞬罪悪感を感じ、青年の頭に手を伸ばすも寸の所で引っ込めて。
「………綸と露木連れてさっさと帰れ。俺はまだこっちでやりたい事あるからさ」
『な、何で??』
「なんでも良いだろ。…いいからさっさと帰れって言ってんだよ」
( 青年の手をバシッと乱暴に払い除けては舌打ちをし、昼間に男が手配したビジネスホテルへと早足で向かってはあの男達が入って来るのでは無いかという妄想と恐怖から逃れるべく窓や鍵を締め切りベッドへと身体を預けては疲れから眠りに落ちて。

  • No.525 by 露木 菊  2015-03-02 05:02:55 


>桐崎

(相手の言葉に身勝手にも胸を痛めては去り行く相手を追おうと足が前に出るも兄に止められては離れていく相手の背中を暗い瞳で見詰めていて。
『菊、行くよ。……明日には帰るから御土産買ってこ』
「……繿は…」
『もう繿はいいでしょ…』
(どこか感情を誤魔化すよう息を詰まらせる兄を見詰めては視線を地面に落とし「…綸は…離れるなよ」と小さく呟き一人歩き始め。
丁度その時、あの主犯格の男からメールが届いては《話があるから来て。逆らったら写真ばらまくよ》と。
___もう相手との関係は終わった。運びも相手が自ら進んでやったこと。助ける意味なんて…、と思い掛けるも相手への想いを誤魔化しきれる筈もなく「…御免、一人で寄りたい場所あるから」と兄に止められる前に走ってその場を立ち去り指定された場所へ向かって。

(高級住宅街、男の屋敷に訪れては早速一枚の紙を渡され“其処に行って男の相手をして来い”と。
その男は世界でも指折りの資産家らしいが性格はかなり歪んでいるらしく。
『その人に近づきたがる子こっちでは少なくてさ。君なら最悪消えても警察も騒がないし丁度いいかなって。じゃ、行ってらっしゃい』
(逆らう権利などないとでも言うかのように黒い笑みを浮かべ手を振られては冷や汗が流れるも、逃げる選択肢など無く紙をクシャリとポケットにしまうと無感情の鎧をまとい男の屋敷を後にして。

(其の頃、男達は眠る相手を厭らしく見詰めて髪を撫でては頬を軽く叩いて目を覚まさせ。
『お目覚めか?…早速だが今日もあの男(主犯格)から“仕事”が届いてるぜ。今回の届け先の奴は金持ちだがかなり薬で頭がイカれてるらしいから気をつけろよ。まあお前なら顔も良いし上手くやればたんまりチップ貰えんじゃないか』と笑い“物”と資産家の超高級マンションの住所が記された紙を渡して『あと一応中和薬な。薬盛られてその身体駄目にされたら俺達の楽しみが無くなるからな。はやく帰れよ』と中和薬を相手のポケットに忍ばせその流れで腰を撫で上げて。

  • No.526 by 桐崎 繿  2015-03-02 14:27:30 




>露木

( 男に渡された中和薬と地図をぼんやりと見詰めてはそろそろ意思を決めなければと。
あの女カップル、確か一人はネットのハッキングに優れてると自分で話していた。
ハッキングなら青年に頼むのが手っ取り早いがこっちに詳しい方を選ぶのならやはり女カップルの一人の方が良いだろうと。
兄と相手が付き合ってるのならば誤解を解く意味なんて有るのだろうかと思うも相手を愛してるのは何よりも深い事実。
自分の最低な行いにより例え相手の心が戻らずとも伝える事だけは伝えておこうと。

( そして夜、“物”を隠し持っては早足で高級住宅街の一層大きな家に訪れる。
この仕事を終えたなら直ぐに女カップルの一人に写真のハッキングを頼み込もう、そう自分に言い聞かせノックをしては出て来た大柄な男に“物”を手渡す。
『ゆっくりして行けよ、家に上がれ』
「………いい。俺薬運べって言われただけで長居出来ないし………」
『逆らうのか??』
( やはり拒否は出来なかったかと落胆しては無理矢理家へと上がらせられる。
『お茶を出すよ、待ってて』
( キッチンへと去って行った男を不安気に見詰め、視線を落とした所で背後から薬を含ませた布を口元に押さえ付けられて。
キツイ匂いと共に感覚が麻痺してはフラリと倒れ込み、男に起こされては『気持ち良いだろ??』と。
激しい浮遊感と真っ白な思考、頷く事も首を降る事も出来ずに再び嗅がされては立てずにいて。
『今日はもう一人お客様が居るんだ。…でも君の事見られたら面倒そうになるからね。………彼の事薬で落とすまで隣の部屋で待っててくれるかな??』
「……………だ、………っれ………な、んだよ」
『日本人の男性さ、日本人は実に美しいね。特にこれから来る彼は一層美しく顔立ちの良い男だと聞いてる、楽しみだよ』
( 男に抱えられ隣室のソファーへと投げられては回らない思考の中ぼんやり天井を見詰めていて。

  • No.527 by 露木 菊  2015-03-02 22:13:11 


>桐崎

(男の家の前まで来ては先程から兄からの着信でランプが点滅する携帯を取り出し《すぐ戻るから》とあてのない返信をしてベルを鳴らす。
門まで直接男が出向いて来てはさも歓迎したように客間に通され御茶を振る舞われるも呑気に御茶して帰れる筈がないため緊張の面持ちでお茶を飲み。
数十分、挨拶だけで何も会話はなく柱時計の時を刻む音だけが部屋に響き、流石に不審におもい男を見ては男も此方を興味深げに見ていて。
『…君、何ともないのか?』
「……なにが?」
(気づけば出される御茶は三杯目。流石にもういらないと使用人にやんわり断ると男が隣に座ってきて『君、面白い子だな』と笑んだ直後腕に注射器を刺され得体のしれない液体を体内に注入される。
瞬間急激な倦怠感と筋肉が萎縮する感覚に襲われてはソファに身を沈める形で意識を手放して。

(夢の中、霧に覆われた世界で相手を求め探しまわる。
微かに風が吹き遠くに輝く銀毛をまとった狼が見えては相手の名を叫び駆け寄るも追いつく事はできなくて……___。
「…繿」と小さく呟き薄っすらと目を開けると見知らぬ高い天井がうつり、すぐに両手がベッドの両端にそれぞれ拘束されていることに気付く。
嫌な笑みを浮かべる男に顔を覗き込まれてはキッと睨みつけそうになるも、反抗的な態度を取っては相手の写真が漏洩してしまうとぼんやり男を見詰め返し。
『どうだ。身体、上手く動かせないだろう。特別な薬を注射したからな。…ところで“らん”って君の恋人?』
「…………」
『だんまりか。まあいい。…どうせ君は俺には逆らえない立場だしね』
(ニタリと笑む男を力なく見詰めながら自分の身体がどれ程動かせるか確認する。
元々薬には耐性がある身体、既に幾分自由が効くのを確認してはこれ以上薬を打たれないためにも薬に侵されている振りを続けようと身体の震えを押さえて男に従う。
こんな浅ましいことをしてまでも相手に縋っていたい。
たとえ気持ちが離れていても相手との関係を断ち切りたくないと。
男が何か喋りかけてくるも途中から耳に入っておらず“優しい相手”の残像を見るようただ一点を見詰めて。
この時、同室の敷居を隔てた向こうに相手が居るとは夢にも思わずに。

  • No.528 by 桐崎 繿  2015-03-03 00:52:53 




>露木

( 後ろ手に手を括られたままソファーの上でぐったりと気を失ってたが敷居の向こうで物音がしたのに気付いてはうっすらと目を開ける。
ズルリと身体を動かした所で見事にソファーから落ちてしまっては大きな音を立ててしまい。
男はクスクスと微笑んでは敷居を蹴り飛ばし此方に見せ付ける様に相手の首筋に顔を埋める。
麻薬に侵されてた思考は急激に冷え、目前の相手を信じられない様に見詰めては身を起こして。
『さて、俺は日本人が好きだからね。二人とも態々自分から俺に相手して貰いに来たんでしょ??』
「おい!!!そいつは関係無ぇだろ!!!そいつには………そいつには恋人が居るんだぞ!!!」
『おや、知り合いの様だね。まぁでも彼自ら俺の玩具になりたいって言って来たんだよ??』
「ちがっ……………そんな筈無い!!!」
( 咄嗟に大声を上げるも再び背後の使用人に薬を嗅がされてはさっきよりは幾分慣れた物の力を無くした様にドタリと倒れ込む。
相手が望んでした事などと信じられないと言う様に怒りを見せるも男は厭らしく微笑むだけで。
『先ずは彼から楽しませて貰うよ。こんなに綺麗な顔立ちの彼が苦痛に歪める顔を見たいんだ』
「………そ、そんな奴相手するとか………あんた頭イカれてるぜ??……………色んな男と寝てんだってよ。………び………病気持ってるかもしんねぇじゃん」
『構わないよ、俺は彼が気に入った』
( 我ながら最低な事を言ってる事を理解しつつ、それでも相手を逃がす為のチャンスを狙う。
だが男は相手が大層気に入った様子、『彼の後で君の相手もしてあげるから』なんてせせら笑いながら言えば部屋の中の棚から鞭を取り出して。
『え-と、露木君とか言ってたね。こういうプレイは初めて??まぁ君が希望したんだし楽しませてよ』
( 鞭が相手に振り上げられそうになるのに“やめろ!!!”と声を上げてしまっていては精一杯の演技をし「………なぁ、俺にしてよ。もう我慢出来ない」なんて俯き加減に囁いて。
『君は後からだ、暫く我慢してくれよ』
「そ………そんな男好きより………俺のがあんたを良く出来る」
( 吐気を感じる程の台詞に頭を下げては男の背後の相手に冷ややかな視線を送って。

  • No.529 by 露木 菊  2015-03-03 02:21:53 


>桐崎

(男をなるべく意識しないよう努めていると物音と共に敷居が蹴り飛ばされ拘束された相手の姿に目を見開く。
自分より薬には弱い相手、辛そうな姿に胸が痛むも“いろんな男と寝た”“病気を持ってるかも”と言われ、それが自分を逃してくれる為とは気付かず酷く傷付いて。
次いで発せられる男を誘うような言葉に唖然と相手を見るも、男の気は変わったようで厭な笑みを浮かべ相手に近づいては鞭の持ち手で相手の顎をもたげて。
『我慢しろと言ってるのに…。でもそんなに自信があるならその意気を見せて貰おうかな』
(クスリと笑んでは鞭の持ち手を顎から首筋へと伝わせ、使用人に一本の注射器を持ってこさせると躊躇いなく相手の二の腕にプツリと注し『ずっとずっと良くなる薬だよ。君の狂ったところを見てみたいからね。俺を期待させたんだ。それに応えて貰わなきゃ』と液体を一気に注入して注射器を投げ捨てては自分の制止の声虚しく鞭を相手に振り落として。
_部屋に響く鞭のしなる音、何度もやめろと叫ぶもその叫び声は男の狂った快楽を増幅させるものでしかなく小さく痙攣する相手の身体に容赦なく鞭が打ち付けられて。
『あー、最高だね。美しいものがもがき苦しむ姿は。どうだい気分は?』
(ぐったりする相手の身体を掴み上げ耳元を舐めあげる姿に、怒りが込み上げるも両手はしっかりと固定されており“やめろ”と叫ぶことしか出来ず奥歯を噛み締めて。
『そんなこの子ばっかり構ってるからって怒らないでよ。ちゃんと相手してあげるから』
(変な勘違いをされては男が何か企みを思いついたように不気味な笑みを浮かべ、意識が遠退きかけている相手に鞭を無理矢理持たせて。
『君はそれなりに楽しませてくれたからね。もっと楽しいこと教えて上げる。…此れで露木君を打って上げて?最高に快感だから』
(狂気じみた笑みを浮かべるもぐったりする相手に舌打ちしては無理矢理意識を覚醒するために強い注射を打って『逆らったらあの人(主犯格)が何するか分からないよ』と。
それでも中々動こうとしない相手に男は苛立っては自分の首筋に注射器をあてがい『君がためらえば彼の身体にそれだけ負担がかかるだけだよ』とほくそ笑み。

  • No.530 by 桐崎 繿  2015-03-03 03:02:05 




>露木

( 男が鞭を自分に振るってる間も“これを味わうのが相手じゃなくて良かった”なんて考えて居て。
何度も意識を失いかけ、再び打たれた注射器と共に意識が覚醒されては無理矢理持たされた鞭と男の言葉に下を向いたまま目を見開く。
相手の首筋に宛てがわれた注射器、麻薬の類ならばと不安に駆られては『良い、俺がやるよ』と。
フラリと立ち上がり相手を冷ややかに見下ろしては鞭で相手の顔をグイッと持ち上げる。
「…あの男にやられるのも…俺にやられるのも同じだもんな。帰ったら綸にでもたっぷり慰めて貰えば??」
( 泣きそうな表情を押し殺し、それでも手加減を混ぜ相手に鞭を震えば息を切らし男を見詰める。
態とらしい拍手をしながら自分から鞭を受け取れば『中々良かったよ。君こっちの素質も有るんじゃない??』とほくそ笑んで。
それからは男が相手に触れるのが嫌で無理矢理男を誘い込んでは漸く時が過ぎて。

( 金の入った封筒を起き『この部屋は好きに使って良いからね。また頼むよ』と言い残し寝室へと戻って行って。
ぐったりとする相手と距離を取り煙草の煙を吐き出しては唇を噛み締める。
「お前さ、…何でここに来たの。………あ-いうのが好きなんだったら綸に言えばいいだろうが。………あ、綸は“俺と違って”優しいからやってくんねぇとか??」
( どことなく嫌味を含んだ言い方をしてしまった事に気付き顔を俯かせては小さく舌打ちをする。
相手がここに来たのは自分の写真で脅されてるから。
そんな事にも気付けず「早く日本に帰れよ」と零す。
二本目の煙草を取り出しては火を付け、大きな窓の外をぼんやりと見詰めていて。

  • No.531 by 露木 菊  2015-03-03 08:45:09 


>桐崎

(男が去る気配を感じてはベッドに身を沈めたまま静かに相手の言葉に耳を傾け、皮肉交じりの言葉に本当に優しい相手はいなくなってしまったのかとどこまでも勘違いする。
解放された身体をゆっくり起こすと鼻孔を相手の煙草の匂いがかすめ其れだけで愛おしい気持ちが込み上げては悔しさでギュッとシーツを握り締め。
「…何でって……、あんたが馬鹿なことするから……」
(未だに相手が女欲しさに運びをやったことだと思い込んではやりきれない思いで窓の外を見詰める相手を見据え「…さっき何であの男を誘ったんだよ。……あんたは俺と違って………男好きじゃないのに」と語尾を小さくして呟き下唇を噛み締め。
相手の本当の優しさを理解してやれないまま、複雑な感情が溢れてきては抑えがきかなくなり怠い身体を無視して立ち上がると相手に大股で近寄り胸倉を掴み上げて。
「帰れって……、帰れって何だよ!!あんたを置いて帰れる訳ないだろ!!…………愛してるんだ。あんたが馬鹿で女好きで…俺をどんだけ蔑もうと…あんたが……ッ…」
(好きなんだとつい本音を零してしまっては、ついさっき兄と付き合っていると告げたばかりなのに何を言っているのだと、どうせ信じてくれないと胸倉を掴む手をダラリと下ろしては自嘲の笑みを浮かべ。
「……御免、使えない玩具に縋りつかれても迷惑なだけだよな…。………でもあんたを置いては帰らないから。……日本に帰ったらいくらでも女と遊べばいい。だけどこんなところで危険な真似してまで遊んで欲しくない」
(勘違いをしたまま悲しげに相手を見詰め僅かに服の隙間から見えるみみず腫れを指先でそっと触れる。
煙草の灰が床に吸い込まれていくのが見えては薬の副作用で疲労感の伺える相手の顔を見詰め頬に手を伸ばすも指先が触れる前に着信音が鳴っては手を引っ込めて。
着信は主犯格の男から。《そこでの用が済んだら、次の場所行ってね》と別の住所が記されており。
誰がこんな傷物を好んで…と自嘲が漏れるも相手には知られたくなくすぐ表情を戻し「……綸から。……今から“慰めて貰ってくる”」と嘘を吐き相手に背を向けて「……ホテル、戻って来いよ。赤城が寂しがってる。何かあれば赤城に相談してやって」と呟き金の入った封筒は取らずに部屋の扉に手をかけて。

  • No.532 by 桐崎 繿  2015-03-03 15:11:32 




>露木

( 相手の口から溢れる自虐的な言葉から相手が酷いトラウマと共に自身を責めてるのかと思うと胸が痛む。
相手は何も悪くないし汚れてなんかいない、それに相手に愛される資格など自分には無い。
先に出て行こうとする相手の肩をグイッと掴み無理矢理口付けては何度も角度を変える。
漸く唇を離しては自制心の効かなくなった自分をとことん恨みつつ言い訳を考える。
今日女カップルの元へと向かってハッキングを頼み込んでそれから行動に移すつもりだった。
相手から距離を取り相手を真面目な表情で見詰めては「………確かに綸なら、あんたを大事に出来るな。………でも綸がいるのに他の男の慰物になんのはやめろよ」とどこか自嘲気味に微笑む。
男の家を後にしては鳴り響く携帯を取り出しまた夜、男(主犯格)の言う事を聞かなければ兄や青年、相手に危害を加えるとの事で。
夜までに女カップル達に全てを伝えなければならない、ホテルへと走り出しては直ぐに女カップル達を探して。

( ホテルに着くなりロビーにて仲良さげに話をしてる女カップルを見付けては早足で駆け寄り部屋へと向かう。
自分達の部屋で話そうと思ったがそれでは青年にも話が漏れてしまうと頭を悩ませてた所、状況を察した二人は部屋へと入れてくれて。
早口で内容を話した所、一人がパソコンを手に持って来ては主犯格の男のアドレスを聞かれる。
『任せて頂戴な。これでも大手会社の秘書を努めてた事も有るの、そんなのちょろいわ』
『心配しないで。彼女の腕は本物よ、夕方にはこの男の携帯から直接他のデータを消せると思う』
( 二人の言葉に深く安堵し礼を言いホテルを出ようとした所で不意に青年に腕を掴まれて。
『兄さん…どこ行くの!?』
「どこでも良いだろ、お前には関係無い」
『綸が明後日には帰国する予定立ててる。………でも兄さんには構わないって…。ねぇ、何か合ったんでしょ??』
( 青年の腕を振り払いキッと睨み付けては「気安く触るな」と言い残しホテルを後にして。

  • No.533 by 露木 菊  2015-03-03 17:51:02 


>桐崎

(相手が去ってから暫くフラフラと男の家を後にしては横道にそれて壁に寄り掛り自身の唇にそっと触れる。
相手にとっては単なる戒めの口付け。そんな物にまで期待して兄の心まで踏み躙って自分はどれほど愚かなのかと…。
相手が身を削り苦悩しているとも知らず空虚なまま男に指定された場所へ向かって。

(指定の場所までもうすぐというところ突如腕を掴まれて振り返ると厳しい顔をした兄がおり強い剣幕に圧されて目を逸らし。
『どこ行ってたの?』
「……別に…」
『俺達付き合ってるんだよね?隠し事はなしだよ』
「…綸、俺…『繿のことは直ぐ忘れなくても良いよ。…とりあえず明後日帰ることにしたからその間は二人で観光楽しもう』
「………帰らない」
『…いいよ。無理にでも帰すから』
(兄の強い眼差しに罪悪感が募るも今は男の命令を無視する訳にはいかず「…御免」と謝り兄の手を振り払っては指定の場所まで走って。

(一方、相手が主犯格の男の元へ訪れる頃、男は丁度金を数えているところで相手の姿を見るなりニタリと笑んで。
『君が来てから大儲けだよ。軍人達もあの資産家も君にぞっこんだからね。今回ばかりはあの馬鹿な連中(ナンパ男)に感謝したい気分だ』
(データがハッキングされているとは知らず余裕の笑みを浮かべては金を金庫にしまって相手に近づき真新しい鞭傷に艶めかしく触れて『随分可愛がって貰ったみたいだね。…次はまた軍人のところね』と卑しく笑んで新しい“物”を押し渡して。
そして男は相手に背を向けデスクに戻ろうとするも『あーそうだ』と態とらしく声を上げてはくるりと振り返り。
『あの金持ちの所で“彼(自分)”とは会った?…彼ね、新しい遊びがしたいから仕事を紹介してほしいって自分から僕に頼み込んで来たんだ。君じゃ足りないって言ってたよ。今も物好きな男に遊んで貰ってるんじゃないかな』
(クスクスと不気味に笑いながら出鱈目を並べては相手の反応を楽しみ『ほらさっさと行きなよ。兄弟や友達に迷惑はかけたくないだろ?』と。

  • No.534 by 桐崎 繿  2015-03-03 23:33:53 




>露木

( 男の言葉にピタリと足を止めては僅かに震える唇をグッと噛み締め「誰があんたの言葉なんか信じるかよ」と呟き場を後にして。
物を隠し持ち早足で軍人達の元へと訪れては物を投げ渡し苛立ちを混ぜた表情で促されたソファーへと腰を下ろしては口角を上げる。
「は、あんた達とも“今日で最後”だからな。好きにしてくれよ」
( 見下す様な視線を向けながら軍人達の怒りを煽ってた所、携帯のバイブが鳴ってはハッキングが完了した事を物語っていて。

( その頃、男のパソコンや携帯からは自分の写真が次々と消えて行っていて。
代わりに外に漏らされたのは男が麻薬に手を付けて居たという事のみ。
焦りに駆られる男は直ぐに今宵の相手の枕相手をする者や軍人達へ連絡を入れて。

( 放送局やらに情報が流れてる頃、麻薬を買っていた軍人達も焦りを感じたのか英語で何か話していて。
『お前も同犯だからな!!!!!何せ薬を運んだんだ』
「脅迫されてやらされただけだ。…それに俺がやったという証拠はどこにもない」
『…っくそ!!!!!』
( 足早に軍人達の元を後にしては街中にパトカーのサイレンが鳴り響くのをぼんやりと見詰める。
自分が脅されてたという情報までは女カップル達も流さなかった様で青年達に説明し謝罪しなければと。
兄は誰よりも怒っていた、許されるとは思ってないし相手が兄を選ぶのなら応援しなければと。
携帯を取り出し兄へと連絡を入れては『………何の用事』と冷ややかな声が返って来て。
「………綸、あのさ」
『悪いけど口も聞きたくない。俺達明後日帰るから好きにすれば良いんじゃない??』
「…今までのは………」
『もう切るからね』
( ブツリと無機質な音と共に携帯を持つ手をダラリと下げては相手の姿を探し始めて。

  • No.535 by 露木 菊  2015-03-04 01:13:10 


>桐崎

(一件の邸宅、寝室にて男を何人か相手していると別室に居た男が青ざめた様子で入ってきては何やら英語で話して逃げるように去って行き。
何かあったのかと興味なさげにしていると覆い被さっていた男が急に乱暴になっては“男(主犯格)が捕まった” “時期に俺達も捕まるから今のうちに…”と英語で会話するのが聞こえるも殆ど聞き取れず与えられる痛みに耐え、遠くでサイレンの音を聞いたのを最後に意識を手放して。

(次に目を覚ましたのは警察の一室。ベッドの上に寝かされてご丁寧に点滴まで施されていては何が起きたのかと身を起こすと日本語の喋れる捜査官に今回の事の詳細を話される。
そこで漸く主犯格の男がしてきた悪行があかるみになりその関係者も捕まったことを知って。
一瞬安堵しかけるも未だ相手が自ら進んで“運び”をしたと勘違いしているため相手まで逮捕されたと蒼白になっては「…に、日本人は?銀髪で背が高いやつが居ただろ?」と掴みかかる勢いで尋ね。
捜査官が口を開きかけるも扉が開かれては兄が入ってきて、気を利かせたのか捜査官は出て行ってしまい扉がバタンと閉じたところで不意に頬を平手打ちされて。
『どんだけ心配したと思ってるの。何が別に何もないだよ。大有りじゃん。ばかじゃないの』
(軽く抱き締められ男達から解放された安心感から涙が溢れそうになるも、相手の事を思い出しては青ざめながら相手の居所を聞き。
『………さあ。警察が駆けつけた時には居なかったみたいだよ。上手く逃げたみたいだね』
「…そんな…、…本当に彼奴が……」
『それより菊が犯罪者(相手)の証拠隠滅のために人身売買してたことのが問題だよ。バレたら菊も捕まるよ』
(兄は女カップルから何も聞かされていないのか未だ勘違いをしてはどこかやりきれない様子で舌打ちする。
重たい空気が流れ気まずくなるも、今相手が見知らぬ土地で一人逃走していると思うと居ても立ってもいられなくなり点滴を乱暴に抜き取っては立ち上がり。
『ちょっと何処行く気?』
「……綸、…御免。俺…やっぱり彼奴のこと放おっておけない。……好きなんだ」
(まっすぐな瞳で告げては「…後でちゃんと埋め合わせはするから」と小さく呟き、相手が新たな犯罪に巻き込まれないためにも早く探しださねばと扉に手をかけて。

  • No.536 by 桐崎 繿  2015-03-04 02:32:34 




>露木

( 相手を探し街を走り回ってた所、ふと女カップルと出会しては咄嗟に腕を掴まれ『警察に貴方が脅されてた証拠を送り付けてやったわ、これで何とか助かった。………でも貴方のお兄さんと恋人さんの連絡先までは私も知らなくて………。きっとまだ誤解してるわ』と。
自分で誤解を解かなければならない事は分かってた、コクリと頷いては再び相手を探し始める。
汗をグイッと拭い警察署の前を通り掛かった所でばったりと相手に出会しては呼吸を整えつつ駆け寄る。
「……………ごめ、………どっから……話せば良いのか………」
( 眉を寄せやっと呼吸が整った所で相手を見詰め気不味そうに口を開く。
しかしその刹那、相手を追って出て来た兄が自分を見るなり目の色を変え相手から突き放す様に自分の肩をドンッと押して来て。
体制を崩し尻餅を付いては今更何を話せば良いのかと頭を悩ませる。
『何しに来た訳』
「……………話が…したくて」
『今更話す事なんてないから』
( 強い瞳でこちらを見下ろす兄と顔を合わせられずに居れば兄が捲し立てる様に怒りをぶつける。
『…第一さ、女遊びする為にこっちに来たんじゃないんだけど。どうせ菊の事も遊びだったんでしょ??…本当発情期の犬だよ。遊ばれてた女の人達もまさか相手した男が人間じゃないなんて………』
( 兄の表情が“しまった”という色に染まったのに気付いては冷たい汗が流れ顔を俯かせる。
兄にしてみれば本心では無くちょっとした嫌味をぶつけてやるつもりだっただけ。
“そんな酷い行為は人間のする事じゃない”という例えを別の言い方でしてしまった事に後悔しつつ『………ごめん、今のは………』と小さく呟く。
しかしそんな物は耳に入らず兄にさえも自分を否定されたのだと思い込んでは逃げる様に走り出して。

  • No.537 by 露木 菊  2015-03-04 03:51:29 


>桐崎

(警察署を出たところで相手と出会し切羽詰まった様子に話をちゃんと聞かねばと思うも兄に間に入られてしまえば押し黙るしかなく。
しかし兄の辛辣な言葉により走りだしてしまった相手に胸が痛んではこのままではいけないと後を追おうとするも一度兄に向き直り「きっとちゃんと話せば大丈夫だ。あんたの気持ち分かってくれるよ。……此処まで来てくれてありがとな」と言い残し相手の後を追って。

(夜の街、怠い身体に鞭を打って相手を探しまわり漸く相手の背中を見つけては駆け寄ろうとするも其の前に突如後ろの身体を引かれ路地裏に引きずり込まれ。
身体を羽交い締めにされ手で視界を覆われては突如耳元で何か囁かれて。
次の瞬間頭がぼーっとしては自分の中から相手を愛しいと想う気持ちが消えて行き徐々に深い恨みへと変わっていって。
気付けば自分一人で今起きたことすら覚えておらず、ただ相手を追わねばと足を動かす。
この時、自分を羽交い締めにしたのが能力者で、主犯格の男が捕まる腹いせで自分と相手の仲を裂くため手配したものだとは知らずに。

(深い催眠状態のまま再び相手を探し歩いては、前方に相手を見つけるなり後ろからその腕を掴んで振り向かせ暗く冷たい瞳で相手を見据えて。
「…人を散々裏切って説明もなしに逃げるんだな。……ほんと全部綸の言うとおりだよ。見境なくした発情期の犬だ。あんたみたいなのに惚れてた自分が恨めしいよ」
(冷ややかな声色で冷徹に述べては心の奥底でこんなことは言いたくないと拒絶するのに、あるはずのない憎悪は止まらず暗い瞳のまま相手を捉え。
「…昼間“愛してる”って言ったの、取り消すよ。…あーそうだ。ついでにあんたが“人間だ”って言ったのもなしにする。だって…あんたどこから見ても“化物”だし」
(薄気味悪く笑んでは相手の髪を軽く撫で上げ「嫌な色」と蔑み“本当人間離れしてる”と耳元で囁いては相手の肩を突き放すように押して。
「もう俺に気安く近づくな。別に構わないだろ?あんたに言い寄ってくる奴等はいくらでもいるし。俺もあんたより人間の綸のが気が合うしさ」
(心にもないことを並べ胸が軋むように痛むも能力には逆らえず嘲笑を零してはポケットから最後に相手した男に渡されたクラブの名刺を相手に投げ渡し「そこで遊んで貰えば?尻尾振れば可愛がって貰えるから。…あー、でも発情して本当に尻尾とか耳出さないようにしないとな。一発で避けられるから」と鼻で笑い、能力に抗えぬまま冷ややかに相手を見据えその場を去ろうと。

  • No.538 by 桐崎 繿  2015-03-04 04:26:39 




>露木

( 兄の言葉がグルグルと頭の中を周りやや放心状態でひたすら走ってた所、不意に背後から腕を掴まれては振り返る。
相手の姿に“追って来てくれたのだろうか”だなんて甘えた考えが浮かぶもその冷たい目線と言葉にそんな考えは打ち消されてしまって。
あんなに酷い事をしたのだ、相手が自分を嫌っていても仕方が無いのは百も承知。
しかし未練がましく去ろうとする相手の腕を掴んでしまっては震える唇を噛む。
「ごめん。…あんたを裏切った事に変わりは無い、………でも…そうしないとあんたが危険な目に合うって。………意味分からないよな、………でも俺はあんたを愛してるよ。信じて貰えなくても良い、本心だ」
( 真っ直ぐに見詰めどこから説明すれば良いのかの整理も付かず一番伝えたかった事だけを話す。
それが相手に掛けられた能力だという事も知らずにこれ以上相手から拒絶の言葉を聞くのが嫌で逃げ出す様に場を後にして。

( パーカーのフードをすっぽりと被り実はコンプレックスだった髪の色を隠しては町外れの治安の悪い地域のとあるホテルへと向かい一室借りる。
特にする事も無く、しかし一人でいるのも何となく嫌で青年へと電話を掛ける。
『兄さん!!!今どこに居るの??』
「……………ごめん、兎に角謝りたいから…今から街角のカフェ入るからそこ来てくれるか」
『うん、直ぐに行くから』
( 切れた音と共にホテルを後にし真っ直ぐにカフェへと向かっては青年にだけでも話をしようと。

( 真赤な髪を揺らして走って来る青年をぼんやりと見詰めては何気無くその赤髪に触れる。
『兄さんどうしてフード被ってるの??』なんて呑気に言うのをさり気なく流しては改めて今回の一件の話をし深く謝罪して。
『気にしないで、俺ちゃんと理解してたから。…それよりも露木と綸に説明しなきゃ』
「…あ-…それは大丈夫。赤城が分かってくれたなら…それで良いよ。後悪いけど赤城は綸と露木と先に帰ってくれるか??俺その次の便で帰るから」
『………どうして??まだなんかあるの??』
「無いよ、全部終わった。………綸と露木と顔合わせらんなくてさ、だからって赤城も俺といたらあいつら心配するだろ??」
『……………でも露木は、』
「もう良いから」
( 自嘲気味な笑みを浮かべては青年と別れ再び町外れのホテルへと戻る。
もうこの際兄の様な黒髪になれたらな、と考え染めてみようかと思うも生え際が銀なのは可笑しいかと。
部屋のベッドへ横たわり天井を見詰めては相手の艶のある髪や妖艶で切れ長の瞳を思い出す。
全て自分とは掛け離れた物。
___兄と並べば良く似合う二人、情けないなと考えつつ欠伸を漏らしては深く考えない様にして。

  • No.539 by 露木 菊  2015-03-04 09:18:16 


>桐崎

(相手から待ち望んでいたはずの言葉を告げられても心に響くことはなく冷たい眼差しで走り去る背中を見詰めては未練を感じること無くホテルへと足を向けて。

(ホテル入口に着くと兄が待っており相手のことを聞かれるも話したくないと適当にあしらいスタスタと部屋まで来て。
『…さっきまであんなに繿繿言ってたのにどうしたのさ』
「それはこっちのセリフだ。あんなに弟を嫌ってたじゃないか」
『そ、それは…、………繿と何かあったの?』
「さあ…。本当は俺を守るためで愛してるとか言ってたけど。あんな奴の言葉信用出来ないし。…それより明後日には帰国だろ?明日しかゆっくり観光出来ないし……、あ、そうだ。まだちゃんと星見てない。明日の夜見に行かないか?」
『え…でも繿と見に行く約束じゃ……』
「煩いな。彼奴の話するなよ」
(冷たく言い放っては訝しむ兄の首に腕を絡めては青年がいないのを良いことに自ら口付けベッドに誘い込んで。
「…綸、愛してる。……あんたは俺から離れるな。ずっと傍にいろ」
(甘い筈の言葉を感情のない瞳で述べては兄を抱き締め首筋に顔を埋める。
心が泣き叫び必死で“違う” “助けて”と抵抗するのに言葉にはならず意に反して兄を求め。
ただ身体に刻み込まれたトラウマだけは微かに反応し指先がほんの僅かに震えを見せていて。

(一方青年はトボトボとホテルの部屋に戻ってきたところで、偶然自分が兄を誘うのを目の当たりにしては相手を見捨て兄に乗り換えたと思い込み、相手の気も知らずにと怒りに震えて。
青年はすぐさま来た道を戻っては人づてに相手の泊まったホテルを探し出し、部屋に乗り込むなり相手に抱き付いて。
『兄さん…御免。やっぱり放おっておけなくて。俺、兄さんと帰るよ。綸と露木には留学した時の友達に会いに行くって言ってあるから大丈夫』
(小さく微笑み相手の銀髪を撫でては『兄さんの髪好きだな。隠したら勿体無い』と髪先を弄び、気を紛らわせるよう楽しい話をして。
『それにしても安いホテルだからかベッドも質素だなぁ。密着して寝ないとだね。っていうかこんな町外れのホテル一人で泊まろうとか本当危ないから。店の人でも窃盗するほど信用ならないんだよ』
(叱りつけるような口調で言ってはギュッと相手に抱きつき『俺は兄さんの傍離れないから。……あ、子供達への御土産まだ買ってないでしょ?明日見に行こう。あと腕組み必須ね、結局バンジー出来なくなったから』と兄と自分への怒りをひた隠して無邪気に笑い

  • No.540 by 桐崎 繿  2015-03-04 14:08:48 




>露木

( 戻って来た青年に寂しさを紛らわせられつつ穏やかな表情に何処と無く励まされる。
綸と相手を二人にしたく無かったと言うのもあるがやっぱり一番は顔を合わせられなかっただけ。
風呂や夕飯を終え青年と共にベッドに入っては、青年の気遣いからかずっと話をしていて。
やがて眠気が襲い小さく寝息を立てては青年に抱き着いたまま寝言で何度も相手の名を呼び。

( 翌日、観光最終日に青年と共に子供達の土産やらを購入し郵送して貰う。
青年が回りたいと言った所を中心に行くがやはり帽子だけは外せないと太めのヘアバンドのみならずその上からフードを被っていて。
お勧めの観光名所が載せられたパンフレット片手に次の場所へと向かってた所、正面から兄と仲良さ気に腕を組む相手の姿が見えては無意識に足が止まる。
兄と目が合い昨日の事を謝ろうと兄がこちらに足を向けるも相手と何か話をしてはこちらに来る事は無く。
『兄さん、行こう』
「……………」
『もう、ほら行くよ』
( 青年の言葉も耳に入らず、それでも相手が艶目かしく兄の隣に居るのに我慢が効かなくなってはズカズカとそちらへ駆け寄り相手の腕を取る。
諦められる筈なんて無い、そんなの自分でも分かってた事で。
「……………んで、…何で綸なんだよ」
( ボソリと呟き相手を見詰めるも青年がズカズカと駆け寄って来ては腕をグッと取られて。
しかしそんな事には構いもせずに「………髪が黒かったら………普通の瞳だったら俺を選んでくれた??………綸と変わらない存在だったら…」と無様な質問を投げ付ける。
『兄さんやめなって!!!』
( 青年の声が大きくなっては漸く我に返る。
先に相手を裏切ったのは自分、取り返しが付かなくなっても仕方無い事だった。
ダラリと手を下ろしては何も言わない兄を見詰め、どうせ兄も自分を見下してるのだろうと。
それからは何も言わずに青年にしっかりと繋がれた手を見詰めては相手と兄から立ち去って。

[PR]リアルタイムでチャットするなら老舗で安心チャットのチャベリ!
ニックネーム: 又は匿名を選択:

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字 下げ
利用規約 掲示板マナー
※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※必ず利用規約を熟読し、同意した上でご投稿ください
※顔文字など、全角の漢字・ひらがな・カタカナ含まない文章は投稿できません。
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください

[お勧め]初心者さん向けトピック  [ヒント]友達の作り方  [募集]セイチャットを広めよう

他のトピックを探す:個人用・練習用







トピック検索


【 トピックの作成はこちらから 】

カテゴリ


トピック名


ニックネーム

(ニックネームはリストから選択もできます: )

トピック本文

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字

※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください
利用規約   掲示板マナー





管理人室


キーワードでトピックを探す
初心者 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 部活 / 音楽 / 恋愛 / 小説 / しりとり / 旧セイチャット・旧セイクラブ

「これらのキーワードで検索した結果に、自分が新しく作ったトピックを表示したい」というご要望がありましたら、管理人まで、自分のトピック名と表示させたいキーワード名をご連絡ください。

最近見たトピック