_時代を越えて_(非募)

_時代を越えて_(非募)

xxx  2014-12-29 00:12:16 
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_____巡り巡った先の時代でのお話。



▽個人用に作ったトピなので非募集です、関係者様以外は書き込みを控えて下さいませ。
▽荒らし厳禁、なりすまし厳禁です。



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  • No.261 by 桐崎 繿  2015-01-24 02:58:23 




>露木

( 突如開いた扉にビクリとしては相手と目が合ってしまい気不味そうに視線を逸らす。
あんな事を言ったにも関わらず心配の言葉を掛けてくれる相手にもどかしそうな表情をするも“彼氏”と言われてはその気持ち悪さに表情を歪める。
真っ青になりながら俯き、“誰があんな中年と”と悪態付きたくなるが今は相手を突き放さなければと。
しかし寂しそうに去って行く相手が目に入れば余裕など崩れ落ち、ソファーからガバッと立ち上がれば相手の腕を掴み強く抱き締める。
この温もりを自分だけの物にしてしまいたいだなんて身勝手な考えに苛立ちが走るも相手には兄が居る。
自分から突き放したのだし相手に関わる資格など持ち合わせてない。
驚いた瞳を向ける相手の唇を奪い角度を変えて何度も口付ける。
眉を下げ悲しそうに相手を見詰めては「………俺は…」と言葉を止め“あんな男好きじゃない”と言いそうになったのを寸の所で飲み込む。
今更正気に戻り自分のした事を思い出しては蒼白になり相手から距離をとっては唇を噛む。
「………ごめ、…………俺………。…っ、………あ…」
( しどろもどろになりながら言葉を無くしては逃げる様にも共同スペースを後にする。
早歩きで自室に戻りバタンと扉を閉めては自分のした事に激しい後悔を抱く。
拳を床に落としては胡座をかいた体制のまま顔を俯かせて。

( 翌日、朝食を取ろうと食堂に訪れるもふと鳴り響いた男からの着信音に眉を寄せる。
《ホテルの朝食取ってあるからおいで。全て最上級の物で作られてるから美味しいよ》
( 出来れば男と距離を置きたいのが本心、しかし相手に危害が及ぶのなら話は別。
《是非一緒に朝食を取りたいんですけど学食を外すと怪しまれるんで》
( 言葉を選びながら震える手でメールを送ると直ぐに返信が届く。
《分かった、なら昼食は一緒にね》
( 一気に絶望に落とされた心地になるがこれ以上の逃げ道は作れそうにない。
携帯をしまい何気なく食堂の奥の席に兄と座ってる相手に目を向ける。
兄に笑顔で話す様子にズキリと胸が痛むも相手が笑ってるならばまだ良いではないかと。

  • No.262 by 露木 菊  2015-01-24 04:09:26 


>桐崎

(翌朝、兄と共に食堂に訪れるも昨夜の相手のことが頭から離れずにいて。
何故あんなことをしたのか。
あんな悲しげな表情で口付けられては期待してしまうのではないかと。
ふと食堂の入口に携帯を見る相手の姿を見付けては昨日と変わらず芳しくない顔色に心配になる。
兄と話しつつずっとそちらを気に掛けて席を立とうとするも青年が相手に話しかけるのを見ては上げかけた腰を下ろし。
その後、相手を気にしながらも話すことはなく食堂を後にしては自室に戻り未練がましく揃いのピアスをしてはバイトに行く準備をして。

(食堂では青年が相手と同席しいつものように相手のヨーグルトを食べつつ疲労感が漂う相手を心配して『兄さんやっぱり何かあるでしょ?……兄さんが無茶するの見るの俺、悲しいな』と眉を下げ何か訴えるように相手を見詰めて。

(昼前、バイト先に着いた途端店長にホテルの地図を渡されては『常連のお客さんがチェックアウトした後にうちで借りたDVD忘れたの気付いたらしいから代わりに取ってきて』と。
面倒臭いと思うも仕事なので仕方なく店の制服のまま記されたホテルに向かう。
事前にロビーに話が通っていたのか早々にDVDを受け取るとすぐに店に戻ろうとするが突如後ろから女のような男の声に話し掛けられ振り向くとホテルカフェの制服(女物)の姿をした若頭がいて。
『露木-!!偶然、どうしたの?“私”に会いに来たの?』
「………どうしたのはこっちのセリフだよ。何性別偽って…『“僕”は女だよ』
(ニコッと笑顔で耳打ちしてくる若頭に苦笑を漏らしつつ、特に用はないため帰ろうとするもガシッと腕を掴まれて『ねえ、桐崎ってあんな中年男が好きなの?』とロビーの奥にあるオープンカフェで男と共に食事を取る相手を顎でしゃくり。
その楽しげ…というより相手のぎこちない笑顔が気に掛かっては眉を寄せる。
男は厭らしく相手の身体に触れており人目も気にせず首筋に口付けていて。
たしか初めて男を見た時も嫌がる様子の相手を無理矢理ホテルに連れて行こうとしていた。
と言うよりあんな暴力男のどこがいいのかと今更ながら疑問と嫉妬が溢れて。
しかし男の自分が相手に言い寄ったところで疎ましがられるだけ。
たとえ中身が男でも女の姿なら近付いてもいいのではないかと身勝手でぶっ飛んだ考えが浮かんでは若頭をチラと見て「……褒美はやるから」と腕を引き近くの多目的室に入って。

(数分後、あんなに嫌だった女の姿になり若頭と制服を交換しては「とりあえず近くで時間潰してて」と勝手なことを言ってさっさと相手のいるオープンカフェに何食わぬ顔で入り。
正直なんの考えもないが兎に角、男が相手の身体にお構いなく触れるのが許せなくて。
相手が自分の身を守ってくれているとは知らずにコーヒーの乗った盆を手に相手と男の席に向かっては店員を裝いコーヒーをテーブルに置くと柔らかな微笑みを相手に向け「お客様、少々お時間頂けますか?」と適当な理由をつけ男にも断りをいれたあと相手をそのままホテルの外へ連れ出して。
「………いきなり御免。…でも見てられなくて…。……あんた、やっぱり昨日も寝てないだろ?」
(疲れた顔をする相手を見上げては、耳のピアスだけでなく服や靴までもが男の物なのが無性に気に入らなくて。
身勝手に嫉妬を抱いては切なげに相手を見詰め「……なあ…男は駄目でも女ならいいんだろ?……お金出すからあんな男じゃなくて…自分と一緒にいて」と相手の腕をギュッと掴んで。

  • No.263 by 桐崎 繿  2015-01-24 13:31:15 




>露木

( やたらとスキンシップを取って来る男に身震いしながら何とかぎこちない笑顔を張り付けてた所、ホテルカフェウェイトレスの女に腕を引かれホテルの外に出る。
改めて向き直った所相手である事に気付いては男と居るのを見られた悔しさに相手から視線を逸らす。
相手ならば男でも女でも関係無い、それだけは本心だが今男との約束がある以上は口に出来ない。
悲しい言葉を述べ自分の腕を掴む相手を見下ろしては出来るだけ冷たい態度を取る様に心掛ける。
「……………俺割と高くつくよ、それに今日は先にあの男と約束してたしまた今度にしてくれ。………ちゃんと金持って来いよ」
( こんなにも酷い事を言ってるにも関わらず相手は自身を押し殺してるのかと。
泣きそうになる表情を堪えるべく表情を強ばらせては冷ややかに相手を見詰め嘲笑う。
「………あんたさ、しつこいから恋人出来ないんじゃねぇの??…兎に角俺は金払ってくれるんだったら何しても良いからさ、そこはあんたで考えろよ」
( 自分に金を払う価値など無いのは自分自身が一番良く分かってる。
それでも相手には嫌われなければならないのだ。
華奢な身体をドンッと突き飛ばした所、か弱い身体はいとも簡単に体制を崩してしまって。
ハッとして相手に手を伸ばすも震える唇をグッと噛み手を引っ込めては行きたくもない男の元へと戻る。
『何処行ってたの??あの娘誰??』
「…え-っと、………友達の妹」
『ふぅん、まぁ君も冷たくしてたし特に何も無いんでしょ??』
「…あ、当たり前だろ」
『なら良いよ』
( 微笑む男から視線を逸らしコーヒーを喉に流すと『今日は何処に連れてって欲しい??』と聞かれて。
正直街中などで男にベタベタされるのはストレスが溜まる。
「…あまり人の多い所は行きたくない」
『へぇ、二人だけになりたいって事??』
「違っ………」
『随分と大胆だね』
( 都合良く解釈した男にサッと表情を変えるも男に腕を取られては行き先も分からないまま連れ出されて。

  • No.264 by 露木 菊  2015-01-24 18:31:19 


>桐崎

(男の元へ戻っていく相手に淡い期待が崩れ落ちる音がしては地面にへたり込んだまま唇を噛み締め拳をギュッと握る。
明らかに不可解な点が多いのに悲しみと失意で冷静な判断を欠いてはもうそれ以上相手を追うことをやめてフラリと立ち上がり若頭の元に行くとすぐに男の姿に戻して貰い気持ちを誤魔化すようにバイトに励んで。

(其の頃、男は相手を別荘に連れ戻すと自室に連れて行き昼間にも関わらず相手をベッドに押し倒し服を乱していき。
『君から誘ってくれるなんて嬉しいよ。やっと僕のこと愛してくれたんだね』
(薄気味悪い笑みを浮かべ見当違いなことを述べては舌を絡めて深く口付けると相手の髪を撫で上げ何か思い出したようにほくそ笑み。
『ねえ良いこと教えて上げようか?今日のランチ美味しかったよね?その服も靴もすっごく似合ってるよ。…でもなんのお金で買ったか分かる?』
(相手の反応を楽しむように艶かしく指を身体に通わせては耳元に口を近づけ『“君の友達”が身体で稼いだお金だよ』と。
そのお金は、数日前のホテルで男の部下が自分を襲った時に部下から巻き上げたもの。
普通知り合いが身体で稼いだお金を使う等気持ち悪いこと。
男は相手の服従心と自分への気持ちが残っていないことを確かめるため態と其れを告げては『どういい気味でしょ?君、あの子のこと鬱陶しそうにしてたもんね』と薄く笑い徐ろにポケットから3枚の万札を取り出しヒラつかせ『これがその残り。…ねえ此れ使って僕とお揃いのアクセサリー買ってきてよ。君が好きなのでいいから』と無理矢理相手の鞄に押し込んで。
その後は強張る相手の身体を好き勝手し相手のバイトがなく学校が休みなのをいいことに朝まで相手を束縛して。

(翌日、目を覚まし着替えを済ませては相手への未練を断ち切るように携帯ストラップとピアスを外し自室のゴミ箱に捨てる。
優しかった相手の残像がいつまでも頭の中にこびり付いて離れなかったが全部まやかしだったのだと言い聞かせると、女にして貰った条件として若頭と街に行く約束をしていたため寮を後にする。
相変わらず女装姿で来た若頭と並んで歩くも相手のことばかり考えてしまい何度も人にぶつかっては謝るを繰り返していて。

  • No.265 by 桐崎 繿  2015-01-24 19:13:36 




>露木

( 次会う時迄に男と揃いの物を買って来るというのを条件に解放されては寮の自室にて丹念に何度も何度も身体を洗い流す。
男は今日一日海外との取引がある為今日だけは気楽に居られるが何時何処で男の手下が見張ってるか分からない。
男に渡された金を握り締め蹲っては頭を抱え震える唇を噛み締めては外へと向かう。
行き交う人々を流し見ながらふとガラス張りのショーウインドーに写った自分を見ては溜息を付き隈を軽くなぞっては視線を逸らして。
相手が身を汚して稼いだ金、自分はそんな物で衣服等を買い与えられていたのだ。
ぼんやりとしては思考も麻痺し赤信号なのも気に止めず横断歩道へ歩を進める。
大きなクラクションの音が鳴り響き“これで全部終わる”だなんて考えるも不意に腕を引かれては三人掛かりで歩道へと連れられて。
黒いスーツに身を包む此奴等は誰だと考えてた所、中の一人が『無駄な事は止めて下さい。“社長”が悲しみますよ』と。
漸く男達の組成を理解すると共に必死に逃れようとするも男達の力も中々強く。
「離せ!!!もういい加減嫌なんだよ!!!」
『人が集まってきますよ、大人しくして下さい』
( ガヤガヤと野次馬が集まって来ては男達も流石に不味いと感じた様で自分の鳩尾に拳を入れ自分が怯んだ隙に場所を変えようとして。
『明日には社長が帰国します、貴方の為に自家用飛行機で帰るそうですよ』
「巫山戯んなよ…誰が…あんな変態と…。第一彼奴には手を出さない約束だったろうが!!!」
『お静かに、警察を呼ばれてしまいます』
( 冷静に自分を取り抑える男達から逃れようと必死に抵抗してた所、若頭と腕を組み歩く相手が目に入ってはピタリと動きを止める。
色々な感情が混ざり混乱しつつも、腕をフラリと落としては俯き大人しく男達に連行されて。

  • No.266 by 露木 菊  2015-01-24 21:10:03 


>桐崎

(ピッタリ寄り添ってくる若頭を何度も振り払いつつ上の空で歩いていると突如鳴り響くクラクションの音に小さく肩を揺らす。
すぐさま人集りが出来ガヤガヤ騒ぎ出したため相手が居ることには気付かずその場を通り過ぎようとするも黒スーツの男達に連行される相手が目に入ってはまさかと足を止める。
野次馬達の中から『あの子、赤なのにそのまま進んだのよ』『俺見たぜ。すっげー暗い顔してた』『やだ、自殺?』と聞こえて来てヒヤリと背筋が冷え。
『あ、僕あの黒スーツの人知ってる。前は僕の部下だったんだけどちょっと顔が良いからって変態社長に買収されちゃったんだよね。あ、そう言えば昨日桐崎とお昼食べてた人だよ。あの社長相当性格ひん曲がってるらしいけど桐崎よく一緒にいられる……って露木?!』
(若頭が言い終わる前に駈け出しては相手を車に乗せようとする男達を引き剥がし相手の腕を掴んで近くにあったファミレスの手洗い場に逃げ込むと相手と向かい合った瞬間頬を平手打ちして。
そしてすぐにその両頬を両手で包み込むようにしては酷く弱った様子の相手を切なげに見詰め。
「……どうして、…死のうとしたんだ?あの男が好きなんだろ?………なんでそんないつも辛そうな顔をしてるんだよ。…俺にはあんたがあの男に無理矢理付き合わされてるようにしか見えない。…違うか?」
(相手が自分を突き放す理由等知らずに問いかけては頬に添える手を首筋から肩に落とし。
「分からないんだ…、本当のあんたが何なのか…。……………しつこいし鬱陶しいのわかってる。でも…仕方ないだろ。俺は……」
(込み上げる感情に息が詰まっては言葉が続かなくなるも深く息を吸うと相手をまっすぐに見詰め「……俺はあんたを愛してるから」と。
告げた瞬間、後悔が押し寄せ瞳が濡れるのが分かり慌てて拭って。
「…御免、こんな時に……、でも本当なんだ。…あんたに嫌われてるって思って…綸にあんたを重ねてた。最低だと思ってもあんたを忘れられなくて…」
(相手には重たい言葉でしかないのに口は止まってくれず、涙が溢れそうなのを堪えて相手を強く見詰め。
「あの男に無理強いされてるなら言ってくれ。声に出せないなら瞬きでも何でもいいから知らせろ。………もし…もし本当に彼奴の傍に好きでいるなら……俺を買ってくれ。男が不満なら金はその分出す。…買ってくれたら此れきりであんたのことは諦めるから」
(声の震えを抑え真剣な眼差しを向けては有り金を相手の胸に押し付け「足りなかったら下ろしてくる…」と勝手に話を進めて自らシャツのボタンに手を掛け始め心の中でどうか男との関係が全部嘘で、真実を告げてほしいと願い。
手洗い場の外では黒スーツの男達が扉を叩き出てくるよう促しつつ、店長に予備の鍵を持ってくるよう申し付けていて。

  • No.267 by 桐崎 繿  2015-01-25 00:08:27 




>露木

( 瞳を潤ませながら、それでも真剣に話してくれる相手に「………別に、死のうとなんて………。…あれはぼんやりとしてたから………」なんてポツリポツリと言うも“愛してる”と言う言葉に反応してはバッと相手を見捉える。
押し付けられた金を見詰め、“これを受け取れば相手は自分を諦めてくれるし相手に危険が触れる事は無いのだ”と考えるもそれと共に本当に相手との関わりが無くなるのだと。
バッと金を受け取っては「………ここじゃ、…落ち着かないから」と震えた声を隠せずに言えば“相手の身を守る為にもこれで最後にしよう”と考え勢い良く扉を開けては路地を通り男達の目を逸らす。
ひっそりと立つホテルの一室に相手を連れ込んでは無言で相手の唇を奪いシャツを手を掛ける。
諦めた様に悲しい表情を必死に隠そうとする相手に胸はズキズキと痛み続け、相手の首筋に甘噛みしては艶やかな髪を撫でる。
「………俺だって、……………あんたを誰よりも愛してる」
( 溢れてしまった本音にハッとするもあくまで金を貰った分のサービスなのだと自分に言い聞かせる。
強く抱き締め首筋に痕を残すと相手を悲しそうに見詰め、喋らせない様に口付けて。

( 数時間後、さっさと着替えを済ませては相手を残し部屋を出る。
ホテルを突き止めた先程の男達と海外から急いで帰って来たのか男が立ってるのを見付ければそちらへと向かいさも何も無かったかの様に振舞う。
黒スーツの男が全て告口したのだろう、僅かに怒りを伺える男に金を見付けては口角を上げる。
相手には今夜にでもさりげなく金を返そうと冷静に考えながら「“仕事”してただけだ」と。
『急いで飛行機飛ばして来たんだよ、君の周りを見張ってたこの人達から連絡を受けてね』
「そうなんだ、あんたが寂しがらせるから危うく浮気しそうになった」
『………へぇ、君も随分口が上手くなったね』
( 無表情で甘い言葉を吐いてやり乱暴に腕を掴まれては従う様に後を追って。

  • No.268 by 露木 菊  2015-01-25 01:21:30 


>桐崎

(相手が去ってから暫くフラフラとホテルを後にしては寮の自室へと戻りシャワーも浴びずに扉を背に床に蹲る。
全て自分で決めた事。なのに心の何処かで相手は真実を隠していて其れを打ち明けてくれると信じていた。
相手の悲しげな表情…。心にもない“誰よりも愛してる”の言葉…。
本当に愛していないのならあんな言葉残さないで欲しかった。
残酷過ぎる。最低だと唇を噛み締めては頭を抱え何度も相手を“忘れろ”と念じて。
そのうち浅い眠りに落ち不思議な夢を見る。
相手と瓜二つの和服姿の青年が切なげに笑う姿。こちらに手を伸ばして来た所で扉が叩かれる音に目を覚ましては部屋の中は薄暗く日が落ちていて。
『菊、居る?開けてくれない?』
(兄の声に始めはとても誰かと顔を会わせる気力がなく居留守をするも中々諦めてくれず仕方なく扉を開き。
『居るのは知ってるんだから早く開けてよ。……ねえ菊、木ノ宮から聞いたんだけど繿が社長の男と付き合ってるって本当?』
「…………」
『菊はそれを信じたの?』
「………信じたくないけど仕方ないだろ……。もう、彼奴の話はよしてくれ…」
(完全に傷心しきった自分に兄は眉を顰めては何も言わずに部屋を出て、既に男の事を調べ始めている青年の元へ行き。

(男は別荘につくなりソファにドンッと座り相手を床に正座させると顎をクイッと持ち上げ微かに首を傾け。
『全く君は…、僕が傍にいないと買い物一つも出来ないの?しかも男をホテルに連れ込むなんて』
(不機嫌そうに述べては突如相手を堅い床に押し倒し唇を奪って『そんなに欲求不満で僕がいないと駄目なら学校なんか辞めて僕の秘書になりなよ。お金にだって困らないし寂しい思いもさせない。お互い浮気をする心配もないしね。すごくいい考えだと思わない?』と相手に拒否権はないとでも言うように『“友達”、傷付けたくないでしょ?』と。
『学校には僕から話しておくよ。ちゃんと卒業扱いにして貰うから安心して。早速明日僕の会社を紹介するから朝はスーツに着替えておいてね。君のためにオーダーメイドに作ったんだよ』
(相手の髪を撫で上げながら恩着せがましく述べては会社のICカードと地図を渡し『明日学校に迎えに行かせるから待っててね』と薄く笑い首筋に鬱血を残して。

  • No.269 by 桐崎 繿  2015-01-25 02:07:36 




>露木

( 男の言葉に目を見開き拒否しようとするも電話を掛け始めた男を目にしてはもどかしそうに唇を噛む。
相手と擦れ違う事も無くなるし、例え相手の横に並ぶのが自分で無くともあの笑顔も見れなくなるかと。
しかし相手を傷付けたくないかと問われれば迷う事など無い。
素直に男から受け取れば小さくコクリと頷いて。

( 翌日、突然の早期卒業に教師が話を聞きに来たが無言でやり過ごす。
男の元になど行きたくない、無言を貫く自分に教師も困り顔をしては『皆には話して置くか??』と。
首を横に振り「何も言わないで下さい」とだけ告げては自室へと戻り荷物を纏める。
その際に青年が押し掛けて来ては『兄さんどういう事なの!!!』と肩を掴んで来て。
「辞める事になったんだ」
『何で!!!何で何も言ってくれないの??』
「俺がそうしたいからだ」
( 青年の顔を一度も見ずにネクタイを締めると青年の横を通り過ぎる。
荷物は後から男の部下が届けてくれるらしく真っ直ぐ玄関口へと向かうもふと若頭と出会してはいきなり腕を引かれて。
『何その恰好、目付き悪過ぎだし完全にヤクザか詐欺師にしか見えないけど』
「いきなり悪口かよ、俺急いでるんだけど」
『……………本当はあの中年に脅迫されてるとかじゃないの??…それなら助けてあげても良いよ、』
「逃げたら彼奴が……………ごめん、なんでもない」
( 言い掛けた言葉を飲み込み最後に相手を一目見たかったな、なんて考え大学生寮を見上げる。
相手と揃いのピアスを大切そうにスーツの内ポケットへと入れ迎えの車が来た所で相手の姿を見付けて。
ガツガツと大きな音を立て相手の前に来てはその手をグッと掴み昨日相手に渡された金を押し付ける。
唇を締めながら相手の瞳を見詰め、弱々しく手を伸ばした所でドライバーが自分の肩を叩いて来て。
『桐崎さん、社長をお待たせしてしまうので』
「……………あぁ、…はい」
( 小さく頷き相手に背を向けては黒塗りの車へと足を向けて。

  • No.270 by 露木 菊  2015-01-25 03:10:36 


>桐崎

(相手の早期卒業の噂は大学生にまで広がり相手に想いを寄せる女子達が迎えの車が止まる門まで覗きに行くのが見えて。
相手のことは忘れると決めた筈なのに無意識に足が向いては突如相手が近付いてきて無言で金を押し渡される。
いったいどういう意味なのか。訳が分からないと唇を噛み締めては車に足を向ける相手の腕を掴み振り向かせ金を投げつけて。
「何のつもりだよ!!返したのは憐れみか?可哀想だからか?それとも俺には金を受け取る価値もないってか?……俺がどんな気持ちで………身を売ったと思ってるんだ」
(感情が高ぶり声を荒らげてしまうも周囲の目に気づいては語尾を小さくして声を震わせ。
「……あんたが何を考えているのか知らないが…中途半端なことは辞めてくれ。……変に期待してあんたのことが諦めきれなくなる」
(相手を見詰め掴んでいた腕を離したくないというようにグッと握るも相手には迷惑でしかないと思えばそっと離し「……俺は…たとえ嘘だったとしてもあんたとの時間は楽しかったし特別だった……。だから……ありがとう」と皮肉を交えながらも心からの礼を述べては無理矢理に微笑み、相手の優しさを知ること無くその場を立ち去って。

(その頃、若頭は相手の言い掛けた言葉を気にして以前男に買収されてた自分の部下と連絡を取ると男の出す倍の給料を出すことを約束しスパイとして相手や男を監視するよう命じて。
その部下も致し方なく男についていたのか快く受け入れ相手の世話役として就くことになり。

(男は会社に訪れた相手を歓迎し取締役室(自室)の隣に相手の仕事部屋を与えると仕事内容が三行ほどしか書かれていない書類を渡し。
『流石繿だね。そのスーツもすごく似合ってる。あー仕事だけど。僕の傍に居てくれれば何にもしなくていいから。君は顔もいいし居るだけで商談が進みやすくなるしね』
(相手の名を当たり前のように呼んでは相手に隣に来るよう命じ『此れからはずっと一緒だね』と相手の髪を撫で。

(同じ頃、大学の研究室にて無心でパソコンに向かっていると大学教授が訪れ一枚の会社の書類を渡してきて。
「…これは?」
『露木、お前確か就活もしてたよな?…実はな、ある企業から明日お前に面接を受けて欲しいってお達しが来たんだよ。一次面接だけでもって話だからさ、受けてくれないか?今後の後輩のためにもさ』
「…分かりました。いいですよ」
(本当はなにもする気が起きなかったが相手の事を考えないようにするにはいいかもしれないと愛想笑いで応える。
その企業があの男社長の数ある子会社の一つで、男が嫌がらせで自分と相手を引き合わせようとしているとは知らずに企業書類を眺めては、鞄から履歴書を引っ張り出し適当に上辺の言葉を並べ空欄を埋めていき。

  • No.271 by 桐崎 繿  2015-01-25 03:40:05 




>露木

( パソコンを見詰める男の隣で無表情でぼんやりと窓の外を見詰める。
最上階だけあり高い位置から見下ろす街の景色は確かな筈なのに何故か澱んで感じて。
また相手を傷付けてしまった、せめて最期くらいは良い別れ方をしたかった。
しかしもう全て終わった事なのだと思うと激しい後悔と共に相手を守れたという優越感に浸って。
『随分ぼうっとしてるね、そんなに暇ならお仕事あげようかな。繿にとって初めての仕事だね』
「………………」
『僕の支配下の会社にね、学生が面接に来るんだ。勿論大学のエリートだよ。そこで君に面接官をして貰いたい、まぁ僕も面接には立ち会うんだけどね』
「………何をすれば」
『後で質問のマニュアル渡すからそれを聞くだけで十分だよ、採用かどうかは履歴書とかも見て決めるから』
( コクリと頷き引き受けると小さく溜息を付き、男の向かい隣のソファーに腰を下ろしては秘書マニュアルを見詰め。

( 翌日、男と共に面接が行われる会社へと足を運んだ所様々な社員に頭を下げられながら面接室へと向かい男の隣に腰を下ろす。
『新しい秘書の方ですか』
「あぁ、…はい。…桐崎といいます」
( 無愛想な挨拶を済ませ漸く面接の時間になると男とこの会社の取締役と自分三人で沈黙を守る。
響いたノック音に「どうぞ」と告げると聞こえた返事は聞き覚えがある物で。
扉を開けた相手の姿に思考が止まる。
隣で男がほくそ笑むのにも気付かずに顕にしてしまった動揺を隠せばプリントを見詰める。
取締役に履歴書を受け取り目を通しながら質問を開始しなければと自分に言い聞かせて。
「………では、…この会社を選んだ理由をお願いします」
( やや震えた声で相手に問い掛けては顔もまともに見れずにプリントのみに目を向ける。
淡々と質問を続け、「…ありがとうございました、最終の面接は本社で行います。面接結果の方はのちにお送りします」と締め括っては早く退室してくれる事を願うも男はそれを許さず自分に目を向けて来て。
『繿の知り合いだよね』
「……………え、…まぁ」
『…だから逆に緊張したのかな??まぁ僕がしっかりとリードするから安心してね。専属の秘書として頑張って貰わないとなんだからさ』
( 顔を俯かせ悔しそうに歯を食い縛っては返事もせずにただプリントを見詰める。
面接終了の時刻になり世話係(若頭の部下)が自分の手元の書類を回収しに来た所で退室する相手の背中を無意識に目で追ってしまって。

  • No.272 by 露木 菊  2015-01-25 12:09:33 


>桐崎

(面接会場に行き扉を開いて相手と男の姿を見た瞬間、このまま帰ってしまいたいと思うも教授からの頼みだし取締役の前で失礼な態度を取ってはうちの大学に悪いレッテルが貼られ迷惑を掛けてしまうと動揺を隠し質問に機械的に答える。
信頼し合う仲に見える二人に本当に相手は遠い存在になってしまったのだと実感しては相手を一切見ること無くその場を立ち去り小会社を出ようと足早になるもエレベーターに乗ったところで何故か相手の世話役(若頭の部下)が乗り込んできて一枚の紙を監視カメラの資格から渡され。
『此処では詳しい話は出来ませんが其れを読んでおいてください。あなたの“大切な方”のために』
(それだけ言うと玄関口まで見送られ何のことか分からないまま寮へ帰るため電車に乗り込みそっと渡された紙を開いて見てその内容に目を見開く。
“相手は自分を守るために脅されて男の傍にいるだけだ”と。
衝撃で手が微かに震えるが数秒後紙を鞄にしまうと自嘲の笑みを零す。
“どうせこれも嘘だ…、ただの嫌がらせで期待するだけ無駄だ”と裏切られる事を恐れまともな判断力を失えば紙のことも相手のことも忘れるように目を閉じて。

(寮の自室。どうせ上辺だけの面接で嫌がらせだったのだしお祈りメールが届くだろうと踏んでいると届いたのは最終面接の案内。
行く気などしないが行かねば大学に迷惑がかかると変に責任を感じてしまい面接を受けることにすれば相手に極力会わないことを願い。

(数日後、最終面接開場である本社へ行き指定された待合室に向かう途中相手とばったり出会してしまいスッと目を逸らすも思い出したように鞄から先日世話役から渡された紙を取り出し相手の胸に押し付けて。
「こんなもの渡させて何のつもりか知らないけど、嫌がらせなら辞めてくれ。…俺を期待させて裏切るのを楽しみたかったんだろ?…本当あんたら腐ってるよ」
(こんなこと言いたくないのにと切なげに相手を見詰めては相手の背後から男が近付いてくるのが見え何も言わずに相手の横を通りすぎて)

(もやもやした気持ちのまま面接待合室に来ると突然見覚えのあるスーツ姿の男子学生に話し掛けられては首を傾げ。
『露木―、僕だよ、僕!分からない?』
「……木ノ宮?!…その格好……髪はどうしたんだよ。なんで此処に…」
『ん?これ?ウィッグだけど?…僕もここの面接受けに来たんだー。……紙、読んだでしょ?……今日まで綸と赤城と社長さんのこと調べ上げて来たんだ。かなりの賭けだけど繿から手を引くぐらいのネタは揃えて来たし上手くやれば落とせるから露木も協力して…って…大丈夫?』
(若頭の言葉に動揺を隠せず後退っては小さく首を横に振る。
相手を信じたいがそれ以上に裏切られるのが怖くて…。
「…彼奴には何回も聞いた。…脅されてないかって。……でも違うって言ったんだ。……もう彼奴の邪魔はしたくない…」
(完全に怖気づいた自分の言葉に若頭は眉を寄せると何も言わずに自分から離れていき書類に目を通し始めて。

  • No.273 by 桐崎 繿  2015-01-25 13:30:25 




>露木

( どうやら相手は最終面接まで通ったそうで男からそれを報告されては一瞬眉を顰める。
あれから男と離れる一時など皆無と言って良い程の生活に嫌気を感じつつ“高校に戻りたい”だなんて子供臭い考えを起こしては瞳を強く閉じる。
数枚のプリントをバインダーに挟みそれを片手に廊下を歩いていたところ、ばったりと相手に出会してしまっては視線を逸らし去って行く様子に勝手に胸を痛めて。
しかし不意に何かを渡され切なさを押し殺す様な表情で自分を睨む相手が目に入ってはそんな顔をさせたかった訳じゃないと唇を噛む。
相手が去って行った後、何なのかと紙に目を向けた所細かく綴られた“真実”に目を見開く。
相手が信じてくれない方が相手の為、悲しさを隠し安堵の息を付くが向こうから男が来るのが見えてはさりげなくその紙をバインダーのポケットへと入れて。
『あれ、まだ緊張してるの??』
「……………平気」
『最近浮かない顔してるね、何か欲しい物でもあるのかな??』
( 肩に乗せられた手を払いたい衝動に駆られるが表情を消し「………欲しい物は無い、…ただ…俺やっぱちゃんと高校に…」と言い掛けたところ頬に走る衝撃と共に僅かに体制を崩す。
ジンジンと熱くなる頬に触れ俯くも男にネクタイをグッと掴まれては強制的に視線を合わせられる。
『僕とずっと一緒に居たいんだよね。それが君の願いだって言うから叶えてあげたんだよ??………それに、君のお友達がどうなっても良いの??彼凄く美形だし彼を欲しがってる奴なんて何人も居るんだよ??』
( 男の言葉にハッとしては腕を掴み「悪かった…もう変な事言ったりしないから…あいつだけは」と無様に懇願して。
その一部始終を世話係(若頭の部下)に盗撮録音されてた事など露知らず腫れた頬のまま面接室へと向かってはずっと下を向いたままプリントを見詰めて。
数人の学生の中に若頭が居る事も見抜けずに。

( その頃若頭は面接会場にて部下に“今外にマスコミ張り付かせてるから面接始まったら男の背後のスクリーンに脅し現場の写真流してね!!!”とメールを送って。

  • No.274 by 露木 菊  2015-01-25 17:03:33 


>桐崎

(暫くして面接開始時刻となり集団面接のため数人ずつ順番に面接室に入っていく。
自分の番が回ってきて席を立つと若頭も同じグループなのか一緒に隣の部屋に移り席に座って。
面接室には相手も居てついさっき会った時は何とも無かった頬が腫れていることに疑問を抱くも気にしないようにして他の学生達が話すのに耳を傾ける。
若頭の番が回って来ては先程話された事もありいったい何をするつもりなのかと様子を窺う。
次の瞬間、突如部屋が暗転し面接官達の背後のスクリーンに相手を脅す男の姿や悪質取引をする映像が映し出され場は一転、騒然となり世話役以外の部下達が慌てて映像を止めようとして。
『無駄だよー。もう日本中の人に知れちゃったから。あーあー見てみて。面白いくらい株が没落してくよ』
(若頭は隠し持っていたタブレットに映しだされるニュースのLIVE映像と会社の株価率の動きを見せつけ、男が冷や汗を流し『出鱈目だ!』と叫ぶのを見てほくそ笑み。
『出鱈目ねー。じゃあこの映像、海外メディアに流出しても問題ないよね?ここのボタン一つ押せばデータ送られるけど、良いんだよね?嫌だったら変態束縛行為をやめようね、おじさん?』
(小馬鹿にするような口調に男は怒りに震えると部下達に若頭を取り押さえるよう言うがもはや誰も従うものはいなく目を逸し後退るだけで。
パトカーのサイレンの音が近付いて来たところで男はいよいよ余裕を無く始め、開き直ったのか相手を盾にしては隠し持っていたナイフを首筋に突きつけ『それ以上近付いたら刺すから』と言って相手を連れたまま屋上に逃げ。
目の前で何が起きたのか分からず立ち竦んで居たがドンッと逃げ惑うが学生の肩が打つかった衝撃で我に返っては蒼白になり考えるよりも先に屋上へと足を向けていて。

(息を切らし屋上まで駆け上がると男が相手にナイフを突きつけたままビルの端ギリギリの所に立っていて自分を見るなり不気味に笑い『やってくれたね。まさか木ノ宮組の若頭まで動いてくるとは思わなかったよ。でも繿は返さないよ。繿は僕と此処で一緒に死ぬんだから』と狂った笑いを零しては相手を強く抱き締めて無理矢理唇を奪うとそのまま屋上から飛び降りようとして。
その光景に胸がザワリと騒ぎ咄嗟に身体が動いては男を突き飛ばすようにして相手から引き剥がしナイフで傷付くことを厭わずもみ合いになるもナイフで肩を刺されてしまい怯んだところ胸をドンッと強く押され。
瞬間、フワリと身体が浮く感覚に“あー落ちるんだ”とどこか人事のように思えば目を閉じて。

ゴーと風が唸る。
_____男は運良く数メートル下の外階段の踊り場に落ちて気絶する自分を見下ろしては舌打ちするも相手に向き直るとさも自分が死んだかのように不気味に笑み『さあ邪魔者はいなくなったし今度は僕達の番だよ』と。

  • No.275 by 桐崎 繿  2015-01-25 18:15:29 




>露木

( 男の言葉に蒼白しながら膝から崩れ落ちると自分の愚かさを強く憎む。
駆け寄る男を思い切り睨み付け先程相手と揉み合った際に落としたナイフを拾い上げては男に向けて。
此奴さえ居なければ相手とも上手く行ってたしあんな顔もさせずに済んだ。
斬り掛かろうとした所で若頭に背後から押さえ付けられてしまい「離せ!!!彼奴さえ…彼奴さえ居なければ!!!」と叫んで。
バタバタと足音が聞こえ警察の者が現れては男の抵抗も虚しく手錠を掛けられて。
『君、大丈夫か??…色々なトラウマを負ってしまっただろう。暫くはカウンセリングをして………』
( 警察の言葉を若頭が割り『大丈夫大丈夫、僕のとこの医師付き添わせるから。それよりも桐崎にマスコミが絡み付くのが心配かな-』と。
全ての声が遠く聞こえ若頭に腕を引かれ控室で能力を掛けられるもそれさえ気付かずに居て。
『ちょっとしっかりしてよ、俺の菊だもん。死なせる筈無いでしょ』
( 若頭は部下が相手を救出したメールを見せて来るも目もくれずに居て。

( 突如自分の姿が無くなったのに“社長にセクハラ被害を受けてた少年はどこに行った”とマスコミが騒いで居たが女体の自分に気付く事は無く、若頭に相手が連れて行かれた病院に連行されて。
力無く瞳を閉じる相手に目を見開き頬に触れると泣きそうになるのを耐えて。
『寮に帰る時戻して上げるからね、ついさっき問題起こしたばっかだから今は我慢して』
( 若頭が耳打ちして来るのに小さくコクリと頷いては医者が自分の背中を撫でて来て。
『打ちどころは幸いだったよ、今は目を覚ますのを待つしか無いんだ。………君は…彼女さんかな??』
『え-違うよ!!!彼女は僕なんだから!!!』
( 素早く否定した若頭はいつ着替えたのか、相変わらずの可愛らしい服装に着替えており。
医者も若頭も出て行った中、ここに残ると言い張っては相手の手をギュッと掴んで。
「………露木、ごめん」と小さく呟いてはベッドの端に突っ伏しいつの間にか寝息を立てて居て。

  • No.276 by 露木 菊  2015-01-25 19:49:43 


(/本体失礼します。先に申し上げます!!
菊に江戸菊が乗り移っておりま(殴)←
……乗り移った菊の時間軸的には本トピ最終レスの4175の後で能力者を殺して菊がどこか姿を消してしまったあたりです。
暫く江戸菊視点のロルになると思いますがよろしくお願いします。
相変わらずめちゃくちゃの訳わからん展開ですみません(汗汗))
お先真っ暗で何にも考えてないですが(蹴)お付き合い頂けると嬉しいです(._.)


>桐崎

(ぼんやり目を覚ますと見慣れぬ白い天井が目に入り自分はいったいどうなったのかと思考を巡らせる。
重たい首を横に向けると“見知らぬ銀髪の女”が寝息を立てており、はてと思いながら身を起こそうとするも身体中に鈍痛が走り顔を顰める。
なんとか座る体勢になって改めて辺りを見回すと何もかも見たことのない物に溢れていて目の前の女も洋服に身を包んでおり、いったい此処は何処なのかと。
ふと首元がスースーする感覚に自分の髪が短くなって奇っ怪な服を着ていることに漸く気付く。
明らかに可笑しな状況に眉を潜めては眠る前自分がどうしてか思い出そうとするも日常を過ごしただけで特別なことは何も浮かばず、取り敢えず状況確認のため目の前の女を起こそうと“相手”と知らずに肩を揺らして。
「おい、起きろ。………って酷い顔だな」
(顔を上げ薄っすらと目を開ける相手の顔は至極綺麗で思わず見惚れるもその目の下の隈と疲れた表情に眉を寄せては思い出したように口を開き。
「寝起きの所悪いが…此処は何処だ?異国、だよな?…それであんたは誰なんだ?…いったい俺に何をした?」
(質問を連続しては怪訝そうにする相手をジッと見詰めるも中々応えは返ってこずもう一度問おうとしたところで扉が開かれ“兄らしき”人物が入ってきていきなり抱き着かれ。
『菊ー!!目、覚ましたんだね!もう起きて大丈夫なの?』
「………“凛”あんた、髪切ったんだな。…それにその格好。…どういうことか説明しろ」
『…え?俺はずっとこの髪だけど…。……菊、まだちょっと意識混濁してる?もうちょっと寝てたほうがいいんじゃない?』
「………………」
(短髪になった兄をジーッと見つめた後、自分の頬をつねり夢ではないことを確認する。
全くついていけない状況に眉間の皺が深くなり今一度状況を訪ねようとしたところ今度は女装した“男頭(若頭)”が入ってきて。
この男には全くいい思い出がない。というより自分の中では“相手”を傷つけた敵だ。
馴れ馴れしい態度にカチンと来ては腰に手をやるも勿論“刀”はない。
この程度の痛みなら大したことないと立ち上がると若頭を背後から締め上げ「よくも抜け抜けと俺の前に顔を出せたな?殺されたいのか?」と声を低くして。

  • No.277 by 桐崎 繿  2015-01-25 21:06:04 




>露木

( 兄は豹変した相手の腕を若頭から解き『ちょっといきなりどうしたの!!!』と問い掛ける。
若頭はうるうると瞳を潤ませては『な…何でいきなり怒るの??…僕頑張って桐崎助けたのに』と。
若頭はまだぼんやりとする自分に口付けると能力を解き『桐崎からも言ってやって』と。
目を覚ましたのかと相手の頬に手を伸ばしては「………ごめん、…いや謝って許される事じゃないのは百も承知なんだけど………」と。
相手と揃いのピアスを出し「何度も捨てようと思った。………あんたを守る為ならって…でも出来なくて」と言いピアスを耳に通した所、その様子を珍しそうに見詰める相手に目が言ってはどうしたのだろうかと。
「おい、どうしたんだよ」
( 相手に問い掛けては肩を掴みジッと見捉える。
言葉もどこか固い印象を思わせ、テレビなどで見た江戸言葉を思い出しては頭でも打ったのかと。
「流石にこの時代にその口調は笑い物にされちまうぜ??…平成から江戸に行くってどんな反応すれば良いんだよ」
( 半ばからかう様に言うも相手の反応は嘘には思えず一度兄や若頭を病室の外に出しては向かい合う様にパイプベッドへと上がっては相手の頬を包み込む。
「ゆっくりで良いから何か思い出せ、…まずあんたの名前は??………俺は…桐崎繿だ。分かるよな??あんたと同じ敷地内の学校の高校三年生。………覚えてるか??」
( 記憶喪失というのも考えられるが兄や若頭の顔は覚えてる様子、掴めない状況に困りながらも相手に優しくゆっくり問い掛けて。

( ふおおおぉぉぉ素敵展開!!!(^q^)
興奮しましたごめんなさ(黙)
了解しました、ではでは久し振りの“露草くん”との絡み楽しみにしてます!!!( ˆωˆ )
訳わからん展開だなんて滅相もない!!!寧ろおいしすぎますよ(^q^)

  • No.278 by 露木 菊  2015-01-25 22:48:38 


>桐崎

(若頭の口付け後、銀髪の女が相手になったかと思えば驚く間もなく二人きりになり質問される言葉に眉間の皺は深くなるばかりで。
「……桐崎?……コウコウ?…あんたは“霧ヶ暮”だろ?……だいたいヘイセイって何だ。此処の都の名か?」
(解せないと相手を見返すもその困惑した表情と周囲の環境に可笑しいのは自分なのではないかと思い始め思案するように視線を横に流し。
「…俺は…菊露草…、寺子屋の師をやってる。…………別に何も忘れてない」
(見慣れない格好をする相手を見詰めるもやはり相手の表情は変わらぬまま怪訝そうで。
というより今更だが何故相手は自分に普通に話しかけてくるのか。
自分と相手は取り返しが付かぬほど戻れぬ仲になってしまった筈……。
もう相手とは目も合わせられないと思っていた……。
そう思った瞬間頬に添えられる手に自分の手を重ね切なげに相手を見詰め。
「……“爛”…なんだよな?…“薬”はもう大丈夫なのか?……何故俺に話し掛けてくれるんだ?」
(問い掛けるも話せば話すほど互いの疑問は深まっているようで段々自分が異物に思えてきて「……というよりさっきからあんたの言っていることが全く理解出来ない。…それに…耳に穴を開けるなんてどうかしている。……人の髪も勝手に切って………」と自分もピアス穴を開けて居て髪が自然の物などと知らずに述べてはもう一度自分の頬をつねって。
「……夢……ではないか……。……爛…俺が、おかしいのか?」
(困惑気味に尋ね相手が口を開こうとした瞬間、扉が勢い良く開かれたかと思えば青年が入って来て相手に飛びつき。
『兄さん!あー、良かった。…自分だって辛いくせにずっと露木についてるんだもん。露木は目覚めて元気そうだし兄さんは僕の部屋でゆっくり休もう!兄さんの好きなプリンたーーくさん買ってきたから』
(青年はつらい思いをしてきた相手がまだ恐怖が残っているだろうと明るく振る舞ってはビニール袋に大量に入った何種類ものプリンを見せつけて。
そんな青年の言動に謎は深まるばかりで首を傾げていると、外で待っていた兄が痺れを切らして入ってきて『とりあえず露木のことは医者には黙っておこう。絶対変な精神病院つれてかれるから。……繿も疲れてるでしょ?とりあえずみんなで寮に戻ろう』と相手に耳打ちして。
自分は説明がまだだと言いたげに相手や兄をやや険しい顔付きで見ていて。

  • No.279 by 桐崎 繿  2015-01-26 00:06:06 




>露木

( 兄の提案に頷くも相手を見詰め兎に角相手を一人に出来る筈も無く、しかし今寮に戻れば相手の混乱を増やしてしまうと若頭にマンションの一室を借りる事にして。
相手に向き直り青年が苦笑いをしては『タイムスリップ…ってやつだったりして』と。
しかし自分は相手の名前に聞き覚えがあり、それと共に“霧ヶ暮”と言う苗字も知っていて。
「………霧ヶ暮って………俺の先祖の名前だけど」
( まだ怪我の残る相手を気に掛けながら医者達に記憶の事を触れられる前にと若頭の車でマンションへと向かい初めて見る車の存在に害は無い物だと伝えて。
エレベーターにて最上階に到着しカードキーで部屋を開けてはまさか本当に…と相手を見詰める。
混乱もあるのだろうが怪しむ様にこちらを見詰める相手の肩をトン、と叩いてはゆっくりと説明して。
「………信じられないと思うけど…今は江戸時代から何千年も先の“平成時代”ってんだよ。刀を持つ事は罪とみなされ罪人になるしこの時代に刀は殆ど無い。今俺達が着てるのが普通の服だ」
( ゆっくりと説明しつつ幼少期叔父に話された事を思い出しては表情を緩め相手の警戒を解くように努め。
「………俺の叔父…まぁ親戚の家に古くからの家宝があるんだ。先祖の物なんだけど………真白い鞘の刀でな。…それと今はもう劣化してるけど上等な布で作られた黒い手ぬぐい………心当たりなんて…無いよな??」
( 叔父の家には様々な家宝があり、その中にあったのは相手(江戸時代の)に届く事の無かった手紙もあり慣れない字で書かれた“菊露草、我君と共に永遠の幸を誓おう”と言う文字を思い出しては“菊露草”の存在を女だと勘違いしてた幼少期の自分を思い出す。
確信を得る為にも能力を見せようとまだコントロール慣れしてない能力を解放し、過去の自分と一切変わらない狼の姿で相手に向き直っては人姿に戻り。
「………あんたは何を知ってるんだ」
( 手を握り問い掛けてはう-んと顔を顰めてた青年が話を割り『大学の出席日数にも関わるし…露木が落ち着いたら寮に戻らないとね』と。

  • No.280 by 露木 菊  2015-01-26 01:44:15 


>桐崎

(見慣れぬ物と理解出来ない情報が多すぎて頭が痛くなりそうになるも相手の丁寧な説明と見せられた能力のお陰で俄に信じがたいが状況を飲み込むことができ。
それと共に相手は自分が上げた手拭いを最期まで持っていてくれたのだと知り胸が熱くなる。
そして恐らく…あくまで願望だが目の前の相手は、ナツと爛の子が無事育ち巡り巡って生まれた子なのではと。
そう思うと無性に愛おしく思え…いや、と言うより“相手”にしか見えなく湧き上がる感情を抑えきれなくなれば相手の問いに答える前に突如強く抱き締めて。
「……そうか……ナツは無事に…、…良かった……本当に良かった」
(涙が溢れそうになるのを確固たる矜持で抑え込み述べるも、今の相手にこんなことを言っても不可思議でしかないとそっと身を離して「……すまない。…感情的になった。…………俺が話せることを話す。…ただ、あんたと二人でゆっくり話したい」とまっすぐな瞳で述べ青年に断りを入れて二人にして貰い。

(それから数時間、何度か言葉に詰まりながら相手のことや自分たちに起こったことを話す。
そして“相手(爛)”にはどうしても言えなかった愛の気持ちを恥じらうことなく何処か切なげにそこはかとなく穏やかに微笑み告げてはフゥと息を吐いて。
「…あんたに話すと変な感じだな。……彼奴にもこれだけ素直に話せればいいんだが…。色々な事が同時に起きすぎて……」
(微かに眉を下げ述べるもこのままではまた暗い雰囲気になってしまうと、小さく笑んでは相手の頬を軽く抓り「…餓鬼だ餓鬼だと思ってたがこの時代のあんたはもっと餓鬼だな。というより阿呆面だ。どうせ何処に言っても女に言い寄られてるんだろ?」と喉で笑い褒め混じりのからかいをする余裕を見せ。

(その後、平成時代や“露木菊”について色々教えられて相手が寮に戻るというところ、どうしても若頭の家には居たくない(居たら殺したくなる)と我儘を言いちゃっかり相手の部屋に上がり込む。
相手がつい最近まで辛い目に合っていたことなど知らずに兄や青年が相手を心配するのを横目に部屋の中を物色しては見るもの触るもの全てが真新しく新鮮で“此れは何か”と聞こうとするも3人の話を邪魔する訳にも行かずになんとなく簡易キッチンに向かう。
そして飽きもせず蛇口から水が出てくるのを眺めては、ふと少し離れた台の上に相手の携帯を見付け一体何に使うのだろうと眉を寄せる。
数分後、イヤホンの差込口に水を入れるものだと阿呆な発想をすると流しっぱなしだった水に携帯をかざそうと。

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